今後の考察について

突然ですが私は今後「名探偵コナン」の考察はしないかもしれません。

 

理由は作品の中にどうしても理解できない矛盾点があるからです。

 

100巻発売も目前。

これだけの長期連載でかつキャラクターが多ければ作中に矛盾が生じてもある程度は目を瞑らなければならない事は確かにあります。

 

ですがこの作品は推理物です。

矛盾というのは極限まで削ぎ落すのが本来求められている姿だと考えています。

 

もちろん私の考える矛盾は矛盾でなく実は作者の計算のうちで伏線という事なども十分に有り得ます。

そしてその点も視野に入れ何度も作品を読み返しました。

ですがやはり私には作者が単純なミスをしてしまったようにしか受け止められませんでした。

 

そこに1つ気を取られてしまうとそこからは一気に疑心暗鬼の状態に陥ってしまうもの。

今まで伏線だと考えていたストーリーの進め方、台詞のチョイス、作画、これら全てが作者のミスなのではないかと考えるようになってしまいました。

 

考察とは作者が発表したものを信じきれないとできないものです。

今の私には作者を信じるという考察の基盤が正直揺らいでしまっている状態です。

 

考察をのんびりマイペースにするかもしれないし、全くしなくなる日が来るかもしれない。

今後作品とどう向き合うかは正直自分でもさっぱり分かりません。

 

コナンの考察自体は楽しいものです。

ですがこれまでと同等の熱量を持つ事は難しいと感じています。

 

ここ最近は作品の矛盾点と向き合う事に疲れ切っていましたから今後は作品と距離を取る事で気持ちをスッキリさせたいなというのもあります。

 

次のエピソードは記念すべき100巻収録で盛り上がる内容なのは確実ですし私も記事にできていない考察がいくつかあるのでこの記事が最後という訳ではありません。

それどころか作品と冷静に向き合えるようになれた分、気軽に記事を書けるようになり以前よりブログの更新頻度が増すかもしれません(笑)。

 

作品と一定の距離を保つ事で見えてくる面白さや新たな発見があるのかもしれません。今はそれを楽しみにしています。


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脇田がジンの影武者として登場? FBIとキールの危機 高明は「大事」に参加か

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最新エピソード「FBIの暗号事件」はFBI VS 組織の対決でした。
 
3話で一度区切るという形になっていますが冒頭から複数のFBI捜査官が殺害されるという非常に緊迫した状態から物語はスタートします。
そしてコミックス100巻に収録となる今回のエピソードでついにRUMが本編初登場。
機械で声を変えていた上、短い台詞のみでの登場でしたがRUMの人物像を考察する上で貴重なシーンでしたね。
キールも久々の登場を果たしRUM編が大きく動く事を予感させてくれます。
私は今回のエピソードは考察材料が非常に多い事件だと感じました。
最新の「FBIの暗号事件」からRUMについて、また今後の物語の展開について私の予想を綴ります。
今回の記事は全体的に「このように考える事ができるかもしれない」「こうであれば面白い」というテイストになっています。

◆脇田=RUMの否定

RUMは組織内での会話で機械を使い自分の声を変えていました。
この事からRUMは非常に慎重な性格の持ち主と言えそうです。
 
RUM候補3人の中で慎重な性格とはかけ離れた言動を見せているのが脇田兼則。
彼は小五郎の反応を確認する為に左目の眼帯を外そうとする等かなり大胆な行動に出ています。
彼の正体がRUMであれば自分がRUMだと疑われる行動は避けるはずです。
これまでも脇田はRUMではないという細かな伏線はいくつも確認できましたがここにきて本格的な否定の要素が出てきた印象を受けます。
 
また脇田がRUMであり安室透にメールを送信した可能性は著しく低下します。
安室はRUMをせっかちと語っていますがこれがRUMの性格と取るかTime is money!から導き出される脇田兼則の名前と取るかが考察の大きな分かれ目だと思いますがRUMの性格はせっかちとは真逆の慎重派。
この点では安室のヒントのせっかちは脇田の名前を表していると取れますが脇田の正体が慎重な性格のRUMなら自分のコードネームも現在名乗っている名前に繋がる情報もどちらも集約されたメールを送信したりしないはずです。
少なくとも脇田=RUM=安室にメールを送信した人物という式は完成しません。
 
ですがRUMは影武者の存在が示唆されている人物です。
脇田がRUMの影武者でRUMの名前を使いメールを送信した可能性は残ります。
 
慎重な性格という意味では若狭留美もRUM候補から除外されるかと思います。
彼女はマスメディアに意図的に顔と名前を晒していますが機械で声を変えるほど慎重な性格の持ち主がこのような行動に出るのはやはり違和感を覚えます。
さらに若狭は素の状態では非常に凶暴な性格です。
これも慎重な性格を否定する材料になりそう。
 
RUM候補3人を見る限り慎重な性格という情報に当てはまるのは黒田兵衛だけかと思います。
とは言えRUMは普段は慎重な人格でも事の次第によっては大胆に攻めるタイプかもしれませんし冷静さを欠いた行動に出る事もあるかもしれません。
黒田も一見慎重派に見えて別の顔を持っている可能性も十分考えられます。
RUMが慎重な人物という事だけではRUMの正体は炙り出せませんね。
 
今回の事件ではジンが「大事の前」という黒田を思い起こさせる台詞を口にしたり暗号の解読、ハッキング、小学校教師という若狭を匂わせるワードが飛び出したりしましたがこれらを私は特別RUMを考察する重要なヒントとは受け止めていません。
 
黒田兵衛、若狭留美を連想させるワードを乱立させ読者の関心をこの2人に向けさせていますが後述の通り作者が今回の真の主役として扱った人物は脇田だからです。
 

◆安室はRUMの影武者にしか会っていない?

今回のエピソードでRUMの慎重な性格が浮き彫りとなりました。

RUMはあの赤井秀一でさえ二、三度その名前を耳にした程度。

自分の肉声を知っている人物相手に声を変える必要性を感じないので組織内でも常に機械を通した声しか知られていないという可能性もあります。

またRUMの人物像が十人十色とされているのもRUMが肉声を伏せている上に影武者が存在しているからという可能性も。

RUMに関しては組織内で情報がかなりシャットダウンされているのかもしれません。RUMの慎重な性格を考えると安室が連絡のやり取りをしている相手が本物のRUMかどうかも怪しくなってきます。 

例えばRUMの影武者としての役割を担っている脇田を安室がRUMと思い込んでいる為「せっかち」というヒントをコナンに与えたという事も有り得そう。

RUM編の複雑さを痛感させられます。

 

◆赤井率いるFBIとキールが危うい立場に

キャメルはキールから銃撃され車ごと海に転落。

彼は58巻でキールと行動を共にした後、組織の前で爆死した事になっています。

そのキャメルは組織のメンバーに顔を見られてしまいました。

コルン「俺…今の奴…どこかで見た気がする…」「もう一度顔を見たら思い出す…」

次があるかのような怖い台詞ですね(笑)。

キャメルの生存に組織がたどり着けば元々NOCの疑いがかけられていたキールの立場が非常に危ういものとなります。

またそのキールに殺害されたことになっている赤井の状況も到底安全とは言えません。一気に緊張感が高まる展開になりました。

ベルモットの表情と沈黙から彼女はキャメルに気付けているとも取れます。

かつて彼女はジョディに変装し爆死した事になっているキャメルと会話をしていますから彼の顔は知っているのでここからキールNOCである事にはたどり着けそうです。

ですがベルモットキールとコナンが繋がっている可能性を察知しています。

コナンを宝物と考えている彼女がコナンを危険に晒す情報を組織に提供する可能性は低いかもしれません。

そもそもベルモットの中にはNOCは例外なく報告するべきという考えは無いという可能性もありそう。

ベルモットは3年も前から赤井務武に変装しメアリーを誘き出そうとしていました。

3年前と言えば赤井はライとして組織に在籍していた頃で彼は母のメアリー似。

ベルモットはライの両親がMI6だと見抜いていた可能性があります。

事実ベルモットはメアリーを少女化させる前「息子達」という言葉を発しているので彼女は務武とメアリーに息子が2人いた事は把握していました。

ベルモットはライがNOCである可能性を感じ取りながらその情報を伏せていた線はそれなりに濃厚。

務武に変装し行動を起こしたのを3年前としたのも彼女がNOCを放置する人物という事を暗示しているのかもしれません。

かつてベルモットキール奪還の際、すっぴんにジャージ姿で男性のように描かれたキールを凝視しています。

これはベルモットキールによく似た男性に心当たりがありその男性とキールを重ねた伏線のはず。

このキール似の男性は消去法から務武しか残りません。

つまりベルモットキールと務武の血縁関係を疑っていたと考えられますがキールを取り巻く環境に特別変化がない事から恐らくこの疑惑を組織には報告していないのでしょう。

この時ベルモットは務武がMI6だと把握済みですからキールと務武の血縁関係を疑った時点で組織に報告するのが妥当だと思いますがそれをしていないのなら彼女はNOCを問題視していない人物と考える事ができます。

▼過去の記事はこちら 

彼女がNOCを組織に報告しない人物であれば幼児化の現象を組織に伏せている事と併せて考察できるかもしれません。

しかしながらキールの件をベルモットが黙認したとしても組織はキャメルに目をつけています。

ジン「是が非でも今のFBIの骸を探し出し…その死に顔を拝ませてもらおうか…」

海中に沈んだ車から無事脱出に成功したキャメルですが組織の目が光る中の救出は困難と判断され彼を海中に漂わせたままこのエピソードを終わっています。

この後キャメルがどうなるかですが組織に捕まるとは思えないので無事と考えていいでしょうが海から死体が上がらない事で生存を疑われるのを避けるためにキャメルの死亡を偽装するのかもしれません。 

この事件はアーロンというFBI捜査官が遺体となって発見された事が発端ですがコナン達の会話からはアーロンの死亡は公になっていないとも考えられます。

組織もこの人物の死亡を確認できていない可能性も。

FBI側はアーロンの遺体でキャメルを死亡した事にする展開もあるかもしれません。 

 

◆脇田がジンの影武者として登場?

