ラム編の重要人物は榎本梓

現在進行中のラム編ですが者のほとんどの方が(というより多分誰も)気付いていない大きな役割を果たすことになるキャラクターがいると私は予想しています。

 

それが安室透の潜入先、喫茶ポアロのウエイトレスである榎本梓です。


梓は安室の素性を把握している?

 

榎本梓は安室の年下の先輩というポジションの女性です。

 

私が梓が重要人物と考えるに至った理由はいくつかあるのですがそのうちのひとつが社会現象となった『ゼロの執行人』のワンシーン。

 

 

梓が同僚である安室と二人でポアロで必要な物を買い出しに向かうシーンがあります。

 

 

シリアスな展開が続く劇中で唯一といっていいほどほっこりとしたものです。

(原作者の青山剛昌先生いわくラブコメシーンとのこと)

 

実はこのシーン、私はラム編における非常に貴重な伏線が張られていると考えています。

 

安室と梓はお互いに目的のものを買うために二手に分かれ、その間安室は部下である風見と密かに合流し捜査状況についての会話を交わします。

 

公安警察2人の短い会話が終わった直後に梓が安室に声を掛けます。

 

この時梓の姿は映っていないのですが声のトーンからしてある程度距離のある所から安室に声をかけたと思いますがその一言がかなり奇妙です。

梓「や、安室さーん!」

目的の人物を見つけた際にかける言葉といえば「あ、〇〇さん!」なのでその先入観から皆さん気付いていないでしょうが梓は「あ」ではなく「や」と言ってるんです。

 

 

これは降谷の「や」以外に該当するものがありません。

 

つまり梓はこの時点で安室の本名を把握しているということになります。

 

 

この「や」が全く別の意味であったりそもそも「や」に聞こえるだけという可能性もゼロではないんですがこのシーンは青山先生が書いたものであり「一字一句違わすに入れてもらったと表現しています。

 

普通「全部自分で書きました」とかそんな言葉でいいと思うのですが先生はわざわざ一字一句という言葉を用いています。

これは伏線があるから一字一句に注目してほしいということではないでしょうか。

劇場版と原作は分けて考えるべきという意見はあるでしょうが極めて重要なシーンは青山先生の意見が入っているはず。

 

 

梓は安室の本名が降谷零であることを既に知っていた。

 

その為一度はうっかり「降谷」と口にしてしまったので慌てて「安室さん」を付け加えた。

その結果が「や、安室さーん!」として表に出ることになったのではないかと。

 

ちなみに書籍などでは「や」ではなく「あ」です。

私は「や」が大きな伏線である以上文章にはできないためだと考えています。

 

 

梓は安室透が偽名だと把握している時点で彼が公安であることも当然知り得ている可能性があります。


梓に情報を渡したのは誰なのか

 

 

原作やスピンオフ『ゼロの日常』においても安室が梓に自ら公安であると打ち明けていたと取れる描写は全くありません。

 

つまり梓が一方的に安室の素性を知っているということになります。

 

 

梓は『ゼロの日常』でごく普通のウェイトレスをしている様子が窺えます。

公安でも警察関係の人間でもありません。

 

そもそも公安が彼女に問題がないと判断したから安室はポアロに潜入してるわけです。

 

何よりも梓は組織の匂いをかぎ分ける灰原と面識がありますがその灰原は梓に対して何も反応していません。

これらのことからも梓が過去から現在に至るまで組織の人間であるという可能性は消えます。

 

となると何者かが梓に対し安室の情報を渡しているということになります。

 

 

安室の情報を入手できる人物ともなるとその人物はラム編に絡んでくるのは確実だと考えていいのではないでしょうか。

 

では誰が梓に情報を渡したのか。

 

それが脇田兼則だと思います。

私の考察上彼は梓の父親であり、安室の仕事仲間の麻薬取締官です。

 

 

安室の素性について情報を伝えたのは彼の可能性が高いと考えています。

 

梓「どこで誰が聞き耳を立ててるか分かんないんですからね!」(『ゼロの執行人』より)

これはコナンが風見につけた盗聴器を指しているものでしょうがもしかすると安室の素性を把握している梓の「あなたは公安なんだから周辺には注意して」という思いも込められているのかもしれません。


『ゼロの日常』での梓の不可解な描かれ方

 

 

『ゼロの日常』のコミックス冒頭にある登場人物紹介欄のページで梓のみプロフィールが一度も更新されていません。

 

赤井も更新されていませんが彼は出番がほぼ無いので更新が無くて当たり前です。

 

また梓視点のエピソードはひとつもありませんし彼女のモノローグ(心の声)もほぼ見られません。

出番が多いにもかかわらず更新されないプロフィールと全く描かれないモノローグ。

 

  

これは青山先生から読者へ向けた「榎本梓には秘密がある」というメッセージだと私は受け止めています。

 

今後も彼女の出番は注意深く観察したいと思います。



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