若狭≠RUMを暗示するダイイングメッセージとトンチ

f:id:hayama0-0:20200412201936j:plain

この記事は若狭はRUMではなく浅香であるという前提となっています。

今回は現場に残された羽田浩司のダイイングメッセージと一休さん&トンチというキーワードから若狭のラム説を否定したいと思います。


◆若狭はかつて組織の一員だった◆

RUMは工藤新一の情報を欲していますが彼女は登場時からコナンの正体をおおよそ見定めた上で接触しています。

これはRUMの人物像と異なるものです。

若狭は殺人の前兆に勘付きながらもそれを放置。その上その場に少年探偵団を招くあたり、いい人とは言えません。

そして灰原は若狭から組織の気配を感じ取っています。

ではかつてNOCだったかというとその可能性は低そう。

というのも「裏切りのステージ 90巻」でベルモットとバーボンがASACAについて調べています。

少なくとも組織は浅香に強い関心を寄せている。過去から現在に至るまで徹底して浅香について調べたはずです。

若狭=浅香とすると彼女がNOCか否か程度は答えが出せていると見た方が自然に思います。

組織が過去にNOCとして認識しているのは赤井、本堂、スコッチの3人。浅香は含まれていません。

この事から若狭はかつて浅香を名乗り、組織に在籍していた可能性が高いと言えそうです。


◆羽田は若狭に向けてメッセージを残した◆

羽田のダイイングメッセージは加害者側が容易に気付けない形で残されました。

つまり加害者以外の人物に向けて残されているという事。

羽田は手鏡を使ってメッセージを残しました。

灰原「棋士なら身だしなみも気を遣ってただろうし…」89巻

真純「浅香があの手鏡を持ってる所を見た人がいて…浅香は女だって」90巻

この手鏡は恐らく浅香の持ち物。非常に女性的なデザインですから羽田にプレゼントしたとは考え難いので当日貸したでしょう。

若狭は羽田に外見を整えてほしかったのだと思います。

メッセージを残す上で使用されたのが小さなハサミというのもポイント。ハサミに「小さな」とつけるのは意味があるはず。

『ゼロの日常』4巻では安室が小さなハサミを使って自分の髪を散髪していました。

事件当日、羽田は小さなハサミで髪型を整えた(その予定だった)。

手鏡と小さなハサミはどちらも身だしなみを整える為のもの。

彼の外見に意見していた若狭ならこの2つを使って残されたダイイングメッセージにすぐに気付けるはずです。

そして優れた頭脳を持つ彼女ならその内容にまで簡単に到達できる。

羽田は若狭に気付いてほしくてこのメッセージを残している可能性が高いと思います。

彼は加害者に特定されないようにメッセージを作り上げた訳ですから若狭は羽田浩司を殺害した人物ではありません。

この場合羽田は若狭に対し強い信頼を寄せていたことになります。

若狭が将棋の駒を御守りとして持っていることから彼女も羽田への思いは今もなお強いはず。

若狭は設定上37歳。独身なのは確実でしょう。羽田がかつての恋人であり今も大切な存在だからこそ独り身を貫いているのかもしれませんね。

また当日若狭が羽田に身だしなみを整えるよう促したのだとするとこの日彼はアマンダ以外の人物とも会う予定があったのかもしれません。この人物こそRUMという考え方もできるかも。


◆「トンチ」は若狭と烏丸が敵対関係という伏線◆

脇田「こいつァトンチが…利いてるねぇ…」 92巻

このトンチとは若狭留美(WAKASA RUMI)の名前から複数の意味が確認できることを指しているはず。

※脇田は若狭の伝えたいメッセージを紐解いている事になり17年前の事件や組織についてかなりの情報量を持っていると考えられます。

そしてトンチと言えば一休さん

実際に「若狭先生の自宅 92巻」の扉絵でコナンはお馴染みの一休さんのトンチを考えるポーズをしています。

話の内容もコナン達が一休さんの劇をするというものでした。

そして一休さんのトンチで非常に有名なのが

「このはしわたるべからず」ではないでしょうか。

「ではこの端をわたらなければいい」と橋の真ん中を堂々と渡った話です。

ここで思い出していただきたいのがベルモットのこの台詞。

「ボスは慎重居士…石橋を叩き過ぎて壊しちゃうタイプだから…」 67巻

ボスは橋を渡れない人物。とんちで見事に橋を渡りきった一休さんとは正反対です。

若狭に絡めてトンチと一休さんの話を出したのは彼女が橋を渡れる人物であり、烏丸とは対極の立場にあるという伏線だと考えています。

やはり彼女は烏丸の敵という立ち位置。

かつては組織の一員だったものの現在若狭は組織を敵視している人物と考えた方が合点がいくという感じです。

千間「死期が迫り業を煮やした烏丸が、見せしめのために学者達を一人ずつ館内で殺し始めた」 30巻 

40年前の烏丸のこの行動は慎重居士とはかけ離れたもの。

見事に橋を渡る性格が示唆された若狭と橋を壊してしまう烏丸。

若狭は烏丸が現在の性格となったその原因までたどり着いている可能性もありそうです。


 にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