今回のエピソードでは左利きのジンが右手でライフルを扱うシーンがありました。

私は今回登場した右利きのジンは脇田の変装した姿ではないかと考えています。

 

ジンがライフルで銃撃するシーンは2コマありますが2コマとも右手で撃っています。

またこのシーンが掲載された本誌が発売中にアニメで放送されたのは「元太少年の災難 30巻」。

このエピソードの最後でコナンはジンの利き手が左である事を知ります。

アニメの放送のタイミングを考えると右利きのジンの登場は意図的な描写ではないかと思います。 

 

ここで先述の作者が脇田を真の主役として描いた話という点に触れたいと思います。

 

 FBIは2人1組で行動していました。そのFBIを追う組織も2人1組のペア。

キャラクターの台詞からもペアという事が強調されていました。

実はペアは脇田を暗示するワードです。

脇田のメイン回は登場人物が2人1組のペアで行動します。

また彼のメイン回で立て続けに登場したババ抜きもペアを完成させるゲームです。 

 

加えて事件現場が廃ビルである事も極めて重要なポイントです。

脇田のメイン回全てに廃れた場所が登場します。

初登場の時に彼は「ゾンビが囲む別荘 88巻」について触れていますがこの事件は廃れた貸し別荘が舞台、「長野廃教会事件 97巻」は廃教会、「屋根裏密室事件」もゾンビ事件と同様廃れた貸し別荘で事件が起きています。

今回のエピソードの中でコナンの口から何度も「廃ビル」が登場していますし、落下した看板は廃ビルが伏線になっている事を強調しているはずです。

ジョディ「潰れた店の名前までよく覚えていたわね…」

この台詞も廃墟を読者に意識させる狙いがあるのでしょう。 

 

シリーズ1話目から密かに強調されている「2人1組」と「廃墟」という脇田を暗示するワードが登場した事で1話目の時点で私の中で想定したのは次の3つ。

1.FBIを一網打尽にする計画者がRUMでありその正体が脇田

2・脇田の過去や人物像に迫るエピソードの描写

3・脇田がいつもと違う外見で登場 

まず1の脇田=RUMですが私は最初から脇田をRUMとは考えていないので除外しました。

次に2の脇田の人物像に迫るエピソード、具体的にはこの事件の被害者の過去が脇田の過去を考察できるようになっているといった可能性を考えたのですがこれも早々に排除。

なぜならスピンオフ作品である「警察学校編」が年内にコミックス化されることが発表されたからです。

年内にコミックス化させる為には「警察学校編」をかなり早い段階で掲載しなければなりませんがコナン本編とスピンオフの同時掲載にはならない可能性が高い。

つまりこの「FBIの暗号事件」は短編。

冒頭から組織により多くのFBIの命が奪われる緊迫した事件を短編で終わらせるには脇田の人物像を考察できそうなエピソードは挿入しない事になりそう。

そうなると3の脇田がいつもと違う姿で作品に登場するという選択肢しか残らなくなるんです。

いつもと違う姿というのは別人に変装した姿か変装を解いた姿のどちらか。

いつも通りの板前の姿で登場するのであればペアといった読者が見落としがちな伏線を張ったりしません。

脇田は身長を偽っているので彼の外見は本物ではありません。彼が変装の達人という伏線はちゃんとあるわけです。

私は脇田がどの人物に変装しているかに注意を払いながら読み進めていったのですがそんな中で右利きのジンが登場。

このジンの不可解な点は利き手だけではありません。右手でライフルを撃った彼は単独で行動しています。

ベルモット「私はキールと向かうから…ジンとウォッカはいつものように…」 

この言葉からも作中の描写からもジンはウォッカと共に行動していたはずです。

FBIを狙撃した時ジンの横にウォッカがいない上2人が移動に使っている車もないのは奇妙と言えます。

またジンはキャンティにキャメルの乗った車の追跡を任せていますがその後彼本人がウォッカと共にキャメルの車を追跡しています。これも少々気になる点です。

 

加えて作中でRUMはラムと表記されることがありこの違いは意味があると考える事が出来ますが今回ジンのモノローグではRUMでした。

ジンは90巻で「ラム」を口にしていますから彼はRUMもラムもどちらも使用するという不思議な設定となってしまいます。

ですが今回RUM表記のモノローグと共に登場したジンがジンの影武者ならこの使い分けも両者が別人だからと説明できるんです。

 不敵な笑みと(RUM!!)のモノローグと共に描写されたジンはアップでどこに居るのか、誰といるのかが全く分からないようになっているのでこちらが単独行動の影武者の方かと思います。

ジンやベルモットは「ラム」、ジンの影武者は「RUM」と呼ぶ設定があるのかもしれません。

このジンの影武者こそ「2人1組」「廃墟」のワードで今回の真の主役と示唆されている脇田なのだと思います。 

また私は脇田兼則=赤井務武の可能性を考えてきました。

ジンは務武の口癖であろう「暗がりに鬼を繋ぐが如く」という言葉を残しており、この台詞は作者の口から伏線である事が示唆されています。

ジンの年齢を考えると17年前の羽田浩司の事件で務武と出会い、務武の口癖が移ったとは考え難い。

ですが死んだとされる務武が密かに生き延び現在はジンの近くにいるという設定があるのならジンと務武の口癖が一致してもおかしくはありません。

どうしても先入観と「抜かるなよ」の言葉から黒田=務武であり脇田は論外と考える読者が多いと思いますがそろそろ脇田の口から赤井家を連想させる言葉が飛び出し読者の間で考察が盛り上がる展開があってもよさそうです。

本当にジンの影武者=務武なら赤井は心の底から憎んでいるジンと対面してみたら相手は影武者でその正体は父親だったという最高に盛り上がる展開なのでこれには期待したいところです。

▼脇田=務武の記事はこちら

◆コウメイの「大事」参加のフラグ

私は脇田がRUMではなく組織を壊滅させる正義の立場であると推測しています。

ではなぜ正義の彼がFBIを銃撃したのか。

この謎を紐解くヒントがキャメルの言葉です。

赤井「撃たれたようだが…」

キャメル「はい…ライフルの弾が右のドアを貫通して運転席のドアに着弾しましたが…」

ジンが撃ち込んだ弾丸は車内にしっかり残っています。

台詞だけでなく作画でもドアにのめり込んだ弾丸が描写されています。

正義の立場である脇田演じるジンはわざと弾丸を車内に残す形を取ったんだと思います。

ジン「FBIもこの国の許可無しに勝手に組織を嗅ぎ回ってんだ…組織の存在を公にして騒ぎ立て、腹の内を探られたくはねぇだろ…」

FBIがどの程度の自由度を持ち日本で活動しているのかは不明ですがこのジンの言葉や工藤邸を隠れ蓑にした事などを踏まえるとFBIは大きく動く事は出来ないのかもしれません。

この車を海中から引き揚げ、弾丸を手に入れるのが公安になるのかも。

赤井「楠田陸道が自殺に使用した拳銃だ…入手ルートを探れば何かわかるかも知れん…ここは日本…そういう事はFBIより君らの方が畑だろ?」 85巻

赤井は組織の一員だった楠田の拳銃を安室に託しています。

この拳銃は組織に繋がる有力な物証で今後も登場する可能性が高い。

赤井の発言から推測すると組織の拳銃の入手ルートの特定は公安の仕事になりそうです。

楠田の拳銃や今回車中に残された弾丸のライフルマークから公安は組織の武器の調達に関する情報を入手できます。

キールが撃った弾丸も車内に残っているかもしれません。

作者がジンとキールに銃撃させたのは車内に組織に繋がる有力な手掛かりを残す狙いがあったのではないでしょうか。

 

そして拳銃と言えば黒田の初登場回の「啄木鳥会」。

組織の武器の入手先となっている可能性がありますし啄木鳥会は長野県警のグループでした。

長野県警の諸伏高明はRUM候補の黒田と脇田の2人と顔を合わせており黒田の言う「大事」に参加する可能性の高い人物です。

彼は東都大学法学部を首席で卒業という極めて優秀な人材であり弟の景光は組織が原因で死亡しています。

コウメイが優秀だからという理由で突然「大事」に参加させるのも腑に落ちませんし彼は弟の死を真正面から受け止めているので組織に対し私怨では動かない性格ではないでしょうか。

ですが弾丸を通して組織と長野県警を結ぶルートが開通すれば彼が「大事」に参加する正当な理由が誕生します。

車のドアに残された弾丸はこの後コウメイが組織に立ち向かうフラグの役割を担うのではないかと思います。

彼の弟のスコッチは謎だらけの死を遂げています。

この死にRUMが一枚噛んでいても不思議ではありません。

コウメイの組織戦参加に伴い不可解な点が多いスコッチの自決の真相が明かされるかもしれません。

▼スコッチ自決の謎 

ジン「ああ…大事の前だ…邪魔なハエ共は1匹でも多く…」

ジンの台詞から組織は何か大きな行動に出ようとしている事が分かります。

黒田の「大事」とジンの「大事」が同一であるのならこの「大事」は公安が本領を発揮すれば止められるものという事になります。

「大事」とは組織が違法な武器を大量に入手する計画の事かもしれません。

また工藤夫妻とFBI陣営はなぜか組織が大きく動き出す事を知っていたと取れる台詞を前回のエピソードで残しています。

この情報源が考察のポイントになりそうですね。 

 

◆若狭がRUMの影武者という可能性も

今回シリーズ2話目でRUMが本編に初登場となりました。

この時の組織のメンバーのRUMを畏怖する様子からRUMが作戦に本格的に参加したのはこの瞬間とも考えられます。

事実組織は1話目の段階ではFBIを次々と殺害していたにも関わらずRUMの指示以降はFBIの命を奪わず負傷させるに留めています。

これは1話目の段階ではRUMは作戦の指揮を執っていなかったという憶測も成り立ちそうです。

もちろんFBIの壊滅は組織全体の目的でしょうからRUMが一切関与していなかったとは思えませんがFBIを殺害するという指示を出していた人物はRUMではないという解釈も出来そう。

つまり暗号をハッキングしていたのはRUM以外の人物という可能性ですね。

有力なのは若狭です。

若狭の初登場は今回同様暗号解読がテーマでしたし、コナンが暗号の解読表を見事に完成させるシーンも彼女の初登場回に似通っています。

そして若狭は機械に精通しているという伏線も確認できる人物。

コナン「名前や身分を偽って入国した可能性もあるけど…」

これは若狭のメイン回である「山菜採り 97巻」に登場した台詞を連想させます。

コナン「会う人によって名前や職業を変えなきゃいけない事をやってたんじゃない?」「探偵とか…スパイとか…詐欺師とか…」

詐欺師はもう1つの若狭のメイン回「牧場監禁事件」にも登場するワードです。

これは若狭が複数の顔を使い分けている(使い分けていた)事の伏線だと考えられます。

またこの事件に登場した小学校教師のワードも若狭を思い起こさせます。

ハッキングで暗号を解読し、組織がFBIを始末しているのを静観したのが若狭、この後登場し作戦を変更したのがRUMという筋書きなのかもしれません。

ラムとRUMの書き分けはRUMが本物、若狭演じるラムが偽物で彼女はRUMの影武者という可能性も浮上します。

ジンの影武者がRUMのモノローグと共に不敵な笑みを浮かべたのはようやく本物のお出ましという意味が込められているのかもしれません。つまりそれまではこの作戦に本物のRUMは大して関与していなかったという伏線と取れそうです。

複雑な話をすると慎重なRUMの性格を思えば安室どころか組織のメンバー全員本物のRUMを知らないという推測もしていいのではないかと思います。

灰原は若狭から組織の気配を感じ取っていませんが私は組織の任務をこなす人物は組織であるという考え方はしていません。

慎重な性格のRUMは組織以外の有能な人材を傍に配置する事で組織のメンバーにも極力自分の気配を感じさせない戦略の人物ではないかと考えています。

 

若狭は義眼とされている右目が見えている描写がある為RUMではありません。

黒田と対面した際黒田を探る様子を見せたのは彼女が黒田がRUMではないかと疑っている、即ちRUMの実像を完全に捉えていないから。

これもRUMが慎重な人物である為影武者である自分もその正体を掴めていないからと一応の説明はできます。

また若狭がマスコミを通して意味深な自分のアナグラムを報道させたのは自分がRUMの有能な影武者である以上RUMが自分に手を出す事はないという自信からかもしれません。

