赤井が密会している謎の女性とは
赤井秀一は表向きは死亡している立場です。
ですがその赤井が密かに会っている女性がいるのではないか。
今回はそんな考察を綴ります。
◆赤井と密会している変装術を持つ女性とは
私が注目しているのは「工藤優作の未解決事件 77巻」。
蘭、園子、世良の3人が男性の遺体を発見。
その場に「死」の血文字があった事から世良は事件性を疑います。
新一は10年前今回と同様に遺体のそばに「死」の血文字があった事件の写真を蘭に見せており今回の事件との関連を疑った3人がその写真を探す為に工藤邸を訪れます。
ここで赤井は沖矢となってから世良と初めての対面を果たしています。
10年前の現場の写真を探す役目はコナンが担当。
コナンがいない間、蘭たち3人は新一の浮気を疑う流れとなります。
なぜなら髪留めのゴムや口紅を拭った形跡のあるグラス、さらには長い髪の毛まで見つかったからです。
世良「工藤君はしばらくこの家を空けてるんだろ?普通に考えたらさっきの昴って男が連れ込んだ女なんじゃないのか?」
世良のこの言葉で3人は新一の浮気についての話を終了させています。
ですが工藤邸に女性が訪れた痕跡があるのは間違いありません。
工藤邸に自由に出入りできる女性と言えば有希子しかいません。
蘭も髪留めのゴムについて有希子のものではないかと口にしていました。
ですがこの女性が有希子である可能性は低いのではないでしょうか。
なぜなら残されていた長い髪の毛は世良の口からカツラと明かされているからです。
有希子は変装でカツラを使用しますが有希子が工藤邸に姿を見せるのは当たり前の事なのでその事実をわざわざカツラで表現する必要性が皆無。
灰原「その昴って人、何者なのよ!?何であなたのお母さんと一緒にあなたの家で暮らしてるわけ?
コナン「大丈夫!彼は味方だから…それに、母さんが来るのはたまの週末だけだし…」 78巻
蘭たち3人が工藤邸に寄ったのは学校が終わってからですからこの日は平日です。
つまりこの3人が訪れるより前に工藤邸で赤井と過ごしていたのは有希子以外の女性という事になります。
この女性はカツラを利用している事から変装ができる可能性が高いと言えます。
作中で変装ができる人物といえば有希子、ベルモット、キッドです。
カツラという単語から赤井と密会している人物から有希子は除外されます。
ベルモットが工藤邸で赤井と会っているという事もありえませんね。
最後にキッド。彼は女性の変装も得意ですから工藤邸に長い髪の毛を残す事があっても不思議ではありません。
ですが赤井と密かに会っているのは彼ではありません。
沖矢「帰る前に返して頂こうか…君が撮った私の写真を…」 91巻
かつてキッドはコナンや赤井を助けた過去があります。(78巻)
ですがやはり偽装死という形を取り表舞台から姿を消している赤井は沖矢としてもキッドとは深く付き合えないようです。
つまり変装ができる事が明かされているこの3人以外にも変装術を持つ人物が存在する事になります。
この人物は女性でしょう。
キッドは性別を超えて変装できますが男性が女性に変装するパターンはキッドの専売特許だと思います。
そしてこの女性は赤井と非常に親しい間柄にあると言えます。
流しにはグラスが2人分あるのが確認できます。
また食器の数から赤井とこの女性は一緒に食事をしていた事が想像できます。
軽くお茶をしていたというレベルではない辺り赤井はこの女性とかなり親密な仲と言えそうです。
この77巻時点で赤井はFBIの仲間にさえ自分の生存を明かしていませんでした。
その赤井が密会している相手ですから偽装死についてもこの女性には打ち明けている可能性も高そうです。
推理通り赤井に密会している女性がいるのであればこの女性は相当な情報通と考えていいはずです。
赤井は秀吉以外の家族にも自分が生きている事を伝えていません。
その中でこの女性と会うのはこの女性が赤井にとって有益な存在だからでしょう。
要するに相手は組織に関する情報を持っている。
だからこそ赤井は変装のできるこの女性と密かに会っていると考えられます。
この女性から情報を提供されている可能性が高い事に加え共に食事する位ですから当然赤井の敵ではありません。
また興味深い点としてこの女性の存在が完全にコナンにクローズとなっている事です。
コナン「写真持ってきたけど…何の話?」
蘭「い、いいの、コナン君は知らなくて!」
園子「大人の話だから」
コナン「?」
コナンが会話に参加しようとしたものの制止されてしまっています。
このような会話が始まればコナンが心の中で突っ込みを入れる、あるいは会話に割って入り、自分(新一)の疑惑を晴らすというのがこの作品の王道パターンです。
その王道を行かなかったのはこの女性の存在をコナンに秘匿にする事に意味があるのだと思います。
◆若狭留美の可能性を検証
赤井が密会している女性がRUM候補の1人、若狭留美である可能性を探りたいと思います。
沖矢「世良さんの周りに変わった人とか見かけませんでしたか?そう、例えば…絶えず周囲を警戒し危険な相手なら瞬時に制圧する能力に長けた…「浅香」という名の…」 90巻
沖矢のこの言葉は浅香にある程度心当たりがあるからこそ出てくるものです。
若狭は浅香である可能性が高いと思います。
若狭=浅香である場合この沖矢の言葉から2人は繋がりがあると考える事ができます。
この考察が当たっているかは別にしてもRUM編で存在感を放っている女性と言えば若狭くらいです。
若狭は実は変装術を身に着けていて密かに工藤邸を訪問している可能性はないのでしょうか。
この答えになるのが92巻「白い手の女」。
有名人が起こした事件で犯人を撃退したという形で若狭の名前が報道されました。
彼女の名前に反応したのが黒田と脇田の2人。
この事から若狭は黒田と脇田のどちらか、あるいは両方に自分の名前のアナグラムに込めたメッセージを解読させる狙いがあった事が分かります。
ですが若狭が目的を遂行するためにはアナグラム以上に伝えやすいものがあります。
それが外見です。
自分がターゲットとしている人物に大きく反応してもらうにはアナグラムよりも外見がはるかに有効なはず。
若狭はアナグラムを使用している時点で変装術は持ち合わせていないと考えられます。
完璧な変装術こそ無いものの若狭がカツラを使用しひっそりと赤井の元を訪れるという可能性もゼロではありません。
ですがカツラの女性の存在が明かされたのは77巻、若狭の初登場が91巻ですから彼女に関する伏線を用意するには早過ぎる段階な気がします。
また作者が「カツラ」を出してきたのはこの女性が変装をして工藤邸を訪れているという事よりもベルモットなど変装が得意とされている人物以外にも変装のできる人物がいるという伏線と考えた方がいいのではないでしょうか。
若狭は変装術を持たないのでやはり赤井と密会しているのは彼女ではないと考えた方が妥当かと思います。
◆ボス=烏丸をリークしたのはこの女性なのか
コナンがボスの正体が烏丸蓮耶である事に辿り着いたのが95巻。
ですがこれはコナンの力で解明できたものではありませんでした。
当初赤井もコナンも17年前に羽田浩司が残したダイイングメッセージは「ASACA」と「RUM」の2つの単語に分けて推理していました。
ですが優作の言葉でコナンはダイイングメッセージの真なる意味に気付きます。
優作「FBIの彼と先程話したんだが…例の暗号…ある1つの名称だろうという結論に達したよ…」 95巻
この言葉から分かるのは赤井からもたらされた何らかの情報から烏丸の名称を導き出せたという事。
つまり赤井主導なんです。
その赤井ですが偽装死している以上大きな動きが取れないはずです。
その彼が何故ボスの正体を知る事ができたのか。
やはり赤井にボス=烏丸と伝えた人物がいるからと推測できます。
つまり赤井にはコナンに秘密にしている情報網がある事になります。
ここで赤井が密会している女性、そして赤井にボスの正体をリークした人物の情報を整理してみましょう。
赤井の密会している女性
・赤井と食事をする程親密な間柄
・相当な情報通
・コナンに存在がクローズされている
ボス=烏丸とリークした人物
・赤井と連絡の取れる関係
・組織に関する情報を持っている
・コナンに存在がクローズされている
このように赤井が密会している女性と赤井にボスの正体をリークした者の人物像が合致しているんです。
当然ここから赤井と密会している女性とボスの正体を彼にリークした者が同一人物であるという可能性が浮上する事になります。
若狭は浅香の可能性が高い人物。
赤井が浅香に心当たりがある事や若狭のアナグラムに烏丸が確認できる事から私は赤井にボスの正体をリークしたのは若狭ではないかと考えてきました。
そして「堆黒盆 98巻」では赤井はメアリーの少女化の情報を手に入れている事が明かされました。
若狭はこれまでの描写からメアリーと繋がっている可能性の高い人物です。
息子である赤井と繋がりがあっても不思議ではありません。
ですが赤井は先述の90巻の台詞から若狭がコナンの通う学校の副担任になっている事をこの時点では把握していません。
浅香=若狭で赤井と繋がっているのなら若狭は自分の現在の立場を伝えていてもいいのではないでしょうか。
浅香が世良の周辺に姿を現すという赤井の推測は若狭が自分と繋がっているというよりもメアリーと世良が若狭と繋がっている事を暗示していると捉えるべきかもしれません。
▼若狭はメアリーと同じくMI6ではないかという記事はこちら
つまり赤井と若狭には繋がりがない。
この2人が繋がっているという可能性はまだ否定できません。
ですが若狭の登場するずっと前から密かに存在が描写されていた変装の得意な女性。
赤井と繋がっているのは若狭でなく彼女でありボスの正体を伝えたという可能性は十分考えられそうです。
◆赤井は偽優作の正体を知っていた?
