脇田がジンの影武者として登場? FBIとキールの危機 高明は「大事」に参加か

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最新エピソード「FBIの暗号事件」はFBI VS 組織の対決でした。
 
3話で一度区切るという形になっていますが冒頭から複数のFBI捜査官が殺害されるという非常に緊迫した状態から物語はスタートします。
そしてコミックス100巻に収録となる今回のエピソードでついにRUMが本編初登場。
機械で声を変えていた上、短い台詞のみでの登場でしたがRUMの人物像を考察する上で貴重なシーンでしたね。
キールも久々の登場を果たしRUM編が大きく動く事を予感させてくれます。
私は今回のエピソードは考察材料が非常に多い事件だと感じました。
最新の「FBIの暗号事件」からRUMについて、また今後の物語の展開について私の予想を綴ります。
今回の記事は全体的に「このように考える事ができるかもしれない」「こうであれば面白い」というテイストになっています。

◆脇田=RUMの否定

RUMは組織内での会話で機械を使い自分の声を変えていました。
この事からRUMは非常に慎重な性格の持ち主と言えそうです。
 
RUM候補3人の中で慎重な性格とはかけ離れた言動を見せているのが脇田兼則。
彼は小五郎の反応を確認する為に左目の眼帯を外そうとする等かなり大胆な行動に出ています。
彼の正体がRUMであれば自分がRUMだと疑われる行動は避けるはずです。
これまでも脇田はRUMではないという細かな伏線はいくつも確認できましたがここにきて本格的な否定の要素が出てきた印象を受けます。
 
また脇田がRUMであり安室透にメールを送信した可能性は著しく低下します。
安室はRUMをせっかちと語っていますがこれがRUMの性格と取るかTime is money!から導き出される脇田兼則の名前と取るかが考察の大きな分かれ目だと思いますがRUMの性格はせっかちとは真逆の慎重派。
この点では安室のヒントのせっかちは脇田の名前を表していると取れますが脇田の正体が慎重な性格のRUMなら自分のコードネームも現在名乗っている名前に繋がる情報もどちらも集約されたメールを送信したりしないはずです。
少なくとも脇田=RUM=安室にメールを送信した人物という式は完成しません。
 
ですがRUMは影武者の存在が示唆されている人物です。
脇田がRUMの影武者でRUMの名前を使いメールを送信した可能性は残ります。
 
慎重な性格という意味では若狭留美もRUM候補から除外されるかと思います。
彼女はマスメディアに意図的に顔と名前を晒していますが機械で声を変えるほど慎重な性格の持ち主がこのような行動に出るのはやはり違和感を覚えます。
さらに若狭は素の状態では非常に凶暴な性格です。
これも慎重な性格を否定する材料になりそう。
 
RUM候補3人を見る限り慎重な性格という情報に当てはまるのは黒田兵衛だけかと思います。
とは言えRUMは普段は慎重な人格でも事の次第によっては大胆に攻めるタイプかもしれませんし冷静さを欠いた行動に出る事もあるかもしれません。
黒田も一見慎重派に見えて別の顔を持っている可能性も十分考えられます。
RUMが慎重な人物という事だけではRUMの正体は炙り出せませんね。
 
今回の事件ではジンが「大事の前」という黒田を思い起こさせる台詞を口にしたり暗号の解読、ハッキング、小学校教師という若狭を匂わせるワードが飛び出したりしましたがこれらを私は特別RUMを考察する重要なヒントとは受け止めていません。
 
黒田兵衛、若狭留美を連想させるワードを乱立させ読者の関心をこの2人に向けさせていますが後述の通り作者が今回の真の主役として扱った人物は脇田だからです。
 

◆安室はRUMの影武者にしか会っていない?

今回のエピソードでRUMの慎重な性格が浮き彫りとなりました。

RUMはあの赤井秀一でさえ二、三度その名前を耳にした程度。

自分の肉声を知っている人物相手に声を変える必要性を感じないので組織内でも常に機械を通した声しか知られていないという可能性もあります。

またRUMの人物像が十人十色とされているのもRUMが肉声を伏せている上に影武者が存在しているからという可能性も。

RUMに関しては組織内で情報がかなりシャットダウンされているのかもしれません。RUMの慎重な性格を考えると安室が連絡のやり取りをしている相手が本物のRUMかどうかも怪しくなってきます。 

例えばRUMの影武者としての役割を担っている脇田を安室がRUMと思い込んでいる為「せっかち」というヒントをコナンに与えたという事も有り得そう。

RUM編の複雑さを痛感させられます。

 