若狭は殺人の気配を感知しながら放置し、子供達を事件に巻き込むという悪の一面を持ち合わせている人物なのでFBIが命を落とそうが気に留めない性格という伏線はあるわけです。

彼女がRUMの影武者の任務を務めているのなら95巻で彼女がAPTX4869の投与者リストを閲覧していたのはハッキングでなくごく普通にアクセスできる状態にあるという見方も出来ます。

若狭はメアリーと繋がりがあるかのような描写が点在していますが実は両者は全く繋がっておらず若狭が幼児化の現象を突き止めた事にメアリーは無関係なのかもしれません。

 

若狭=浅香の可能性が高いとは考えていますが赤井は浅香に心当たりがあり彼は浅香を一切危険視していません。

赤井は高い情報収集能力を持っている事が作中で明言されている人物ですが危険な一面を持つ若狭は赤井の言う浅香の人物像と合致しない為若狭=浅香はただでさえ危うい部分がありました。

彼女には「詐欺師」という伏線通り隠された素顔があるのかもしれません。

 

若狭がRUMの影武者という可能性は深く考えた事がなかったんですがこの事件の流れと登場するワード、さらにRUMとラムの表記の違いから若狭の正体は本格的に考察しなおす必要があるのかなと感じました。

若狭=ラム=RUMの影武者という式は矛盾を孕んでいるとは思うのですがRUM編は最初からインチキを仕掛けるというアナウンスがあるわけですからこの式も何かしらの抜け道を持って完成させる事は出来るかもしれません。

 

◆形勢は一転、危険な状態へ

赤井「これで一応奴らにここ(工藤邸)を襲撃される恐れはなくなりましたね…」

優作「ああ…後は、備えるだけ…組織の…大きな…動きに…」

前回のこのやり取りから一転、キールNOCである事、キャメルの生存、さらには赤井の生存が組織に気付かれるかもしれないという極めて危機的な状況へ。

今回は暗号に使われたローマ字が訓令式ヘボン式かをRUMは即座に見抜きました。

これには作中屈指の頭脳派である優作も相手がRUMとは知らないものの相手の能力の高さを痛感しています。

優作「訓令式ヘボン式…私が事前に気づけたかどうか…しかし向こうにはそれを瞬時に見抜いた誰かが居るという事…」

「どうやら我々は組織の事を…少々甘く見ていたようですね…」

優作にこの台詞を言わせる程RUMは洞察力や推理力の高い人物のようです。

 

読者のあいだでRUM最有力の脇田ですが彼が今後コナンに探りを入れる展開になるのは確実。

脇田はRUMかどうかは別にしても「屋根裏密室事件」でコナンの口から新一の名前が出た事で両者の関係を疑い彼が行動を起こす下地は整っていました。

そして彼はRUM候補の中で唯一コナンに関心があるという描写のない人物でしたしコナンからも疑われてはいませんでした。

コナンが脇田に疑念を抱くのはこれからのはず。

 

 ◆その他 

ジンの利き手からジンは今回2人登場したと考えていますがシリーズ1話目のジンがFBIの喉を打ち抜いて絶命させたのもちょっと不可解に感じました。

安室の口から「ジンは拳銃でとどめを刺す時は必ず頭を撃つ」と明言されています。このジンはいつも通り左利きですがなぜ頭を狙わなかったのかが謎ですね。

今回の事件でジンは本物に加え頭以外を狙う、右利きの計3人が登場したのでしょうか。さすがに影武者がいきなり2人も登場とは思えないですがかなり気になりました。

とは言え単にジンの残忍な性格を改めて読者に示す事と100巻に入り物語に緊張感を持たせる狙いがあるだけかもしれませんね。

 

そしてキールが久しぶりに登場。

組織の任務を果たす事、かつ命の恩人であるキャメルが最悪の状況に陥る事を回避する為彼を撃つというNOCとして賢明かつ大胆な行動を取りました。

過酷な運命を背負いながらも強く生きる彼女のキャラクターの魅力が存分に活かされています。

キール「やけに警察の到着が早そうだし…」

 FBI捜査官の死亡直後にパトカーのサイレンが鳴り響いています。

これはFBIと公安が既に協力関係にあるという見方も出来るかもしれません。

工藤夫妻とFBI陣営が「大事」を知っていたのも安室経由かも。

また脇田が正義の立場として組織で行動しているのなら彼が通報した可能性もありそうです。

ベルモットティーカップで紅茶を飲んでいたのに対しキールは缶の飲み物というのが気になりました。

この缶に残された指紋がキールの今後に繋がるのかもしれません。

これは指紋で死を偽装した赤井を連想させますが今回のエピソードは「赤と黒のクラッシュ」を意識させるものだったので敢えて似たようなパターンを描きその中に驚きを交える事でこの戦いを面白く演出する狙いがあってもいいのではないかと思います。

 

 FBI陣営の結束は安堵させられるものがありました。

今回はジョディの作った暗号によりFBIが危機的状況に。

これまでも何かと損な役回りばかりだったジョディでしたがこのエピソードでは赤井もジェイムズも彼女を擁護する言葉をかけています。

またいつもは冷静沈着な赤井がキャメルの危機的状態に焦った表情を見せ声を荒げ仲間を思う様子は胸に迫るものがあります。

赤井は生存を隠している立場上沖矢昴としての生活を余儀なくされていますが最近は沖矢で登場する機会が減っている。

これは赤井をはじめFBIが組織の壊滅に本腰を入れている事を読者に分かりやすく伝える為かもしれません。

組織との全面戦争が近い事が窺えます。

 

ここまで色々と綴ってきましたが今回の考察は登場したのが本物のRUM、ジンの利き手が作画ミスでない等を前提としています。

RUMが偽物の可能性は否定できませんしジンの利き手も単なる作画ミスという事は十分考えられます。実際この事件はジンの影武者がいなければ成立しない話という訳ではありませんでした。

啄木鳥会も87巻で一応解決している事件です。RUMは最初から指揮を執っていた可能性も十分考えられます。

今回は「こうであれば面白い」という希望も込めた記事に仕上げました。

 

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RUMは黒田兵衛 ~影武者の伏線と外見の違い~

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黒田兵衛には影武者がいる。

影武者がいる以上彼の正体はRUMである。

これが私の推理です。

この事に関してはこれまでも記事にしてきましたが原作が進んだ事に加え私自身原作を読み返す中で新たな発見もありました。

今回は黒田兵衛に影武者がいるという伏線と本人と影武者の見分け方について等をまとめました。

 

◆黒田兵衛に影武者がいるという伏線の数々

■記憶が不完全という設定

上原「意識が戻った今も所々細かい記憶が抜け落ちてるっておっしゃってたけど…」 86巻 

黒田は記憶が不完全という設定です。

彼に影武者がいれば完全な記憶の共有は不可能。

影武者の存在を示唆していると受け止める事ができます。

 

■諸伏との会話

黒田「三枝にも…後でこってり事情聴取せねばならんようだが…どうやらそれはお前達に任せる事になりそうだ…」

コウメイ「え?」 87巻

「県警の黒い闇 86巻~87巻」の黒田とコウメイの会話。

これはこの事件の大部分に登場し事件を追っていた黒田と最後に少しだけ登場しコウメイとこの会話をした黒田が別人という伏線。

この時黒田はスマホを操作しています。

犯人確保という慌ただしい中でどうしても連絡を取らなければならない相手がいるという事。

この黒田は事件の詳細を知るもう1人の黒田との情報共有を終えなければ事件に対応できません

コウメイは目の前の黒田が先ほどの黒田と別人と分からない為「なぜ?」という表情をしているんです。

 

■コナンと二度目の対面で握手を求めた

「ブログ女優の密室事件 87巻」で黒田はコナンに握手を求めています。

本来なら両者は二度目の対面ですから握手は不要。

ここで握手を求めたのはこの黒田が黒田の影武者でコナンと会うのが初めてだったからとすれば納得がいきます。

 

■若狭と対面時の扉絵の伏線

RUM候補の2人、黒田と若狭留美が作中で初めて対面したのが93巻「ティップオフ」。

この時若狭は目の前の黒田を探るような様子を見せています。

実は「ティップオフ」の扉絵は74巻「動画サイト」に非常によく似ているんです。

「動画サイト」は博士の家からペルシャ絨毯が盗まれその事実を隠蔽するため犯人が本物とそっくりの偽物をスリ替えた事件。

これは若狭の目の前にいる黒田が本物そっくりの偽物にスリ替わっていると当てはめる事ができます。

若狭の黒田を探る様子も本物と偽物を見極めようとしているとすれば合点がいきます。

 

■RUMと鼠はセット

ベルモット「組織内に鼠が入り込んで来てるって…ジンが問題視していたし…」 85巻 

この台詞の後に公開されたのが「純黒の悪夢」。

劇場版でバーボンとキールNOCと疑われた事から鼠はこの2人(あるいはどちらか)を指しているとする見方もできない訳ではありません。

ですが考察好き以外はスルー出来るレベルのベルモットのたった一言の為に劇場版を完成させたとは考えにくいと思います。

もしこの鼠がバーボンとキールを指しているのなら原作の伏線を劇場版で回収している事になってしまいます。

ジンの言う鼠は原作において未回収の伏線でありその鼠は今後明らかになる存在と考えた方が妥当ではないかと思います。

そしてこの「鼠」発言が85巻、黒田の初登場が86巻。

ジンが鼠の気配を察知したすぐ後に黒田が登場している事からRUMである黒田が組織内で鼠を従えて動いているという推理は十分可能です。

 

■休暇を必要としていない

白鳥「思いきって休まれてはどうですか?どーせ年次休暇も全くとられていないんでしょ?」 93巻

黒田には影武者がおりその人物と交代しながら任務をこなす事が可能な為休みを必要としていないと考えられます。

 

■コナンへの関心の差

黒田はその時々でコナンへの関心度が全く異なるという特徴があります。

 

「ブログ女優の密室事件 87巻」「標的は警視庁交通部 95巻~96巻」の黒田はコナンへの関心が異常に高い事が分かります。

高木「け、警部!コナン君の指示通りにしろと…か、管理官が…電話で…」 87巻

 この黒田は現場にコナンがいると分かっただけで事件解決をコナンに一任。

ちなみにこの黒田は先述のコナンに握手を求めた人物です。

安室「言われた通り僕が提供できる情報は全てあの少年に伝えました…」 96巻

 「標的は警視庁交通部」ではコナンを視界に捉え即座に安室に連絡。

この2つの事件の黒田はコナンへの関心が尋常でなく高いんです。

一方「県警の黒い闇」の黒田(最後に登場した黒田を除く)はコナンへの関心がさほど無いのが特徴。

コナンが自分の推理を披露したのは黒田から離れた帰りの新幹線の中です。

「ブログ女優の密室事件」や「標的は警視庁交通部」の黒田ならコナンの能力を信頼している為目の前でコナンに推理をさせるはずです。

よって「県警の黒い闇」でコナンと行動を共にしていた黒田はコナンへの関心が高いとは言えません。

コナンへの関心の差は「別人だから」と捉えるべきです。

 

