優作に変装したのは梓!協力者は脇田か

 

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結論から先に述べます。今回は完全なミスリードの話です。

優作に変装したキッドは偽物でその正体は優作に変装したキッドに成りすましたベルモットだったという非常にややこしいオチになっていますがこれは完全なミスリード

優作に変装したキッドに成りすましたこの人物はベルモットではありません。

記念すべき100巻最初のエピソードにふさわしい伏線だらけの事件でした。

偽優作のTVで推理ショー

優作が自宅から生放送で事件を解決する予定だったもの食あたりでダウン。

妻の有希子が優作に変装しコナンが変声機で手助けすることでやり過ごす予定だったもののその有希子まで同じく食あたりで戦力外。

そんな中優作に変装をしたキッドが工藤邸を訪問。

キッドの協力で事件は解決、生放送も無事に終了。

しかしその直後本物の怪盗キッドが渋谷に出現しコナンは優作に変装していたのはベルモットと気付き大慌て。

ですが食あたりは自分たちの食事に異物を持った相手を油断させる為の演技で工藤夫妻は健康に全く問題はなし。

これは組織を騙すため優作がFBIも交えて企てた大掛かりな作戦だった…。

 

 偽優作の正体はベルモットだけど彼女を上手く騙した優作の立てた作戦は見事だったという流れ。

ですがよく見ると工藤邸を訪れたのはベルモットではありません。

コナンが偽優作の正体がベルモットだと感づいた直後に「ラムから頼まれたヤボ用」を済ませジンとウォッカと合流するベルモットの姿が確認できます。

ですが彼女はこの「ヤボ用」が工藤邸への侵入だとは一言も言っていません。

また煽り文も偽優作の正体がベルモットとは書いていません。

ベルモットの言う「ラムから頼まれたヤボ用」は工藤邸訪問という作者によるミスリードです。

今回はその根拠とこの偽優作が何者なのかを綴ります。

 

◆キッドを否定する数々の伏線

まず偽優作がキッドの変装ではないと推理する事のできる伏線について。

これは作中にいくつも見られましたね。

偽優作「何か恩返ししようと跡をつけてたら…偶然薬局でお前らの会話を聞いたんだよ…」

 コナンと有希子の会話を薬局で聞いていたのはキャスケットを被った人物。

キッドらしさを感じさせないアイテムです。

偽優作の「了解!」の時の意味深な笑みと背景の描き方も読者にはキッドの偽物を疑わせる材料です。

キッドの表情やモノローグが全くないのも大きなポイントでした。

唯一描かれたのがコナンからキッドと指摘された時。

これはコナン目線の正解でしかありません。

何より分かりやすいのがキッドの能力の低さです。

コナン「何か気づかねぇか?」

偽優作「ん?」

コナン「オメー、前にこーいう仕掛けっポイの解くのは得意とか言ってなかったか?」

この人物は現場の画像からほとんど情報を読み取れていませんでした。

結果コナンからはこんな指摘も(笑)。

コナン「オメー腕…落ちたんじゃね?」

偽優作の正体がキッドではないと考えられるシーンばかりでしたね。

 

ベルモットを否定する要素

偽優作はキッドではなかった。

その事実判明後ベルモットが登場した事で読者の中には偽優作=ベルモットという図式が誕生します。

ですが偽優作をベルモットとすると矛盾だらけと言えます。

 

1・偽優作=ベルモットならコナンを危険に晒すだけ

そもそもラムが工藤夫妻に目をつけていたのならこの2人に薬品を盛る意図が不明です。

「薬品に気付かずダウンした工藤夫妻は間抜けな人物だからノーマークにしようとラムが考えている」で話が通るとは到底思えません。

また工藤邸侵入がラムとベルモットの計画とするとおかしな事だらけです。

 

とりあえず工藤夫妻に毒を盛る指示はラム、任務遂行はベルモットと仮定します。

彼女は毒を盛った結果工藤夫妻がダウンした事実をラムに伝えるはずです。

この日の出来事をラムに伝えずに済むのであればそもそも毒を盛る必要がありませんからね。

工藤邸侵入がラムの命なら優作が生放送中に事件を解決した話はラムの耳にも届くでしょう。

生中継も直に見ていたかもしれません。

ですが毒を盛られた優作が倒れているのだからTVに出演している優作は偽物、つまり変装技術を持つベルモットだとラムは判断します。

推理力がそれほど高いとは言えないベルモット(偽優作)が生中継でズバズバと事件を解決していく様子を見れば彼女に推理の手伝いをしている人物がいる事にラムは気付くはずです。