「偽優作のTVで推理ショー」に登場した優作に変装した人物はベルモットのように演出されていましたが偽優作の正体が彼女とすると矛盾だらけです。
▼偽優作の正体に関する記事はこちら
偽優作は女性らしさが強調されていたので優作に成りすました人物は変装の得意な女性の可能性が高いと思います。
必然的に赤井と密会している女性の可能性が高まります。
そうなると赤井と偽優作が連携しているのならこの偽物が工藤邸に姿を現す事を赤井が事前に知っている展開があってもおかしくないわけです。
優作「敵をだますにはまず味方からと言うじゃないか!」
この言葉、実は赤井と偽優作がタッグを組んだ上での行動である事の伏線と取れなくもない気がします。
要するに赤井が工藤夫妻やFBIをだましているという展開ですね。
私の中で一番納得のいく展開というのが偽優作は工藤夫妻、赤井と連携し、全員でコナンをだましていたパターンです。
これなら組織を欺く作戦として奇妙と言える食あたりの演技や偽優作を簡単に自宅に招く事も「偽優作が仲間だから」という一言で解決できます。
また偽優作はコナンに正体がキッドと思い込ませることに成功しています。
コナンとキッドの関係性をよく知っている有希子と偽優作が連携しているとすればこれも合点がいきます。
偽優作は有希子から変装術を学んだのかもしれません。
その一方偽優作が工藤夫妻の仲間と考えるのが難しい側面があるのもまた事実。
仮に工藤夫妻がこの偽優作を仲間として迎え入れているのならコナンの正体を内緒で打ち明けている事になります。
コナンは赤井にさえ自分の正体を伝えていません。
そんな中で「コナンの知らない人物」にコナンの正体を伝えるのは作品上有り得ないと言えそうです。
ですがRUM編の複雑さ、及びコナンに存在が伏せられた謎の人物がいる事を踏まえると読者の想定外の展開としてアリなのかもしれないとも思います。
ただし工藤夫妻側からコナンの正体を打ち明ける事は無いはずです。
偽優作がコナンの正体を突き止め、加えて組織の情報を渡してきた。
工藤夫妻側もこの相手なら協力者として問題がないと判断したという流れかもしれません。
コナンには内緒で工藤夫妻や赤井が謎の人物と水面下で大きな動きに出ている可能性もあります。
「偽優作のTVで推理ショー」は私の中でとにかく謎が多いので今後も考察していきたいエピソードです。
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脇田はRUMではない ~伏線のまとめ~
RUM候補の中でRUM最有力とされている脇田兼則。
ですが私は彼がRUMである可能性は全くないと考えています。
脇田がRUMではないという記事は過去にも綴りましたが話が進んだ事に加え何度も原作を読み直す中でやはり脇田はRUMではないと取れる見落としていた伏線を複数新たに発見する事ができました。
ここでは脇田RUM説を否定する伏線の数々をまとめて綴ります。
中には伏線かミスリードか自分の中でも判定が微妙というものも敢えて記載しています(笑)。
恐らく随時更新。
◆脇田は変装している
彼は足腰を曲げて身長を低く見せているだけで実際は足腰に何の問題もない描写が確認できます。
彼が足腰をピンと伸ばすのは決まって身長がどの程度あるのか読者が分からないタイミングです。(具体例:そのコマに脇田しかいない、他の登場人物は座っている等)
作者が脇田の身長を小柄に演出しているのは確実です。
彼は実際はかなり長身の人物でしょう。
身長をごまかすのだから当然顔も本物ではありません。
脇田をRUMと仮定すると小五郎やコナンの前で眼帯を外そうとした行為は自分がRUMである事にどのように反応するかを観察する為のはずです。
つまり彼は自分がRUMである事を隠すつもりは全くないのです。
当然変装もしていない事になります。
ですが彼は変装を施している事が確実な為脇田をRUMとすると矛盾が生じます。
◆眼帯が右目にあると勘違いした
彼は初登場時自分の眼帯が左目でなく右目にあると勘違いしているコマがあります。
RUMは灰原が組織にいた頃から隻眼の噂が定着していた事から隻眼の生活はそれなりに長いはず。自分のどちらの目が見えないか忘れる事は無いでしょう。
またこのコマは脇田が江戸っ子口調が使用しなかった唯一のシーンである為確実に伏線と言えます。
脇田が小五郎の前で眼帯を外そうとしたのは過去に2回あります。
それぞれの台詞が以下の通り
「見てみるかい?」 92巻
▲脇田が江戸っ子口調を唯一封印したコマ。眼帯が右目にあると勘違いしている
「見てみやす?」 97巻
▲通常の江戸っ子口調。眼帯が左だと分かっている
本来の脇田は両目が見え、かつ江戸っ子口調ではない人物だという伏線になっていると思います。
同時に今の彼は本来の姿でなくやはり変装している状態と捉える事の出来る場面とも言えます。
◆「駄馬」発言
灰原「ラム…?」
コナン「酒の名前だよ!よく海賊とかが飲んでる…」 86巻
脇田「パイレーツスピリットなんて駄馬に…大金をぶっ込むなんてよォ!」 92巻
初登場の「となりの江戸前推理ショー」でラムを連想させる名前の馬を駄馬と表現しています。
彼はRUMではなくRUMを追う立場という意味が込められた台詞かもしれません。
◆脇田とゾンビ
初登場回で「ゾンビが囲む別荘 88巻」の話題が出ていました。
また脇田のメイン回である「屋根裏密室事件」は事件の内容がゾンビ事件と非常に似通っています。
蘭の台詞からもそれは明らかです。
「お父さんはダメよ!尿酸値とコレステロールがヤバぎみなんだから…」
「間食はダメよ!お医者さんに内臓脂肪が付き過ぎって言われてるんだから!」
上が脇田初登場、下がゾンビ事件のものです。
蘭が小五郎の健康問題に触れる事は珍しい為この台詞は偶然ではなく意図的に似せているはず。
作者の中には脇田とゾンビを結び付ける狙いがあるはずです。
ゾンビはラムベースのカクテルの事。
脇田はラムではなくその影武者などという可能性があるのかと思います。
いろは寿司の客がハイボールを注文しています。
脇田が組織を割る人物という示唆かもしれません。
◆サビ抜き
RUMの名が初登場した際「4つの紅茶のうち3つはお酢入り。その中からお酢の入っていないものを当てる」というクイズがありました。
このクイズはRUM編におけるヒントになっているはずです。
お酢と紅茶を混ぜるのは刃物の黒サビ加工の一般的な技法。
そしてRUM候補は3人とも日本刀を絡めて登場しています。
よってサビ=組織と解釈できます。
脇田は初登場回で脇田本人、コナン、客の口からサビ抜きのワードが強調されていました。
脇田はサビではない、つまり組織の一員ではないという事が表されています。
◆血を消すトリック
初登場のトリックは犯人が自分の袖口に付着した被害者の血を消すというもの。
ラム酒の別名はネルソンの血。
これは脇田がRUM(ネルソンの血)を消し去る立場という示唆です。
◆リンゴをむく
スリ被害者「リンゴをむいてたら手が滑って…」
スリの被害者が包丁で怪我をした理由ですが料理をしている時などでいいはず。
わざわざリンゴに限定しているのが引っ掛かります。
これは脇田はリンゴ、つまりベルモットの素性を暴く立場という可能性も。
彼はベルモットと何らかの因縁があり対峙しているのかもしれません。
◆新たな仲間
コナンの(加わって…消す?)
脇田がコナン達の新たな仲間として加わる伏線。
◆安室透との共通点
脇田はNOCである安室との共通点が多い人物でもあります。
両者を似せて描いているのはこの2人が同じく組織をせん滅する立場という可能性があります。
■眠りの小五郎
脇田が眠りの小五郎を目の当たりにした時のリアクションがNOCである安室とよく似ています。
またテーブルの下にコナンが潜り込み、推理ショーが始まる点も同じです。
■差し入れ
脇田は寿司を手土産に探偵事務所を訪れています。
これはサンドイッチを手土産に探偵事務所を訪れ情報収集している安室を彷彿とさせます。
また安室だけでなく過去にNOCであった赤井(沖矢)も料理のお裾分けという形で灰原の元を訪れています。
3人とも似通った立場という伏線になっているのかも。
◆コナンの評価
「長野廃教会事件 97巻」の冒頭で脇田も安室もコナンから同類のような評価をされています。
(安室に対し)(暇なのか?公安…)
(脇田に対し)(自由だなこの人も…)
この2人が似かよった立場(NOCやそれに近いもの)である事の示唆かもしれません。またエピソードの中盤では脇田と安室を落ち着かせようとする小五郎を見たコナンの心中が次の通り。
なんか水戸黄門染みてきたな…
つまり脇田と安室は助さん格さんであって同じような存在と受け止めている事になります。
またエピソードの最後では上原も脇田と安室を引き連れた小五郎を(すごい…黄門様みたい…)と評しています。
脇田と安室が組織をせん滅する同じ立場である事を強調する狙いがあったのかもしれません。
◆後ろ手に組んだ手
安室が諸伏と対面した際安室は手を後ろに組んでいました。
これは警察官の正しい立ち姿です。
これにより警察官として密かに親友の兄に敬意を表していると考えられます。
そしてこの時脇田も安室と同様のポーズを取っています。
彼は常に腕を前で組むクセ(設定)がある人物なのでこの描写は意図的なはず。
脇田の素性が警察官やそれに近いもの、または安室と裏で手を組んでいる可能性を表しているのかもしれません。
◆小五郎の台詞
「何かこーいうのって得意なんだよ!引いちゃならねぇハズレだけは割とピンと来るっいうか…」
脇田と旅行中の小五郎の台詞です。
脇田がハズレ、つまり小五郎にとって脅威に値しない人物という暗示かもしれません。
◆犯人に事件を起こさないよう密かに牽制
記事準備中。
◆ババ抜き
脇田のメイン回「長野廃教会事件」「屋根裏密室事件」両方にババ抜きが登場しています。
正確には長野の事件では長野行きの列車の中で脇田はコナン、小五郎、安室の4人でババ抜きをしました。
屋根裏の事件では被害者の名前が馬場貫康(ばばぬきやす)でした。
ババとはラム酒を使ったお菓子の事です。
よってババ抜き=ラム酒抜きという意味に置き換える事が出来る為、脇田がRUMである事を否定している材料になっています。
◆バターサンド
「屋根裏密室事件」で小五郎はバターサンドで食あたりを起こしていました。
バターサンドは食あたりのアイテムとして一般的ではありません。
そこで作品をよく見るとこの時彼が食べたバターサンドはクリームだけが挟まったものだと分かります。
通常バターサンドはラム酒漬けのレーズンが挟まっています。
つまり小五郎が食べたのはラム酒抜き。
ここでも脇田がRUMではないと暗示しています。
◆めばちマグロ
脇田「そいつめばちマグロ!今が旬でさぁ!!」
脇田が差し入れした寿司の中にあっためばちマグロは目がぱっちりしている事からその名がついたもの。
脇田は左目に眼帯をしていますが実は両目が見えるという伏線の可能性があります。
RUMの絶対条件は隻眼。
両目が見えるのなら当然彼の正体はRUMではありません。
◆酷似した2つの扉絵
脇田初登場の92巻「江戸っ子探偵!?」の扉絵と瓜二つのものがあります。
それが63巻「回る凶器」 の扉絵です。
「回る凶器」は回転寿司屋で発生した事件でしたが扉絵では寿司が寿司下駄にのっています。
「江戸っ子なら(回転寿司でなく)寿司はいい店で」という台詞や腕を負傷した職人は脇田を連想させます。
RUM編は非常に早い段階でその構想が練られていたとされています。
またこのエピソードの次の事件「犯人は元太の父ちゃん 63巻」は明らかにRUM候補3人を意識している為「回る凶器」の段階で作者は江戸っ子口調の寿司職人、脇田兼則を完成させていた事が分かります。
その「回る凶器」の中で歩美はコナンの為にイカをたくさん注文しています。
イカは漢字で書くと烏賊。
イカが烏を海に引きずり込んだという伝説からこの漢字が宛てられました。
つまりイカは烏の宿敵。
ずっと後の92巻の酷似した扉絵で登場する脇田が烏丸の宿敵である事の示唆と考えています。
読者の間でRUMが脇田一択状態になってからも脇田がRUMである事を否定する細かな伏線が張られています。
脇田の正体がRUMなら細かなものは全てミスリードという事になりますが脇田=RUMが定着している中で脇田≠RUMのミスリードを仕掛けるなら大胆な方が読者をいい意味で困惑させる事ができるはず。
脇田≠RUMの描写が非常に細かいのはやはりミスリードではなく伏線だからと捉えるべきです。
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黒田兵衛は若返っている?