◆黒田とその影武者の見分け方

実は黒田とその影武者は外見で違いを見分ける事が出来ます。

コナンに高い関心を示す黒田とさほど関心のない黒田には外見に次の差があるんです。

・コナンに高い関心を示す黒田=襟元にバッジがある

・コナンにさほど関心のない黒田=襟元にバッジがない

バッジが伏線と考えられるのが82巻で佐藤刑事が赤バッジをなくすエピソードの中の次台詞。

高木「いやぁビックリでしたね…あんなによく似た別人がいるなんて」 

手配中の被疑者の情報が舞い込み現場に直行したものの別人だったという話です。

86巻で初登場となる黒田のバッジの有無が彼とその影武者を見分けるポイントになっていると思われます。

また「標的は警視庁交通部」にはこんな気になる台詞も。

佐藤「もちろんこっそり警察バッジ見せて…追っ払ったわよ!」 95巻

ナンパしてきた男を警察バッジで追い払ったというが佐藤の回想ではなぜか警察バッジでなく警察手帳で追い払っているんです。

作画ミスの可能性もありますがこの後すぐにバッジを付けた黒田が登場する事からバッジに注目という意味が込められている可能性も。

 

またバッジを付けている黒田はコナンの能力を高く評価している為幼児化の現象に気付いている可能性が高いと言えます。

幼児化に気付いている時点で組織の人間ではありません。

さらにバッジ付きの黒田は灰原とも面識がありますが灰原は彼から組織の気配を感じ取っていませんし黒田の方も灰原に何の反応もしていません。

この事からもバッジ付きの黒田は組織の一員ではないと言えます。

組織ではない=正義と断言できるわけではありませんがジンは鼠、つまり組織以外の人間が組織内を動き回る事を危惧していますからバッジ付きの黒田は正義の可能性が高いと言えそうです。

 安室はRUMの事をせっかちと語っています。

これがRUMの性格を表しているのかは定かではありませんがこのバッジは付ける付けないは本人の自由。

高木「まぁ基本付けてますけど、付けなくてもいい物ですし…」 82巻

バッジを付けないのはせっかちだから、つまりバッジ無しの黒田はRUMという伏線とも言えそうです。 

 

◆バッジは確実に伏線

私は黒田のバッジは気にはなっていましたがそれほど深く考えてきませんでした。

理由は2つ。

1つ目に黒田のバッジが小さすぎてバッジに見える別物という可能性があったから。

2つ目は「燃えるテントの怪 93巻」で私服の黒田が登場しているからです。

黒田を見分ける伏線がバッジの有無なら私服の黒田について適切な判断ができません。

ですがやはりバッジは伏線に違いないという根拠を最近ようやく発見できました。

コナンの作中では警視庁の警察官はみんなバッジをつけています。

これは連載当初からではありません。

では青山先生は一体いつから警察官の襟元にバッジを付ける事にしたのでしょうか。

実は比較的最近の「命を懸けた恋愛中継 76巻」からです

この事件は作者がバッジを強く意識して描いている事がよく分かります。

なぜなら登場人物のバッジがこれでもかという程丁寧に描写されているからです。

 

そしてこの事件は安室透の警察学校時代の友人である伊達航に恨みを持つ人物が同じ「ワタル」という名前の高木刑事を誤ってターゲットにしてしまうというもの。

要するに犯人が本物と偽物を勘違いした結果発生した事件です。

バッジの有無は本物と偽物の差の伏線と捉える事が出来ます。

また高木に止まったカラスがきっかけで事件解決に前進していますが実はこの事件、彼だけがバッジを付けていませんでした。

バッジを付けていない高木刑事とカラスをセットにする事でッジを付けていない黒田=組織という伏線としているのかもしれません。

 

現在作品は100巻に収録されるエピソードまで掲載されている状況です。

そして76巻から今に至るまで警視庁の人間は必ず胸元にバッジを付けています。

※書き忘れというレベルのものはいくつもあります。

ですが「命を懸けた恋愛中継」より後に二度だけバッジが描かれなかった時がありました。

それが「みんなが見ていた 79巻」と「燃えるテントの怪 93巻」です。

「燃えるテントの怪」は扉絵から偽物と本物がスリ替わっている話と推測できます。

この時の黒田は私服でバッジの有無は確認できません。

その代わりこの時弓長警部はバッジ無しで登場しています。

これはこの時登場した私服の黒田はバッジ付きの黒田ではないという示唆なのかもしれません。

また「みんなが見ていた」は全3話構成の話ですがシリーズの2話目からバッジを付けていない目暮警部と高木刑事が登場しています。

この2人の登場した時のタイトルは「二人で一人前」。

黒田は影武者と2人で警察官としての任務をこなしている。

警察官である黒田とその影武者の見分け方はバッジの有無である。

このように考える事が出来ると思います。

登場人物のバッジに注目しながら原作を読み返すと分かるんですが話が進むにつれどんどんバッジが小さくなっています(笑)。

黒田の胸元にあるものがバッジかどうか判断に悩むほど意図的にバッジが小さく描かれています。

やはりバッジが伏線だからでしょう。

現在みんなバッジを付けている中で黒田兵衛だけがバッジを付けたり外したりしています。

そしてバッジの有無でコナンへの関心度が異なる。

やはり黒田は1人ではありません。

バッジの有無は黒田を見分ける大きなカギになるはず。

また警察官のつけるバッジは通称赤バッジ。

赤といえば赤井ファミリー。

さらに赤バッジの次のエピソードが「赤い女の惨劇 82巻~83巻」と赤尽くしなのも気になる点です。

バッジを付けている黒田兵衛の正体は赤井務武という可能性もありそうです。

◆私服姿の黒田の謎

黒田兵衛を考察する上で厄介なのが「燃えるテントの怪」に登場する私服姿の黒田です。

私服なのでバッジ付きかバッジ無しかどちらの黒田なのか見た目だけでは判断ができません。

共に登場した弓長警部がバッジが無かった事からバッジ無しの方の黒田という可能性も考えました。

ですが冷静にこの人物を観察するとバッジ無しの黒田、もう一方のバッジ付きの黒田のどちらにも該当しない第3の黒田が浮上してくるんです。

 

まずコナンへの関心度。

この私服の黒田はコナンへの関心が高いとは言えません。

バッジ付きの黒田の特徴とはかけ離れています。

また弓長が現場に到着するまで何のアクションも起こしていない事が会話から分かります。

「県警の黒い闇」に登場するバッジ無しの黒田は事件が発生するとすぐに遺体に駆け寄る、迅速に行動するといった特徴が見られますがこの黒田にはそれがありません。

さらにこんな台詞もあります。

黒田「強行犯係の目暮とどちらを呼ぶか迷ったが…」

警察官としてかなり高い地位にある人間の発言とすると極めて不自然です。

少なくとも普段黒田兵衛として生活している人間のジャッジではないでしょう。

バッジ付きの黒田ともバッジ無しの黒田とも違う人格なんです。

つまり黒田は私服の黒田を含め3人存在する事になります。

私自身同じ人間が3人も存在する事に関しては首を傾げたくなりますが性格を分析するとこのような答えになってしまうんです。

恐らく私服の黒田に関しては影武者の影武者といった程度の役割なのだと思います。

あるいは黒田の影武者が自分の持つ高い変装術で仲間を黒田兵衛に変装させたという可能性もありそうです。

黒田の影武者が2人いてその2人とも声色を自由自在に扱えるとは考え難い。

そしてこの私服の黒田は首元が隠れています。

アガサ博士の変声機はごく普通に販売されていましたから入手は困難ではないはず。

この私服の黒田は仲間に変装の手助けをしてもらい変声機で声を変えていたのかもしれません。

さすがに黒田が3人もいる必要性は感じません。

この人物は変装の勉強中など何らかの理由でこの時限定で黒田に変装したに過ぎないのではないでしょうか。

今後も私服の黒田として登場する可能性はありそうですが普段から黒田を演じているとは考えにくいですね。

 

ではこの私服の黒田は何者なのか。

足技で犯人を制圧している事から長身の男性である事は間違いありません。

シークレットブーツであればこの技は難しいでしょう。

また高い身体能力を持っている事も分かります。

この条件に当てはまり、かつ重要なポジションと言えば安室と伊織無我のどちらかでしょうか。

この2人のどちらかの変装であった可能性は否定できないと思います。

 「燃えるテントの怪」の黒田に関しては私も考察の途中といった感じです。

 

黒田兵衛には影武者が存在する事は間違いありません。

性格がこれだけブレていて全て同じ人物であればキャラクター設定があまりにもお粗末と言えます。

RUM編はかなり早い段階から構想が練られていたのですから性格や言動も一貫しているのが当然です。

同時に黒田に影武者がいる以上必然的に彼がRUMという可能性が高まります。

ジンの言葉を借りれば鼠を従えるのは組織内で御法度の行為。

考察通りRUMである黒田が組織以外の人間を影武者として従えているのなら彼は組織の一員でありながら組織のメンバーを裏切っている事になります。

コードネーム持ちの中でも別格とされるRUMだからこそ可能な行動なのではないでしょうか。

 

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脇田の正体は務武?

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RUM候補の1人である脇田兼則の正体は赤井務武である。

最近になりこのような考察ができる材料が少しずつ揃ってきている印象を受けます。

今回は脇田兼則=赤井務武について考察します。 

◆初登場のタイミング 

務武の容姿が読者に初めて明かされたのが「さざ波の魔法使い 92巻」。

脇田の初登場はその次のエピソードである「江戸っ子探偵!?」。

務武が非常にハンサムな男性という印象を読者に植え付けた後でその真逆とも言える容姿の脇田が登場しているんです。

務武の正体が実は脇田とすれば初登場のタイミングとしては最高の演出だと思います(笑)。

 

◆脇田がMI6という可能性

脇田=務武と考えられる大きな要因として脇田の正体がMI6という伏線が確認できる事にあります。

脇田は初登場時「ゾンビが囲む別荘 88巻」について触れています。

また蘭のある台詞にも注目。

「お父さんはダメよ!尿酸値とコレステロールがヤバぎみなんだから…」

「間食はダメよ!お医者さんに内臓脂肪が付き過ぎって言われてるんだから…」

上が脇田初登場、下がゾンビ回の台詞です。

また脇田のメイン回「屋根裏密室事件」は「ゾンビが囲む別荘」を明らかに意識して作られています。

この2つの事件の共通点を見てみましょう。

「ゾンビが囲む別荘」と「屋根裏密室事件」の共通点

▼沖野ヨーコの登場

▼小五郎がお腹をこわす

▼トイレットペーパーが重要ポイント

▼廃れた貸し別荘で事件が発生

▼被害者が忽然と姿を消す

▼遺体発見のタイミング

(ゾンビ事件では捜索から4日後の朝、屋根裏事件では4日目の朝)

▼兄弟の片方が死亡

(ゾンビ事件では弟、屋根裏事件では兄)

