梓はコナンの正体にたどり着くのか
喫茶ポアロのウエイトレスで安室透の同僚である榎本梓(23)。
作中ではごく平凡な女性として描かれている彼女。
ですが私は彼女はRUM編における重要な存在ではないかという考察を複数の記事にしてきました。
今回は彼女が江戸川コナン=工藤新一という最大のシークレットにたどり着くのではないかという考察について綴ります。
- ◆85巻に描かれた意味深な1コマ◆
- ◆『純黒の悪夢』の奇妙なシーン◆
- ◆コナンの本名が新一だと推測できる場面に遭遇◆
- ◆梓は組織の一員ではない◆
- ◆過去の事件から見る梓の重要性◆
- ◆梓と烏丸は関連があるのか◆
- ◆梓はコナン以外の若返りの実例を知っている◆
◆85巻に描かれた意味深な1コマ◆
コナン「ウソつき…」安室「君に言われたくはないさ…」
バーボン編の終盤に描かれたポアロの中でのコナンと安室のやり取りです。
この時コナンと安室の背後に梓の姿が確認できます。
彼女は身を乗り出すように2人の会話を聞いているのが分かります。これは不自然な描写です。
先述の通りここはバーボン編のラスト。梓が今後のストーリーで重要な役を任されていないのであればコナンと安室の2人だけにした方が美しくまとまるはず。
梓は2人の会話を聞いていることは間違いありません。つまり彼女はコナンも安室も双方何らかの嘘をついていることをこの時点で把握できる状態にあると言えます。
◆『純黒の悪夢』の奇妙なシーン◆
劇場版『純黒の悪夢』にも非常に奇妙なシーンがあります。
梓の勤務するポアロにアガサ博士と少年探偵団が集まります。
アガサ博士はスマホのスピーカーをオンにし、この場にいないコナンと会話を始めます。すると梓は電話の相手がコナンと分かった途端仕事をしていた手を止めアガサ博士たちのいるテーブル席にぐっと近付くのです。
85巻のコナンと安室の会話を身を乗り出して聞いた事と重なる奇妙な行動です。
彼女はコナンの存在に強い関心を抱いていると考えられるシーンです。
◆コナンの本名が新一だと推測できる場面に遭遇◆
伊織無我「私は和田進一…医療関係者です…」コナン(和田…進一だと!?)
平次「何や…お前と同じ名前やんけ…」
梓「え?コナン君って…名前、コナンじゃないの!?」
コナン「ち、違うよ!「お前と」じゃなくて…「お前の好きな新一兄ちゃんと」って事だよ!」 93巻
伊織が偽名を使った際の一連のやり取りです。
コナンは梓の質問に対し否定したものの非常に慌てた表情でした。
また96巻で梓は安室とこんな会話を交わしています。
梓「コナン君ってホントに探偵みたいですね…」
安室「そうですよー…しかもかなり抜け目のない…探偵(プライベートアイ)…」
本当に梓がコナンの正体を疑っている場合コナン=新一にたどり着ける伏線のひとつになることは間違いありません。
◆梓は組織の一員ではない◆
榎本梓はコナンを疑っている。
この考察が正しい場合彼女は組織の一員という可能性が浮上します。
ですが結論から言うとその可能性はゼロ。彼女は灰原、安室から全く疑われていないからです。
まず灰原視点ですが「逃亡者 57巻」で組織の気配を感じ取れる灰原がポアロを訪れ梓が接客していた過去があります。
この時の灰原は非常ににこやかな表情。梓に対する警戒心は一切見られません。
また灰原はポアロに餌をねだりに来ていた猫の大尉(現在は梓の飼い猫)を可愛がっていたのがよく分かります。
作中に描写は無くとも灰原は梓とそれなりの回数会っていたはずです。もちろん灰原が彼女と会うのは組織の気配を感じていないからです。
また梓が組織の一員であれば何度も面識のある灰原がシェリーだと疑うことはできるはずです。
ですが彼女が灰原を注視している様子は一切ありません。
同僚である安室視点からも梓が組織の一員である可能性は消えると言えます。