黒田兵衛はコナンの推理力を高く評価しています。
それどころかその能力を完全に信頼しきっていると取れる描写があります。
コナンの推理力を理解しているという事は若返りに気付いていると考える方が自然です。
基本的に若返りに辿り着けるのは若返りを目の当たりにした人物だけ。
では黒田は誰の若返りを目の当たりにしたのでしょうか。
私は黒田本人が若返っているのではないかと考えています。
正確には若返っているのは黒田兵衛の影武者の方です。
◆黒田の影武者はコナンの幼児化に気付いている
黒田はコナンの幼児化の現象に気付いていると考えられます。
その根拠となるのが「ブログ女優の密室事件 87巻」の次の台詞。
高木「け、警部!コナン君の指示通りにしろと…か、管理官が…電話で…」 87巻
現場にはベテランの目暮警部もいましたが黒田は彼らよりもコナンの能力が事件解決に必要と考えているんです。
また事件解決後コナンにこんな言葉をかけています。
黒田「君なら事件解決の手助けをしてくれると信じていたよ…」
黒田はコナンの能力を信じきっているのが分かります。
次に「標的は警視庁交通部 95巻~96巻」。
黒田はコナンの姿を視界に捉えただけで安室に連絡を入れています。
安室「言われた通り僕が提供できる情報は全てあの少年に伝えました…」
この言葉から黒田が安室に指示したのはコナンへの情報提供と分かります。
普通事件の情報の全てを小学生に渡したりしません。
またコナンが安室の元を訪れる前に連絡を入れたのはコナンが事件解決の為に行動を起こすのを見越していたからです。
これもコナンがいわゆる「普通の子供」ではない事を黒田が理解しているからと言えます。
やはり彼はコナンの幼児化に気付いているとみていいはずです。
黒田はコナンへの関心が高い時と関心を示さない時との差が顕著な人物。
コナンへの関心の差が見られるのは黒田は1人ではないからです。
黒田は入院中に外見が大きく変貌した事から入れ替わりが考えられる等謎に包まれた人物です。
一応便宜上コナンに高い関心を示す、つまりコナンの若返りに気付いている方を黒田の影武者とします。
この黒田の影武者はコナンの幼児化に気付いている事と灰原と対面しながら彼女から組織の一員と判断されていない事から組織の者ではないと考える事ができます。
◆若返りの伏線
幼児化に気付く為には若返りの現象を目の当たりにしなければ基本的には無理と言えます。
赤井(この目で見るまでは…とても信じられんがな…) 98巻
赤井は何かしらのルートから母メアリーの少女化の情報を仕入れています。
コナン、灰原、ベルモットの若返りの事実に辿り着いている赤井でさえ母の少女化の現象は耳にしただけでは信じる事ができない。
やはり作中には若返りの現象は聞いただけでは辿り着けないという定義があるようです。
黒田の影武者はコナンの幼児化に気付いていますが彼の場合、目の当たりにした若返りの実例は黒田の影武者本人の可能性があると思います。
私は黒田が関わったある2つの事件に注目しています。
それが「ブログ女優の密室事件 87巻」と「標的は警視庁交通部 95巻~96巻」。
この2つの事件の黒田はコナンへの関心が極めて高い、つまりコナンの幼児化に気付いている事からこれらの事件の黒田は黒田の影武者と言えます。
実は黒田の影武者が関わった2つの事件はどちらも年齢が絡めて描かれたエピソードなんです。
「ブログ女優の密室事件」はある女優が年齢をサバ読んでいる事を被害者が知りその事実を暗号にしてブログにUPした結果発生した事件でした。
また「標的は警視庁交通部」のシリーズ1話目のタイトルは「同い年なのに…」。
苗子が同い年の千葉刑事から「中学生にしか見えない」と指摘され、それを嘆いた彼女の胸の内がタイトルに使用されています。
凶悪な連続殺人事件のシリーズ1話目のタイトルとしては違和感を覚えます。
また事件の内容はタイトルとは無関係です。
念のため1巻から現在まで(現在100巻収録エピソードも本誌掲載済み)のタイトルを全て振り返ったんですが連続殺人の幕開けにこのようにタイトルと内容がミスマッチなものが使用されたのはこの話だけでした。
そもそもこの「同い年なのに…」のようにタイトルとエピソードが一致しない事そのものがほぼありません。
挙げられるものの一つがボス判明回の「ホラ 95巻」とかその程度です。
全タイトルをチェックして見るとやはり「同い年なのに…」というタイトルは伏線の可能性が高そう。
黒田兵衛と年齢には何か深い繋がりがありそうです。
幼児化の現象に気付いている黒田の影武者が年齢を絡めて登場するのは彼自身が若返っている伏線なのではないでしょうか。
黒田が若返っていると考えらえる伏線は実は他にもあるのですがそれは私の複数の考察が的中していれば辻褄が合うという話なんですよね。
私の考察は時折ご指摘いただきますが相当風変りなのでその風変わりな考察が当たっている事を前提に黒田の影武者の若返りについて記述するのも読者の方が混乱するだけのような気がするので今回は割愛する事にしました(笑)。
◆既出のキャラクターから若返りを検証
黒田の影武者がコナンの幼児化に気付けたのは彼自身が若返っている可能性が高いというのが私の推理です。
ですが彼本人が若返っていなくてもコナン以外の若返りの実例を目の当たりにしている可能性は無いとは言えません。
作中で若返りや不老が明らかになっているのはコナン以外に灰原、ベルモット、メアリーがいます。
黒田の影武者が灰原、ベルモット、メアリーの若返りの現象を知っている可能性について検証したいと思います。
まずは灰原。
この黒田の影武者は灰原と面識がありますが彼女に全く反応していません。
灰原の幼児化には気付いていないと言えます。
続いてメアリー。
メアリー「それより荷造りをしろ!根城を変える…」 90巻
彼女は組織が自分達に迫る危険性を感じるとすぐに逃げるという行動を取りました。
黒田の影武者は影武者とは言え権力のある立場の人物。
メアリーが黒田の影武者と水面下で繋がっている可能性は否定できませんが黒田ほどの大物と連携できていれば彼女はここまで慎重に行動しなくてもいい気がします
よって黒田の影武者の知る若返りの実例がメアリーという可能性は現時点では低いと言えそう。
ではベルモットはどうでしょうか。
黒田の影武者は長年に渡りベルモットと何らかの繋がりがあり彼女の容姿が全く変わらない様子を時間をかけて見てきたのかもしれません。
この可能性は残ります。
ですが次の項目の通り作中で若返りが明言されているコナン達以外にも若返っている人物がいる可能性が高いんです。
◆謎に包まれた秀吉の情報網
羽田秀吉は初登場時からコナンの幼児化に気付いていると考えられます。
つまり秀吉はコナン以外の人物の若返りを目の当たりにしているはず。
ですが彼は母親であるメアリーの若返りに気付いていません。
また彼は灰原と面識がありますが彼女に関心を持っていません。
宮野志保の幼児化には気付いていない事が分かります。
ではベルモットはどうでしょうか。
赤井がコナン達の幼児化の現象に辿り着いた背景にはベルモットの存在があります。
ベルモットがジョディの両親を殺害した際現場に残された指紋により彼女の不老の秘密をFBIが握ることになりました。
つまりベルモットの不老はFBIが握る完全な機密事項です。
いくら弟が優秀な頭脳の持ち主と言えど赤井がFBIのトップシークレットの提供を行うはずはありません。
秀吉がベルモットの不老からコナンの幼児化に辿り着いたとは考えにくいでしょう。
よって秀吉の目の当たりにした若返りの現象はまだ作中に登場していない人物、あるいは既出のキャラクターで若返りが明言されていない人物。
このどちらかの可能性が高いと言えます。
そして黒田の影武者は若返っている可能性が高い人物。
秀吉の知る若返りの実例は黒田の影武者なのかもしれません。
この2人の直接的な接点というのは原作上確認できませんがもし秀吉が黒田の影武者の若返りに気付いてるのなら2人は連携していると考える事もできます。
黒田の影武者は影武者を務めている以上変装が得意です。
喉元に変声機のようなアイテムは確認できませんから声色も操れる人物という事になります。
黒田と言えば50歳とは思えない白髪と貫禄の持ち主。
ですが変装が得意な人物なら20代に若返っていたとしてもこの貫禄ある外見と低音も難なくクリアできます。
◆29歳の男性という設定か
ここまで黒田の影武者の若返りの可能性について綴りました。
私は彼は29歳という設定で生活しているのではないかと考えています。
というのも黒田の影武者の登場した「ブログ女優の密室事件」と「標的は警視庁交通部」の2つの事件は先述の通りどちらも年齢に絡めた話であり同時にどちらも29歳の人物が登場しているからです。
「ブログ女優の密室事件」の犯人の北見は24歳という設定でしたが実年齢は29歳でした。
また「標的は警視庁交通部」は黒田と安室が上司と部下の間柄である事が判明した事件。
安室の年齢は29歳です。
どちらの事件も29歳の人物が大きくクローズアップされています。
そして「標的は警視庁交通部」の1話目のタイトルが「同い年なのに…」。
これらの事を踏まえると黒田の影武者は安室と同い年の29歳まで若返っている可能性があると思います。
正確には29歳という設定で生活しているのかなと。
29歳と言えば年齢不詳のベルモットもクリスとして女優活動をする際に用いている年齢。
この事からもこの年齢はありえそうです。
また若返った上で29歳という設定なら実年齢はかなり上のはず。
そして黒田兵衛と言えば読者の間で正体が赤井務武なのではないかとされる人物。
赤井家長男の秀一が32歳なので諸々の考察が当たっていれば黒田の影武者の正体が務武という可能性もあり得ます。
現在は記念すべき100巻掲載となるエピソードの最中です。
29歳の新たな男性キャラクターが登場する事も有り得るのかなと思います。
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優作に変装したのは梓!協力者は脇田か
結論から先に述べます。今回は完全なミスリードの話です。
優作に変装したキッドは偽物でその正体は優作に変装したキッドに成りすましたベルモットだったという非常にややこしいオチになっていますがこれは完全なミスリード。
優作に変装したキッドに成りすましたこの人物はベルモットではありません。
記念すべき100巻最初のエピソードにふさわしい伏線だらけの事件でした。
- ◆キッドを否定する数々の伏線
- ◆ベルモットを否定する要素
- ◆偽優作の正体は榎本梓
- ◆薬品を混入したのは脇田か
- ◆脇田と梓は親子か
- ◆偽優作の変装術は黒羽譲り
- ◆ベルモットが探りを入れた人物は誰なのか
- ◆実は勝利を掴めなかった工藤夫妻&FBI
- ◆RUMとラムは別人?
