12年越しの伏線~脇田を昏睡状態に追いやった意外な女性とは~

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RUM候補の中で唯一過去に関する描写が一切なく謎に包まれた脇田兼則ですが最近掲載された「屋根裏密室事件」で彼の過去に迫る伏線が確認できました。

しかもそれは青山先生が実に12年前から仕掛けている巧妙な伏線だったんです。

 

◆脇田はやはり昏睡状態だった可能性が高い

ミステリー好きという設定でありながら工藤新一を知らない。

また眼帯をしているのは左目ですが実は右目の視力が低下していると考えられる描写がある。

この2点から彼が事件や事故により最近まで昏睡状態にあったのではないかと推測して以前記事にしました。

それを裏付けるように「屋根裏密室事件」で脇田はスーパーアイドル沖野ヨーコを目の前にしても全く驚いた様子を見せていませんでした。あの江戸っ子口調でヨーコの容姿や人気ぶりを讃えるのが本来の脇田らしさというものではないでしょうか。

有名人を前に脇田が見せた冷静さは彼は沖野ヨーコを知らない、やはり最近まで昏睡状態にあったという考察を補強する事ができます。

では脇田が昏睡状態に陥った原因は一体何なのか。

それを紐解くカギが脇田の登場前に描かれたある事件にあります。

脇田はある事件の被害者だった可能性が極めて高いと言えるんです。

 

◆脇田の過去に迫る3つの扉絵

脇田の過去を考察する上で外せないのが3つの扉絵です。

1つ目は脇田の初登場となる92巻「江戸っ子探偵!?」

2つ目は87巻「BLOG」、そして3つ目が63巻「回る凶器」です。

注目ポイントはこの3つの扉絵が非常に似通っている事。

どれも食べ物を口に運ぼうとするコナンが描かれています。

コナンの表情、構図も3つともあまりに似すぎている。

特に「江戸っ子探偵!?」と「回る凶器」はイラストを使いまわしたのかと思うほど酷似しています。

確実に意図的であり伏線です。

そう断言できる理由として「回る凶器」は回転寿司屋で発生した事件にも関わらず扉絵は寿司が寿司ゲタにのせられています。本来は回転寿司屋を意識した描写になるべきです。

またこの事件の中で「江戸っ子なら寿司はいい店で」といろは寿司を思わせる台詞や眼帯をした脇田を連想させる腕を痛めた職人も登場しています。

RUM編はこの頃にはすでに構想があったとされています。

青山先生は63巻の「回る凶器」の時点で回らない寿司屋に勤務する江戸っ子口調の人物、脇田兼則というキャラクターを作り上げていた事が窺えます。

つまりあまりに似通った「江戸っ子探偵!?」「BLOG」「回る凶器」の3つの扉絵は脇田兼則という人物を考察するための伏線の役割を担っているわけです。

 

◆「ブログ女優の密室事件」の伏線

では扉絵で表されている脇田の過去とは一体何なのか。

まず3つの扉絵の1つ「BLOG」に注目してみましょう。

脇田の初登場は92巻。「BLOG」は87巻に収録されている事件なので脇田が登場するより前のエピソードです。

この事件は「ブログ女優の密室事件」というタイトルでアニメ化されています。

「ブログ女優の密室事件」

北見沙弥、庄野杏奈という2人の女優が登場。

庄野が北見に「あなたの秘密をブログにアップした」と語りそれを受けて北見は庄野を殺害。

被害者の庄野はブログに漫画本が陳列された本棚をアップしていた。

その中に映っていた漫画の1つが「恋のヒット&ラン」。

ヒット&ランは日本では野球用語だが外国での意味はひき逃げ。

北見は2年前酔っぱらった中年の男性をひき逃げしていた。

彼女はひた隠しにしていたひき逃げを暴露された事を殺害の動機に挙げていたが実は庄野が掴んだ北見の秘密とはひき逃げでなく北見が年齢をサバ読んでいた事。

「恋のヒット&ラン」の隣にある漫画で北見が年齢をサバ読んでいるという暗号を作っていたのが真相だった。

この事件はコナンを語る上で欠かせない年齢を偽るという事やRUM候補の1人である黒田と灰原が初対面した事、何よりも犯人の部屋が504号室という点に注目しています。

これは組織のボスである烏丸蓮耶を数字にした1008のちょうど半分。ボスが烏丸であると判明したのも1008話です。

作中で504という数字が強調されている印象を受けるのでこの事件は考察する上で極めて重要なエピソードと考えられます。

私は以前からこの事件の犯人である北見がひき逃げした酔っ払いの中年男性こそ脇田ではないかと考えていました。

なぜなら先述の通りこの事件のシリーズ1話目の「BLOG」の扉絵が脇田初登場回の扉絵と似通っていた事、そして北見のひき逃げに関しての描写が全く無いという不自然な点があったからです。

事件の動機となった過去の出来事がどんなに些細な内容であっても黒い背景と共に描かれるのがこの作品では普通です。それがこの事件では見られませんでした。

この事から北見にひき逃げされてしまった男性は物語の重要な人物の為描くことができなかったのではないかと推測していたんです。

とは言えつい最近までそう断言できる描写はありませんでした。

ですが「屋根裏密室事件」で北見にひき逃げされた人物は脇田で間違いないと考えられる細かなパーツがついに揃ったんです。

 

◆脇田の過去を紐解く「ヒットと野球」

脇田のメイン回は現在までに3回あります。

「となりの江戸前推理ショー 92巻」「長野廃教会事件 97巻」「屋根裏密室事件」です。

この3つには共通するあるワードがあります。それが当たりです。

「となりの江戸前推理ショー」では馬券が当たる、「長野廃教会事件」ではクジが当たる、「屋根裏密室事件」では食あたり。

このように脇田は当たるという言葉とセットで描かれている事が分かります。

そして「長野廃教会事件」と「屋根裏密室事件」では野球が登場しています。

つまり脇田は「当たり」「野球」に何かしら縁がある事になります。

当たりは英語でヒット、そして野球。

まさに「ブログ女優の密室事件」のひき逃げ=ヒット&ランを象徴するワードです。

さらにひき逃げ事件を起こした犯人の北見沙弥の名前も伏線になっています。

北見沙弥(KITAMI SAYA)のMをWにすると次の単語となります。

WAKITA ISYA(脇田 医者)

北見にひき逃げをされた結果脇田が医者を必要とする事態に陥ったと推測できます。

また以前このブログでRUM編を紐解く鍵として東京消防局の通話コードが重要なのではないかと記事にしました。

少年探偵団が通話コードの数字を駆使して事件を解決する「緊急事態252 72巻」は新一が蘭に告白をした次のエピソードという事もあり通話コードの数字は考察する上で大きな意味を持つと考えています。

▼記事はこちら

ここで注目なのが北見がひき逃げしてしまった相手を表すことのできる通話コードが存在するという事です。

北見「2年前に私…車で人を轢いちゃったのよ…酔っぱらったどこかのオジサンを…」

元太「今度は655!」

光彦「泥酔者…ベロベロに酔っぱらった人の事ですけど…」

彼女がひいてしまった相手の男性は酔っ払い、つまり泥酔者で通話コードの数字にすると655となります。

では655と脇田には何の繋がりがあるのか。

実は脇田初登場回の「江戸っ子探偵!?」の扉絵と瓜二つの扉絵である「回る凶器」のFILEナンバーが655なんです。

よって意図的に似せている3つの扉絵の意味するところは以下の通り。

「回る凶器」➡FILE655。通話コードの655は酔っ払い。扉絵、内容共にこの後に登場する脇田の存在を示唆

「BLOG」➡脇田 医者のアナグラムになっている人物が酔っ払い(通話コード655)をひき逃げ 

「江戸っ子探偵!?」➡視力が低下しており何らかの事故に巻き込まれた伏線が張られている脇田が登場

3つの扉絵がついに1つの物語になりました。

「回る凶器」が収録された63巻が発売されたのが2008年。

脇田のひき逃げされた過去は実に12年の歳月が費やされている伏線なんです。

今になって振り返ると脇田初登場回の彼の台詞がちゃんとヒントになっていますね。

客「あら…前の店員さんは?」

脇田「交通事故で大ケガして…入院してるらしいですぜ?」

脇田「ご主人店先で酔っ払いにからまれやして…その時コケて」 

これは脇田の実体験だったわけです。

彼はひき逃げの被害により眼帯のある左目とは逆の右目を負傷したのでしょう。

長きにわたる伏線と言えばベルモットが務武を知っていると明かされたのはつい最近ですがその伏線が確認できるのは13年前に発売された58巻です。

RUM編が壮大なストーリーである事がよく分かります。

▼記事はこちら

◆脇田はRUMではない

脇田が北見のひき逃げの被害者である事は間違いないと思います。

だとすると彼の正体がRUMと考えるのは難しくなります。

なぜなら犯人である北見は警察に事件の真相、つまり自分が2年前に中年の男性をひき逃げしてしまった過去についても洗いざらい白状したはずです。

もちろん事故を起こした場所や正確な日付など持っているひき逃げの情報の全てを。

そして北見は有名人。彼女の話した内容は全てマスコミを通じて世間に知れ渡り、当然脇田の耳にも届きます。

脇田はその情報から自分をひき逃げしたのが北見であると気付ける条件が整っています。

RUMは組織内でも別格の大物。

彼がRUMなら自分をひき逃げした人物には組織の力を使い何らかの制裁を加えるのではないでしょうか。

現時点ではそれが確認できませんからこのブログで提唱している通りやはり彼の正体はRUMではないと考えられます。

 