 脇田登場前の「ゾンビが囲む別荘」と脇田メイン回の「屋根裏密室事件」は類似点が多い事が分かります。

そして脇田は初登場時ゾンビ事件について語っている事を踏まえると作者が「ゾンビが囲む別荘」と脇田兼則というキャラクターを重ねて描いているとみて間違いありません。

ではなぜ彼と「ゾンビが囲む別荘」を結び付ける必要があるのでしょうか。

それはこの事件のFileナンバーにあります。

「ゾンビが囲む別荘」のシリーズ1話目はFile931。

これはMI6に変換する事の出来る数字です。

脇田とゾンビ事件を重ねて描いているのは彼の正体がMI6という伏線とすると納得がいきます。

また「ゾンビが囲む別荘」にはこっそりシャアのネタが織り交ぜられているのもポイントです。

ゾンビが襲い掛かって来る時の擬音がキシャアなんです。

青山先生は大のガンダムファンでありコナンの作中にもガンダムネタはいくつも見られます。

そして務武の息子である赤井秀一はシャアがモデルである事は有名な話。

ゾンビ事件のFileナンバーと擬音は脇田の正体はMI6であり秀一の父親であるとすると合点がいきます。

また「屋根裏密室事件」ではこんな台詞も。

脇田「そいつは「ATTIC」!屋根裏部屋の事でやんすよ!」

これは脇田が英語に精通している伏線と考えていいと思います。

そもそもRUM候補3人はアメリカで発生した羽田事件に何らかの形で関わっている事が分かっています。

3人とも英語が話せる方がむしろ自然です。

また私が伏線の可能性を考えているのが次の台詞です。

「アッシにゃーこっちの暗号の方がトンチを利かせなきゃ解けねぇ難問に見えやすけど…」

脇田が「トンチ」の単語を持ち出すのはこれが初めてではありません。

「こいつァトンチが…利いてるねぇ…」 92巻

 若狭留美の名前に反応した時の脇田の言葉です。

トンチと言えば一休さん。数字にすると193。

これも脇田と繋げて描かれている「ゾンビが囲む別荘」のFile931と同様にMI6に変換できる数字です。

脇田が口にした「トンチ」も彼の素性がMI6である事の示唆かもしれません。

 

◆「迷宮カクテル」の伏線

私が脇田の正体を考察する上で欠かせないエピソードと考えているのが「迷宮カクテル 95巻」です。

このシリーズ1話目の扉絵はコナンが蘭に左目を塞がれている事からRUM候補3人の中で唯一左目が義眼の疑いがもたれている脇田の人物像に迫る伏線の事件と考えています。

扉絵だけではありません。

この事件は脇田の初登場時の「江戸っ子探偵!?」と内容が非常によく似ているんです。

「迷宮カクテル」と「江戸っ子探偵!?」の2つの事件の共通点が以下の通り。

■財布が奪われる

スマホを2台持っている人物の登場

■袖口が汚れた人物

■視力に問題を抱えた人物が肝心な時に眼鏡を外している

■店のイメージと異なるメニューが豊富にある

さらにキャラクターの台詞も類似しています。

蘭「でも今日は散々だなー…」

コナン「散々って?」

小五郎「くそォ!今日は色々ついてねぇぜ…」

コナン「色々って?」

上が「迷宮カクテル」下が「江戸っ子探偵!?」です。

確かに小五郎はツイていない事の連続でしたが蘭はそうでもありませんでした。

その蘭に「散々」と言わせる事でこの2つの事件の関連性について読者にヒントを与えているのだと思います。

ここで注目なのが「迷宮カクテル」の登場人物の名前です。

諸岡蔵(依頼人

惇史(諸岡の執事)

上紗菜(店員)

朝倉里(店員・被害者)

このようにエリアが名前の由来になっている事が分かります。

エリアと言えば赤井家を象徴するワードです。

 赤井「消えろ!!この場(エリア)から今すぐに!!」 35巻 

(逃げろ このエリアは危険だ ) 67巻

「ここから先はこちらのエリアだ…」 77巻

 

世良「ここから先は、ボクらの領域だから…」

 

 メアリー「私の事を尋ねてきたらこう答えなさい…領域外の…妹だとな…」 83巻

事件が起きたのは「黒ウサギ亭」。

登場人物の名前は店名に合わせて動物の名前を入れた方がしっくりくるというものです。

ここでエリアを利用したのは意味があると考える事は十分可能です。

また登場人物の出身地が強調されているのも気になる点です。

店員A「(諸岡は)女の人と駆け落ちして鳥取県に住んでいたそうです…」

店員B「有里ちゃんの田舎も鳥取で…」「紗菜ちゃんの実家も鳥取だったような…」

店員C「ええ…彼女は隠しているみたいだけど…」

これらはエリアというワードを際立たせる狙いがあるのではないでしょうか。

気になると言えば容疑者のある一言にも注目しています。

 村上「お父ちゃんはそんな簡単に死にゃーせんよ…ウチと同じしぶとい赤い血が流れとるけぇな…」

◆「父は簡単には死なない」=生死不明の赤井務武は死んでいない。

◆「ウチと同じ」=血縁関係。

◆「赤い血」=赤井家。

このように務武、及び赤井家を暗示しているのかもしれません。

店員Cの「隠してる」という言葉も何らかの理由から務武が生存している事を伏せている事の伏線だとすると面白いですね。

「迷宮カクテル」は脇田兼則の正体に迫る伏線が散りばめられた事件であり彼の正体は赤井務武であると解釈する余地は十分あると思います。

 

◆脇田は蘇った死者?

脇田はゾンビと結び付けて登場していますが他にも脇田を語る上で欠かせないワードがあります。

それが幽霊です。

「裏切りのステージ 90巻」に登場する3人の容疑者はそれぞれがRUM候補の3人を意識して作られたキャラクターです。

布施は黒田、円城は若狭、梶谷は脇田を意識したキャラクターに間違いありません。

断言できる理由として布施はそれほど重要度が高いとは言えない大柄という設定がありました。大柄と言えば黒田です。

また円城の外見は若狭を連想させるものです。

そして彼女が連行されるコマは「仲の悪いガールズバンド 88巻~89巻」の犯人が連行されるコマに酷似しています。

「仲の悪いガールズバンド」の犯人の名前は留海。

連行シーンや名前だけでなく眼鏡をかけているという点も円城と留海の共通点です。

外見以外の情報からも作者が円城と若狭を重ねている事が読み取れます。

そして梶谷ですがチョビ髭に喧嘩っ早い口調ですから必然的に脇田の枠という事になります。

脇田を意識して作られた彼はこのような台詞を口にしています。

梶谷「俺は、登山部の幽霊部員だったけど…」

「言っただろ?幽霊部員だって…」

犯行にロープが使用された事から登山経験者である彼が疑われる流れになる意味での台詞であれば納得がいくのですが二度に渡り幽霊部員である事を強調する必要性は物語上皆無でした。

つまり脇田をイメージさせる梶谷に幽霊と発言させる事で脇田と幽霊を間接的に結び付ける狙いがあると考えられます。

そして「長野廃教会事件」ではこんな台詞があります。

小五郎「確かに悪い霊とか棲みついてそうだ…」

脇田「止めてくだせぇ…そういうの苦手なんですから…」 97巻

 さらに脇田のメイン回「屋根裏密室事件」でもこんな台詞があります。

小五郎「何かのインタビューで次は探偵役だって…」

ヨーコ「その幽霊が探偵なんです!」

脇田と幽霊というワードはゾンビ同様セットと考えていいでしょう。

ゾンビと幽霊はどちらも死者の蘇った姿と言えます。

脇田は蘇った死者である。そしてその正体は死んだとされている務武である。

このような考え方が出来そうです。

 

◆脇田と赤井秀一の類似点

実は脇田と赤井秀一は類似する部分の多いキャラクターです。

外見からは想像もつかないかもしれませんがよく見るとこの2人の行動はよく似ているんです(笑)。

 

■料理

秀一は死を偽装し沖矢昴として生活するようになってから料理をするようになりました。

脇田は料理をしている描写こそありませんが寿司屋に勤める事が出来るのですから当然非常に高い調理のスキルを持っているはずです。

実は沖矢の台詞の中に脇田を連想させるものがあります。

「一流の板前さんとまではいかないが…家庭料理程度なら…」 

板前と言えば思い浮かぶのはやはり脇田です。

この沖矢の台詞は64巻。脇田の初登場は92巻。

この時点で脇田と秀一が親子という伏線を張っている事を疑問に思う方もいるかもしれませんがこのブログで何度か綴っている通り脇田兼則という人物は伏線から紐解くと少なくとも63巻の時点では完成している事が分かります。

64巻に伏線があってもおかしくはありません。

 

■目的の人物に料理を介して接触

秀一はかつての恋人である宮野明美から妹の灰原を守るという願いを託されていると考えられます。

ですが彼は自分の素性を明らかにできない以上彼女に接触する為の手段が限られている。

その秀一は料理のお裾分けという形で灰原に接近しています。

そして脇田も小五郎に近づくために寿司を手土産に探偵事務所を訪問しています。 

 

■帽子

秀一のトレードマークと言えばニット帽。

帽子を被っているのは父である務武の影響と明かされています。

そして脇田は勤務するいろは寿司では常に帽子を被っています。

また「長野廃教会事件 97巻」では私服姿でしたがこの時もハンチング帽を被っていました。

このハンチング帽は務武の容姿が初めて明かされた92巻で務武が被っていたものと非常に似ています。

形状だけでなく使用されているトーンが同じですから同一と言っていいレベルです。

ハンチング帽のデザインが似通るのは特別視する必要はないとも言えます。ですが意図して似せている事も完全否定はできません。

脇田が務武と同じ帽子なのはこの2人が実は同一人物である事の伏線。

そして脇田も秀一も帽子を愛用するのはこの2人が親子である証なのかもしれません。

 

■2人とも変装をしている

脇田の正体が務武なら彼は変装を施している事になります。

事実脇田は間違いなく変装をしています。

彼は小柄な印象を与えがちですが足腰を曲げて自分を小さく演出しているに過ぎません。

脇田は本来の身長が特定できない場面になるといつも曲げている足腰をピンと伸ばしています。(例:コマに脇田しかいない。脇田以外の人物は座っている等)

身長を偽る人物が顔を偽っていない訳がありません。

脇田の現在の外見は素顔ではない事は間違いないでしょう。

秀一は死を偽装死沖矢昴という人格を作り上げ変装をして生活しています。

脇田が変装をしているのは間違いありませんからこの点は脇田と秀一は完全に一致していると言えます。

 

◆務武はなぜ生存を隠すのか

仮に脇田=務武ならなぜ生存を隠すのでしょうか。

「いいか、この先、私はいないものと思え…どうやら私はとんでもない奴らを敵に回してしまったようだ…」 92巻

務武が残した別離のメールです。

相手の強大さを理解し、なんとしても家族を守り抜くと決めた務武なら家族と連絡を取らないという選択も十分にあり得るでしょう。

そして息子の秀一は務武のスピリットを強く受け継いでる人物。

その彼は家族や仲間を守りたいという強い思いと愛情、優しさ、そして敵に立ち向かい勝利するという決意から母と妹にも生存を明かしていません。

彼が自身の生存を伏せるのは覚悟の表れと言えます。

秀一の生き方が務武の歩んできた人生をそのままなぞっている可能性はそれなりに高いのです。

 