- ◆マリアちゃんの暗号を意識した物語の展開
- ◆その他のまとめ
偽優作のTVで推理ショー
優作が自宅から生放送で事件を解決する予定だったもの食あたりでダウン。
妻の有希子が優作に変装しコナンが変声機で手助けすることでやり過ごす予定だったもののその有希子まで同じく食あたりで戦力外。
そんな中優作に変装をしたキッドが工藤邸を訪問。
キッドの協力で事件は解決、生放送も無事に終了。
しかしその直後本物の怪盗キッドが渋谷に出現しコナンは優作に変装していたのはベルモットと気付き大慌て。
ですが食あたりは自分たちの食事に異物を持った相手を油断させる為の演技で工藤夫妻は健康に全く問題はなし。
これは組織を騙すため優作がFBIも交えて企てた大掛かりな作戦だった…。
偽優作の正体はベルモットだけど彼女を上手く騙した優作の立てた作戦は見事だったという流れ。
ですがよく見ると工藤邸を訪れたのはベルモットではありません。
コナンが偽優作の正体がベルモットだと感づいた直後に「ラムから頼まれたヤボ用」を済ませジンとウォッカと合流するベルモットの姿が確認できます。
ですが彼女はこの「ヤボ用」が工藤邸への侵入だとは一言も言っていません。
また煽り文も偽優作の正体がベルモットとは書いていません。
ベルモットの言う「ラムから頼まれたヤボ用」は工藤邸訪問という作者によるミスリードです。
今回はその根拠とこの偽優作が何者なのかを綴ります。
◆キッドを否定する数々の伏線
まず偽優作がキッドの変装ではないと推理する事のできる伏線について。
これは作中にいくつも見られましたね。
偽優作「何か恩返ししようと跡をつけてたら…偶然薬局でお前らの会話を聞いたんだよ…」
コナンと有希子の会話を薬局で聞いていたのはキャスケットを被った人物。
キッドらしさを感じさせないアイテムです。
偽優作の「了解!」の時の意味深な笑みと背景の描き方も読者にはキッドの偽物を疑わせる材料です。
キッドの表情やモノローグが全くないのも大きなポイントでした。
唯一描かれたのがコナンからキッドと指摘された時。
これはコナン目線の正解でしかありません。
何より分かりやすいのがキッドの能力の低さです。
コナン「何か気づかねぇか?」
偽優作「ん?」
コナン「オメー、前にこーいう仕掛けっポイの解くのは得意とか言ってなかったか?」
この人物は現場の画像からほとんど情報を読み取れていませんでした。
結果コナンからはこんな指摘も(笑)。
コナン「オメー腕…落ちたんじゃね?」
偽優作の正体がキッドではないと考えられるシーンばかりでしたね。
◆ベルモットを否定する要素
偽優作はキッドではなかった。
その事実判明後ベルモットが登場した事で読者の中には偽優作=ベルモットという図式が誕生します。
ですが偽優作をベルモットとすると矛盾だらけと言えます。
1・偽優作=ベルモットならコナンを危険に晒すだけ
そもそもラムが工藤夫妻に目をつけていたのならこの2人に薬品を盛る意図が不明です。
「薬品に気付かずダウンした工藤夫妻は間抜けな人物だからノーマークにしようとラムが考えている」で話が通るとは到底思えません。
また工藤邸侵入がラムとベルモットの計画とするとおかしな事だらけです。
とりあえず工藤夫妻に毒を盛る指示はラム、任務遂行はベルモットと仮定します。
彼女は毒を盛った結果工藤夫妻がダウンした事実をラムに伝えるはずです。
この日の出来事をラムに伝えずに済むのであればそもそも毒を盛る必要がありませんからね。
工藤邸侵入がラムの命なら優作が生放送中に事件を解決した話はラムの耳にも届くでしょう。
生中継も直に見ていたかもしれません。
ですが毒を盛られた優作が倒れているのだからTVに出演している優作は偽物、つまり変装技術を持つベルモットだとラムは判断します。
推理力がそれほど高いとは言えないベルモット(偽優作)が生中継でズバズバと事件を解決していく様子を見れば彼女に推理の手伝いをしている人物がいる事にラムは気付くはずです。
つまり偽優作=ベルモットとすると彼女はTVを通して「工藤邸には優作以外にも優れた推理力を持つ人物がいるの。そして私はその人物と繋がっているわ」とラムに伝えている事になるんです。
ベルモットはコナンを宝物と考えていますから偽優作=ベルモットとすると彼女は自分の宝物を危険に晒す道を選択しているわけです。
コナンを大切に思っているベルモットがこんな行動に出るはずがありません。
同時に彼女本人にもラムから疑いがかかる行為です。
偽優作=ベルモットとするとこの行動はリスクしかありません。
ラムが工藤夫妻に目をつけているのが事実にしても取る行動は工藤夫妻の力量の観察か抹殺かといったところのはず。
食あたりにさせて動きを一時的に封じた所でラムが得るものなんて高が知れています。
薬品を混入させた人物は工藤夫妻をダウンさせコナンを誘き出す事、つまり江戸川コナンの正体を突き止める事が目的なんです。
2・偽優作の不可思議な言動
工藤邸を訪れた偽優作は首元にチョーカーなどを身に着けていない為変声機無しで声を自在に操れる変装の達人です。
キッド以外にこの変装術を持っている事が明かされているのは現時点でベルモットだけ。
必然的に変装をしているのは彼女と考えてしまいがちですが正体がベルモットとするとどうにも納得のできない描写が複数確認できます。
偽優作「うわっ!結構えぐいな…」
遺体の写真を見た時の反応です。
ベルモットと言えば組織の古参メンバーであり殺人も犯しています。
何度も遺体を見慣れている人物の反応とすると不自然です。
またこの偽優作の特徴として非常に女性らしい点が挙げられます。
偽優作「ん?」「どぞ!」「了解です!」「あ、はい…」
些細ではありますが台詞の随所に女性らしさが滲み出ていました。
またトリックの内容には気付けなかったにも関わらず被害者の髪型と床に落ちていたヘアクリップに目が行く点も女性特有のものを感じさせます。
そして偽優作は被害者の台所のフライパンの色に注目していましたがベルモットが料理をするのは想像出来ません。
そして生放送の中継スタート直後の椅子の座り方が女性らしいのもポイントでしたね。
偽優作=ベルモットとすると言動があまりにも女性らし過ぎるんです。
また偽優作の表情もベルモットのものではありません。
シリーズ2話目の最後、目の前のレポーターが犯人と分かると目を丸くし相当驚いています。
また3話目の冒頭で犯人を名指しするシーンも頬に汗をかいて余裕のない様子が窺えます。
ベルモットはコナンの正体を知っていますし彼を信頼し宝物として大切に思っています。
彼女ならコナンの導き出した答えが例え想定外であっても冷静さを保てるはずです。
よってこの表情はベルモットのものではありません。
そして偽優作=ベルモットを否定する大きな伏線となっているのが偽優作が犯人の夢川に向けたこの台詞です。
「あなたが夢川さんですか!お美しい!!」
「若い女性は日に日に美しくなられるので…」
ベルモットは不老の状態。それは組織の目的と関係があるはず。
また彼女は組織の一員でありながら組織の壊滅を目論んでいる一面も持ち合わせています。
彼女はかつて若い女性ばかりを狙う犯罪者に変装していた事がありました。
これはベルモットが自分の永遠の若さというものを心の中では嘆いているという現れでしょう。
つまりベルモットは若さと美しさを同列に考えていない人物です。
不老に苦しんでいる彼女から若さを称賛する言葉が出てくるはずがありません。
ベルモットはこんな台詞を言わない女性なんです。
3・組織と合流後の不可解な発言
ジンとウォッカと合流後、ベルモットは到着が遅れた理由を「ラムからのヤボ用」と語っています。
ですがこれが工藤邸への侵入を指しているとするとおかしな点ばかりです。
ベルモット「今後、組織の脅威になりそうな人物が…なぜか日本に留まっていたから…その腹の内を探りにね…」
この「今後組織の驚異になりそうな人物」が優作である場合ラムは工藤新一生存の可能性を感じ、工藤夫妻が息子の存在を隠蔽している点を危惧している事になります。
ですが新一生存の情報をRUMは一切掴んでいません。
「工藤新一生存情報は不確かだが工藤夫妻は危険人物だから組織を動かそう」というのがラムの考えとすればそれはもうせっかちではなくただの無計画としか言いようがありません。新一生存情報の裏を取るのが先のはずです。
また現時点で組織サイドが優作を驚異とみなす伏線はどこにもありません。
ベルモット視点では工藤夫妻が日本に留まっている理由は息子を守るためだと察しがつくはずです。
「なぜか日本に留まっていた」と発言したのは彼女が探りを入れて入れていた相手の行動の意図を正確に読み取れていないから。つまりこの日彼女が探った相手は工藤夫妻ではありません。
そして次の台詞もポイント。
ウォッカ「で?どうだったんですかい?そいつ…」
ベルモット「拍子抜けもいい所…あれならいつでも殺せるわ…」
このジャッジは相手の言動を目の当たりにしていないと出てきません。
例えこの日工藤邸を訪れたのがベルモットだとしても偽優作は工藤夫妻と面会をしていないのでこのジャッジは不適切。
ジン「殺してねぇのかよ…」
ベルモット「ええ…今日の所は…でも必要とあらば…何時でも…」
こう語るベルモットのコマは背景が真っ白でした。
この背景に工藤夫妻を描いた方が読者は緊張感をもって作品を読むことができます。
それをしなかったのは彼女が探りを入れた相手が工藤夫妻ではないからです。
工藤邸を訪れていたのなら優作のジャケットを着ている事で答え合わせをした方が賢明ですしね。
ジンとウォッカと合流後のベルモットの発言全てが自分は工藤邸にはいなかったと言っているようなものなんです。
4・混入された薬品が語る伏線
実は工藤夫妻の食事に盛られた薬品も偽優作がベルモットではないと判断できる材料になっています。
優作「料理の味が少し変だったから後で調べてみたら…ジスチグミン臭化物が料理に混入されていた事がわかったんだ…」
「ジスチグミン臭化物を摂取した時の症状は、食中毒のような…」
優作はジスチグミン臭化物についてやたら詳しく語っています。
ジスチグミン臭化物は目の治療に使用される一般的な薬品です。
わざわざこの薬品名を出し細かな説明までしたのはこの薬品を混入した人物が目の治療を行っている(いた)とするヒントです。
RUMと言えば隻眼。目の薬は必要ありません。
ベルモットも目に問題があるという設定はありません。
つまりベルモット、RUM共にこの薬は使わない。
この薬品名を使用する事で工藤邸侵入に組織が関わっていない事を暗示しているんです。実に巧みな伏線ですね。
◆偽優作の正体は榎本梓
偽優作の正体はキッドでもなければベルモットでもない。
ではこの人物は一体誰なのでしょうか。
私は以前から喫茶ポアロのウェイトレスである榎本梓はコナン=新一を疑っている人物であり、同時に変装の達人であると考察してきました。
▼梓がコナン=新一を疑っているという記事はこちら
私はこの日偽優作に扮したのは梓だと考えています。
この人物は推理力が高くありませんが梓とすると合点がいきます。
また偽優作が遺体の画像を「えぐい」と語っていましたが実は梓は殺人事件に一度も遭遇した事のないコナン界における奇跡的なキャラクターでもあります(笑)。
遺体を見慣れていない人物のリアクションの伏線とすると面白いですね。
偽優作がやたら女性らしかった点は梓を思わせますし調理道具に目が行くのも料理が得意な人物=梓の伏線だと思います。
また作中に意味なく登場したピンクのマイクも偽優作=梓の伏線です。