◆なぜ昏睡状態は2年なのか

「となりの江戸前推理ショー」の馬券、「長野廃教会事件」のクジだけでは「当たり=ヒット」以外に「運」や「当たり外れ」というワードも視野に入れた上で考察しなければなりませんでした。

ですが「屋根裏密室事件」に登場した食あたりに関しては「運」や「外れ」は関係ありません。

この事件で初めて脇田=ヒットという図式が完成したのです。

そして脇田のメイン回に立て続けに登場した野球がやはり決定打でした。

脇田とヒット&ラン=ひき逃げがここにきてようやく繋がりを見せました。

彼が北見のひき逃げにより昏睡状態に陥ったのは間違いないと思います。

昏睡状態といえば思い浮かぶキャラクターは黒田兵衛。

ですが北見のひき逃げは2年前ですから脇田が昏睡状態にあった期間は2年間。

黒田が眠り続けていたのは10年ですから脇田の正体は本物の黒田ではありません。

以前私は脇田は現在の黒田と入れ替わる前の本物の黒田兵衛だったのではないかと記事にしました。

実はその記事を書いている時から北見が2年前に起こしたひき逃げの被害者が脇田である可能性を考察していた事に加え何よりも彼の正体が本物の黒田では今までの自分の考察と合致しなくなるので「脇田の正体が本物の黒田兵衛説」が自分の中で経ち消えて救われました(笑)。

記事の投稿の時点では北見のひき逃げの被害者という確信が得られなかった為脇田は本物の黒田だった説しか書けなかったわけです。

あの記事から3か月も経たずして状況が一変しましたね。

▼記事はこちら

脇田は2年前、北見にひき逃げされ昏睡状態に陥り最近になって目を覚ました。

新一が世間にその存在を知られるようになったのも最近の話ですし沖野ヨーコも2年前であれば今ほどの知名度はなかったと考えることはできます。

だから脇田は工藤新一を知らず沖野ヨーコに関しても情報を持ち合わせていない可能性がある。

脇田の昏睡状態が2年で最近目を覚ましたのなら新一やヨーコを知らなくても全く矛盾はしません。

ではなぜ2年間という数字となったのか。

もちろん特別な意味は全くない可能性も十分考えられます。

ですが2年前と言えば赤井が組織から離脱した時期と一致します。

ここに絡めての設定という可能性も否定はできません。

赤井の父の務武は生死不明の状況ですがもし生存しているのならやはり黒田か脇田のどちらかと言えそうです。

脇田の正体が務武であると考えることのできる要素も実はここにきて増えてきています。

脇田=務武の可能性についても近々記事にまとめます。

 

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「屋根裏密室事件」ーやはり脇田はRUMじゃないー

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「屋根裏密室事件」全3話

今回は沖野ヨーコが持ち込んだ事件を探偵事務所でコナンと脇田が解くという話。

RUM最有力とされる脇田の突然の登場には驚かされました。

事件現場に足を運ばなかったのは現在の社会状況への配慮ではという意見もあるそうですがその可能性は高そうです。

脇田登場にも関わらず長編でなく3話で終了となったのもその影響かもしれません。

とはいえ随所にRUM編の進展が見られましたね。

◆やはり脇田はRUMではない

このブログでは脇田RUM説完全否定をしていますがこの事件も脇田がRUMではないことを細かな伏線で表していました。

▼ババ抜き

脇田のメイン回「長野廃教会事件 97巻」と今回の事件、立て続けにババ抜きが登場しました。

ババというのはラム酒を使ったお菓子の事。

ババ抜きはラム酒抜きの意味に置き換えられます。

▼バターサンド

小五郎がバターサンドで食あたりになっていしまいましたがバターサンドは食あたりのアイテムとしてはどうにも引っ掛かります。

という事で小五郎の食べたバターサンドをよく見てみるとクリーム以外何も挟まっていません。

バターサンドはラム酒漬けのレーズンを挟むのが一般的。

よって小五郎が食べたのはバターサンドのラム酒抜きだった事が分かります。

 

ババ抜きもバターサンドもラム酒抜き➡脇田はRUMではないという細かな伏線なんです。

▼めばちマグロ

脇田が持参したお寿司の中にあったのはめばちマグロ。

目がぱっちりしていることが名前の由来の魚です。これは脇田の隻眼を否定するもの。

ものもらいを意味する「めばちこ」と掛けている可能性はありますが脇田は目にできものがあるという設定。ものもらいの意味の台詞ならそれは伏線でも何でもないはず。

まあこれは脇田≠RUM説の人間視点ではあります(笑)。

 

脇田=RUMだけどミスリードで青山先生がこのように描いたというのは考え難いです。

現時点で読者の間では脇田=RUMが定着している状態。

この状況下でミスリードを仕掛けるなら大胆に行わないと意味がありませんから。

これらの細かな描写で脇田≠RUMを巧みに演出しているんです。

 

◆両者が手にした大きなピース

コナン「し、新一兄ちゃんからそう聞いて…」

コナンは自分の推理力を隠す為とっさに新一の名前を出しました。

この言葉への脇田の反応が描かれなかったのは気になりますね。

脇田は工藤新一生存情報を掴むとすぐに工藤邸周辺に姿を現していました。(95巻)

ですが世間的には工藤新一はこの世にいないという形となっています。

脇田は情報流出当初は新一に心当たりがない様子を見せていましたがその後徹底的に調べたでしょう。

もちろん目の前にいる蘭が新一と同じ高校という事も把握している。

この台詞だけでは新一=生存とはなりませんがコナンと新一の結び付きは脇田の脳裏をよぎったはず。

脇田「まあ、そこに在るべき物が無くなっていると…気になりやすからねぇ…」「そう…例えば…」「将棋の駒とか…」 

RUM最有力とされている脇田ですが実はこれまで彼と羽田事件を結ぶものはあまり見られませんでした。若狭留美アナグラムに反応していたくらいです。

ですがこの言葉で脇田も何らかの形で羽田事件と繋がっている事が確定。

将棋の駒は羽田事件で唯一現場から紛失しているもので現在は若狭が所持。

コナンは若狭がポケットに何か忍ばせている事に気付いています(93巻)。

これが将棋の駒だという事にたどり着いている可能性はありそうです。

となると「将棋の駒」を口にした脇田にコナンが疑惑の目を向ける展開が予想されます。

何しろRUM候補の中で脇田だけコナンから全く警戒されていない人物でしたからこの展開は楽しみですね。

またとても気になるのが灰原がコナンと駒の情報を共有するかどうか。

「牧場監禁事件」で若狭は安室に暴力を振るい気絶させた上で駒を奪還するというかなりの暴挙に出ています。

安室の気絶の原因は転倒という事になってはいますが灰原は全ての真相を知っているかのような描かれ方でした。

脇田の言葉を受けてコナンが灰原に将棋の駒について心当たりがないか探りを入れた場合灰原がどのように対応するのか。

ただでさえ灰原が若狭を好意的に思っている理由は謎。

若狭はRUM候補でありかつ殺人の気配を察知しながらそれを放置した人物。

その若狭を「いい人そうだから」という理由だけで信頼するのは推理物としても合点がいきません。

灰原が想いを寄せている男性よりも付き合いの浅い若狭を取るとなれば考察すべきテーマとなりそうです。

コナンは「紛失した将棋の駒」、脇田は「工藤新一とコナンの繋がり」。

それぞれが一歩前進する大きなピースを手に入れた形と言えます。

 

◆脇田とゾンビの繋がり

今回の事件で注目すべきことは事件の内容が「ゾンビが囲む別荘 88巻」と類似点があまりに多い事です。

▼沖野ヨーコの登場

▼小五郎がお腹を壊し戦線離脱

▼トイレットペーパーが重要ポイント

▼事件場所が廃れた貸し別荘

▼被害者が忽然と姿を消す

▼遺体発見のタイミング

(ゾンビ事件では捜索から4日後の朝、今回は4日目の朝)