彼は公安として潜入先の人物の調査は行っているはずです。その上で彼女に問題がないと判断している。
実際に彼の素顔を描いた公式スピンオフ『ゼロの日常』でも彼が梓を疑う様子は全く見られません。
よって梓が黒ずくめの組織の一員という可能性はゼロでしょう。
◆過去の事件から見る梓の重要性◆
かつて梓の兄杉人に殺人の容疑がかけられた「真犯人からの届け物 61巻~62巻」いう事件があります。
この事件は狩猟用のライフルが使われました。
小五郎「撃つんなら鳥でも撃ってろよ…」 61巻
この鳥はボスである烏丸=カラスを絡めているのかも。
組織の目的は金の流れを牛耳ることが明言されてます。
そこで犯人と被害者の名前を少々深読みしてみましょう。この事件の犯人の名前は川瀬透治で被害者は鳥平。
動機は会社の金で株を買いそれが被害者に知られてしまったから。
川瀬は為替と投資から取られた名前ですね。組織が目論む金の流れに通じます。そして被害者は鳥の漢字が入るのでカラスを意識しているのかもしれません。
また私がこの事件で非常に注目しているのが犯人から届けられた小包にかけられたりぼんを梓がハサミでカットするシーンです。
このりぼんは確実に手で解けるものです。ハサミは必要ありません。
りぼんの裏に犯人からのメッセージが添えられていたので読者にこの事件を解くヒントとしてりぼんを強調する必要はあったとは思いますがそれならりぼんを解く手元のアップで十分。
ですが彼女はわざわざ「ハサミ出しますね!」と高木刑事に伝えています。
そして彼女が犯人から呼び出された先は奥穂町。
実はコナンと沖矢が羽田浩司の残したダイイングメッセージからRUMの名前にたどり着いた「17年前と同じ現場」の舞台も奥穂町。17年前の羽田と同じく被害者がハサミを使ってダイイングメッセージを残した事件です。
青山先生もRUM編はかなり早い段階で構想があったと仄めかしてます。
また私の考察上ではありますが「真犯人からの届け物」の頃にはRUM編の伏線が複数張られています。
この時点では既にRUM編はある程度完成していたはずです。
「真犯人からの届け物」「17年前と同じ現場」。
どちらもハサミ、メッセージ、そして奥穂町が出てきます。
私はこの2つの事件は梓がRUM編に絡む伏線と考えています。
◆梓と烏丸は関連があるのか◆
梓の作る特製カラスミパスタはポアロの常連客から支持を集めているという設定があります。
私は以前からこのカラスミは烏丸と掛けていて彼女は烏丸と何らかの関りがある(いずれ関りを持つ)という伏線だと考えていました。
そして最近掲載された『ゼロの日常』で彼女の好物が母親の作る唐揚げだと判明。
唐揚げは一般的に鳥なのでやはりカラスに絡めたな、という印象です。
『ゼロの日常』ではメインキャラクターの1人でありながらプロフィールが一切更新されないという謎もあります。
やはり色々と勘繰りたくなるキャラクターですね(笑)。
◆梓はコナン以外の若返りの実例を知っている◆
榎本梓は江戸川コナンの正体にたどり着く。
この考察が正しければ彼女はコナン以外の人物の若返りを知っている事になります。
作中では例外はあるものの基本的に若返りにたどり着く人物は若返りの実例を目の当たりにした者とされているからです。
分かりやすい例が赤井。
ベルモット、灰原、コナンの正体に気付いている彼でさえ母親、メアリーが若返っている情報を得ていながら「この目で見るまでは信じられない」と考えています。
若返りは実例を知らなければたどり着けないという定説が強調された形と言えるでしょう。
本当に梓がコナンの正体を疑っている場合、やはり彼女はコナン以外に若返った人物を知っているという事になります。
私が推測している梓の知っている若返りの実例に関してはまた別に記事にします。