コナン「ああ…よくピンクのマイクでレポーターしてる…」
偽優作「(犯人のレポーターを)知ってる知ってる!ロケのレポーターが多くて真っ黒に日焼けしてる…背の低い新人アナだろ?トレードマークはピンクのマイク!」
ピンクは梓のイメージカラーです。
安室が主人公の『ゼロの日常』では安室が公安の協力者の女性の衣装の調達を風見に命じていると考えられる描写があります。
そして協力者の女性のイメージカラーがピンクであることも示唆されています。
この人物こそ梓の可能性が高いのです。
▼安室が梓を協力者とする伏線についてはこちら
強調されていたピンクのマイクがトリックや事件の動機に関係があるのならともかく結局物語に一切関係無く事件は解決しています。
ピンクのマイクはこの偽優作を演じた人物に関するヒントでしょう。
やはりイメージカラーがピンクの梓が濃厚なんです。
今後もし梓が優作に変装していたという答え合わせがあるとしたら彼女はコナンに足を踏んづけられていたので足を痛がる、庇うなどの描写が入るかもしれませんが連載再開がやや先になるのでその頃には治っているかもしれません(笑)。
■追記:「ロック」が伏線の可能性も
コナン「ダンジョン・ホームズ」っていうゲームのキャラの「ロック」だよ」「ロックと共に色々な謎を解くんだ!」
今回の事件の発端になったゲームに登場するロックというキャラクターについての説明ですがこの台詞は私は不要だと感じました。
実際にキャラクター名は事件に何も関係ありませんでした。
ですがシリーズ1話目のサンデーの表紙には69巻のコナンが登場している事から「ロック」を強調する狙いがあると捉える事も出来そうです。
ロックは数字にすると609。
赤井が死亡を偽装したのがFile609です。
死亡したのが赤井に見せかけて実は別人の遺体だったというのが後に明かされます。
コナン史上最大級のスリ替えトリックが行われたのがFile609である事を踏まえるとこの偽優作もベルモットに見せかけて実は別人という展開のヒントとして作者は「ロック」という名前を使用してたのかもしれません。
◆薬品を混入したのは脇田か
工藤夫妻の食事に薬品を購入したのは脇田の可能性が高いと思います。
ジスチグミン臭化物は目の治療に使用されるもの。
そして脇田は眼帯のある左目とは逆の右目に視力の低下が見られます。
脇田が自分の右目の治療に使用している(あるいはつい最近まで使用していた)薬を混入したのでは。
▼脇田の右目に関する考察はこちら
97巻で若狭が右目を抑えていた事から彼女も目の治療を行っている可能性はあります。
若狭が薬品を混入し、変装の得意な人物とタッグを組んで工藤邸に潜入した可能性はゼロではないかもしれません。
ですがこれはベルモットにも言える事ですが工藤夫妻に毒を盛る理由が見えてこないんですよね。脅威と感じた相手なら毒など盛らず様子を見た方が賢明なので。
また若狭はコナンの正体に気付いている人物です。
毒を持った人物はコナンの正体に迫る事が目的。
よって工藤邸侵入に若狭が絡んでいる可能性は低いかと思います。
黒田はサングラスをかけている事と時折描かれる右目の描写から隻眼は本物のはず。
隻眼の彼はジスチグミン臭化物は必要としていないので薬品混入はやはり黒田でもありません。
右目の視力低下の描写に加え消去法から述べても工藤夫妻の食事に薬品を混入したのは脇田の可能性が高いと言えそうです。
◆脇田と梓は親子か
偽優作は榎本梓、薬物混入は脇田兼則というのが今回のエピソードから読み取った私の推理です。
両者は勤務している店が隣同士というだけで作中で一度も顔を合わせていません。
ですがあらゆる伏線から私は以前からこの2人は親子ではないかと考察し記事にしてきました。
今回の事件を通し、脇田と梓は繋がっているという可能性は私の中でまた高まった感じです。
▼脇田と梓が親子という記事はこちら
梓の推理力では単独行動は不可能。
脇田の協力があってこそ梓は動けたのだと思います。
◆偽優作の変装術は黒羽譲り
私の考察では脇田も梓も変装ができるのですが謎だった点としてこの2人はどこで変装術を学んだのかというのがありました。
ですがキッドと交流の深いコナンを騙せるあたりやはり黒羽盗一から変装術を学んだと考えた方が自然ですね。
だからと言ってコナンとキッドのやり取りまで真似できるのかという疑問が生じるかもしれませんがそれはこの偽優作がベルモットであっても同様の事が言えるでしょう。
ただし変装術を学んだのは脇田だけで梓は声こそ変えられるものの変装は脇田に任せているという事も考えられます。
◆ベルモットが探りを入れた人物は誰なのか
工藤邸に現れたのはベルモットではありません。
ではベルモットが「ラムに頼まれて」探りを入れていた相手は一体誰なのか。
素直に考えればRUM候補のうちの誰かでしょう。
「なぜか日本に留まっている」という発言からこの人物の本来の居場所は日本ではないと考えられます。
RUM候補は3人ともアメリカで起きた羽田事件と何かしら接点のあるメンバーなのでこの発言も合点がいきます。
「拍子抜け」「いつでも殺せる」と評した点から脇田と若狭のどちらかだと思います。
さすがに警察内でそれ相応の地位についている黒田をこのように低く評価はしないはずですから。
私としては脇田の事を指している可能性の方が高いような気がします。
ベルモットにとってコナンは大切な宝物。
そのコナンの通う学校に組織が目をつけている人物がいるのなら彼女は「拍子抜け」という程度の表現では済まないはず。
よって若狭ではなさそうです。
一方脇田は一見ただの冴えない外見の寿司職人ですから「いつでも殺せる」という発言は全く意外性はありません(笑)。
※追記
脇田はRUMの影武者と考えているのでRUMにしてみるといなくなると困る存在なのかもしれません。その線でいけば脇田は除外されるかも。
最新の事件で黒田と伊織が金髪の男性について語っていますがこれが安室ではなく新キャラの可能性も考えているので子の人物だったりするのでしょうか。2022年3月
◆実は勝利を掴めなかった工藤夫妻&FBI
工藤夫妻とFBIは工藤邸に乗り込んできたのがベルモットだと完全に信じ込んでいました。
ですが実際は工藤邸を訪れたのは梓です。
梓は灰原と面識がありますが灰原は彼女から組織の気配を感じていません。
工藤夫妻とFBIサイドは食あたりの演技で敵を欺いたと安堵していますがそもそも訪問者の梓は敵ではありません。
工藤夫妻が食あたりの演技をするという事も脇田や梓からすると予想通りだったんではないでしょうか。
有希子「最近誰かに監視されてるって優作に言ったら…逆に目立つ行動を取って相手の出方を見ようって…」
優作「そうしたら怪しげなイタリアンのチラシがポストに入っていて…」
脇田は(梓も加担したかも)敢えて疑わしい行動を取り工藤夫妻の警戒心を高め、その後怪しいとされる低レベルなチラシをポストに投函したのではないでしょうか。
これは警戒心から工藤夫妻が食事を口にしない事を見越した上での行動と考えられます。
脇田達はわざと疑われる手法を取った上で工藤邸に侵入したのだと思います。
自宅を訪問したのがベルモットだと騙せている時点で脇田の作戦に軍配が上がっている形です。
そうなると脇田は作中屈指の推理力を誇る優作を凌ぐレベルの頭脳の持ち主という可能性も。
以前少しだけ脇田兼則=赤井務武の可能性に触れましたがその可能性がまた高くなる要素の1つと考えられそうです。
◆RUMとラムは別人?
ベルモットの台詞ではRUMではなくラムの命令で動いていたとの事。
ジン「17年前にラムが抜かった仕事(ころし)なんざ…知った事か…」 90巻
作中ではコナンはラム、RUM両方を使っています。
最近はRUMばかりでしたが基本的にはこの使い分けには意味があると考えています。
ですがベルモット、ジン、そして元組織の灰原もラムを使用していますから組織内での正式な呼称はラムという可能性も。
また仮にその通りならRUMから安室に渡ったメールの文末がRUM表記である事が気掛かりです。
早くからRUMには影武者がいると囁かれていた上黒田も脇田も羽田事件の重要人物である若狭の情報を持っていながら交流のある安室に伝えていませんでした。
つまり安室はRUMに近いようでいて実はRUM候補3人の誰とも正確な連携が取れていない状態なんです。
本物はラムであり彼が連絡のやり取りをしているRUMは影武者という可能性もありえなくはないかもしれません。
もしこの表記が本物と偽物のヒントとしたら基本的に物語はRUM表記で進んでいるので私としてはこちらが本物という感じです。
かと言ってRUMと長い付き合いのはずのベルモットが会っているのが偽物とするのも腑に落ちません。
この辺りはもっと深く考察すべき点かと思います。
◆マリアちゃんの暗号を意識した物語の展開
気付いている読者がいるか分かりませんが実は最近のコナンは「マリアちゃんをさがせ! 95巻」を密かに意識した物語の展開となっています。
「マリアちゃんをさがせ!」はコナン達のクラスメイトである東尾マリアちゃんを探す為少年探偵団が彼女の自宅に残された暗号を解読しマリアちゃんを発見するエピソード。
このエピソード掲載時にボスの正体が烏丸である事が判明した事からこの時に使用された暗号はかなり重要な意味を持つと考えられます。
そしてこの話の中で「月と星と太陽の秘密 12巻」の話題が出た事などからこの2つのエピソードは関係性があると考えられます。
「マリアちゃんをさがせ」の暗号が示していたのは地下室。
「月と星と太陽の秘密」の暗号を解読するとその先は屋根裏部屋。
では最近のコナンというと次の通り。
「牧場監禁事件」は地下室に閉じ込められた話。
その次の「屋根裏密室事件」は屋根裏部屋で遺体を発見。
その次(今回)の「偽優作のTVで推理ショー」はダンジョン(地下)がテーマ。
「マリアちゃんをさがせ(地下室)」と「月と星と太陽の秘密(屋根裏部屋)」を意識して作られた事件が続いている事が分かります。
事件の起きた場所だけでなく事件内容も暗号を意識しているのですがこの事についてはまた詳しく別の記事にまとめたいと思います。
これを踏まえると次の事件は屋根裏部屋かこれに近いワードが登場するかもしれません。その点にも注目しています。
暗号を意識した展開という時点で物語が大きく動いている気配を感じますね。
◆その他のまとめ
■赤井に正体を明かさないコナン
コナン(と、父さん⁉母さんも…何で⁉)
コナンは赤井に自分の正体を明かしていないと取れる描写はこれまでもありましたが今回もやはりという感じ。コナンはこの言葉を口には出しませんでした。
■工藤夫妻と赤井率いるFBIが主導権を握る
赤井率いるFBIが久しぶりの登場。RUM編の大きな進展を予感させます。
今回は本来活躍すべき主人公が引き立て役のような形となってしまいました。
これは95巻でボスの正体が烏丸であることに辿り着いたのが優作と赤井であった事を思い起こさせます。
一応補足するとボスの正体に気付いたのがこの2人という可能性は低いと思います。
当初分けて考えていたASACAとRUMを1つにするという案だけではMURASACAなど全く別人の名前が浮上するにも関わらず烏丸と断言できたのはボスの正体が烏丸と知っている何者かのリークがあったと考えた方が自然なので。
つまり優作&赤井はコナンに内緒で何か大きな情報網を持つ人物と繋がっている可能性が否定できない状態。
記念すべき100巻で主人公の巻き返しに期待したいところ。
■コナン陣営VS組織に大きな展開が!?