私は当初は務武が生きていたとしても脇田ではないと考えてきましたがここにきて私の中では脇田=務武と考えられる材料が集まってきている感じです。

 

脇田は何者なのか、そして務武は生存しているのか。

これらの答えは今後作中で確実に伏線が張られていくはずです。

巧妙な伏線になる事は間違いありませんが丁寧に拾い上げていきたいですね。

▼務武の生存の可能性について

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務武の生存の可能性を探る

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メアリーの夫であり赤井秀一、羽田秀吉、世良真純3兄妹の父親である赤井務武。

生死不明とされている務武ですが結論から述べれば彼は生存している可能性が高いと思います。

今回は赤井ファミリーの存在から務武の生存の可能性を読み解いていきます。

ベルモットの行動から見えてくる務武の生死

まず務武生存の可能性をベルモット視点で見てみましょう。

ベルモットは務武に成りすましMI6への潜入を目論んでいます。

彼女は世良の存在こそ知りませんでしたがそれでも彼女の務武の変装はMI6の注意を3年引き続ける程のレベルでした。

容姿だけでなく口調も務武そのものだったと言えるでしょう。

つまりベルモットは務武とただの顔見知り程度の付き合いではなかったはずです。

務武をよく知っているベルモットが務武はMI6に復帰しないと判断しているのであれば必然的に務武は既に死亡している可能性が高まります。

ですが務武が息子の秀一のように死を偽装したという可能性は捨てきれません。

かねてより赤井ファミリーは務武からの影響を強く受けているのが見て取れます。

偽装死した息子の生き様は父、務武のかつての選択そのものなのかもしれません。

 

◆赤井ファミリーの存在意義

私が務武が生存している可能性が高いと考える大きな根拠が赤井ファミリーの存在にあります。

赤井ファミリーはそれぞれが務武のパーツの一部を持っています。

1人ずつ具体的に見ていきましょう。

 

まずはメアリー。

彼女は務武の口調をそのまま真似ています。

これは彼女が務武に代わり父親の役目を担うという10年前の決意の表れです。

同時に彼女が務武の口調で発言するのにはもう一つ非常に大きな意味があります。

それは読者に赤井務武という人物について推理させる事。

事実読者はメアリーの口調と口癖などから務武の人物像を探っている状態。

そして彼女は務武と同じくMI6の一員でもあります。

メアリーは務武の妻であり、そして務武の存在の一部分を切り取って誕生したキャラクターと言えます。

 

次に長男の赤井。

彼は截拳道の使い手ですがこれは父である務武の影響です。

また赤井が喫煙者である事や帽子を被るのも務武の影響だそう。

さらに赤井の口癖である「50:50」も本来は務武の口癖でありそれが赤井にも移っている事がメアリーの口から明かされています。

赤井の中にも務武の一部がしっかりと組み込まれています。

 

そして次男の秀吉。

彼は3兄妹の中で唯一外見が父親似の人物です。

98巻で犯人にあっさりと監禁されてしまった事から身体能力や危機管理能力は高いとは言えません。

しかし彼は作中屈指の優れた推理力の持ち主として存在感を放っています。

務武は非常に卓越した推理力を持っている事が作者の口から明かされています。

秀吉の外見や高い推理力は務武譲りと言えます。

 

最後に長女の世良。

務武が姿を消してから誕生した為彼女は務武と面識はありません。

その世良ですが赤井の影響で截拳道を習得ていますし、探偵になったのも赤井の影響。

つまり世良は間接的に務武の影響を受けているわけです。

これは父親である務武が彼女の中で生きている事を意味しています。

 

このように赤井ファミリーはそれぞれが務武のピースを持っています。

そして赤井ファミリーが持つそれらのピースを組み合わせる事で赤井務武というパズルが完成するんです。

裏を返せば作者は赤井務武の人物像を非常に細かなところまで設定している事になります。

それぞれが持つ独自のピースから務武の素性を読者に推理させているにも関わらず実はその務武は既に死んでいたという結末は釈然としないものがあります。

赤井家の存在そのものが赤井務武の生存の示唆と取る事は十分可能なはずです。

 

◆メアリーは務武の死を受け止めきれていない

務武の生存の可能性は「さざ波の魔法使い 92巻」のあるコマからも読み取る事ができます。

メアリー「主人が死ぬ前…この安全な国に私達を送った時に言った言葉を…「いいか、この先、私はいないものと思え…どうやら私はとんでもない奴らを敵に回してしまったようだ…」—っていうあのメールをね…」

こう語る彼女の背景に務武からのメールが表示されたスマホが確認できます。

このメールですが、実は奇妙と言えるんです。

何故なら務武がメアリーに別離のメールを送信したのは17年も前の事。

17年前と言えばまだスマホは普及していませんでした。

コナンの世界においてもそれは同様のはずです。

つまり務武はメアリーのスマホにメールを送っていないはずなんです。

ではなぜ務武のメールが表示されたスマホが登場したのか。

時代背景を考えれば務武はメアリーのガラケーやパソコンにメールを送信しています。

その務武からの最後のメールをメアリーが消去する覚悟がなかった為にそのメールをスマホに大切に保管していると考える事ができます。

メアリーが務武からのメールの消去ができなかったという事が務武の生存の可能性を高めていると言えるんです。

なぜならメールを消去しないというメアリーの判断はコナンの作中における「正しい死者の扱い方」が出来ていないと考えられるからです。

 

ではコナンの作品における正しい死の受け入れ方とはどのようなものなのか。

高木「ダメですよ忘れちゃ…」「それが大切な思い出なら忘れちゃダメです…人は死んだら、その人の思い出の中でしか生きられないんですから…」

かつての想い人で故人の松田を忘れられない苦しみを抱えた佐藤に向けた高木の言葉です。

この高木の言葉を受けて佐藤は松田からのメールを消去し、彼を心の中で生かす事ができるようになりました。(37巻)

また安室も同様に亡き友人の伊達からのメールを消去しています。(77巻)

 

「死者は残された人間の心の中で大切な思い出として生きていくべきである」

 

これがコナンの作中における正しい死の受け入れ方ではないでしょうか。

そして恐らくこの考えに反しているのが組織でしょう。

「我々は神であり悪魔でもある…なぜなら…時の流れに逆らって…死者を蘇らそうとしているのだから…」 37巻

コナンの世界では死者との思い出の大切さを読者に分かりやすく伝える手段の1つとしてキャラクターにメールの消去をさせているのだと思います。

つまりメールを消去できていないメアリーは「正しい死者の扱い方」というコナンの作中における重要な課題をこなせていない事になるんです。

 

同じく息子の秀一もかつての恋人である明美からのメールを消去していません。

FBIの話や赤井が明美からのメールを屋上で1人じっと見ていた事を考えるとやはり彼は明美の死を引きずっているのでしょう。

ですが彼の場合はいまだ明かされていない明美からのメールの続き、P.S.の内容が大きな意味を持っているはずです。

沖矢「車の中で待ちませんか?」

灰原「そうしたいのなら無理やり連れ込めば?」

沖矢「そんな無粋な真似はできませんよ…」

(彼女との約束なんでね…) 77巻

物語を見る限りP.S.の内容は妹の志保を守る事。

彼がこのメールを消去すれば明美との約束を反故した事になってしまいます。

赤井がメールを消去していないのは明美から彼に与えられ、そしてまだ完全に達成できていない任務がこのメールの中に含まれているから。

赤井の場合はメールを消去しないのが正解のパターンと考えるべきです。

ですが務武からメアリーに送られたメールと言えば「私はいないものと思え」という内容ですから本来なら消去が妥当。

死んだと考えているのであればなおさらです。

コナンの作中の基準から考えるとやはりメアリーは務武の死を正しく受け入れる事が出来ていないと言えそうです。

子供に「父は死んだ」と伝えていながら本人は夫の死を受け止め切れていない。

そのメアリーが自分の中にあるこの矛盾にケリをつける為には次の項目で記述している通り務武と再会するという可能性が高いんです。

 

◆自分を偽るメアリー

メアリー「行け秀一!その熱病でお前の命が尽きるまで…真実を覆い隠す霧を一掃しろ!!その代わり靄一つ残したら許さんぞ!!」

秀吉「どうしたの母さん?口調がまるでお父さんみたいだよ?」

メアリー「今日から私が父親代わりという事だ…」 92巻

 このような口調と抜群の身体能力から男勝りな印象を与えがちなメアリーですが実は彼女は非常に女性らしい人物と言えます。

メアリー「女の子なのにもぅ…鼻の下にチップスの塩が付いちゃってるじゃない!」 92巻

口調が現在の務武のものになる前に真純を注意した時の一言です。

女性らしさを大切にしている人物という事がよく分かる台詞ですね。

また彼女は来ている服やホテルの内装などかなりかわいらしいものが目立ちます。

愛用しているハンカチもこれでもかという程に女性らしさに溢れたデザインです。

メアリーは女性らしさを大切にしている人物。

中年の男性の口調で話すのは本来の彼女からかけ離れた姿と言えます。

このように現在のメアリーは自分自身を偽っている状態と言えます。

特に彼女は少女化している為口調だけでなく外見も偽りの姿です。

そもそも口調を真似るというのは自分を通して務武を生かすという事。

夫の死を心から受け止めきれていないからこその行動なんです。

メアリーの言動は死者との思い出を大切にする事が正解とされているコナンの作中において相応しいとは言えません。

彼女はいつかこの偽りの自分を脱ぎ捨て真の意味で本当の自分に戻らなければなりません。

そしてその手段は務武と再会するか務武の死を完全証明できる情報に接するかどちらかしかありません。

後者の務武の死の確認ですが実は既に死んでいました、なんて話だけをされても今更メアリーに大きな変化は生まれないでしょう。

務武が死んでいく様子がビデオに残っているとしてもこの手段は息子が使っていますから無いと考えるべきでしょう。

仮に残っていてもやはり偽装死を疑う展開にしかなりません。

既に務武が故人である場合、かれこれ10年本当の自分を押し殺して生きてきたメアリーに務武の死を納得させる材料を用意するのは難しいのではないでしょうか。

務武の遺体と対面すればもちろん話は違ってきます。

ですが先述の通り赤井ファミリーの存在を通して務武の人物像を読者に推理させている。それだけ務武には詳細なキャラクター設定がある。

それなのに務武は既に死んでいたという展開は好ましいとは言えないでしょう。

やはり務武は生存している可能性が高いと言えそうです。

赤井ファミリーの存在そのものが務武の生存の可能性をぐっと引き上げていると考えていいのではないでしょうか。

 

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赤井が密会している謎の女性とは

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赤井秀一は表向きは死亡している立場です。

ですがその赤井が密かに会っている女性がいるのではないか。

今回はそんな考察を綴ります。 

◆赤井と密会している変装術を持つ女性とは

私が注目しているのは「工藤優作の未解決事件 77巻」。

蘭、園子、世良の3人が男性の遺体を発見。

その場に「死」の血文字があった事から世良は事件性を疑います。

新一は10年前今回と同様に遺体のそばに「死」の血文字があった事件の写真を蘭に見せており今回の事件との関連を疑った3人がその写真を探す為に工藤邸を訪れます。

ここで赤井は沖矢となってから世良と初めての対面を果たしています。

 

10年前の現場の写真を探す役目はコナンが担当。

コナンがいない間、蘭たち3人は新一の浮気を疑う流れとなります。

なぜなら髪留めのゴムや口紅を拭った形跡のあるグラス、さらには長い髪の毛まで見つかったからです。

世良「工藤君はしばらくこの家を空けてるんだろ?普通に考えたらさっきの昴って男が連れ込んだ女なんじゃないのか?」

世良のこの言葉で3人は新一の浮気についての話を終了させています。

ですが工藤邸に女性が訪れた痕跡があるのは間違いありません。

工藤邸に自由に出入りできる女性と言えば有希子しかいません。

蘭も髪留めのゴムについて有希子のものではないかと口にしていました。

ですがこの女性が有希子である可能性は低いのではないでしょうか。

なぜなら残されていた長い髪の毛は世良の口からカツラと明かされているからです。

有希子は変装でカツラを使用しますが有希子が工藤邸に姿を見せるのは当たり前の事なのでその事実をわざわざカツラで表現する必要性が皆無。

灰原「その昴って人、何者なのよ!?何であなたのお母さんと一緒にあなたの家で暮らしてるわけ?