つまり偽優作=ベルモットとすると彼女はTVを通して「工藤邸には優作以外にも優れた推理力を持つ人物がいるの。そして私はその人物と繋がっているわ」とラムに伝えてい事になるんです。

ベルモットはコナンを宝物と考えていますから偽優作=ベルモットとすると彼女は自分の宝物を危険に晒す道を選択しているわけです。

コナンを大切に思っているベルモットがこんな行動に出るはずがありません。

同時に彼女本人にもラムから疑いがかかる行為です。

偽優作=ベルモットとするとこの行動はリスクしかありません。

ラムが工藤夫妻に目をつけているのが事実にしても取る行動は工藤夫妻の力量の観察か抹殺かといったところのはず。

食あたりにさせて動きを一時的に封じた所でラムが得るものなんて高が知れています。

薬品を混入させた人物は工藤夫妻をダウンさせコナンを誘き出す事、つまり江戸川コナンの正体を突き止める事が目的なんです。

 

 

2・偽優作の不可思議な言動

工藤邸を訪れた偽優作は首元にチョーカーなどを身に着けていない為変声機無しで声を自在に操れる変装の達人です。

キッド以外にこの変装術を持っている事が明かされているのは現時点でベルモットだけ。

必然的に変装をしているのは彼女と考えてしまいがちですが正体がベルモットとするとどうにも納得のできない描写が複数確認できます。

偽優作「うわっ!結構えぐいな…」

遺体の写真を見た時の反応です。

ベルモットと言えば組織の古参メンバーであり殺人も犯しています。

何度も遺体を見慣れている人物の反応とすると不自然です。

またこの偽優作の特徴として非常に女性らしい点が挙げられます。

偽優作「ん?」「どぞ!」「了解です!」「あ、はい…」 

些細ではありますが台詞の随所に女性らしさが滲み出ていました。

またトリックの内容には気付けなかったにも関わらず被害者の髪型と床に落ちていたヘアクリップに目が行く点も女性特有のものを感じさせます。

そして偽優作は被害者の台所のフライパンの色に注目していましたがベルモットが料理をするのは想像出来ません。

そして生放送の中継スタート直後の椅子の座り方が女性らしいのもポイントでしたね。

偽優作=ベルモットとすると言動があまりにも女性らし過ぎるんです。

 

また偽優作の表情もベルモットのものではありません。

シリーズ2話目の最後、目の前のレポーターが犯人と分かると目を丸くし相当驚いています。

また3話目の冒頭で犯人を名指しするシーンも頬に汗をかいて余裕のない様子が窺えます。

ベルモットはコナンの正体を知っていますし彼を信頼し宝物として大切に思っています。

彼女ならコナンの導き出した答えが例え想定外であっても冷静さを保てるはずです。

よってこの表情はベルモットのものではありません。

そして偽優作=ベルモットを否定する大きな伏線となっているのが偽優作が犯人の夢川に向けたこの台詞です。

「あなたが夢川さんですか!お美しい!!」

若い女性は日に日に美しくなられるので…」

ベルモットは不老の状態。それは組織の目的と関係があるはず。

また彼女は組織の一員でありながら組織の壊滅を目論んでいる一面も持ち合わせています。

彼女はかつて若い女性ばかりを狙う犯罪者に変装していた事がありました。

これはベルモットが自分の永遠の若さというものを心の中では嘆いているという現れでしょう。

つまりベルモットは若さと美しさを同列に考えていない人物です。

不老に苦しんでいる彼女から若さを称賛する言葉が出てくるはずがありません。

ベルモットはこんな台詞を言わない女性なんです。

 

3・組織と合流後の不可解な発言

ジンとウォッカと合流後、ベルモットは到着が遅れた理由を「ラムからのヤボ用」と語っています。

ですがこれが工藤邸への侵入を指しているとするとおかしな点ばかりです。

ベルモット「今後、組織の脅威になりそうな人物が…なぜか日本に留まっていたから…その腹の内を探りにね…」

この「今後組織の驚異になりそうな人物」が優作である場合ラムは工藤新一生存の可能性を感じ、工藤夫妻が息子の存在を隠蔽している点を危惧している事になります。

ですが新一生存の情報をRUMは一切掴んでいません。

「工藤新一生存情報は不確かだが工藤夫妻は危険人物だから組織を動かそう」というのがラムの考えとすればそれはもうせっかちではなくただの無計画としか言いようがありません。新一生存情報の裏を取るのが先のはずです。