優作「後は、備えるだけだ…組織(かれら)の…大きな…動きに…)
「後は備えるだけ」というのは極めて恐ろしい台詞。
優作は何をどのように備えるべきか先を見通せている状態。
敵がどのように攻め込むか予想ができているとも取れます。
もし完璧な予想を立てているのであればその情報はボス=烏丸をリークした人物からもたらされたのかもしれません。
またお茶会をした安室からという可能性もありそうです。
「長野廃教会事件 97巻」でコナンは安室にRUMについて質問しています。
この事からお茶会ではRUMに関する情報は共有されなかったと考えていましたが今回そのお茶会の参加者である工藤夫妻と赤井がコナンに内緒で作戦を決行した事を踏まえるとお茶会で安室がRUMに関する情報を工藤夫妻と赤井に渡し、コナンには秘密にしてあるという可能性も出てきました。
とは言え「大きな動き」という言葉は読者に緊張感を与える狙いがあるだけと捉える事は可能です。
またこの記事で記している通り工藤邸を訪れたのはベルモットではありませんから工藤夫妻は「後は備えるだけ」以前にもう失態を犯しているわけです。
それに加え安室が連絡を取り合っているRUMが偽物となれば優作は偽物を相手に計画を立てている可能性も…。
コナン陣営にはFBI、公安、CIAがいます。MI6も参加するでしょう。
この字面だけでもコナン陣営は強すぎるので(笑)RUM側の意表を突いた行動で読者をいい意味で不安にさせてほしいものです。
あと気になった点と言えば優作が組織を「かれら」と語った事。
「彼ら」は大人数を意味する一般的な表現ですがボスの正体が女性なら使わない表現だと感じました。むしろこの日姿を現したのは女性のベルモット(本当は梓)ですから「彼女たち」の表現の方が適切な気がします。
優作はボスが男性という事を掴んでいるのか、それとも青山先生の心の声(ボス=男性)が表に出てしまったのか。
深い意味は無いかもしれませんが気になりました。
100巻で梓が動き出す可能性は考えてはいましたが思ったよりも行動が大胆で驚きました。完全に油断していました。
脇田と梓が協力し工藤邸を訪れた理由はまた別の記事にまとめます。
梓に関する考察でまだUPしていないものは早めに記事にしようと思います。
梓は生死不明の務武同様100巻の要注目人物の1人となりそうです。
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12年越しの伏線~脇田を昏睡状態に追いやった意外な女性とは~
RUM候補の中で唯一過去に関する描写が一切なく謎に包まれた脇田兼則ですが最近掲載された「屋根裏密室事件」で彼の過去に迫る伏線が確認できました。
しかもそれは青山先生が実に12年前から仕掛けている巧妙な伏線だったんです。
◆脇田はやはり昏睡状態だった可能性が高い
ミステリー好きという設定でありながら工藤新一を知らない。
また眼帯をしているのは左目ですが実は右目の視力が低下していると考えられる描写がある。
この2点から彼が事件や事故により最近まで昏睡状態にあったのではないかと推測して以前記事にしました。
それを裏付けるように「屋根裏密室事件」で脇田はスーパーアイドル沖野ヨーコを目の前にしても全く驚いた様子を見せていませんでした。あの江戸っ子口調でヨーコの容姿や人気ぶりを讃えるのが本来の脇田らしさというものではないでしょうか。
有名人を前に脇田が見せた冷静さは彼は沖野ヨーコを知らない、やはり最近まで昏睡状態にあったという考察を補強する事ができます。
では脇田が昏睡状態に陥った原因は一体何なのか。
それを紐解くカギが脇田の登場前に描かれたある事件にあります。
脇田はある事件の被害者だった可能性が極めて高いと言えるんです。
◆脇田の過去に迫る3つの扉絵
脇田の過去を考察する上で外せないのが3つの扉絵です。
1つ目は脇田の初登場となる92巻「江戸っ子探偵!?」。
2つ目は87巻「BLOG」、そして3つ目が63巻「回る凶器」です。
注目ポイントはこの3つの扉絵が非常に似通っている事。
どれも食べ物を口に運ぼうとするコナンが描かれています。
コナンの表情、構図も3つともあまりに似すぎている。
特に「江戸っ子探偵!?」と「回る凶器」はイラストを使いまわしたのかと思うほど酷似しています。
確実に意図的であり伏線です。
そう断言できる理由として「回る凶器」は回転寿司屋で発生した事件にも関わらず扉絵は寿司が寿司ゲタにのせられています。本来は回転寿司屋を意識した描写になるべきです。
またこの事件の中で「江戸っ子なら寿司はいい店で」といろは寿司を思わせる台詞や眼帯をした脇田を連想させる腕を痛めた職人も登場しています。
RUM編はこの頃にはすでに構想があったとされています。
青山先生は63巻の「回る凶器」の時点で回らない寿司屋に勤務する江戸っ子口調の人物、脇田兼則というキャラクターを作り上げていた事が窺えます。
つまりあまりに似通った「江戸っ子探偵!?」「BLOG」「回る凶器」の3つの扉絵は脇田兼則という人物を考察するための伏線の役割を担っているわけです。
◆「ブログ女優の密室事件」の伏線
では扉絵で表されている脇田の過去とは一体何なのか。
まず3つの扉絵の1つ「BLOG」に注目してみましょう。
脇田の初登場は92巻。「BLOG」は87巻に収録されている事件なので脇田が登場するより前のエピソードです。
この事件は「ブログ女優の密室事件」というタイトルでアニメ化されています。
「ブログ女優の密室事件」
北見沙弥、庄野杏奈という2人の女優が登場。
庄野が北見に「あなたの秘密をブログにアップした」と語りそれを受けて北見は庄野を殺害。
被害者の庄野はブログに漫画本が陳列された本棚をアップしていた。
その中に映っていた漫画の1つが「恋のヒット&ラン」。
ヒット&ランは日本では野球用語だが外国での意味はひき逃げ。
北見は2年前酔っぱらった中年の男性をひき逃げしていた。
彼女はひた隠しにしていたひき逃げを暴露された事を殺害の動機に挙げていたが実は庄野が掴んだ北見の秘密とはひき逃げでなく北見が年齢をサバ読んでいた事。
「恋のヒット&ラン」の隣にある漫画で北見が年齢をサバ読んでいるという暗号を作っていたのが真相だった。
この事件はコナンを語る上で欠かせない年齢を偽るという事やRUM候補の1人である黒田と灰原が初対面した事、何よりも犯人の部屋が504号室という点に注目しています。
これは組織のボスである烏丸蓮耶を数字にした1008のちょうど半分。ボスが烏丸であると判明したのも1008話です。
作中で504という数字が強調されている印象を受けるのでこの事件は考察する上で極めて重要なエピソードと考えられます。
私は以前からこの事件の犯人である北見がひき逃げした酔っ払いの中年男性こそ脇田ではないかと考えていました。
なぜなら先述の通りこの事件のシリーズ1話目の「BLOG」の扉絵が脇田初登場回の扉絵と似通っていた事、そして北見のひき逃げに関しての描写が全く無いという不自然な点があったからです。
事件の動機となった過去の出来事がどんなに些細な内容であっても黒い背景と共に描かれるのがこの作品では普通です。それがこの事件では見られませんでした。
この事から北見にひき逃げされてしまった男性は物語の重要な人物の為描くことができなかったのではないかと推測していたんです。
とは言えつい最近までそう断言できる描写はありませんでした。
ですが「屋根裏密室事件」で北見にひき逃げされた人物は脇田で間違いないと考えられる細かなパーツがついに揃ったんです。
◆脇田の過去を紐解く「ヒットと野球」
脇田のメイン回は現在までに3回あります。
「となりの江戸前推理ショー 92巻」「長野廃教会事件 97巻」「屋根裏密室事件」です。
この3つには共通するあるワードがあります。それが当たりです。
「となりの江戸前推理ショー」では馬券が当たる、「長野廃教会事件」ではクジが当たる、「屋根裏密室事件」では食あたり。
このように脇田は当たるという言葉とセットで描かれている事が分かります。
そして「長野廃教会事件」と「屋根裏密室事件」では野球が登場しています。
つまり脇田は「当たり」と「野球」に何かしら縁がある事になります。
当たりは英語でヒット、そして野球。
まさに「ブログ女優の密室事件」のひき逃げ=ヒット&ランを象徴するワードです。
さらにひき逃げ事件を起こした犯人の北見沙弥の名前も伏線になっています。
北見沙弥(KITAMI SAYA)のMをWにすると次の単語となります。
WAKITA ISYA(脇田 医者)
北見にひき逃げをされた結果脇田が医者を必要とする事態に陥ったと推測できます。
また以前このブログでRUM編を紐解く鍵として東京消防局の通話コードが重要なのではないかと記事にしました。
少年探偵団が通話コードの数字を駆使して事件を解決する「緊急事態252 72巻」は新一が蘭に告白をした次のエピソードという事もあり通話コードの数字は考察する上で大きな意味を持つと考えています。
▼記事はこちら
ここで注目なのが北見がひき逃げしてしまった相手を表すことのできる通話コードが存在するという事です。
北見「2年前に私…車で人を轢いちゃったのよ…酔っぱらったどこかのオジサンを…」
元太「今度は655!」
光彦「泥酔者…ベロベロに酔っぱらった人の事ですけど…」
彼女がひいてしまった相手の男性は酔っ払い、つまり泥酔者で通話コードの数字にすると655となります。
では655と脇田には何の繋がりがあるのか。
実は脇田初登場回の「江戸っ子探偵!?」の扉絵と瓜二つの扉絵である「回る凶器」のFILEナンバーが655なんです。
よって意図的に似せている3つの扉絵の意味するところは以下の通り。
「回る凶器」➡FILE655。通話コードの655は酔っ払い。扉絵、内容共にこの後に登場する脇田の存在を示唆
「BLOG」➡脇田 医者のアナグラムになっている人物が酔っ払い(通話コード655)をひき逃げ
「江戸っ子探偵!?」➡視力が低下しており何らかの事故に巻き込まれた伏線が張られている脇田が登場
3つの扉絵がついに1つの物語になりました。
「回る凶器」が収録された63巻が発売されたのが2008年。
脇田のひき逃げされた過去は実に12年の歳月が費やされている伏線なんです。
今になって振り返ると脇田初登場回の彼の台詞がちゃんとヒントになっていますね。
客「あら…前の店員さんは?」
脇田「交通事故で大ケガして…入院してるらしいですぜ?」
脇田「ご主人店先で酔っ払いにからまれやして…その時コケて」
これは脇田の実体験だったわけです。
彼はひき逃げの被害により眼帯のある左目とは逆の右目を負傷したのでしょう。
長きにわたる伏線と言えばベルモットが務武を知っていると明かされたのはつい最近ですがその伏線が確認できるのは13年前に発売された58巻です。
RUM編が壮大なストーリーである事がよく分かります。
▼記事はこちら
◆脇田はRUMではない
脇田が北見のひき逃げの被害者である事は間違いないと思います。
だとすると彼の正体がRUMと考えるのは難しくなります。
なぜなら犯人である北見は警察に事件の真相、つまり自分が2年前に中年の男性をひき逃げしてしまった過去についても洗いざらい白状したはずです。
もちろん事故を起こした場所や正確な日付など持っているひき逃げの情報の全てを。
そして北見は有名人。彼女の話した内容は全てマスコミを通じて世間に知れ渡り、当然脇田の耳にも届きます。
脇田はその情報から自分をひき逃げしたのが北見であると気付ける条件が整っています。
RUMは組織内でも別格の大物。
彼がRUMなら自分をひき逃げした人物には組織の力を使い何らかの制裁を加えるのではないでしょうか。
現時点ではそれが確認できませんからこのブログで提唱している通りやはり彼の正体はRUMではないと考えられます。
◆なぜ昏睡状態は2年なのか
「となりの江戸前推理ショー」の馬券、「長野廃教会事件」のクジだけでは「当たり=ヒット」以外に「運」や「当たり外れ」というワードも視野に入れた上で考察しなければなりませんでした。
ですが「屋根裏密室事件」に登場した食あたりに関しては「運」や「外れ」は関係ありません。
この事件で初めて脇田=ヒットという図式が完成したのです。
そして脇田のメイン回に立て続けに登場した野球がやはり決定打でした。
脇田とヒット&ラン=ひき逃げがここにきてようやく繋がりを見せました。
彼が北見のひき逃げにより昏睡状態に陥ったのは間違いないと思います。
昏睡状態といえば思い浮かぶキャラクターは黒田兵衛。
ですが北見のひき逃げは2年前ですから脇田が昏睡状態にあった期間は2年間。
黒田が眠り続けていたのは10年ですから脇田の正体は本物の黒田ではありません。
以前私は脇田は現在の黒田と入れ替わる前の本物の黒田兵衛だったのではないかと記事にしました。
実はその記事を書いている時から北見が2年前に起こしたひき逃げの被害者が脇田である可能性を考察していた事に加え何よりも彼の正体が本物の黒田では今までの自分の考察と合致しなくなるので「脇田の正体が本物の黒田兵衛説」が自分の中で経ち消えて救われました(笑)。
記事の投稿の時点では北見のひき逃げの被害者という確信が得られなかった為脇田は本物の黒田だった説しか書けなかったわけです。
あの記事から3か月も経たずして状況が一変しましたね。
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脇田は2年前、北見にひき逃げされ昏睡状態に陥り最近になって目を覚ました。
新一が世間にその存在を知られるようになったのも最近の話ですし沖野ヨーコも2年前であれば今ほどの知名度はなかったと考えることはできます。
だから脇田は工藤新一を知らず沖野ヨーコに関しても情報を持ち合わせていない可能性がある。
脇田の昏睡状態が2年で最近目を覚ましたのなら新一やヨーコを知らなくても全く矛盾はしません。
ではなぜ2年間という数字となったのか。
もちろん特別な意味は全くない可能性も十分考えられます。
ですが2年前と言えば赤井が組織から離脱した時期と一致します。
ここに絡めての設定という可能性も否定はできません。
赤井の父の務武は生死不明の状況ですがもし生存しているのならやはり黒田か脇田のどちらかと言えそうです。
脇田の正体が務武であると考えることのできる要素も実はここにきて増えてきています。
脇田=務武の可能性についても近々記事にまとめます。
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「屋根裏密室事件」ーやはり脇田はRUMじゃないー
「屋根裏密室事件」全3話
今回は沖野ヨーコが持ち込んだ事件を探偵事務所でコナンと脇田が解くという話。
RUM最有力とされる脇田の突然の登場には驚かされました。
事件現場に足を運ばなかったのは現在の社会状況への配慮ではという意見もあるそうですがその可能性は高そうです。
脇田登場にも関わらず長編でなく3話で終了となったのもその影響かもしれません。
とはいえ随所にRUM編の進展が見られましたね。
- ◆やはり脇田はRUMではない
- ◆両者が手にした大きなピース
- ◆脇田とゾンビの繋がり
- ◆脇田昏睡状態の伏線
- ◆両利きは確定
- ◆黒田と脇田は同一人物?