コナン「大丈夫!彼は味方だから…それに、母さんが来るのはたまの週末だけだし…」 78巻

 蘭たち3人が工藤邸に寄ったのは学校が終わってからですからこの日は平日です。

つまりこの3人が訪れるより前に工藤邸で赤井と過ごしていたのは有希子以外の女性という事になります。

この女性はカツラを利用している事から変装ができる可能性が高いと言えます。

作中で変装ができる人物といえば有希子、ベルモット、キッドです。

カツラという単語から赤井と密会している人物から有希子は除外されます。

ベルモットが工藤邸で赤井と会っているという事もありえませんね。

最後にキッド。彼は女性の変装も得意ですから工藤邸に長い髪の毛を残す事があっても不思議ではありません。

ですが赤井と密かに会っているのは彼ではありません。

沖矢「帰る前に返して頂こうか…君が撮った私の写真を…」 91巻

 かつてキッドはコナンや赤井を助けた過去があります。(78巻)

ですがやはり偽装死という形を取り表舞台から姿を消している赤井は沖矢としてもキッドとは深く付き合えないようです。

つまり変装ができる事が明かされているこの3人以外にも変装術を持つ人物が存在する事になります。

この人物は女性でしょう。

キッドは性別を超えて変装できますが男性が女性に変装するパターンはキッドの専売特許だと思います。

そしてこの女性は赤井と非常に親しい間柄にあると言えます。

流しにはグラスが2人分あるのが確認できます。

また食器の数から赤井とこの女性は一緒に食事をしていた事が想像できます。

軽くお茶をしていたというレベルではない辺り赤井はこの女性とかなり親密な仲と言えそうです。

この77巻時点で赤井はFBIの仲間にさえ自分の生存を明かしていませんでした。

その赤井が密会している相手ですから偽装死についてもこの女性には打ち明けている可能性も高そうです。

推理通り赤井に密会している女性がいるのであればこの女性は相当な情報通と考えていいはずです。

赤井は秀吉以外の家族にも自分が生きている事を伝えていません。

その中でこの女性と会うのはこの女性が赤井にとって有益な存在だからでしょう。

要するに相手は組織に関する情報を持っている。

だからこそ赤井は変装のできるこの女性と密かに会っていると考えられます。

この女性から情報を提供されている可能性が高い事に加え共に食事する位ですから当然赤井の敵ではありません。

また興味深い点としてこの女性の存在が完全にコナンにクローズとなっている事です。

コナン「写真持ってきたけど…何の話?」

蘭「い、いいの、コナン君は知らなくて!」

園子「大人の話だから」

コナン「?」

コナンが会話に参加しようとしたものの制止されてしまっています。

このような会話が始まればコナンが心の中で突っ込みを入れる、あるいは会話に割って入り、自分(新一)の疑惑を晴らすというのがこの作品の王道パターンです。

その王道を行かなかったのはこの女性の存在をコナンに秘匿にする事に意味があるのだと思います。

 

◆若狭留美の可能性を検証

赤井が密会している女性がRUM候補の1人、若狭留美である可能性を探りたいと思います。

沖矢「世良さんの周りに変わった人とか見かけませんでしたか?そう、例えば…絶えず周囲を警戒し危険な相手なら瞬時に制圧する能力に長けた…「浅香」という名の…」 90巻

沖矢のこの言葉は浅香にある程度心当たりがあるからこそ出てくるものです。

若狭は浅香である可能性が高いと思います。

若狭=浅香である場合この沖矢の言葉から2人は繋がりがあると考える事ができます。

この考察が当たっているかは別にしてもRUM編で存在感を放っている女性と言えば若狭くらいです。

若狭は実は変装術を身に着けていて密かに工藤邸を訪問している可能性はないのでしょうか。

この答えになるのが92巻「白い手の女」。

有名人が起こした事件で犯人を撃退したという形で若狭の名前が報道されました。

彼女の名前に反応したのが黒田と脇田の2人。

この事から若狭は黒田と脇田のどちらか、あるいは両方に自分の名前のアナグラムに込めたメッセージを解読させる狙いがあった事が分かります。

ですが若狭が目的を遂行するためにはアナグラム以上に伝えやすいものがあります。

それが外見です。

自分がターゲットとしている人物に大きく反応してもらうにはアナグラムよりも外見がはるかに有効なはず。

若狭はアナグラムを使用している時点で変装術は持ち合わせていないと考えられます。

完璧な変装術こそ無いものの若狭がカツラを使用しひっそりと赤井の元を訪れるという可能性もゼロではありません。

ですがカツラの女性の存在が明かされたのは77巻、若狭の初登場が91巻ですから彼女に関する伏線を用意するには早過ぎる段階な気がします。

また作者が「カツラ」を出してきたのはこの女性が変装をして工藤邸を訪れているという事よりもベルモットなど変装が得意とされている人物以外にも変装のできる人物がいるという伏線と考えた方がいいのではないでしょうか。

若狭は変装術を持たないのでやはり赤井と密会しているのは彼女ではないと考えた方が妥当かと思います。

 

◆ボス=烏丸をリークしたのはこの女性なのか

コナンがボスの正体が烏丸蓮耶である事に辿り着いたのが95巻。

ですがこれはコナンの力で解明できたものではありませんでした。

当初赤井もコナンも17年前に羽田浩司が残したダイイングメッセージは「ASACA」と「RUM」の2つの単語に分けて推理していました。

ですが優作の言葉でコナンはダイイングメッセージの真なる意味に気付きます。

優作「FBIの彼と先程話したんだが…例の暗号…ある1つの名称だろうという結論に達したよ…」 95巻

この言葉から分かるのは赤井からもたらされた何らかの情報から烏丸の名称を導き出せたという事。

つまり赤井主導なんです。

その赤井ですが偽装死している以上大きな動きが取れないはずです。

その彼が何故ボスの正体を知る事ができたのか。

やはり赤井にボス=烏丸と伝えた人物がいるからと推測できます。

つまり赤井にはコナンに秘密にしている情報網がある事になります。

ここで赤井が密会している女性、そして赤井にボスの正体をリークした人物の情報を整理してみましょう。

赤井の密会している女性        

・赤井と食事をする程親密な間柄

・相当な情報通

・コナンに存在がクローズされている

ボス=烏丸とリークした人物

・赤井と連絡の取れる関係

・組織に関する情報を持っている

・コナンに存在がクローズされている

このように赤井が密会している女性と赤井にボスの正体をリークした者の人物像が合致しているんです。

当然ここから赤井と密会している女性とボスの正体を彼にリークした者が同一人物であるという可能性が浮上する事になります。

若狭は浅香の可能性が高い人物。

赤井が浅香に心当たりがある事や若狭のアナグラムに烏丸が確認できる事から私は赤井にボスの正体をリークしたのは若狭ではないかと考えてきました。

そして「堆黒盆 98巻」では赤井はメアリーの少女化の情報を手に入れている事が明かされました。

若狭はこれまでの描写からメアリーと繋がっている可能性の高い人物です。

息子である赤井と繋がりがあっても不思議ではありません。

ですが赤井は先述の90巻の台詞から若狭がコナンの通う学校の副担任になっている事をこの時点では把握していません。

浅香=若狭で赤井と繋がっているのなら若狭は自分の現在の立場を伝えていてもいいのではないでしょうか。

浅香が世良の周辺に姿を現すという赤井の推測は若狭が自分と繋がっているというよりもメアリーと世良が若狭と繋がっている事を暗示していると捉えるべきかもしれません。

▼若狭はメアリーと同じくMI6ではないかという記事はこちら

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つまり赤井と若狭には繋がりがない。

この2人が繋がっているという可能性はまだ否定できません。

ですが若狭の登場するずっと前から密かに存在が描写されていた変装の得意な女性。

赤井と繋がっているのは若狭でなく彼女でありボスの正体を伝えたという可能性は十分考えられそうです。

 

◆赤井は偽優作の正体を知っていた?

「偽優作のTVで推理ショー」に登場した優作に変装した人物はベルモットのように演出されていましたが偽優作の正体が彼女とすると矛盾だらけです。

▼偽優作の正体に関する記事はこちら

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偽優作は女性らしさが強調されていたので優作に成りすました人物は変装の得意な女性の可能性が高いと思います。

必然的に赤井と密会している女性の可能性が高まります。

そうなると赤井と偽優作が連携しているのならこの偽物が工藤邸に姿を現す事を赤井が事前に知っている展開があってもおかしくないわけです。

優作「敵をだますにはまず味方からと言うじゃないか!」

この言葉、実は赤井と偽優作がタッグを組んだ上での行動である事の伏線と取れなくもない気がします。

要するに赤井が工藤夫妻やFBIをだましているという展開ですね。

 