▼兄弟の片方が死亡

(ゾンビ事件では弟、今回は兄)

事実脇田は初登場時(92巻)このゾンビ事件について触れています。

また彼の初登場時、小五郎の健康状態を注意する蘭の台詞にも注目。

「間食はダメよ!お医者さんに内臓脂肪が付きすぎって言われてるんだから!」

「お父さんはダメよ!尿酸値とコレステロールがヤバ気味なんだから…」

上がゾンビ事件、下が脇田初登場時の蘭の台詞です。

この台詞は意識して言わせているはず。

ゾンビ事件と脇田の存在には繋がりがあると考えてよさそうです。

ちなみにゾンビとはラムベースのカクテルの事。

CIAからのNOCであるキールはカクテルなのでここで脇田≠RUMを暗示している可能性もありますがカクテル=NOCと断言できる材料は現時点では全くありません。

ですが作者がゾンビと脇田を結び付けているのは確実でしょう。

これについてはまた別に記事にしたいと思います。

 

◆脇田昏睡状態の伏線

脇田は最近まで昏睡状態だったのではないかと考えています。

▼記事はこちら 

今回この考察を補強できそうな描写がありました。

脇田は目の前にスーパーアイドル沖野ヨーコがいるにも関わらず全く驚いていません。

関心がなくともお世辞でも驚くのが普通です。

脇田「アイドルの沖野ヨーコさんがドラマのロケハンで行った…」

 「アイドルの」と付け足しているあたりやはり彼は沖野ヨーコを知らないのではないでしょうか。

この描写で昏睡状態だったという考察に自信が持てました。

 

◆両利きは確定

脇田は基本的に右利きではあるが左手も多用する人物と記事にしました。

▼詳細はこちら

今回脇田は沖野ヨーコからスマホを受け取る際左手だったので彼の両利き(基本は右利きだが左手もよく使う)は確定と言える段階になりました。

彼と何らかの繋がりを持つ安室も利き手が不明のキャラクター。

基本は右利きでも特技であるボクシングの攻撃は左というのが安室のスタイルです。

これは原作、スピンオフ、アニメ、劇場版と一切ブレていません。

脇田も攻撃は左で行う可能性が高いですね。

脇田が黒田か若狭のどちらかの眼球を負傷させたのかもしれません。

一方若狭の体の傷跡ですが彼女の左半身に集中している事から右利きの人物の攻撃を受けたと考えられます。

よってこの傷をつけたのが脇田の可能性は低いというのが私の推理ですがまだ決定打に欠けますね。

コナンの作中では利き手の法則が絶対。

利き手が不明という設定は物語上必ず大きな意味を持っています。

彼の利き手とRUM編がどのように交差するのかも注目です。

 

◆黒田と脇田は同一人物?

黒田には影武者がいてその影武者を脇田が演じている。

つまり黒田と脇田は同一人物と考えています。

▼記事はこちら

※以下は過去の記事で現在はRUM編について再考察中です。

考察内容は現在は変化しているものが多いですが脇田が黒田を演じているという推理は変わりません。

「長野廃教会事件」「屋根裏密室事件」と脇田のメイン回に立て続けに野球とボーガンというワードが登場しました。

黒田の登場した「標的は警視庁交通部」では犯人の凶器は野球のバッドとボーガン。

これら3つの事件に共通点する野球とボーガンは黒田と脇田は同一人物という伏線になっているのかも。

またこの3つの事件に共通するキーワードはもう1つあります。

それは2人1組のペアで行動するという事。

これも黒田は2人で1人という意味に繋がっているのかもしれません。

 

◆「負傷した男性のエース」はRUMか

今回の事件はエースと呼ばれている骨折した男性が登場しました。

「燃えるテントの怪 93巻」では片目を負傷したバスケ部元エースの男性が、「長野廃教会事件 97巻」では肩を負傷した野球部のエースの男性が登場しています。

今回の事件と合わせて「負傷した男性のエース」はRUM編を紐解く新たなキーワードと言えそうです。

若狭の体の傷に関する伏線という可能性もありますがRUM候補全員が「負傷した男性のエース」を絡めて描かれている事から若狭というよりもRUMに関するヒントと考えるべきかと思います。

つまり「負傷」とはRUMの隻眼を指している可能性があるのかと。

続いてエース。これはRUMは組織におけるエースであるとも取れますがNo.2の座を持っている時点でエースと呼べるのでこれでは伏線の意味をなさない気がします。

コナン「エースって「1」の事だから…」

黒田=RUMを推している私としては公安トップの可能性がある黒田を指しているのではと疑ってしまいます。

或いは警察など正義の立場のエースが組織に寝返ってしまった可能性ですね。

NOC=正義という考察は必ずしも成り立たないと思います。

NOCとして組織に潜入したものの悪に染まってしまった人物がいてもおかしくはありません。

とはいえ今後「負傷した女性のエース」が登場する展開もあり得るのでRUM=男性と断定する材料としては現時点では適切とは言えません。

 

◆脇田は英語に精通している?

脇田「そいつは「ATTIC」!屋根裏部屋の事でやんすよ!

これは脇田が英語に精通しているという伏線かもしれません。

これのみでは深読みの必要はないかもしれませんが実は今回、別の台詞でも彼と英語を結び付けているものがあります。

これについてもゾンビ事件とまとめて記事にします。

 

◆安室と小林先生は繋がっているのか

事件の最後、安室は若狭と小林先生の写った画像を見ていました。

彼は「牧場監禁事件」以降若狭に注目していると言えそうです。

この写真の奇妙な点は2人ともカメラ目線に見える事。

以前の記事で安室と小林先生が初対面のふりをしたのは何かの伏線ではないかと綴りました。

▼「牧場監禁事件」の記事はこちら

小林先生が若狭先生との写真を自撮りし、安室に送信したと考えると腑に落ちる画像ではあります。

この2人には何か繋がりがあるのかもしれません。

事実安室目線で推理すれば自分を気絶させた可能性のある人物は小林先生と若狭の二択です。

ですが安室のスマホを見る限り彼の関心は若狭に集中している事が分かります。

なぜ彼は小林先生が自分に危害を加えないと信じているのか非常に疑問です。

確かに若狭は犯人を撃退しマスコミに自分の顔と名前を報道されています(92巻)。

この報道ですが若狭がマスコミにどのように報じられたかという具体的な描写はありません。

犯人を撃退したという記事は確認できますが暴力で制圧したという内容だったのかは読者には明かされていないんです。

レポーター「たった今取り押さえた所なんですね?」

若狭「いえ、私は突き飛ばされて転んだだけで…」

彼女が犯人を撃退したのは事実ですが若狭はこの事実を否定しています。

撃退という見出しがあるだけでその報道内容は実は不明瞭。

大袈裟な見出しが躍っているだけで若狭の言葉通り自分が転んだ結果犯人が気絶したという報道かもしれません。

安室がこの報道だけで自分を気絶させたのは若狭に違いないと判断する材料としては疑問が残ります。

彼が小林先生と連絡が取りあえる間柄で彼女を信頼しているという事なのかもしれません。

と言っても2人が「マリアちゃんを探せ! 95巻」のすぐ後に出会っているという設定はスピンオフでの話。

読者の中には原作とスピンオフは別物と考える人も多いので深読みの必要はないかもしれません。単に安室の隠し撮りの可能性も十分あり得ます。

ですが私はどうにも気になる点なので今後も深読みを交えつつ考察していきたいですね。

 

◆10年以上前からの伏線の回収

今回の「屋根裏密室事件」では青山先生が10年以上前から仕掛けていた伏線の回収をスタートさせています。

RUM編はかなり早い段階から伏線が確認できますが10年以上の歳月をかけて明るみになる真相が実に巧妙で感動させられます。

私がブログに記した考察が的中している可能性が高くなったのでうれしい限りです。

この伏線についてもまた記事にします。


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若狭はMI6とCIAの二重スパイか

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若狭留美はMI6とCIAを兼任しているのかもしれません。

今回は黒田と若狭の素性について考察します。

◆若狭留美の資金源の謎

若狭は高層マンションで生活しています。

これは彼女が小学校の教員として得ている給与以外に資金源があるという事。

そして彼女は大資産家の御曹司であり17年前に謎の死を遂げた羽田浩司と交流があったと考えられる人物。

これまでは彼と親しかった若狭を心配した羽田の遺族が彼女の生活を援助している可能性を考えていました。

事実羽田家と交流のある赤井家は羽田家から資金援助を受けている可能性が極めて高いと言えます。

真純「昔から世話になってるパパの友人が金持ちなんだ!」 83巻

メアリー「お父さんの友人の羽田さん覚えてる?」 98巻

赤井家と同様、若狭も支援を受けている可能性を考えてきました。

 ですが「牧場監禁事件」で羽田の遺族が羽田浩司の所持品で唯一行方が分からなくなっている将棋の駒の持ち主が犯人に違いないと考えている事が明かされました。

この駒は現在若狭が持っています。

 

仮に羽田浩司を殺害し、駒を持ち去ったのが彼女であっても羽田家と交流があるのなら真実を煙に巻き堂々と駒を所持することができるはずです。

よって現在若狭は羽田家と交流が無いと考えられます。

では彼女の潤沢な資金源は一体どこからくるものなのでしょうか。

作中に張られた描写からその資金源を探ります。

◆若狭の正体はMI6?