- ◆「負傷した男性のエース」はRUMか
- ◆脇田は英語に精通している?
- ◆安室と小林先生は繋がっているのか
- ◆10年以上前からの伏線の回収
◆やはり脇田はRUMではない
このブログでは脇田RUM説完全否定をしていますがこの事件も脇田がRUMではないことを細かな伏線で表していました。
▼ババ抜き
脇田のメイン回「長野廃教会事件 97巻」と今回の事件、立て続けにババ抜きが登場しました。
ババというのはラム酒を使ったお菓子の事。
ババ抜きはラム酒抜きの意味に置き換えられます。
▼バターサンド
小五郎がバターサンドで食あたりになっていしまいましたがバターサンドは食あたりのアイテムとしてはどうにも引っ掛かります。
という事で小五郎の食べたバターサンドをよく見てみるとクリーム以外何も挟まっていません。
バターサンドはラム酒漬けのレーズンを挟むのが一般的。
よって小五郎が食べたのはバターサンドのラム酒抜きだった事が分かります。
ババ抜きもバターサンドもラム酒抜き➡脇田はRUMではないという細かな伏線なんです。
▼めばちマグロ
脇田が持参したお寿司の中にあったのはめばちマグロ。
目がぱっちりしていることが名前の由来の魚です。これは脇田の隻眼を否定するもの。
ものもらいを意味する「めばちこ」と掛けている可能性はありますが脇田は目にできものがあるという設定。ものもらいの意味の台詞ならそれは伏線でも何でもないはず。
まあこれは脇田≠RUM説の人間視点ではあります(笑)。
脇田=RUMだけどミスリードで青山先生がこのように描いたというのは考え難いです。
現時点で読者の間では脇田=RUMが定着している状態。
この状況下でミスリードを仕掛けるなら大胆に行わないと意味がありませんから。
これらの細かな描写で脇田≠RUMを巧みに演出しているんです。
◆両者が手にした大きなピース
コナン「し、新一兄ちゃんからそう聞いて…」
コナンは自分の推理力を隠す為とっさに新一の名前を出しました。
この言葉への脇田の反応が描かれなかったのは気になりますね。
脇田は工藤新一生存情報を掴むとすぐに工藤邸周辺に姿を現していました。(95巻)
ですが世間的には工藤新一はこの世にいないという形となっています。
脇田は情報流出当初は新一に心当たりがない様子を見せていましたがその後徹底的に調べたでしょう。
もちろん目の前にいる蘭が新一と同じ高校という事も把握している。
この台詞だけでは新一=生存とはなりませんがコナンと新一の結び付きは脇田の脳裏をよぎったはず。
脇田「まあ、そこに在るべき物が無くなっていると…気になりやすからねぇ…」「そう…例えば…」「将棋の駒とか…」
RUM最有力とされている脇田ですが実はこれまで彼と羽田事件を結ぶものはあまり見られませんでした。若狭留美のアナグラムに反応していたくらいです。
ですがこの言葉で脇田も何らかの形で羽田事件と繋がっている事が確定。
将棋の駒は羽田事件で唯一現場から紛失しているもので現在は若狭が所持。
コナンは若狭がポケットに何か忍ばせている事に気付いています(93巻)。
これが将棋の駒だという事にたどり着いている可能性はありそうです。
となると「将棋の駒」を口にした脇田にコナンが疑惑の目を向ける展開が予想されます。
何しろRUM候補の中で脇田だけコナンから全く警戒されていない人物でしたからこの展開は楽しみですね。
またとても気になるのが灰原がコナンと駒の情報を共有するかどうか。
「牧場監禁事件」で若狭は安室に暴力を振るい気絶させた上で駒を奪還するというかなりの暴挙に出ています。
安室の気絶の原因は転倒という事になってはいますが灰原は全ての真相を知っているかのような描かれ方でした。
脇田の言葉を受けてコナンが灰原に将棋の駒について心当たりがないか探りを入れた場合灰原がどのように対応するのか。
ただでさえ灰原が若狭を好意的に思っている理由は謎。
若狭はRUM候補でありかつ殺人の気配を察知しながらそれを放置した人物。
その若狭を「いい人そうだから」という理由だけで信頼するのは推理物としても合点がいきません。
灰原が想いを寄せている男性よりも付き合いの浅い若狭を取るとなれば考察すべきテーマとなりそうです。
コナンは「紛失した将棋の駒」、脇田は「工藤新一とコナンの繋がり」。
それぞれが一歩前進する大きなピースを手に入れた形と言えます。
◆脇田とゾンビの繋がり
今回の事件で注目すべきことは事件の内容が「ゾンビが囲む別荘 88巻」と類似点があまりに多い事です。
▼沖野ヨーコの登場
▼小五郎がお腹を壊し戦線離脱
▼トイレットペーパーが重要ポイント
▼事件場所が廃れた貸し別荘
▼被害者が忽然と姿を消す
▼遺体発見のタイミング
(ゾンビ事件では捜索から4日後の朝、今回は4日目の朝)
▼兄弟の片方が死亡
(ゾンビ事件では弟、今回は兄)
事実脇田は初登場時(92巻)このゾンビ事件について触れています。
また彼の初登場時、小五郎の健康状態を注意する蘭の台詞にも注目。
「間食はダメよ!お医者さんに内臓脂肪が付きすぎって言われてるんだから!」
「お父さんはダメよ!尿酸値とコレステロールがヤバ気味なんだから…」
上がゾンビ事件、下が脇田初登場時の蘭の台詞です。
この台詞は意識して言わせているはず。
ゾンビ事件と脇田の存在には繋がりがあると考えてよさそうです。
ちなみにゾンビとはラムベースのカクテルの事。
CIAからのNOCであるキールはカクテルなのでここで脇田≠RUMを暗示している可能性もありますがカクテル=NOCと断言できる材料は現時点では全くありません。
ですが作者がゾンビと脇田を結び付けているのは確実でしょう。
これについてはまた別に記事にしたいと思います。
◆脇田昏睡状態の伏線
脇田は最近まで昏睡状態だったのではないかと考えています。
▼記事はこちら
今回この考察を補強できそうな描写がありました。
脇田は目の前にスーパーアイドル沖野ヨーコがいるにも関わらず全く驚いていません。
関心がなくともお世辞でも驚くのが普通です。
脇田「アイドルの沖野ヨーコさんがドラマのロケハンで行った…」
「アイドルの」と付け足しているあたりやはり彼は沖野ヨーコを知らないのではないでしょうか。
この描写で昏睡状態だったという考察に自信が持てました。
◆両利きは確定
脇田は基本的に右利きではあるが左手も多用する人物と記事にしました。
▼詳細はこちら
今回脇田は沖野ヨーコからスマホを受け取る際左手だったので彼の両利き(基本は右利きだが左手もよく使う)は確定と言える段階になりました。
彼と何らかの繋がりを持つ安室も利き手が不明のキャラクター。
基本は右利きでも特技であるボクシングの攻撃は左というのが安室のスタイルです。
これは原作、スピンオフ、アニメ、劇場版と一切ブレていません。
脇田も攻撃は左で行う可能性が高いですね。
脇田が黒田か若狭のどちらかの眼球を負傷させたのかもしれません。
一方若狭の体の傷跡ですが彼女の左半身に集中している事から右利きの人物の攻撃を受けたと考えられます。
よってこの傷をつけたのが脇田の可能性は低いというのが私の推理ですがまだ決定打に欠けますね。
コナンの作中では利き手の法則が絶対。
利き手が不明という設定は物語上必ず大きな意味を持っています。
彼の利き手とRUM編がどのように交差するのかも注目です。
◆黒田と脇田は同一人物?
