「屋根裏密室事件」ーやはり脇田はRUMじゃないー

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「屋根裏密室事件」全3話

今回は沖野ヨーコが持ち込んだ事件を探偵事務所でコナンと脇田が解くという話。

RUM最有力とされる脇田の突然の登場には驚かされました。

事件現場に足を運ばなかったのは現在の社会状況への配慮ではという意見もあるそうですがその可能性は高そうです。

脇田登場にも関わらず長編でなく3話で終了となったのもその影響かもしれません。

とはいえ随所にRUM編の進展が見られましたね。

◆やはり脇田はRUMではない

このブログでは脇田RUM説完全否定をしていますがこの事件も脇田がRUMではないことを細かな伏線で表していました。

▼ババ抜き

脇田のメイン回「長野廃教会事件 97巻」と今回の事件、立て続けにババ抜きが登場しました。

ババというのはラム酒を使ったお菓子の事。

ババ抜きはラム酒抜きの意味に置き換えられます。

▼バターサンド

小五郎がバターサンドで食あたりになっていしまいましたがバターサンドは食あたりのアイテムとしてはどうにも引っ掛かります。

という事で小五郎の食べたバターサンドをよく見てみるとクリーム以外何も挟まっていません。

バターサンドはラム酒漬けのレーズンを挟むのが一般的。

よって小五郎が食べたのはバターサンドのラム酒抜きだった事が分かります。

 

ババ抜きもバターサンドもラム酒抜き➡脇田はRUMではないという細かな伏線なんです。

▼めばちマグロ

脇田が持参したお寿司の中にあったのはめばちマグロ。

目がぱっちりしていることが名前の由来の魚です。これは脇田の隻眼を否定するもの。

ものもらいを意味する「めばちこ」と掛けている可能性はありますが脇田は目にできものがあるという設定。ものもらいの意味の台詞ならそれは伏線でも何でもないはず。

まあこれは脇田≠RUM説の人間視点ではあります(笑)。

 

脇田=RUMだけどミスリードで青山先生がこのように描いたというのは考え難いです。

現時点で読者の間では脇田=RUMが定着している状態。

この状況下でミスリードを仕掛けるなら大胆に行わないと意味がありませんから。

これらの細かな描写で脇田≠RUMを巧みに演出しているんです。

 

◆両者が手にした大きなピース

コナン「し、新一兄ちゃんからそう聞いて…」

コナンは自分の推理力を隠す為とっさに新一の名前を出しました。

この言葉への脇田の反応が描かれなかったのは気になりますね。

脇田は工藤新一生存情報を掴むとすぐに工藤邸周辺に姿を現していました。(95巻)

ですが世間的には工藤新一はこの世にいないという形となっています。

脇田は情報流出当初は新一に心当たりがない様子を見せていましたがその後徹底的に調べたでしょう。

もちろん目の前にいる蘭が新一と同じ高校という事も把握している。

この台詞だけでは新一=生存とはなりませんがコナンと新一の結び付きは脇田の脳裏をよぎったはず。

脇田「まあ、そこに在るべき物が無くなっていると…気になりやすからねぇ…」「そう…例えば…」「将棋の駒とか…」 

RUM最有力とされている脇田ですが実はこれまで彼と羽田事件を結ぶものはあまり見られませんでした。若狭留美アナグラムに反応していたくらいです。

ですがこの言葉で脇田も何らかの形で羽田事件と繋がっている事が確定。

将棋の駒は羽田事件で唯一現場から紛失しているもので現在は若狭が所持。

コナンは若狭がポケットに何か忍ばせている事に気付いています(93巻)。

これが将棋の駒だという事にたどり着いている可能性はありそうです。

となると「将棋の駒」を口にした脇田にコナンが疑惑の目を向ける展開が予想されます。

何しろRUM候補の中で脇田だけコナンから全く警戒されていない人物でしたからこの展開は楽しみですね。

またとても気になるのが灰原がコナンと駒の情報を共有するかどうか。

「牧場監禁事件」で若狭は安室に暴力を振るい気絶させた上で駒を奪還するというかなりの暴挙に出ています。

安室の気絶の原因は転倒という事になってはいますが灰原は全ての真相を知っているかのような描かれ方でした。

脇田の言葉を受けてコナンが灰原に将棋の駒について心当たりがないか探りを入れた場合灰原がどのように対応するのか。

ただでさえ灰原が若狭を好意的に思っている理由は謎。

若狭はRUM候補でありかつ殺人の気配を察知しながらそれを放置した人物。

その若狭を「いい人そうだから」という理由だけで信頼するのは推理物としても合点がいきません。

灰原が想いを寄せている男性よりも付き合いの浅い若狭を取るとなれば考察すべきテーマとなりそうです。

コナンは「紛失した将棋の駒」、脇田は「工藤新一とコナンの繋がり」。

それぞれが一歩前進する大きなピースを手に入れた形と言えます。

 