若狭の所属はMI6ではないかと考えています。

彼女のメイン回「白い手の女 92巻」ではコナン達が一休さんの劇をする事になりました。

また彼女の名前がマスメディアに報じられた際の脇田の反応がこちら。

脇田「こいつァトンチが…利いてるねぇ…」 92巻  

これは恐らく一休さん=193=319=MI6に繋げている

彼女がMI6に所属している、あるいは所属していた過去があるという伏線なのだと思います。

またこのエピソードで彼女は虎の絵を描いています。

MI6は時にサーカスと呼ばれますが虎と言えばサーカスに登場する動物の代表です。

これも若狭がMI6であるという暗示なのかもしれません。

更にメアリーは少女化してからも連絡を取り合うMI6の仲間がいる事が明かされていますがこの仲間はコナンの正体が工藤新一である事に辿り着ける条件が揃いすぎています。

そして若狭は初登場時からコナンの正体にほぼ気付けていた状態。

加えて彼女はメアリーと繋がりがあると考えられる描写も多々見られます。

メアリーの仲間のMI6こそ若狭の可能性があるのではないでしょうか。

 

◆若狭はCIAも兼任か

若狭の正体はMI6である一方でCIAでもあるのではないかと考えています。

つまりMI6とCIAを兼任している可能性があると思います。

若狭のメイン回「山菜採り 97巻」には暗所閉所恐怖症の下着姿の女性が登場します。

これはCIAの部隊、IMFを題材にした作品に登場する閉所恐怖症でお色気担当の女性キャラクターを意識している事は間違いないはず。

ここから若狭はCIAでもあるという可能性が浮上します。

そしてこの時被害者となった男性は結婚詐欺師。

コナン「その人…会う人によって名前や職業を変えなきゃいけない事をやってたんじゃない?探偵とか…潜入先に溶け込みやすい人間に成りきるスパイとか…相手を騙しやすい人物に成り済ます…詐欺師とか…」 97巻

コナンの言葉はそのまま若狭の立場を表しているのではないでしょうか。

ちなみに「牧場監禁事件」は若狭のメイン回ですがここでも詐欺師という言葉が登場しています。

若狭は複数の顔を持っている。つまりMI6でもありCIAでもある。

二重スパイ三重スパイというのは現実世界でもある話です。

彼女ほど優秀であればスパイ活動も難なくこなせそうです。

忘れがちですがCIA所属のキールは自分を手助けしたFBIよりもCIAとしての活動を優先する事を条件に組織に戻っています。

赤井「奴らの情報をCIA本部に報告した後で、FBIにも流すという事で話をつけましたから…」  

キール「いかなる場合でも父の…CIAの任務を優先させるから…」 58巻

 FBIの元にキールからRUMが動き出したという報告がありましたが彼女はあくまでもCIAを優先している立場。

よってCIAの人間には赤井達よりも早くRUMの情報が伝わっている事になります。

若狭がCIAであるのならこのメールをかなり早い段階で入手していたと考えられます。

またコナンはキールとFBIの前では自分の推理力を全く隠していない。

キールはCIA本部に組織に戻る経緯を報告する上でコナンの存在を伝えている可能性は否定できません。

メアリーの仲間のMI6がやたらとコナンに詳しいのもこの人物が元々CIAサイドからコナンの情報を得ていたと推理できなくもない。

この人物こそ若狭なのかもしれません。

◆若狭は組織からMI6&CIAへ?

灰原が若狭から組織の気配を感じ取った事から彼女はかつて組織の一員であった可能性が高い人物です。

ですがベルモットは過去のNOCに若狭の名前を挙げていません。

つまり考察通り若狭がMI6やCIAである場合、そこからNOCとして組織の一員となった可能性は低いはず。

ベルモットが務武に成りすましMI6入りを目論んでいた事が明らかとなっていますが組織の一員であっても事情によっては組織を壊滅する立場になる事は有り得るわけです。

若狭もMI6やCIAの目を欺き組織命令で潜入したのかもしれません。

深読みすればベルモットがMI6に潜入する目的は若狭の調査なんて事もあるかも。

もちろん組織を抜けた後にMI6やCIAに所属する事になったケースも考えられます。

この場合若狭は組織を壊滅したいという思いから正義の立場に身を置きながら策を講じていた可能性があります。

◆若狭とジョディの共通点

ジョディはかつてFBIである事を隠し英語教師として作中に登場しました。

彼女はその素顔が明らかになる前高層マンションで生活している描写を織り交ぜることで教員の給与以外に資金源がある事を読者に伝えています。

また彼女は正体を明かす前は風変わりと見なされる人物を演じていました。

これらは若狭留美に共通する事です。

彼女はジョディと同じく高層マンションで生活していますし子供達からはドジな先生と思われています。

ですが彼女の本性はドジどころかコナン顔負けの推理力の持ち主であり、また抜群の身体能力を誇る喧嘩っ早い性格と言えます。

若狭の裕福な暮らしや本来の性格を偽っているところはジョディに共通するものです。

表向きは教師、しかしその正体は潜入捜査官。

本当に若狭にこの設定があるのならジョディとの共通点も腑に落ちるものがあります。

 

若狭がMI6とCIAの兼任という考察は彼女の潤沢な資金源を説明する為には今のところそれほど矛盾はないかなと判断しているだけでまだピースが足りないというのが正直なところです。

今後の展開によっては資金源に関して全く異なる推理をするかもしれません。

ですがこの考察ならCIAの任務を優先するという赤井とキールの契約も生きてきますし作者も今後キールが活躍する可能性を匂わせているのも頷けます。

若狭とキールが水面下で繋がっているのであればまたそれらしい伏線が確認できるはずなので要チェックですね。

YouTubeチャンネルにコナンの考察動画をUPしています。

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RUM編再考察中のお知らせ

 RUM編再考察中のお知らせ

 

「牧場監禁事件」で安室が羽田事件を全く調べていない事が明らかとなりました。

 

羽田事件はRUMの正体を解明する上で必要不可欠なものです。

黒田も脇田も若狭の名前が報道された際、意味深な反応をしているのでこの2人は若狭に関する大きな情報を持っている事は間違いありません。

ですが黒田、脇田2人とも安室と何らかの形で繋がっているにも関わらず羽田事件に関する情報を安室に渡していないのは私の中でかなり驚きでした。

 

これがきっかけで自分の中でもっとRUM編を深く考察する必要があると感じ、現在RUM編を再考察中です。

 

「牧場監禁事件」の衝撃で考察の難しさを痛感させられましたがこれを機に原作を何度も読み返した事で新たな伏線も複数見つける事ができています。

むしろ読めば読むほどこれまでブログに記してきた「黒田には影武者がいる」「脇田はRUMではない」といった推理に自信が持てるようになりました。

ですがこの点以外にやや修正する箇所も出てくるかもしれません。

 

読者の間では脇田=RUMはもはや定説。

その中で脇田がRUMの可能性はゼロという私の考察はかなりの少数派になっていますが自信はあります。

再考察の中で彼がRUMである事を否定する伏線も複数確認できました。

つい最近掲載された脇田のメイン回「屋根裏部屋事件」においても彼がRUMである事を否定する細かな伏線がありました。

間違いなく脇田はRUMではありません。

 

梓が物語の重要人物など、私の考察はかなり個性的と度々指摘を受けますが今後も独自の視点を大切にしながら考察を楽しみたいと思います。

「変わった考えの読者もいるもんだなぁ」程度のお付き合いで構いませんので今後ともよろしくお願い致します。

 

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脇田が昏睡状態にあった伏線 脇田は本物の黒田兵衛?