黒田には影武者がいてその影武者を脇田が演じている。
つまり黒田と脇田は同一人物と考えています。
▼記事はこちら
※以下は過去の記事で現在はRUM編について再考察中です。
考察内容は現在は変化しているものが多いですが脇田が黒田を演じているという推理は変わりません。
「長野廃教会事件」「屋根裏密室事件」と脇田のメイン回に立て続けに野球とボーガンというワードが登場しました。
黒田の登場した「標的は警視庁交通部」では犯人の凶器は野球のバッドとボーガン。
これら3つの事件に共通点する野球とボーガンは黒田と脇田は同一人物という伏線になっているのかも。
またこの3つの事件に共通するキーワードはもう1つあります。
それは2人1組のペアで行動するという事。
これも黒田は2人で1人という意味に繋がっているのかもしれません。
◆「負傷した男性のエース」はRUMか
今回の事件はエースと呼ばれている骨折した男性が登場しました。
「燃えるテントの怪 93巻」では片目を負傷したバスケ部元エースの男性が、「長野廃教会事件 97巻」では肩を負傷した野球部のエースの男性が登場しています。
今回の事件と合わせて「負傷した男性のエース」はRUM編を紐解く新たなキーワードと言えそうです。
若狭の体の傷に関する伏線という可能性もありますがRUM候補全員が「負傷した男性のエース」を絡めて描かれている事から若狭というよりもRUMに関するヒントと考えるべきかと思います。
つまり「負傷」とはRUMの隻眼を指している可能性があるのかと。
続いてエース。これはRUMは組織におけるエースであるとも取れますがNo.2の座を持っている時点でエースと呼べるのでこれでは伏線の意味をなさない気がします。
コナン「エースって「1」の事だから…」
黒田=RUMを推している私としては公安トップの可能性がある黒田を指しているのではと疑ってしまいます。
或いは警察など正義の立場のエースが組織に寝返ってしまった可能性ですね。
NOC=正義という考察は必ずしも成り立たないと思います。
NOCとして組織に潜入したものの悪に染まってしまった人物がいてもおかしくはありません。
とはいえ今後「負傷した女性のエース」が登場する展開もあり得るのでRUM=男性と断定する材料としては現時点では適切とは言えません。
◆脇田は英語に精通している?
脇田「そいつは「ATTIC」!屋根裏部屋の事でやんすよ!
これは脇田が英語に精通しているという伏線かもしれません。
これのみでは深読みの必要はないかもしれませんが実は今回、別の台詞でも彼と英語を結び付けているものがあります。
これについてもゾンビ事件とまとめて記事にします。
◆安室と小林先生は繋がっているのか
事件の最後、安室は若狭と小林先生の写った画像を見ていました。
彼は「牧場監禁事件」以降若狭に注目していると言えそうです。
この写真の奇妙な点は2人ともカメラ目線に見える事。
以前の記事で安室と小林先生が初対面のふりをしたのは何かの伏線ではないかと綴りました。
▼「牧場監禁事件」の記事はこちら
小林先生が若狭先生との写真を自撮りし、安室に送信したと考えると腑に落ちる画像ではあります。
この2人には何か繋がりがあるのかもしれません。
事実安室目線で推理すれば自分を気絶させた可能性のある人物は小林先生と若狭の二択です。
ですが安室のスマホを見る限り彼の関心は若狭に集中している事が分かります。
なぜ彼は小林先生が自分に危害を加えないと信じているのか非常に疑問です。
確かに若狭は犯人を撃退しマスコミに自分の顔と名前を報道されています(92巻)。
この報道ですが若狭がマスコミにどのように報じられたかという具体的な描写はありません。
犯人を撃退したという記事は確認できますが暴力で制圧したという内容だったのかは読者には明かされていないんです。
レポーター「たった今取り押さえた所なんですね?」
若狭「いえ、私は突き飛ばされて転んだだけで…」
彼女が犯人を撃退したのは事実ですが若狭はこの事実を否定しています。
撃退という見出しがあるだけでその報道内容は実は不明瞭。
大袈裟な見出しが躍っているだけで若狭の言葉通り自分が転んだ結果犯人が気絶したという報道かもしれません。
安室がこの報道だけで自分を気絶させたのは若狭に違いないと判断する材料としては疑問が残ります。
彼が小林先生と連絡が取りあえる間柄で彼女を信頼しているという事なのかもしれません。
と言っても2人が「マリアちゃんを探せ! 95巻」のすぐ後に出会っているという設定はスピンオフでの話。
読者の中には原作とスピンオフは別物と考える人も多いので深読みの必要はないかもしれません。単に安室の隠し撮りの可能性も十分あり得ます。
ですが私はどうにも気になる点なので今後も深読みを交えつつ考察していきたいですね。
◆10年以上前からの伏線の回収
今回の「屋根裏密室事件」では青山先生が10年以上前から仕掛けていた伏線の回収をスタートさせています。
RUM編はかなり早い段階から伏線が確認できますが10年以上の歳月をかけて明るみになる真相が実に巧妙で感動させられます。
私がブログに記した考察が的中している可能性が高くなったのでうれしい限りです。
この伏線についてもまた記事にします。
ぽちっが励みです(*^▽^*)
若狭はMI6とCIAの二重スパイか
若狭留美はMI6とCIAを兼任しているのかもしれません。
今回は黒田と若狭の素性について考察します。
◆若狭留美の資金源の謎
若狭は高層マンションで生活しています。
これは彼女が小学校の教員として得ている給与以外に資金源があるという事。
そして彼女は大資産家の御曹司であり17年前に謎の死を遂げた羽田浩司と交流があったと考えられる人物。
これまでは彼と親しかった若狭を心配した羽田の遺族が彼女の生活を援助している可能性を考えていました。
事実羽田家と交流のある赤井家は羽田家から資金援助を受けている可能性が極めて高いと言えます。
真純「昔から世話になってるパパの友人が金持ちなんだ!」 83巻
メアリー「お父さんの友人の羽田さん覚えてる?」 98巻
赤井家と同様、若狭も支援を受けている可能性を考えてきました。
ですが「牧場監禁事件」で羽田の遺族が羽田浩司の所持品で唯一行方が分からなくなっている将棋の駒の持ち主が犯人に違いないと考えている事が明かされました。
この駒は現在若狭が持っています。
仮に羽田浩司を殺害し、駒を持ち去ったのが彼女であっても羽田家と交流があるのなら真実を煙に巻き堂々と駒を所持することができるはずです。
よって現在若狭は羽田家と交流が無いと考えられます。
では彼女の潤沢な資金源は一体どこからくるものなのでしょうか。
作中に張られた描写からその資金源を探ります。
◆若狭の正体はMI6?
若狭の所属はMI6ではないかと考えています。
彼女のメイン回「白い手の女 92巻」ではコナン達が一休さんの劇をする事になりました。
また彼女の名前がマスメディアに報じられた際の脇田の反応がこちら。
脇田「こいつァトンチが…利いてるねぇ…」 92巻
これは恐らく一休さん=193=319=MI6に繋げている 。
彼女がMI6に所属している、あるいは所属していた過去があるという伏線なのだと思います。
またこのエピソードで彼女は虎の絵を描いています。
MI6は時にサーカスと呼ばれますが虎と言えばサーカスに登場する動物の代表です。
これも若狭がMI6であるという暗示なのかもしれません。
更にメアリーは少女化してからも連絡を取り合うMI6の仲間がいる事が明かされていますがこの仲間はコナンの正体が工藤新一である事に辿り着ける条件が揃いすぎています。
そして若狭は初登場時からコナンの正体にほぼ気付けていた状態。
加えて彼女はメアリーと繋がりがあると考えられる描写も多々見られます。
メアリーの仲間のMI6こそ若狭の可能性があるのではないでしょうか。
◆若狭はCIAも兼任か
若狭の正体はMI6である一方でCIAでもあるのではないかと考えています。
つまりMI6とCIAを兼任している可能性があると思います。
若狭のメイン回「山菜採り 97巻」には暗所閉所恐怖症の下着姿の女性が登場します。
これはCIAの部隊、IMFを題材にした作品に登場する閉所恐怖症でお色気担当の女性キャラクターを意識している事は間違いないはず。
ここから若狭はCIAでもあるという可能性が浮上します。
そしてこの時被害者となった男性は結婚詐欺師。
コナン「その人…会う人によって名前や職業を変えなきゃいけない事をやってたんじゃない?探偵とか…潜入先に溶け込みやすい人間に成りきるスパイとか…相手を騙しやすい人物に成り済ます…詐欺師とか…」 97巻
コナンの言葉はそのまま若狭の立場を表しているのではないでしょうか。
ちなみに「牧場監禁事件」は若狭のメイン回ですがここでも詐欺師という言葉が登場しています。
若狭は複数の顔を持っている。つまりMI6でもありCIAでもある。
二重スパイ三重スパイというのは現実世界でもある話です。
彼女ほど優秀であればスパイ活動も難なくこなせそうです。
忘れがちですがCIA所属のキールは自分を手助けしたFBIよりもCIAとしての活動を優先する事を条件に組織に戻っています。
赤井「奴らの情報をCIA本部に報告した後で、FBIにも流すという事で話をつけましたから…」
キール「いかなる場合でも父の…CIAの任務を優先させるから…」 58巻
FBIの元にキールからRUMが動き出したという報告がありましたが彼女はあくまでもCIAを優先している立場。
よってCIAの人間には赤井達よりも早くRUMの情報が伝わっている事になります。
若狭がCIAであるのならこのメールをかなり早い段階で入手していたと考えられます。
またコナンはキールとFBIの前では自分の推理力を全く隠していない。
キールはCIA本部に組織に戻る経緯を報告する上でコナンの存在を伝えている可能性は否定できません。
メアリーの仲間のMI6がやたらとコナンに詳しいのもこの人物が元々CIAサイドからコナンの情報を得ていたと推理できなくもない。
この人物こそ若狭なのかもしれません。
◆若狭は組織からMI6&CIAへ?
灰原が若狭から組織の気配を感じ取った事から彼女はかつて組織の一員であった可能性が高い人物です。
ですがベルモットは過去のNOCに若狭の名前を挙げていません。
つまり考察通り若狭がMI6やCIAである場合、そこからNOCとして組織の一員となった可能性は低いはず。
ベルモットが務武に成りすましMI6入りを目論んでいた事が明らかとなっていますが組織の一員であっても事情によっては組織を壊滅する立場になる事は有り得るわけです。
若狭もMI6やCIAの目を欺き組織命令で潜入したのかもしれません。
深読みすればベルモットがMI6に潜入する目的は若狭の調査なんて事もあるかも。
もちろん組織を抜けた後にMI6やCIAに所属する事になったケースも考えられます。
この場合若狭は組織を壊滅したいという思いから正義の立場に身を置きながら策を講じていた可能性があります。
◆若狭とジョディの共通点
ジョディはかつてFBIである事を隠し英語教師として作中に登場しました。
彼女はその素顔が明らかになる前高層マンションで生活している描写を織り交ぜることで教員の給与以外に資金源がある事を読者に伝えています。
また彼女は正体を明かす前は風変わりと見なされる人物を演じていました。
これらは若狭留美に共通する事です。
彼女はジョディと同じく高層マンションで生活していますし子供達からはドジな先生と思われています。
ですが彼女の本性はドジどころかコナン顔負けの推理力の持ち主であり、また抜群の身体能力を誇る喧嘩っ早い性格と言えます。
若狭の裕福な暮らしや本来の性格を偽っているところはジョディに共通するものです。
表向きは教師、しかしその正体は潜入捜査官。
本当に若狭にこの設定があるのならジョディとの共通点も腑に落ちるものがあります。
若狭がMI6とCIAの兼任という考察は彼女の潤沢な資金源を説明する為には今のところそれほど矛盾はないかなと判断しているだけでまだピースが足りないというのが正直なところです。
今後の展開によっては資金源に関して全く異なる推理をするかもしれません。
ですがこの考察ならCIAの任務を優先するという赤井とキールの契約も生きてきますし作者も今後キールが活躍する可能性を匂わせているのも頷けます。
若狭とキールが水面下で繋がっているのであればまたそれらしい伏線が確認できるはずなので要チェックですね。
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