◆脇田とゾンビの繋がり

今回の事件で注目すべきことは事件の内容が「ゾンビが囲む別荘 88巻」と類似点があまりに多い事です。

▼沖野ヨーコの登場

▼小五郎がお腹を壊し戦線離脱

▼トイレットペーパーが重要ポイント

▼事件場所が廃れた貸し別荘

▼被害者が忽然と姿を消す

▼遺体発見のタイミング

(ゾンビ事件では捜索から4日後の朝、今回は4日目の朝)

▼兄弟の片方が死亡

(ゾンビ事件では弟、今回は兄)

事実脇田は初登場時(92巻)このゾンビ事件について触れています。

また彼の初登場時、小五郎の健康状態を注意する蘭の台詞にも注目。

「間食はダメよ!お医者さんに内臓脂肪が付きすぎって言われてるんだから!」

「お父さんはダメよ!尿酸値とコレステロールがヤバ気味なんだから…」

上がゾンビ事件、下が脇田初登場時の蘭の台詞です。

この台詞は意識して言わせているはず。

ゾンビ事件と脇田の存在には繋がりがあると考えてよさそうです。

ちなみにゾンビとはラムベースのカクテルの事。

CIAからのNOCであるキールはカクテルなのでここで脇田≠RUMを暗示している可能性もありますがカクテル=NOCと断言できる材料は現時点では全くありません。

ですが作者がゾンビと脇田を結び付けているのは確実でしょう。

これについてはまた別に記事にしたいと思います。

 

◆脇田昏睡状態の伏線

脇田は最近まで昏睡状態だったのではないかと考えています。

▼記事はこちら 

今回この考察を補強できそうな描写がありました。

脇田は目の前にスーパーアイドル沖野ヨーコがいるにも関わらず全く驚いていません。

関心がなくともお世辞でも驚くのが普通です。

脇田「アイドルの沖野ヨーコさんがドラマのロケハンで行った…」

 「アイドルの」と付け足しているあたりやはり彼は沖野ヨーコを知らないのではないでしょうか。

この描写で昏睡状態だったという考察に自信が持てました。

 

◆両利きは確定

脇田は基本的に右利きではあるが左手も多用する人物と記事にしました。

▼詳細はこちら

今回脇田は沖野ヨーコからスマホを受け取る際左手だったので彼の両利き(基本は右利きだが左手もよく使う)は確定と言える段階になりました。

彼と何らかの繋がりを持つ安室も利き手が不明のキャラクター。

基本は右利きでも特技であるボクシングの攻撃は左というのが安室のスタイルです。

これは原作、スピンオフ、アニメ、劇場版と一切ブレていません。

脇田も攻撃は左で行う可能性が高いですね。

脇田が黒田か若狭のどちらかの眼球を負傷させたのかもしれません。

一方若狭の体の傷跡ですが彼女の左半身に集中している事から右利きの人物の攻撃を受けたと考えられます。

よってこの傷をつけたのが脇田の可能性は低いというのが私の推理ですがまだ決定打に欠けますね。

コナンの作中では利き手の法則が絶対。

利き手が不明という設定は物語上必ず大きな意味を持っています。

彼の利き手とRUM編がどのように交差するのかも注目です。

 

◆黒田と脇田は同一人物?

黒田には影武者がいてその影武者を脇田が演じている。

つまり黒田と脇田は同一人物と考えています。

▼記事はこちら

※以下は過去の記事で現在はRUM編について再考察中です。

考察内容は現在は変化しているものが多いですが脇田が黒田を演じているという推理は変わりません。

「長野廃教会事件」「屋根裏密室事件」と脇田のメイン回に立て続けに野球とボーガンというワードが登場しました。

黒田の登場した「標的は警視庁交通部」では犯人の凶器は野球のバッドとボーガン。

これら3つの事件に共通点する野球とボーガンは黒田と脇田は同一人物という伏線になっているのかも。

またこの3つの事件に共通するキーワードはもう1つあります。

それは2人1組のペアで行動するという事。

これも黒田は2人で1人という意味に繋がっているのかもしれません。

 