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読者の間でRUM最有力候補とされている米花いろは寿司の板前、脇田兼則。

彼は比較的最近まで昏睡状態にあったのではないかと推測しています。

今回はRUM候補の中で最も謎に包まれた彼の過去を考察します。

◆工藤新一を知らないという謎

脇田(新一?) 95巻

SNS上に工藤新一の生存情報が拡散された時の脇田の反応です。

ここから分かるのは脇田が工藤新一の存在を全く知らない事。

これはとても奇妙と言えます。 

脇田「アッシ、小せぇ頃からミステリーってヤツがでェ好きでよォ!」

「あんたがこの店のお隣さんって聞いてから会いたくってしょうがなかったんだからよ!」 92巻

 脇田が一般人という展開は当然あり得ません。

彼は何らかの意図で素性を隠し「脇田兼則」というキャラクターを演じています。

その彼が生み出した「脇田兼則」はミステリー好きという設定。

ですがミステリー好きな人物が世間に名の知れた工藤新一を知らないというのはおかしな話です。

本来の彼がミステリーに微塵も興味がなくともミステリー好きという設定を用いている以上新一の事を把握しているのが当然です。

彼の正体がRUMであろうが正義であろうがとにかく工藤新一を知らないという事は極めて不自然。

この事から私が推理しているのが脇田が比較的最近まで昏睡状態にあった可能性です。 

◆脇田は右目の視力に問題がある

「長野廃教会暗号事件 97巻」には脇田がコナン、小五郎、安室とババ抜きをするシーンがあります。

この時の彼らの手元のカードをよく見ると最終的にペアが完成しない形になっています。

この事からこの4人の中の誰かが何度かカードがペアになりながらもそれに気付かずそのままゲームを進めていた事が窺えます。

コナン、小五郎、安室は視力に問題はありませんからカードのペアに気付けなかったのは脇田で間違いありません。

このシーンが収められたシリーズ1話目のタイトルは「探偵の目」

これは小五郎の弟子を名乗る脇田の目に注目という示唆ではないでしょうか。

脇田は左目に眼帯をしている為そちらに気を取られがちですが実は右目こそ彼の注目すべきパーツなのだと思います。

彼はカードがペアになっても気付かない程度には右目の視力に問題を抱えているようです。

脇田が右目の視力に問題があると考えれる描写は他にもあります。

同じく「長野廃教会暗号事件」でボーガンの矢で頭を射抜かれた被害者を発見するシーンに注目して下さい。

廃教会ですから電気は通っておらず現場は真っ暗。

作中で確認できる光源は小五郎のスマホのライト1つだけです。

そのわずかな光で浮かび上がった被害者の姿にコナン達はしっかりと反応していますが脇田をよく見ると被害者の方を見ていないのが分かります。

小さな灯りでは被害者を確認することができない。彼は右目の視力に問題を抱えているという非常に細やかな伏線だと考えています。

カードのペアを捨てきれなかった事、「探偵の目」というタイトル、暗がりで被害者を見つけられない事。

これらを踏まえると脇田が右目の視力に少々問題を抱えている可能性はかなり高いのではないでしょうか。

実は脇田は初登場回で自分の眼帯が右目にあると勘違いをしています。

これも彼が治療の為に右目に眼帯を付けていた(右目が包帯で塞がれていた)過去があるという伏線の可能性があると思います。

 脇田は何故か有名人である工藤新一を知らない。

そして右目の視力に問題を抱えている。

この2点から脇田は何らかの事故か事件に巻き込まれ右目を負傷し、更に昏睡状態に陥った可能性が出てきます。

この推測が正しいのであれば新一の存在を知らない事から昏睡状態となったのは工藤新一の名前が世間に知られるより前であり、目覚めた時工藤新一は表舞台から姿を消していたというのが真相かと思います。

新一が表舞台から消えたのは作品の中では比較的最近の出来事です。

脇田が自分の眼帯が右目にあると勘違いしたのも彼がつい最近まで右目に眼帯を付けて療養生活を送っていたとすると辻褄が合います。

負傷と昏睡状態。ここから浮上するのが彼の正体が元・黒田兵衛ではないかという可能性です。

◆脇田の正体は本物の黒田兵衛?

公安のトップの可能性が高い黒田兵衛は10年近く警察病院に意識不明で入院していたという謎に満ちた過去があります。

上原 「顔の包帯を取った看護師が腰を抜かしたらしいわよ…真っ黒だった髪が事故のストレスで白髪に変色してまるで別人のようだったそうだから…」

「意識が戻った今も所々細かい記憶が抜け落ちてるっておっしゃってたけど…」

上原はこの入院生活について黒田は大きな事故に遭ったと説明していますが真偽のほどは定かではありません。

ですが別人のように変貌していたという点やコナンが別人という単語に強く反応した事、記憶が完全ではないという事から包帯を取ったタイミングで黒髪の黒田兵衛と現在の白髪の黒田兵衛が入れ替わった可能性は十分考えられます。

この黒髪の黒田兵衛こそ脇田の可能性があってもおかしくないと思います。

脇田は自分の立場を現在の黒田に譲る事、現在の黒田は警察の中で権力を持つ立場となる事。双方がメリットがあると判断した結果入れ替わるという大胆な行動に出たのかもしれません。

この場合両者は繋がりがある事になりますがその伏線が脇田と黒田のスマホがおそろいという事なのかもしれません。

また「長野廃教会暗号事件」では現場に警察が到着した際脇田と安室が手を後ろに組んでいます。

脇田は腕を前で組む癖を持つキャラクターなのでここで手を後ろで組んだのは伏線の可能性が高いと判断しています。

手を後ろで組むのは警察官の正しいポーズ。

安室はこのポーズをとる事で同じ警察であり、かつ親友の兄である高明に密かに敬意を表しています。

そして脇田も安室同様このタイミングで警察官としての振る舞いを見せています。

これも脇田が元、あるいは現在進行形で警察官という伏線なのかもしれません。

 

本当に脇田が本物の黒田兵衛であった場合なぜ現在の黒田と入れ替わる必要があったのか。また彼の右目の視力の低下は何が原因なのかも興味深いですね。

脇田が右目に問題を抱えた理由に考察すべき要因があるのは間違いないはず。

脇田が昏睡状態にあった可能性は高いと考えていますがその一方で10年眠り続けていたかというとまだ考察材料が足りないと感じます。

ここからは昏睡状態にあった脇田と黒田が入れ替わった事を前提とします。

怪我人が10年間同じ包帯で過ごすわけがありません。

脇田が黒田と入れ替わるとしたら包帯を変えたタイミングで間違いないでしょうがこれが10年の入院生活のいつ頃を指しているのかさっぱり分かりません。

ですがストレートに考えると脇田が目覚めたのも黒田が入れ替わったのも最近と考えた方が自然です。

意識のある人間が意識不明の人物を長期間演じ続けるのは至難の業。

また黒田は入れ替わるという選択をした以上早く警察官として行動を起こしたかったはずですから。

現在の黒田は脇田と入れ替わってすぐに退院し職場復帰したという流れであれば違和感はありません。

 

脇田が本物の黒田兵衛かどうかは分かりませんが彼が昏睡状態やそれに近い状態だった過去がある可能性は高いと考えています。

脇田はRUM候補の中で最も謎に包まれている人物。

今後必ず過去に関する描写が織り交ぜられるはず。その過去に怪我や昏睡状態を示唆するものが無いか注意深く見ていこうと思います。

右目の視力も注目すべきポイントですね。

▼脇田の昏睡状態に関する新たな考察材料が登場しました。詳細は以下の記事。

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裏切りのステージで描写された火災の伏線とは

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RUM編と火災には深い関係があると推理しています。

今回は作中の複数の伏線からRUM編と火災の関係について考察します。


◆「裏切りのステージ」のある伏線

「裏切りのステージ 90巻」はRUM編において必ず協力関係となるコナン、安室、赤井の3人が初めて連携し事件を解決した貴重なエピソード。

また組織が浅香を探る為に動き出した事、安室と赤井に決定的な亀裂を生んだスコッチの死の真相が明かされた事、RUMを彷彿させる片方だけなくなったサークルレンズなどRUM編を語る上で欠かせない要素がいくつも散りばめられている点も注目しています。

何より容疑者3人の外見がRUM候補の黒田、若狭、脇田をイメージしているのは明らかです。

布施という顎髭を蓄えた大柄な男性は黒田、円城という眼鏡にウェーブのかかった髪の女性は若狭、梶谷というチョビ髭でけんかっ早い男性が脇田ですね。

この時点で登場しているのは黒田のみなのでこの3人の外見に注目している読者は少ないかもしれないので読み返すと面白いと思います。

コナン(でかっ!!)