また現時点で組織サイドが優作を驚異とみなす伏線はどこにもありません。

 ベルモット視点では工藤夫妻が日本に留まっている理由は息子を守るためだと察しがつくはずです。

「なぜか日本に留まっていた」と発言したのは彼女が探りを入れて入れていた相手の行動の意図を正確に読み取れていないから。つまりこの日彼女が探った相手は工藤夫妻ではありません。

そして次の台詞もポイント。

ウォッカ「で?どうだったんですかい?そいつ…」

ベルモット「拍子抜けもいい所…あれならいつでも殺せるわ…」

このジャッジは相手の言動を目の当たりにしていないと出てきません。

例えこの日工藤邸を訪れたのがベルモットだとしても偽優作は工藤夫妻と面会をしていないのでこのジャッジは不適切。

ジン「殺してねぇのかよ…」

ベルモット「ええ…今日の所は…でも必要とあらば…何時でも…」

こう語るベルモットのコマは背景が真っ白でした。

この背景に工藤夫妻を描いた方が読者は緊張感をもって作品を読むことができます。

それをしなかったのは彼女が探りを入れた相手が工藤夫妻ではないからです。

工藤邸を訪れていたのなら優作のジャケットを着ている事で答え合わせをした方が賢明ですしね。

ジンとウォッカと合流後のベルモットの発言全てが自分は工藤邸にはいなかったと言っているようなものなんです。

 

4・混入された薬品が語る伏線

実は工藤夫妻の食事に盛られた薬品も偽優作がベルモットではないと判断できる材料になっています。

優作「料理の味が少し変だったから後で調べてみたら…ジスチグミン臭化物が料理に混入されていた事がわかったんだ…」

「ジスチグミン臭化物を摂取した時の症状は、食中毒のような…」

 優作はジスチグミン臭化物についてやたら詳しく語っています。

ジスチグミン臭化物は目の治療に使用される一般的な薬品です。

わざわざこの薬品名を出し細かな説明までしたのはこの薬品を混入した人物が目の治療を行っている(いた)とするヒントです。

RUMと言えば隻眼。目の薬は必要ありません。

ベルモットも目に問題があるという設定はありません。

つまりベルモット、RUM共にこの薬は使わない。

この薬品名を使用する事で工藤邸侵入に組織が関わっていない事を暗示しているんです。実に巧みな伏線ですね。

 

◆偽優作の正体は榎本梓

偽優作の正体はキッドでもなければベルモットでもない。

ではこの人物は一体誰なのでしょうか。

私は以前から喫茶ポアロのウェイトレスである榎本梓はコナン=新一を疑っている人物であり、同時に変装の達人であると考察してきました。

▼梓がコナン=新一を疑っているという記事はこちら 

私はこの日偽優作に扮したのは梓だと考えています。

この人物は推理力が高くありませんが梓とすると合点がいきます。

また偽優作が遺体の画像を「えぐい」と語っていましたが実は梓は殺人事件に一度も遭遇した事のないコナン界における奇跡的なキャラクターでもあります(笑)。

遺体を見慣れていない人物のリアクションの伏線とすると面白いですね。

偽優作がやたら女性らしかった点は梓を思わせますし調理道具に目が行くのも料理が得意な人物=梓の伏線だと思います。

また作中に意味なく登場したピンクのマイクも偽優作=梓の伏線です。

コナン「ああ…よくピンクのマイクでレポーターしてる…」

偽優作「(犯人のレポーターを)知ってる知ってる!ロケのレポーターが多くて真っ黒に日焼けしてる…背の低い新人アナだろ?トレードマークはピンクのマイク!」

ピンクは梓のイメージカラーです。

安室が主人公の『ゼロの日常』では安室が公安の協力者の女性の衣装の調達を風見に命じていると考えられる描写があります。

そして協力者の女性のイメージカラーがピンクであることも示唆されています。

この人物こそ梓の可能性が高いのです。

▼安室が梓を協力者とする伏線についてはこちら

強調されていたピンクのマイクがトリックや事件の動機に関係があるのならともかく結局物語に一切関係無く事件は解決しています。

ピンクのマイクはこの偽優作を演じた人物に関するヒントでしょう。

やはりイメージカラーがピンクの梓が濃厚なんです。

今後もし梓が優作に変装していたという答え合わせがあるとしたら彼女はコナンに足を踏んづけられていたので足を痛がる、庇うなどの描写が入るかもしれませんが連載再開がやや先になるのでその頃には治っているかもしれません(笑)。