◆「負傷した男性のエース」はRUMか

今回の事件はエースと呼ばれている骨折した男性が登場しました。

「燃えるテントの怪 93巻」では片目を負傷したバスケ部元エースの男性が、「長野廃教会事件 97巻」では肩を負傷した野球部のエースの男性が登場しています。

今回の事件と合わせて「負傷した男性のエース」はRUM編を紐解く新たなキーワードと言えそうです。

若狭の体の傷に関する伏線という可能性もありますがRUM候補全員が「負傷した男性のエース」を絡めて描かれている事から若狭というよりもRUMに関するヒントと考えるべきかと思います。

つまり「負傷」とはRUMの隻眼を指している可能性があるのかと。

続いてエース。これはRUMは組織におけるエースであるとも取れますがNo.2の座を持っている時点でエースと呼べるのでこれでは伏線の意味をなさない気がします。

コナン「エースって「1」の事だから…」

黒田=RUMを推している私としては公安トップの可能性がある黒田を指しているのではと疑ってしまいます。

或いは警察など正義の立場のエースが組織に寝返ってしまった可能性ですね。

NOC=正義という考察は必ずしも成り立たないと思います。

NOCとして組織に潜入したものの悪に染まってしまった人物がいてもおかしくはありません。

とはいえ今後「負傷した女性のエース」が登場する展開もあり得るのでRUM=男性と断定する材料としては現時点では適切とは言えません。

 

◆脇田は英語に精通している?

脇田「そいつは「ATTIC」!屋根裏部屋の事でやんすよ!

これは脇田が英語に精通しているという伏線かもしれません。

これのみでは深読みの必要はないかもしれませんが実は今回、別の台詞でも彼と英語を結び付けているものがあります。

これについてもゾンビ事件とまとめて記事にします。

 

◆安室と小林先生は繋がっているのか

事件の最後、安室は若狭と小林先生の写った画像を見ていました。

彼は「牧場監禁事件」以降若狭に注目していると言えそうです。

この写真の奇妙な点は2人ともカメラ目線に見える事。

以前の記事で安室と小林先生が初対面のふりをしたのは何かの伏線ではないかと綴りました。

▼「牧場監禁事件」の記事はこちら

小林先生が若狭先生との写真を自撮りし、安室に送信したと考えると腑に落ちる画像ではあります。

この2人には何か繋がりがあるのかもしれません。

事実安室目線で推理すれば自分を気絶させた可能性のある人物は小林先生と若狭の二択です。

ですが安室のスマホを見る限り彼の関心は若狭に集中している事が分かります。

なぜ彼は小林先生が自分に危害を加えないと信じているのか非常に疑問です。

確かに若狭は犯人を撃退しマスコミに自分の顔と名前を報道されています(92巻)。

この報道ですが若狭がマスコミにどのように報じられたかという具体的な描写はありません。

犯人を撃退したという記事は確認できますが暴力で制圧したという内容だったのかは読者には明かされていないんです。

レポーター「たった今取り押さえた所なんですね?」

若狭「いえ、私は突き飛ばされて転んだだけで…」

彼女が犯人を撃退したのは事実ですが若狭はこの事実を否定しています。

撃退という見出しがあるだけでその報道内容は実は不明瞭。

大袈裟な見出しが躍っているだけで若狭の言葉通り自分が転んだ結果犯人が気絶したという報道かもしれません。

安室がこの報道だけで自分を気絶させたのは若狭に違いないと判断する材料としては疑問が残ります。

彼が小林先生と連絡が取りあえる間柄で彼女を信頼しているという事なのかもしれません。

と言っても2人が「マリアちゃんを探せ! 95巻」のすぐ後に出会っているという設定はスピンオフでの話。

読者の中には原作とスピンオフは別物と考える人も多いので深読みの必要はないかもしれません。単に安室の隠し撮りの可能性も十分あり得ます。

ですが私はどうにも気になる点なので今後も深読みを交えつつ考察していきたいですね。

 

◆10年以上前からの伏線の回収

今回の「屋根裏密室事件」では青山先生が10年以上前から仕掛けていた伏線の回収をスタートさせています。

RUM編はかなり早い段階から伏線が確認できますが10年以上の歳月をかけて明るみになる真相が実に巧妙で感動させられます。

私がブログに記した考察が的中している可能性が高くなったのでうれしい限りです。

この伏線についてもまた記事にします。


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