◆赤井率いるFBIとキールが危うい立場に

キャメルはキールから銃撃され車ごと海に転落。

彼は58巻でキールと行動を共にした後、組織の前で爆死した事になっています。

そのキャメルは組織のメンバーに顔を見られてしまいました。

コルン「俺…今の奴…どこかで見た気がする…」「もう一度顔を見たら思い出す…」

次があるかのような怖い台詞ですね(笑)。

キャメルの生存に組織がたどり着けば元々NOCの疑いがかけられていたキールの立場が非常に危ういものとなります。

またそのキールに殺害されたことになっている赤井の状況も到底安全とは言えません。一気に緊張感が高まる展開になりました。

ベルモットの表情と沈黙から彼女はキャメルに気付けているとも取れます。

かつて彼女はジョディに変装し爆死した事になっているキャメルと会話をしていますから彼の顔は知っているのでここからキールNOCである事にはたどり着けそうです。

ですがベルモットキールとコナンが繋がっている可能性を察知しています。

コナンを宝物と考えている彼女がコナンを危険に晒す情報を組織に提供する可能性は低いかもしれません。

そもそもベルモットの中にはNOCは例外なく報告するべきという考えは無いという可能性もありそう。

ベルモットは3年も前から赤井務武に変装しメアリーを誘き出そうとしていました。

3年前と言えば赤井はライとして組織に在籍していた頃で彼は母のメアリー似。

ベルモットはライの両親がMI6だと見抜いていた可能性があります。

事実ベルモットはメアリーを少女化させる前「息子達」という言葉を発しているので彼女は務武とメアリーに息子が2人いた事は把握していました。

ベルモットはライがNOCである可能性を感じ取りながらその情報を伏せていた線はそれなりに濃厚。

務武に変装し行動を起こしたのを3年前としたのも彼女がNOCを放置する人物という事を暗示しているのかもしれません。

かつてベルモットキール奪還の際、すっぴんにジャージ姿で男性のように描かれたキールを凝視しています。

これはベルモットキールによく似た男性に心当たりがありその男性とキールを重ねた伏線のはず。

このキール似の男性は消去法から務武しか残りません。

つまりベルモットキールと務武の血縁関係を疑っていたと考えられますがキールを取り巻く環境に特別変化がない事から恐らくこの疑惑を組織には報告していないのでしょう。

この時ベルモットは務武がMI6だと把握済みですからキールと務武の血縁関係を疑った時点で組織に報告するのが妥当だと思いますがそれをしていないのなら彼女はNOCを問題視していない人物と考える事ができます。

▼過去の記事はこちら 

彼女がNOCを組織に報告しない人物であれば幼児化の現象を組織に伏せている事と併せて考察できるかもしれません。

しかしながらキールの件をベルモットが黙認したとしても組織はキャメルに目をつけています。

ジン「是が非でも今のFBIの骸を探し出し…その死に顔を拝ませてもらおうか…」

海中に沈んだ車から無事脱出に成功したキャメルですが組織の目が光る中の救出は困難と判断され彼を海中に漂わせたままこのエピソードを終わっています。

この後キャメルがどうなるかですが組織に捕まるとは思えないので無事と考えていいでしょうが海から死体が上がらない事で生存を疑われるのを避けるためにキャメルの死亡を偽装するのかもしれません。 

この事件はアーロンというFBI捜査官が遺体となって発見された事が発端ですがコナン達の会話からはアーロンの死亡は公になっていないとも考えられます。

組織もこの人物の死亡を確認できていない可能性も。

FBI側はアーロンの遺体でキャメルを死亡した事にする展開もあるかもしれません。 

 

◆脇田がジンの影武者として登場?

今回のエピソードでは左利きのジンが右手でライフルを扱うシーンがありました。

私は今回登場した右利きのジンは脇田の変装した姿ではないかと考えています。

 

ジンがライフルで銃撃するシーンは2コマありますが2コマとも右手で撃っています。

またこのシーンが掲載された本誌が発売中にアニメで放送されたのは「元太少年の災難 30巻」。

このエピソードの最後でコナンはジンの利き手が左である事を知ります。

アニメの放送のタイミングを考えると右利きのジンの登場は意図的な描写ではないかと思います。 

 

ここで先述の作者が脇田を真の主役として描いた話という点に触れたいと思います。

 

 FBIは2人1組で行動していました。そのFBIを追う組織も2人1組のペア。

キャラクターの台詞からもペアという事が強調されていました。

実はペアは脇田を暗示するワードです。

脇田のメイン回は登場人物が2人1組のペアで行動します。

また彼のメイン回で立て続けに登場したババ抜きもペアを完成させるゲームです。 

 