私の中で一番納得のいく展開というのが偽優作は工藤夫妻、赤井と連携し、全員でコナンをだましていたパターンです。

これなら組織を欺く作戦として奇妙と言える食あたりの演技や偽優作を簡単に自宅に招く事も「偽優作が仲間だから」という一言で解決できます。

また偽優作はコナンに正体がキッドと思い込ませることに成功しています。

コナンとキッドの関係性をよく知っている有希子と偽優作が連携しているとすればこれも合点がいきます。

偽優作は有希子から変装術を学んだのかもしれません。

その一方偽優作が工藤夫妻の仲間と考えるのが難しい側面があるのもまた事実。

仮に工藤夫妻がこの偽優作を仲間として迎え入れているのならコナンの正体を内緒で打ち明けている事になります。

コナンは赤井にさえ自分の正体を伝えていません。

そんな中で「コナンの知らない人物」にコナンの正体を伝えるのは作品上有り得ないと言えそうです。

ですがRUM編の複雑さ、及びコナンに存在が伏せられた謎の人物がいる事を踏まえると読者の想定外の展開としてアリなのかもしれないとも思います。

ただし工藤夫妻側からコナンの正体を打ち明ける事は無いはずです。

偽優作がコナンの正体を突き止め、加えて組織の情報を渡してきた。

工藤夫妻側もこの相手なら協力者として問題がないと判断したという流れかもしれません。

コナンには内緒で工藤夫妻や赤井が謎の人物と水面下で大きな動きに出ている可能性もあります。

「偽優作のTVで推理ショー」は私の中でとにかく謎が多いので今後も考察していきたいエピソードです。

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脇田はRUMではない ~伏線のまとめ~ 

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RUM候補の中でRUM最有力とされている脇田兼則。

ですが私は彼がRUMである可能性は全くないと考えています。

脇田がRUMではないという記事は過去にも綴りましたが話が進んだ事に加え何度も原作を読み直す中でやはり脇田はRUMではないと取れる見落としていた伏線を複数新たに発見する事ができました。

ここでは脇田RUM説を否定する伏線の数々をまとめて綴ります。

中には伏線かミスリードか自分の中でも判定が微妙というものも敢えて記載しています(笑)。

恐らく随時更新。

 

◆脇田は変装している

彼は足腰を曲げて身長を低く見せているだけで実際は足腰に何の問題もない描写が確認できます。

彼が足腰をピンと伸ばすのは決まって身長がどの程度あるのか読者が分からないタイミングです。(具体例:そのコマに脇田しかいない、他の登場人物は座っている等)

作者が脇田の身長を小柄に演出しているのは確実です。

彼は実際はかなり長身の人物でしょう。

身長をごまかすのだから当然顔も本物ではありません。

脇田をRUMと仮定すると小五郎やコナンの前で眼帯を外そうとした行為は自分がRUMである事にどのように反応するかを観察する為のはずです。

つまり彼は自分がRUMである事を隠すつもりは全くないのです。

当然変装もしていない事になります。

ですが彼は変装を施している事が確実な為脇田をRUMとすると矛盾が生じます。

 

◆眼帯が右目にあると勘違いした

彼は初登場時自分の眼帯が左目でなく右目にあると勘違いしているコマがあります。

RUMは灰原が組織にいた頃から隻眼の噂が定着していた事から隻眼の生活はそれなりに長いはず。自分のどちらの目が見えないか忘れる事は無いでしょう。

またこのコマは脇田が江戸っ子口調が使用しなかった唯一のシーンである為確実に伏線と言えます。

脇田が小五郎の前で眼帯を外そうとしたのは過去に2回あります。

それぞれの台詞が以下の通り

「見てみるかい?」 92巻 

▲脇田が江戸っ子口調を唯一封印したコマ。眼帯が右目にあると勘違いしている

「見てみやす?」 97巻 

▲通常の江戸っ子口調。眼帯が左だと分かっている

 本来の脇田は両目が見え、かつ江戸っ子口調ではない人物だという伏線になっていると思います。

同時に今の彼は本来の姿でなくやはり変装している状態と捉える事の出来る場面とも言えます。

 

◆「駄馬」発言

灰原「ラム…?」

コナン「酒の名前だよ!よく海賊とかが飲んでる…」 86巻

脇田「パイレーツスピリットなんて駄馬に…大金をぶっ込むなんてよォ!」 92巻

初登場の「となりの江戸前推理ショー」でラムを連想させる名前の馬を駄馬と表現しています。

彼はRUMではなくRUMを追う立場という意味が込められた台詞かもしれません。

 

◆脇田とゾンビ

初登場回で「ゾンビが囲む別荘 88巻」の話題が出ていました。

また脇田のメイン回である「屋根裏密室事件」は事件の内容がゾンビ事件と非常に似通っています。

蘭の台詞からもそれは明らかです。

「お父さんはダメよ!尿酸値とコレステロールがヤバぎみなんだから…」

「間食はダメよ!お医者さんに内臓脂肪が付き過ぎって言われてるんだから!」

 上が脇田初登場、下がゾンビ事件のものです。

蘭が小五郎の健康問題に触れる事は珍しい為この台詞は偶然ではなく意図的に似せているはず。

作者の中には脇田とゾンビを結び付ける狙いがあるはずです。

ゾンビはラムベースのカクテルの事。

脇田はラムではなくその影武者などという可能性があるのかと思います。

 

ハイボール

いろは寿司の客がハイボールを注文しています。

脇田が組織を割る人物という示唆かもしれません。

 

◆サビ抜き

RUMの名が初登場した際「4つの紅茶のうち3つはお酢入り。その中からお酢の入っていないものを当てる」というクイズがありました。

このクイズはRUM編におけるヒントになっているはずです。

お酢と紅茶を混ぜるのは刃物の黒サビ加工の一般的な技法。

そしてRUM候補は3人とも日本刀を絡めて登場しています。

よってサビ=組織と解釈できます。

脇田は初登場回で脇田本人、コナン、客の口からサビ抜きのワードが強調されていました。

脇田はサビではない、つまり組織の一員ではないという事が表されています。

 

◆血を消すトリック

初登場のトリックは犯人が自分の袖口に付着した被害者の血を消すというもの。

ラム酒の別名はネルソンの血。

これは脇田がRUM(ネルソンの血)を消し去る立場という示唆です。

 

◆リンゴをむく

スリ被害者「リンゴをむいてたら手が滑って…」 

スリの被害者が包丁で怪我をした理由ですが料理をしている時などでいいはず。

わざわざリンゴに限定しているのが引っ掛かります。

これは脇田はリンゴ、つまりベルモットの素性を暴く立場という可能性も。

彼はベルモットと何らかの因縁があり対峙しているのかもしれません。

 

◆新たな仲間

コナンの(加わって…消す?)

脇田がコナン達の新たな仲間として加わる伏線。

 

◆安室透との共通点

脇田はNOCである安室との共通点が多い人物でもあります。

両者を似せて描いているのはこの2人が同じく組織をせん滅する立場という可能性があります。

 

■眠りの小五郎

脇田が眠りの小五郎を目の当たりにした時のリアクションがNOCである安室とよく似ています。

またテーブルの下にコナンが潜り込み、推理ショーが始まる点も同じです。

 

■差し入れ

脇田は寿司を手土産に探偵事務所を訪れています。

これはサンドイッチを手土産に探偵事務所を訪れ情報収集している安室を彷彿とさせます。

また安室だけでなく過去にNOCであった赤井(沖矢)も料理のお裾分けという形で灰原の元を訪れています。

3人とも似通った立場という伏線になっているのかも。

 

◆コナンの評価

「長野廃教会事件 97巻」の冒頭で脇田も安室もコナンから同類のような評価をされています。

(安室に対し)(暇なのか?公安…)

(脇田に対し)(自由だなこの人も…)

この2人が似かよった立場(NOCやそれに近いもの)である事の示唆かもしれません。またエピソードの中盤では脇田と安室を落ち着かせようとする小五郎を見たコナンの心中が次の通り。

なんか水戸黄門染みてきたな…

つまり脇田と安室は助さん格さんであって同じような存在と受け止めている事になります。

またエピソードの最後では上原も脇田と安室を引き連れた小五郎を(すごい…黄門様みたい…)と評しています。

脇田と安室が組織をせん滅する同じ立場である事を強調する狙いがあったのかもしれません。

 

◆後ろ手に組んだ手

安室が諸伏と対面した際安室は手を後ろに組んでいました。

これは警察官の正しい立ち姿です。

これにより警察官として密かに親友の兄に敬意を表していると考えられます。

そしてこの時脇田も安室と同様のポーズを取っています。

彼は常に腕を前で組むクセ(設定)がある人物なのでこの描写は意図的なはず。

脇田の素性が警察官やそれに近いもの、または安室と裏で手を組んでいる可能性を表しているのかもしれません。

 

◆小五郎の台詞

「何かこーいうのって得意なんだよ!引いちゃならねぇハズレだけは割とピンと来るっいうか…」

脇田と旅行中の小五郎の台詞です。

脇田がハズレ、つまり小五郎にとって脅威に値しない人物という暗示かもしれません。

 

◆犯人に事件を起こさないよう密かに牽制

記事準備中。

 

◆ババ抜き

 脇田のメイン回「長野廃教会事件」「屋根裏密室事件」両方にババ抜きが登場しています。

正確には長野の事件では長野行きの列車の中で脇田はコナン、小五郎、安室の4人でババ抜きをしました。

屋根裏の事件では被害者の名前が馬場貫康(ばばぬきやす)でした。

ババとはラム酒を使ったお菓子の事です。

よってババ抜き=ラム酒抜きという意味に置き換える事が出来る為、脇田がRUMである事を否定している材料になっています。

 

◆バターサンド

「屋根裏密室事件」で小五郎はバターサンドで食あたりを起こしていました。

バターサンドは食あたりのアイテムとして一般的ではありません。

そこで作品をよく見るとこの時彼が食べたバターサンドはクリームだけが挟まったものだと分かります。

通常バターサンドはラム酒漬けのレーズンが挟まっています。

つまり小五郎が食べたのはラム酒抜き。

ここでも脇田がRUMではないと暗示しています。

 

◆めばちマグロ

脇田「そいつめばちマグロ!今が旬でさぁ!!」

脇田が差し入れした寿司の中にあっためばちマグロは目がぱっちりしている事からその名がついたもの。

脇田は左目に眼帯をしていますが実は両目が見えるという伏線の可能性があります。

RUMの絶対条件は隻眼。

両目が見えるのなら当然彼の正体はRUMではありません。

 

◆酷似した2つの扉絵

脇田初登場の92巻「江戸っ子探偵!?」の扉絵と瓜二つのものがあります。

それが63巻「回る凶器」 の扉絵です。

「回る凶器」は回転寿司屋で発生した事件でしたが扉絵では寿司が寿司下駄にのっています。

「江戸っ子なら(回転寿司でなく)寿司はいい店で」という台詞や腕を負傷した職人は脇田を連想させます。

RUM編は非常に早い段階でその構想が練られていたとされています。

またこのエピソードの次の事件「犯人は元太の父ちゃん 63巻」は明らかにRUM候補3人を意識している為「回る凶器」の段階で作者は江戸っ子口調の寿司職人、脇田兼則を完成させていた事が分かります。

その「回る凶器」の中で歩美はコナンの為にイカをたくさん注文しています。

イカは漢字で書くと烏賊。

イカが烏を海に引きずり込んだという伝説からこの漢字が宛てられました。

つまりイカは烏の宿敵。

ずっと後の92巻の酷似した扉絵で登場する脇田が烏丸の宿敵である事の示唆と考えています。

 

 

読者の間でRUMが脇田一択状態になってからも脇田がRUMである事を否定する細かな伏線が張られています。

脇田の正体がRUMなら細かなものは全てミスリードという事になりますが脇田=RUMが定着している中で脇田≠RUMのミスリードを仕掛けるなら大胆な方が読者をいい意味で困惑させる事ができるはず。

脇田≠RUMの描写が非常に細かいのはやはりミスリードではなく伏線だからと捉えるべきです。

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