 

■追記:「ロック」が伏線の可能性も

コナン「ダンジョン・ホームズ」っていうゲームのキャラの「ロック」だよ」「ロックと共に色々な謎を解くんだ!」

 今回の事件の発端になったゲームに登場するロックというキャラクターについての説明ですがこの台詞は私は不要だと感じました。

実際にキャラクター名は事件に何も関係ありませんでした。

ですがシリーズ1話目のサンデーの表紙には69巻のコナンが登場している事から「ロック」を強調する狙いがあると捉える事も出来そうです。

ロックは数字にすると609。

赤井が死亡を偽装したのがFile609です。

死亡したのが赤井に見せかけて実は別人の遺体だったというのが後に明かされます。

コナン史上最大級のスリ替えトリックが行われたのがFile609である事を踏まえるとこの偽優作もベルモットに見せかけて実は別人という展開のヒントとして作者は「ロック」という名前を使用してたのかもしれません。

◆薬品を混入したのは脇田か

工藤夫妻の食事に薬品を購入したのは脇田の可能性が高いと思います。

ジスチグミン臭化物は目の治療に使用されるもの。

そして脇田は眼帯のある左目とは逆の右目に視力の低下が見られます。

脇田が自分の右目の治療に使用している(あるいはつい最近まで使用していた)薬を混入したのでは。

▼脇田の右目に関する考察はこちら

97巻で若狭が右目を抑えていた事から彼女も目の治療を行っている可能性はあります。

若狭が薬品を混入し、変装の得意な人物とタッグを組んで工藤邸に潜入した可能性はゼロではないかもしれません。

ですがこれはベルモットにも言える事ですが工藤夫妻に毒を盛る理由が見えてこないんですよね。脅威と感じた相手なら毒など盛らず様子を見た方が賢明なので。

また若狭はコナンの正体に気付いている人物です。

毒を持った人物はコナンの正体に迫る事が目的。

よって工藤邸侵入に若狭が絡んでいる可能性は低いかと思います。

黒田はサングラスをかけている事と時折描かれる右目の描写から隻眼は本物のはず。

隻眼の彼はジスチグミン臭化物は必要としていないので薬品混入はやはり黒田でもありません。

右目の視力低下の描写に加え消去法から述べても工藤夫妻の食事に薬品を混入したのは脇田の可能性が高いと言えそうです。

 

◆脇田と梓は親子か

 偽優作は榎本梓、薬物混入は脇田兼則というのが今回のエピソードから読み取った私の推理です。

両者は勤務している店が隣同士というだけで作中で一度も顔を合わせていません。

ですがあらゆる伏線から私は以前からこの2人は親子ではないかと考察し記事にしてきました。

今回の事件を通し、脇田と梓は繋がっているという可能性は私の中でまた高まった感じです。

▼脇田と梓が親子という記事はこちら

梓の推理力では単独行動は不可能。

脇田の協力があってこそ梓は動けたのだと思います。

 

◆偽優作の変装術は黒羽譲り

私の考察では脇田も梓も変装ができるのですが謎だった点としてこの2人はどこで変装術を学んだのかというのがありました。

ですがキッドと交流の深いコナンを騙せるあたりやはり黒羽盗一から変装術を学んだと考えた方が自然ですね。

だからと言ってコナンとキッドのやり取りまで真似できるのかという疑問が生じるかもしれませんがそれはこの偽優作がベルモットであっても同様の事が言えるでしょう。

 

ただし変装術を学んだのは脇田だけで梓は声こそ変えられるものの変装は脇田に任せているという事も考えられます。

 

ベルモットが探りを入れた人物は誰なのか

工藤邸に現れたのはベルモットではありません。

ではベルモットが「ラムに頼まれて」探りを入れていた相手は一体誰なのか。

素直に考えればRUM候補のうちの誰かでしょう。

「なぜか日本に留まっている」という発言からこの人物の本来の居場所は日本ではないと考えられます。

RUM候補は3人ともアメリカで起きた羽田事件と何かしら接点のあるメンバーなのでこの発言も合点がいきます。

「拍子抜け」「いつでも殺せる」と評した点から脇田と若狭のどちらかだと思います。

さすがに警察内でそれ相応の地位についている黒田をこのように低く評価はしないはずですから。

私としては脇田の事を指している可能性の方が高いような気がします。

ベルモットにとってコナンは大切な宝物。

そのコナンの通う学校に組織が目をつけている人物がいるのなら彼女は「拍子抜け」という程度の表現では済まないはず。

よって若狭ではなさそうです。

 