布施を見た時のコナンのリアクションが表情も共に非常にオーバー。

事件のトリックは当初怪力な人物でないと成し遂げられないという見方があったとはいえそれを理由に大柄な布施を疑う様子は全くなかった事からもこのコナンのリアクションはこの時に起きた事件でなくこの人物が隻眼の大男、黒田に該当する人物として描かれているという示唆だと思います。

様々な切り口から見ても「裏切りのステージ」はRUM編を考察する上で欠かせない事件だと考えています。

今回注目したいのは突如として登場する消防官の存在です。

このエピソードには事件に全く関係のない消防官の話が2週に渡って出てきます。

実は消防官は「裏切りのステージ」のFILEナンバーと深い関わりがあるのです。

「緊急事態252 72巻」では少年探偵団が東京消防局の通話コードを駆使しながら事件を解決しています。

そして「裏切りのステージ」で消防官が登場したのがFILE954と955ですが東京消防局の通話コードの954が「火災等による死者」で955が「火災等による傷者」。

どちらも火災を表しています。

これだけだとまだ偶然と考える事ができるかもしれません。

ですが事件の3人の容疑者の名前に注目してみましょう。

被害者はミュージシャンの波土禄道、ハードロックが名前の由来です。

容疑者の3人もそれぞれ音楽のジャンルから。

コナンの作中におけるお馴染の名前の付け方です。

布施憶康=フォーク

円城佳苗=演歌

梶谷宏和=ジャズ

ですがこの3人の名前を視点を変えて見てみましょう。

布施=FUSE(ヒューズ)=導火線

円城=炎上

梶谷=火事

全員火災にまつわる名前です。

事件FILEナンバーと合わせるとさすがに偶然とは考えられません。

ちなみに「緊急事態252」の解決編はFILE755。消防署員を表す通話コードです。

この時点で後に消防官を登場させるつもりでいたのならぞっとする伏線ですね。

これらの事を踏まえるとRUM編に火災が絡んでいる可能性はかなり高いのではないでしょうか。

またこの「裏切りのステージ」には唐突に麻薬取締官の存在が語られるシーンがあります。

消防官がRUM編と火災を繋ぐ伏線だとすると麻薬取締官も何か意味がありそうですね。

推理作品であるコナンの世界で消防官がRUM編に関わってくる可能性は低そうですが麻薬取締官なら薬物を追う過程で組織にたどり着くという流れは容易に想像できます。

今後麻薬取締官が登場する展開があるのではないかと推測しています。


◆黒田と若狭は火災に関わった?

RUM候補のうちの2人、黒田と若狭は「燃えるテントの怪 93巻」で初対面となりました。

この時互いに探りを入れている事やそれ以前の92巻で黒田が若狭の名前に反応した事を考えると実は過去に面識がある可能性はあります。

この事件は被害者がテントの中で焼死するのですがその隣のテントにいた黒田は「寝入っていて気付かなかった」と語っています。

ですが若狭は黒田に対し非常に高圧的な態度でこう問いかけます。

「まさか気になる人物を観察する為に…業火に包まれる隣のテントを野放しにしたなんて事ありませんよね?」

RUM編が火災を深い関わりがある事を前提とすると若狭のこの台詞は過去に黒田か若狭、あるいは両方が火災に関わったという伏線なのだと思います。

上原「黒田捜査一課長…何か大きな事故に遭われたらしくて…」

蘭「じゃああの顔の火傷も…」

上原「多分その事故の影響じゃないかしら…右目は義眼みたいだし…」 86巻

読者視点では黒田の外見は薬品を浴びた影響や生まれつきの痣などいくつでも可能性は考えられるわけですが蘭の発言から火傷の跡だと断言されています。

これもRUM編と火災の関係を考察する上での注目ポイントだと思います。

黒田は10年近く意識不明でありその間に外見が別人のようになった事から変装説などが考えられますが変装するにしてもこの外見を作り上げる必要はないはずです。

黒田「この面構えのせいで目を背けられることはあっても…じっと見つめられる事は滅多にないんでね…」 93巻

この台詞はごもっとも。

わざわざこの外見を作り上げる意図が不明。自分がRUMだと疑わせる為に義眼を装い、ターゲットを誘き出す事が目的だとしても火傷を負った設定を用いる必要はないはず。

もちろん彼がRUMの顔には火傷の跡がある事を知った上で変装しているのなら話は別ですが他のRUM候補を見ても若狭の顔に火傷の跡は全く見られませんし脇田は狭い範囲しか隠せない眼帯を用いている時点で火傷の跡があるとは考えにくい。

若狭も脇田も顔に火傷の跡は無いと考えていいでしょう。

黒田は過去に大火傷を負うような出来事を経験しているのは間違いありません。


◆宮野夫妻の死にRUM候補が関与か

RUM編において火災と言えばやはり灰原の両親、宮野厚司、宮野エレーナ夫妻の死です。

灰原「私は焼け残った資料を搔き集めてその薬を復活させただけだから…」

コナン「焼け残った?」

灰原「父と母の研究所が火事になって薬の資料と一緒に2人とも焼死したのよ…組織の人達からは不運な事故だと聞かされていたけど…」 89巻

灰原の「焼け残った資料」という表現から宮野夫妻は火事により命を落としたという情報は正しいはず。

本当に黒田と若狭が宮野夫妻の焼死に関わっていたとしてもその関わり方については現時点では推測の域を出ません。

若狭は17年前組織の一員だった可能性が高い人物です。

ビスコ同様宮野夫妻と交流があってもおかしくはありませんし彼女は火災の現場に居合わせたのかもしれません。

わざわざ火災の伏線を張っている以上宮野夫妻の死因となった火事は黒田、若狭、脇田の3人のうちの誰かが起こした可能性は高いと思います。

ここで気になるのは若狭が炎を「業火」と表現した事。

業火とは地獄に落ちた罪人を包む炎を指します。

若狭の「業火」が宮野夫妻の火災をなぞったものだとすればやはり思い浮かぶのはヘルエンジェルと呼ばれた宮野エレーナ。

本当に若狭が地獄に落ちた罪人を包む炎という認識を持って宮野夫妻の火災を「業火」と例えたのであれば若狭から見て宮野エレーナは罪人というポジションの可能性も。

若狭は確実に過去に何らかの犯罪を犯している人物。

彼女は羽田浩司の事件現場に居合わせた事は確定ですが実は羽田、アマンダの犯行には一切関わっておらず若狭の犯した罪とは自分と敵対していた宮野夫妻を焼死させたことという見方もできるかもしれません。

「裏切りのステージ」はコナン達が浅香の謎に近づこうとしたエピソードという事を踏まえれば火災に深く関与したのは浅香なのかもしれません。

ただし「業火」は激しい炎という意味でも使用されるものなので深読みの必要はないのかも。

ですが「地獄の炎」と「ヘルエンジェル」は気になるワードなので一応記載しておきます。

また宮野夫妻の焼死と黒田の火傷に因果関係があるのなら当然彼は火災現場にいたはずです。

黒田の火傷の跡は宮野夫妻の救出を試みた際にできたのか、火を放った張本人だからなのか、それとも気になる人物を監視していた最中に火災に巻き込まれたのか…。

若狭の言う「気になる人物の観察」「火に包まれた人間を放置」の言葉の真意が気になるところです。

またとても興味深いのが若狭は黒田を「気になる人物を観察する為に救えるはずの命を救わなかったのではないか」と責めていますが彼女自身、コナンを観察する為に事件の気配を察知しながらそれを放置し人を死なせている事実があります(92巻)。

つまり彼女は自分の行いを棚に上げて黒田を責めているわけです。

この様に若狭は悪の一面を隠しきれていません。最新エピソード「牧場監禁事件」では目的の為に安室を攻撃し気絶させるなど手段を選ばない人間である事が明るみになりました。

それでも鋭い観察眼を持つ灰原からは絶対的な信頼を得るという極めて異色の存在と言えます。

「燃えるテントの怪」で若狭が黒田に向けた言葉は謎に包まれた彼女の本性と言えそうです。

考察通りRUM編と宮野夫妻の死に関りがあるのであれば今後作中で火災を紐解くヒントになるものが出てくるはず。

脇田に関してはこの火災に関与したのか全く情報がありませんからこの辺りも注目していきたいですね。


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若狭の偽物が登場!コナン=新一を疑う謎の人物とは

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RUM候補の1人でコナン達のクラスの副担任である若狭留美