加えて事件現場が廃ビルである事も極めて重要なポイントです。

脇田のメイン回全てに廃れた場所が登場します。

初登場の時に彼は「ゾンビが囲む別荘 88巻」について触れていますがこの事件は廃れた貸し別荘が舞台、「長野廃教会事件 97巻」は廃教会、「屋根裏密室事件」もゾンビ事件と同様廃れた貸し別荘で事件が起きています。

今回のエピソードの中でコナンの口から何度も「廃ビル」が登場していますし、落下した看板は廃ビルが伏線になっている事を強調しているはずです。

ジョディ「潰れた店の名前までよく覚えていたわね…」

この台詞も廃墟を読者に意識させる狙いがあるのでしょう。 

 

シリーズ1話目から密かに強調されている「2人1組」と「廃墟」という脇田を暗示するワードが登場した事で1話目の時点で私の中で想定したのは次の3つ。

1.FBIを一網打尽にする計画者がRUMでありその正体が脇田

2・脇田の過去や人物像に迫るエピソードの描写

3・脇田がいつもと違う外見で登場 

まず1の脇田=RUMですが私は最初から脇田をRUMとは考えていないので除外しました。

次に2の脇田の人物像に迫るエピソード、具体的にはこの事件の被害者の過去が脇田の過去を考察できるようになっているといった可能性を考えたのですがこれも早々に排除。

なぜならスピンオフ作品である「警察学校編」が年内にコミックス化されることが発表されたからです。

年内にコミックス化させる為には「警察学校編」をかなり早い段階で掲載しなければなりませんがコナン本編とスピンオフの同時掲載にはならない可能性が高い。

つまりこの「FBIの暗号事件」は短編。

冒頭から組織により多くのFBIの命が奪われる緊迫した事件を短編で終わらせるには脇田の人物像を考察できそうなエピソードは挿入しない事になりそう。

そうなると3の脇田がいつもと違う姿で作品に登場するという選択肢しか残らなくなるんです。

いつもと違う姿というのは別人に変装した姿か変装を解いた姿のどちらか。

いつも通りの板前の姿で登場するのであればペアといった読者が見落としがちな伏線を張ったりしません。

脇田は身長を偽っているので彼の外見は本物ではありません。彼が変装の達人という伏線はちゃんとあるわけです。

私は脇田がどの人物に変装しているかに注意を払いながら読み進めていったのですがそんな中で右利きのジンが登場。

このジンの不可解な点は利き手だけではありません。右手でライフルを撃った彼は単独で行動しています。

ベルモット「私はキールと向かうから…ジンとウォッカはいつものように…」 

この言葉からも作中の描写からもジンはウォッカと共に行動していたはずです。

FBIを狙撃した時ジンの横にウォッカがいない上2人が移動に使っている車もないのは奇妙と言えます。

またジンはキャンティにキャメルの乗った車の追跡を任せていますがその後彼本人がウォッカと共にキャメルの車を追跡しています。これも少々気になる点です。

 

加えて作中でRUMはラムと表記されることがありこの違いは意味があると考える事が出来ますが今回ジンのモノローグではRUMでした。

ジンは90巻で「ラム」を口にしていますから彼はRUMもラムもどちらも使用するという不思議な設定となってしまいます。

ですが今回RUM表記のモノローグと共に登場したジンがジンの影武者ならこの使い分けも両者が別人だからと説明できるんです。

 不敵な笑みと(RUM!!)のモノローグと共に描写されたジンはアップでどこに居るのか、誰といるのかが全く分からないようになっているのでこちらが単独行動の影武者の方かと思います。

ジンやベルモットは「ラム」、ジンの影武者は「RUM」と呼ぶ設定があるのかもしれません。

このジンの影武者こそ「2人1組」「廃墟」のワードで今回の真の主役と示唆されている脇田なのだと思います。 

また私は脇田兼則=赤井務武の可能性を考えてきました。

ジンは務武の口癖であろう「暗がりに鬼を繋ぐが如く」という言葉を残しており、この台詞は作者の口から伏線である事が示唆されています。

ジンの年齢を考えると17年前の羽田浩司の事件で務武と出会い、務武の口癖が移ったとは考え難い。

ですが死んだとされる務武が密かに生き延び現在はジンの近くにいるという設定があるのならジンと務武の口癖が一致してもおかしくはありません。

どうしても先入観と「抜かるなよ」の言葉から黒田=務武であり脇田は論外と考える読者が多いと思いますがそろそろ脇田の口から赤井家を連想させる言葉が飛び出し読者の間で考察が盛り上がる展開があってもよさそうです。