一方脇田は一見ただの冴えない外見の寿司職人ですから「いつでも殺せる」という発言は全く意外性はありません(笑)。

※追記

脇田はRUMの影武者と考えているのでRUMにしてみるといなくなると困る存在なのかもしれません。その線でいけば脇田は除外されるかも。

最新の事件で黒田と伊織が金髪の男性について語っていますがこれが安室ではなく新キャラの可能性も考えているので子の人物だったりするのでしょうか。2022年3月

 

 

 

◆実は勝利を掴めなかった工藤夫妻&FBI

工藤夫妻とFBIは工藤邸に乗り込んできたのがベルモットだと完全に信じ込んでいました。

ですが実際は工藤邸を訪れたのは梓です。

梓は灰原と面識がありますが灰原は彼女から組織の気配を感じていません。

工藤夫妻とFBIサイドは食あたりの演技で敵を欺いたと安堵していますがそもそも訪問者の梓は敵ではありません。

工藤夫妻が食あたりの演技をするという事も脇田や梓からすると予想通りだったんではないでしょうか。

有希子「最近誰かに監視されてるって優作に言ったら…逆に目立つ行動を取って相手の出方を見ようって…」

優作「そうしたら怪しげなイタリアンのチラシがポストに入っていて…」

脇田は(梓も加担したかも)敢えて疑わしい行動を取り工藤夫妻の警戒心を高め、その後怪しいとされる低レベルなチラシをポストに投函したのではないでしょうか。

これは警戒心から工藤夫妻が食事を口にしない事を見越した上での行動と考えられます。

脇田達はわざと疑われる手法を取った上で工藤邸に侵入したのだと思います。

自宅を訪問したのがベルモットだと騙せている時点で脇田の作戦に軍配が上がっている形です。

そうなると脇田は作中屈指の推理力を誇る優作を凌ぐレベルの頭脳の持ち主という可能性も。

以前少しだけ脇田兼則=赤井務武の可能性に触れましたがその可能性がまた高くなる要素の1つと考えられそうです。

 

◆RUMとラムは別人?

ベルモットの台詞ではRUMではなくラムの命令で動いていたとの事。

ジン「17年前にラムが抜かった仕事(ころし)なんざ…知った事か…」 90巻

作中ではコナンはラム、RUM両方を使っています。

最近はRUMばかりでしたが基本的にはこの使い分けには意味があると考えています。

ですがベルモット、ジン、そして元組織の灰原もラムを使用していますから組織内での正式な呼称はラムという可能性も。

また仮にその通りならRUMから安室に渡ったメールの文末がRUM表記である事が気掛かりです。

早くからRUMには影武者がいると囁かれていた上黒田も脇田も羽田事件の重要人物である若狭の情報を持っていながら交流のある安室に伝えていませんでした。

つまり安室はRUMに近いようでいて実はRUM候補3人の誰とも正確な連携が取れていない状態なんです。

本物はラムであり彼が連絡のやり取りをしているRUMは影武者という可能性もありえなくはないかもしれません。

もしこの表記が本物と偽物のヒントとしたら基本的に物語はRUM表記で進んでいるので私としてはこちらが本物という感じです。

かと言ってRUMと長い付き合いのはずのベルモットが会っているのが偽物とするのも腑に落ちません。

この辺りはもっと深く考察すべき点かと思います。

 