実は作中で若狭に変装している人物が登場しています。

今回は若狭の偽物の登場シーンとそこから若狭に変装したこの人物は誰なのかを考察します。

※2020年5月30日「1コマだけ登場する謎のスマホ」の項目を追加しました。

◆灰原に探りを入れた若狭は偽物

若狭は初登場時からコナンの正体を疑っていた人物です。その彼女の中で疑惑が確信に変わったのが工藤新一の目撃情報がネット上に拡散された時(95巻)。

工藤新一が修学旅行で京都に姿を現した時、彼女が副担任を務めるクラスの児童である江戸川コナンは小学校に顔を出していません。

この事実から若狭は江戸川コナンは工藤新一が若返った姿だと確信するに至りました。

ですが若狭はこの後謎の行動を取ります。

コナン=新一を確信しながらなぜか灰原に探りを入れたのです。

若狭「ねぇ…灰原さん…あなたが住んでる阿笠博士さんの家の隣って…「工藤」ってお宅よね?」

灰原「あ、はい…」

若狭「会った事ある?その家の息子さんの新一君に…」

灰原「いえ、ないですけど…どうしてですか?」

若狭「ホラ、今話題になってるから…ちょっと聞いてみただけよ…」

灰原「…」 95巻

彼女はかねてよりコナンの正体を疑っていたもののこれまで一度も周辺に具体的な探りを入れた事はありません。

その彼女がなぜかコナンの正体に確信を持った後に踏み込んだ行動を取っている。

若狭の行動とすると極めて不自然です。それもそもはず。

実はよく観察するとこの人物は若狭留美ではありません。

何者かが彼女に変装しているのです。

それを示す描写をピックアップしていきましょう。

持っている駒の書体が異なる

最新エピソード「牧場監禁事件」で安室は若狭が常に持ち歩いている将棋の駒を拾います。

この駒はかつて羽田浩司が持っていたものであり安室は公安の研修で事件に繋がる有力な証拠品としてその駒の事を記憶していました。

安室(将棋の駒…待てよこの「角」…どこかで…) FILE1051

  (この角はあの時に見た駒の写真に…傷の形状も文字の形も酷似している…) FILE1052

つまり「角」の書体が重要な伏線という事が分かります。

かつて羽田の御守りであり現在若狭の持ち物となっている「角」の駒は真ん中が土の字です。

実は将棋の「角」の駒は一般的に真ん中の縦線が突き抜けています。

この事から若狭が持っているのは長録というかなり珍しい書体の駒であることが分かります。

羽田はこの駒を御守りとして持っていましたが長禄の書体は縁起がいいとされているのも関係しているのかもしれません。

そして世間では工藤夫妻の戦略により新一の生存情報は情報発信者の勘違いということで表向きは沈静化を見せました。

この時ネット上に流れている情報をチェックしている若狭の手元に置かれた駒に注目してください。

「龍馬」の字が確認できます。角が「成った」状態です。

そしてこの龍馬、馬の字が崩れています。

一般的な「角」=裏の「龍馬」の馬が崩れている

長禄の「角」=裏の「龍馬」の馬の字が崩れない

この違いからこの人物が持っている駒は長録以外の書体の駒。

この人物が若狭ではないとする細かな伏線です。

かけている眼鏡がちがう

若狭の眼鏡はコナンのメインキャラクターでは見られないノーズパッド付きのものです。

これは彼女の血縁関係に関する伏線ではないかと考えています。

この血縁関係の考察が当たっているかは分かりませんが若狭が特徴的な眼鏡をかけているのは間違いありません。

その点は作者も意識しているはず。

ですが長禄ではない駒を手元に置いた若狭はいつもと異なる黒ブチ眼鏡。

これもこの若狭が本物ではないという伏線だと思います。

ですが灰原に探りを入れた若狭の眼鏡はいつもと同じもの。

つまりこの若狭の偽物は眼鏡をかけ替えている事になります。

この若狭が偽物であるというヒントを読者に出しているとも考えられますがこの人物は変装の達人。若狭以外の人物も演じることができるでしょう。

この後黒ブチの眼鏡の人物に変装して行動した(する)という伏線の可能性もあるかと思います。

若狭の偽物という伏線は将棋の駒で充分な気がするので。

いつもと違う灰原の態度

「言っとくけど私、好きだから若狭先生…だから悪く言わないでくれる?」 93巻

灰原は若狭の事を非常に好意的に見ています。

彼女は「牧場監禁事件」で若狭が安室を気絶させた張本人だと気付いているはず。

この直前に灰原はコナンから「若狭先生に気を許すな」とアドバイスを受けていますが若狭を警戒するどころか彼女が安室に暴力を振るったことに気付きながら若狭の隣に寄り添うという不思議な行動を取っています。

灰原はコナン(新一)に対し好意を寄せています。

それは自分と似通った境遇、組織と共に闘ったなど過ごした時間が長ければその内容も濃い。恋愛感情を抱いても当然と言えます。ですが若狭と灰原に深い結びつきはありません。その若狭にピタリと寄り添うのはいっそ奇妙とも言えます。

灰原の若狭への「好き」という感情はコナンへの想い以上とも取れる描写です。

そんな灰原ですが若狭から新一の存在について尋ねられた時若狭と距離を置こうとしているのが分かります。

表情にも安心感が見られません。

若狭に心を許しているいつもの灰原とは全く異なるものです。

更に若狭の去り際に彼女は「…」と無言で若狭を見ています。

この「…」は灰原が若狭からいつもと違う気配を感じ取ったからでしょう。

 

コナンの正体を確信した後に探りを入れるという謎の行動、若狭に心を許していない灰原の態度、異なる書体の駒、いつもと違う眼鏡。

やはりこの人物は若狭に変装した別人と考えた方が自然です。

◆若狭に成りすました人物を考察

若狭留美になりすましたこの人物は一体何者なのでしょうか。

たった数コマの登場ですがこの人物の正体をある程度は絞れるので考察してみましょう。

若狭に変装したこの人物は以下の条件を全て満たす者です。

1・若狭や灰原を知っている

2・以前からコナンの正体が新一であると疑っていた

3・若返りの実例を知っている

4・既出のキャラクター

5・組織の人間ではない

ひとつずつ説明していきましょう。

1・若狭や灰原を知っている

若狭の事を全く知らない人間が変装する事は出来ません。当然ですね。

ですが「知っている」の定義が非常に難しい。

少なくとも口調まで真似できているのでこの人物が仕入れている情報は若狭の外見や勤務地だけではないでしょう。

若狭は92巻でマスコミに顔を晒しています。

この時TVカメラも確認できるので若狭の口調などはこの時に仕入れた情報かもしません。

この人物は恐らく若狭のいなくなった隙を見計らって灰原たちの前に姿を見せたのだと思います。

必要最低限の質問だけして去っていったのも若狭がいつ戻るか分からないという危険を感じたからでしょう。

若狭をある程度知ってはいるものの行動をばっちり把握できるほど彼女と結び付きはない人物と考えられます。

灰原については名前と住所を把握していますがこの人物が持っている情報は実際はこれ以上の可能性もあります。

2・以前からコナンの正体が新一であると疑っていた

当然この人物は江戸川コナン=工藤新一の可能性をかねてより疑っていました。

だからこそ工藤新一の生存情報が拡散されたと同時に動き出したのです。

またこの人物は阿笠博士を知っているので眠りの小五郎を生み出したのは阿笠博士だという事まで看破している可能性があります。

3・若返りの実例を知っている

作中の傾向として一部の例外を除き、若返りの実例を知った者だけが若返りにたどり着けるというのがあります。

この人物もコナン=新一の可能性を疑っている時点で誰かの若返りの実例を知っている事になりますね。

4・既出のキャラクター

若狭に変装したこの人物は既に作中に登場している可能性が極めて高いと思います。

コナンは推理物ですからこの人物が変装している姿から謎解きスタートという訳にはいかないはず。

例外的に安室は赤井に変装してからのデビューでしたが死亡したとされる赤井の再登場は読者の視点が間違いなく集まるよう計算されてのもの。このようなケースであれば変装からのスタートの方がむしろ盛り上がりを見せるわけです。

若狭に成りすましたこの人物は変装の達人という設定がある以上今後大きな活躍を見せることが必須。

仮にこの場で初登場だった場合お披露目が小さなコマでその上あっという間に退場というのは漫画の演出として歓迎されません。

やはり既出のキャラクターと考えた方が自然です。

5・組織の人間ではない

この人物は灰原に質問する際灰原の顔をしっかりと覗き込んでいます。

そして組織の人間にはシェリーの顔が知られている。

この人物がもし組織の一員ならコナン=新一、灰原=シェリーにたどり着いてしまいコナンサイドとしてはまさに最悪の状況。

ですがこの人物は灰原に何の反応もしていません。

また灰原は若狭の偽物に警戒こそしましたが組織の気配は感じ取っていません。

よってこの人物は組織の一員ではない事がわかります。

◆1コマだけ登場する謎のスマホ

※2020年5月30日追加の項目

工藤新一の生存情報に強い関心を抱いている人物が黒田や脇田以外にも存在しているという伏線はある1コマでも確認できます。

新一の生存情報がネット上に拡散され多くの人々、いわゆるモブキャラが反応しているページのあるコマに注目してください。

 その名は、東の高校生探偵…工藤新一君でーす!

SNSの書き込みが表示されたスマホを誰かが右手で持っています。

新一の生存情報に関心を示すそれまでのモブキャラと違い青山先生の作画なのでこのスマホの持ち主は重要人物である事は間違いありません。

このコマの次のページで右手にスマホを持ち、工藤新一に反応する黒田が描写されている為、流れからこのスマホの持ち主は黒田と思いがちですがよく見るとSNSの書き込みが表示されたスマホはトーンが貼られたもの。

黒田のスマホは黒なのでSNSを確認している人物は黒田ではない事が分かります。

作者による巧みなミスリードですね。

また、脇田は黒田と同じスマホである事からこのスマホの持ち主は脇田でもありません。※黒田と脇田のスマホは非常に似通ったデザインですが違うものです(2020年8月25日追記)

若狭はPCでAPTX4869の投与者リストを見ている為SNSをチェックしているスマホの持ち主から除外されます。

仮にこのトーンが貼られたスマホで新一の情報を集めているのが若狭なら他のRUM候補同様、拡散された情報にどのように反応するか彼女の表情を描くべきです。

RUM候補3人以外にも工藤新一の生存情報に強い関心を寄せている人物が存在している。

たった1コマしか登場しないスマホが実は大きな伏線になっている可能性が高いですね。

このトーンを貼ったスマホの持ち主こそ若狭に成りすました人物なのだと思います。

若狭に変装した人物がPCでSNSを確認しているのもスマホSNSを確認した人物と同一人物という伏線なのかもしれませんね。

若狭に変装し新一の情報を集めている人物がいる事には気付けましたがスマホは完全に見落としていたので新一に注目している事が明確に描かれている人物以外にも彼の存在に大きな関心を寄せている謎の人物がいる可能性は更に高まったという感じです。

◆最有力は榎本梓か

では若狭留美に変装したこの人物は誰なのか。

一応候補を挙げてみます。私がピックアップしたのは以下の3名。

1・メアリーの仲間のMI6

2・米原桜子

3・榎本梓

1・メアリーの仲間のMI6

メアリーには少女化してもなお連絡を取り合っているMI6の仲間がいることが分かっています。

この仲間は工藤新一が姿を消したと同時にコナンが事件現場に顔を出すようになった事を把握しています。

つまりコナン=工藤新一の方程式にたどり着ける材料を持っている人物。

慎重な性格のメアリーですがこの仲間の事は信頼して自分の少女化について打ち明けている可能性も考えられます。

もしかするとメアリーから「江戸川コナンは私と同じように若返ったのではないか」という情報を得ているのかもしれません。

そうなればこのMI6が若返りの実例を知っている事もコナンの正体に勘づいた事も説明できます。

ですが若狭に変装している人物は既出のキャラクターと考えるべき。

今のところMI6の可能性があるキャラクターと言えば若狭か黒田兵衛くらいだと思います。(2人がMI6の可能性というのはまた別に記事にします)

メアリーと連携しているMI6の存在は気になるところですが若狭に変装した可能性は低いと思います。

2・米原桜子

彼女はコナンの頭の良さに注目しているとも取れる描写があります。

また彼女の登場する「ブログ女優の密室事件 87巻」では黒田が高木刑事にコナンの指示通りに動くよう電話で伝えています。

普通に考えて高木刑事が黒田に「コナンが現場にいる」と伝えるはずはありません。

ではなぜ黒田はコナンが現場にいることを知ることができたのか。

黒田が電話からコナンの声を拾い事件現場にいることを確信したとも考えられますが実は桜子は黒田と繋がっており、彼女がコナンがこの場にいることを電話で伝えたと推測することは可能です。

黒田がコナンの推理力を信頼しているという事は彼は眠りの小五郎の真相にたどり着いているとも推測できます。

例えば黒田と桜子が親子で2人とも誰かの若返りの実例を目の当たりにした。

そしてコナンを疑っていた桜子が父の黒田にコナンが現場にいることを伝えた。

この流れはありそうです。

桜子はシングルマザーの母親に育てられていますがこれも父の黒田が10年眠り続けていた事を指していると考える事もできるかもしれません。

しかしながら現在まで桜子がコナン=新一の方程式に気付ける描写がないのが気掛かりです。

3・榎本梓

過去に記事にしましたが梓はコナンの正体を疑っていると取れる描写があります。

またコナンと安室が2人とも嘘をついている事にたどり着ける場面にも遭遇している。

そして伊織が偽名の「進一」を名乗った事を受けて平次がコナンに対し「お前と同じ名前」と発言しこれを聞いた梓が大きく反応した事もあります。

『ゼロの日常 4巻』では安室が梓の見えないところで犯人を制圧しました。

安室は公安である事を隠さなければならない立場で犯人を制圧したのが自分である事を知られてはならないという気持ちがありました。

そこで彼は自分が食べ終えたバナナの皮を犯人の顔に乗せ梓に対し犯人が倒れたのはバナナの皮で滑ったせいではないかととぼけます。

ですがこのバナナは安室と梓が半分に分け合って食べた時のもの。

この時点で梓は安室が犯人を撃退しながらその事を隠したと気付けるのですがコミックスのおまけのページには犯人の顔に乗せられた半分しかないバナナの皮を回収する梓が描かれています。

梓はこのバナナの皮が意味する事に気付いているはずですが驚いている様子がない事から彼女は既に安室の本職にたどり着いている可能性は十分考えられます。

梓は安室の正体に気付いていながら素知らぬふりをしている点は完全には否定できずこれが当たっている場合彼女はかなりの演技派。

そして彼女は過去に演技で警察の監視を撒くという一面も見せています。

「裏切りのステージ 90巻」でベルモットが梓に変装したのは物語の重要な局面で梓がベルモットに変装するという伏線ではないかとも考えています。

梓は一見平凡なウェイトレスですが相当な女優肌の可能性があると思います。
また同じく4巻には安室が部下の風見に潜入捜査に必要な服の購入を任せる話が収録されていますがこの時風見は女性の服を購入しているのが分かります。

つまり安室には潜入捜査できる女性の協力者が現れた未来がこっそりと織り交ぜてあるのです。

『ゼロの執行人』に登場した公安の協力者というワードが今後の原作における伏線だと思います。

そしてこの話には梓が登場していないにも関わらず扉絵には梓のイメージカラーが確認できる事からこの協力者こそが梓なのではないかと推理しています。

総合的に考えた上でも消去法という意味でも若狭に変装したのは梓が最有力という感じです。

 

『ゼロの日常』はあくまでスピンオフで本編と無関係と考える読者の方もいます。

ですが原作で若狭に変装のできる人物が登場していますし、この人物は組織の一員ではない。

組織でない以上最終的にこの人物は安室や赤井と協力関係となるのが自然な流れです。

そして『ゼロの日常』では安室が協力者の衣装の調達を風見に命じている。

これらを踏まえると本編とスピンオフの繋がりは非常に深いというのが私の考えです。

 

とは言え絶対に忘れてはいけないのがコナンは劇場版で伏線を張ってきた経緯があるのは事実ですが原作のみでもきちんと物語が考察できるようになっている事。

今のところ梓がコナン=新一にたどり着ける描写と演技派と推測できる描写の2つはあっても彼女が変装ができる人物という明確な伏線は原作で確認できません。それは梓以外のキャラクターも同様ですね。

若狭に変装したのが何者なのか今後原作で必ず伏線が張られていくはず。

この人物はまだコナン=新一に確信が持てていない状態ですから今後も若狭以外の人物も含め変装しコナンの周辺を嗅ぎまわるはず。

「牧場監禁事件」での小林先生が怪しいなと思っていますがまだ決定打に欠ける感じ。

また新たに気になる人物が現れたら記事にしたいと思います。

現時点では榎本梓が最有力としていますが今後の描かれ方によっては思いがけない人物が浮上する可能性もあるので注目ですね。

また変装の得意な女性の存在は対組織戦において相当な戦力となるはず。

まあ女性に変装できる男性の可能性もゼロではありませんがそれはキッドの専売特許のような気がします(笑)。

ベルモットと互角に戦える可能性のあるこの人物がどのような立ち回りを見せるかも楽しみです。

※若狭に変装した人物はSNSを閲覧していますが劇場版「ゼロの執行人」で梓はSNSを利用している事が分かっているのでこの点も若狭に成りすました人物が梓という伏線になっているのかもしれません。 追記:2020年5月30日


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