◆マリアちゃんの暗号を意識した物語の展開

気付いている読者がいるか分かりませんが実は最近のコナンは「マリアちゃんをさがせ! 95巻」を密かに意識した物語の展開となっています。

「マリアちゃんをさがせ!」はコナン達のクラスメイトである東尾マリアちゃんを探す為少年探偵団が彼女の自宅に残された暗号を解読しマリアちゃんを発見するエピソード。

このエピソード掲載時にボスの正体が烏丸である事が判明した事からこの時に使用された暗号はかなり重要な意味を持つと考えられます。

そしてこの話の中で「月と星と太陽の秘密 12巻」の話題が出た事などからこの2つのエピソードは関係性があると考えられます。

「マリアちゃんをさがせ」の暗号が示していたのは地下室。

「月と星と太陽の秘密」の暗号を解読するとその先は屋根裏部屋。

では最近のコナンというと次の通り。

「牧場監禁事件」は地下室に閉じ込められた話。

その次の「屋根裏密室事件」は屋根裏部屋で遺体を発見。

その次(今回)の「偽優作のTVで推理ショー」はダンジョン(地下)がテーマ。

「マリアちゃんをさがせ(地下室)」と「月と星と太陽の秘密(屋根裏部屋)」を意識して作られた事件が続いている事が分かります。

事件の起きた場所だけでなく事件内容も暗号を意識しているのですがこの事についてはまた詳しく別の記事にまとめたいと思います。

これを踏まえると次の事件は屋根裏部屋かこれに近いワードが登場するかもしれません。その点にも注目しています。

 暗号を意識した展開という時点で物語が大きく動いている気配を感じますね。

 

◆その他のまとめ

■赤井に正体を明かさないコナン

コナン(と、父さん⁉母さんも…何で⁉) 

コナンは赤井に自分の正体を明かしていないと取れる描写はこれまでもありましたが今回もやはりという感じ。コナンはこの言葉を口には出しませんでした。

 

■工藤夫妻と赤井率いるFBIが主導権を握る

赤井率いるFBIが久しぶりの登場。RUM編の大きな進展を予感させます。

今回は本来活躍すべき主人公が引き立て役のような形となってしまいました。

これは95巻でボスの正体が烏丸であることに辿り着いたのが優作と赤井であった事を思い起こさせます。

一応補足するとボスの正体に気付いたのがこの2人という可能性は低いと思います。

当初分けて考えていたASACAとRUMを1つにするという案だけではMURASACAなど全く別人の名前が浮上するにも関わらず烏丸と断言できたのはボスの正体が烏丸と知っている何者かのリークがあったと考えた方が自然なので。

つまり優作&赤井はコナンに内緒で何か大きな情報網を持つ人物と繋がっている可能性が否定できない状態。

記念すべき100巻で主人公の巻き返しに期待したいところ。

 

■コナン陣営VS組織に大きな展開が!?

優作「後は、備えるだけだ…組織(かれら)の…大きな…動きに…)

「後は備えるだけ」というのは極めて恐ろしい台詞。

優作は何をどのように備えるべきか先を見通せている状態。

敵がどのように攻め込むか予想ができているとも取れます。

もし完璧な予想を立てているのであればその情報はボス=烏丸をリークした人物からもたらされたのかもしれません。

またお茶会をした安室からという可能性もありそうです。

「長野廃教会事件 97巻」でコナンは安室にRUMについて質問しています。

この事からお茶会ではRUMに関する情報は共有されなかったと考えていましたが今回そのお茶会の参加者である工藤夫妻と赤井がコナンに内緒で作戦を決行した事を踏まえるとお茶会で安室がRUMに関する情報を工藤夫妻と赤井に渡し、コナンには秘密にしてあるという可能性も出てきました。

とは言え「大きな動き」という言葉は読者に緊張感を与える狙いがあるだけと捉える事は可能です。

またこの記事で記している通り工藤邸を訪れたのはベルモットではありませんから工藤夫妻は「後は備えるだけ」以前にもう失態を犯しているわけです。

それに加え安室が連絡を取り合っているRUMが偽物となれば優作は偽物を相手に計画を立てている可能性も…。

コナン陣営にはFBI、公安、CIAがいます。MI6も参加するでしょう。

この字面だけでもコナン陣営は強すぎるので(笑)RUM側の意表を突いた行動で読者をいい意味で不安にさせてほしいものです。

あと気になった点と言えば優作が組織を「かれら」と語った事。

「彼ら」は大人数を意味する一般的な表現ですがボスの正体が女性なら使わない表現だと感じました。むしろこの日姿を現したのは女性のベルモット(本当は梓)ですから「彼女たち」の表現の方が適切な気がします。

優作はボスが男性という事を掴んでいるのか、それとも青山先生の心の声(ボス=男性)が表に出てしまったのか。

深い意味は無いかもしれませんが気になりました。

 

100巻で梓が動き出す可能性は考えてはいましたが思ったよりも行動が大胆で驚きました。完全に油断していました。

脇田と梓が協力し工藤邸を訪れた理由はまた別の記事にまとめます。

梓に関する考察でまだUPしていないものは早めに記事にしようと思います。

梓は生死不明の務武同様100巻の要注目人物の1人となりそうです。

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