本当にジンの影武者=務武なら赤井は心の底から憎んでいるジンと対面してみたら相手は影武者でその正体は父親だったという最高に盛り上がる展開なのでこれには期待したいところです。

▼脇田=務武の記事はこちら

◆コウメイの「大事」参加のフラグ

私は脇田がRUMではなく組織を壊滅させる正義の立場であると推測しています。

ではなぜ正義の彼がFBIを銃撃したのか。

この謎を紐解くヒントがキャメルの言葉です。

赤井「撃たれたようだが…」

キャメル「はい…ライフルの弾が右のドアを貫通して運転席のドアに着弾しましたが…」

ジンが撃ち込んだ弾丸は車内にしっかり残っています。

台詞だけでなく作画でもドアにのめり込んだ弾丸が描写されています。

正義の立場である脇田演じるジンはわざと弾丸を車内に残す形を取ったんだと思います。

ジン「FBIもこの国の許可無しに勝手に組織を嗅ぎ回ってんだ…組織の存在を公にして騒ぎ立て、腹の内を探られたくはねぇだろ…」

FBIがどの程度の自由度を持ち日本で活動しているのかは不明ですがこのジンの言葉や工藤邸を隠れ蓑にした事などを踏まえるとFBIは大きく動く事は出来ないのかもしれません。

この車を海中から引き揚げ、弾丸を手に入れるのが公安になるのかも。

赤井「楠田陸道が自殺に使用した拳銃だ…入手ルートを探れば何かわかるかも知れん…ここは日本…そういう事はFBIより君らの方が畑だろ?」 85巻

赤井は組織の一員だった楠田の拳銃を安室に託しています。

この拳銃は組織に繋がる有力な物証で今後も登場する可能性が高い。

赤井の発言から推測すると組織の拳銃の入手ルートの特定は公安の仕事になりそうです。

楠田の拳銃や今回車中に残された弾丸のライフルマークから公安は組織の武器の調達に関する情報を入手できます。

キールが撃った弾丸も車内に残っているかもしれません。

作者がジンとキールに銃撃させたのは車内に組織に繋がる有力な手掛かりを残す狙いがあったのではないでしょうか。

 

そして拳銃と言えば黒田の初登場回の「啄木鳥会」。

組織の武器の入手先となっている可能性がありますし啄木鳥会は長野県警のグループでした。

長野県警の諸伏高明はRUM候補の黒田と脇田の2人と顔を合わせており黒田の言う「大事」に参加する可能性の高い人物です。

彼は東都大学法学部を首席で卒業という極めて優秀な人材であり弟の景光は組織が原因で死亡しています。

コウメイが優秀だからという理由で突然「大事」に参加させるのも腑に落ちませんし彼は弟の死を真正面から受け止めているので組織に対し私怨では動かない性格ではないでしょうか。

ですが弾丸を通して組織と長野県警を結ぶルートが開通すれば彼が「大事」に参加する正当な理由が誕生します。

車のドアに残された弾丸はこの後コウメイが組織に立ち向かうフラグの役割を担うのではないかと思います。

彼の弟のスコッチは謎だらけの死を遂げています。

この死にRUMが一枚噛んでいても不思議ではありません。

コウメイの組織戦参加に伴い不可解な点が多いスコッチの自決の真相が明かされるかもしれません。

▼スコッチ自決の謎 

ジン「ああ…大事の前だ…邪魔なハエ共は1匹でも多く…」

ジンの台詞から組織は何か大きな行動に出ようとしている事が分かります。

黒田の「大事」とジンの「大事」が同一であるのならこの「大事」は公安が本領を発揮すれば止められるものという事になります。

「大事」とは組織が違法な武器を大量に入手する計画の事かもしれません。

また工藤夫妻とFBI陣営はなぜか組織が大きく動き出す事を知っていたと取れる台詞を前回のエピソードで残しています。

この情報源が考察のポイントになりそうですね。 

 

◆若狭がRUMの影武者という可能性も

今回シリーズ2話目でRUMが本編に初登場となりました。

この時の組織のメンバーのRUMを畏怖する様子からRUMが作戦に本格的に参加したのはこの瞬間とも考えられます。

事実組織は1話目の段階ではFBIを次々と殺害していたにも関わらずRUMの指示以降はFBIの命を奪わず負傷させるに留めています。

これは1話目の段階ではRUMは作戦の指揮を執っていなかったという憶測も成り立ちそうです。

もちろんFBIの壊滅は組織全体の目的でしょうからRUMが一切関与していなかったとは思えませんがFBIを殺害するという指示を出していた人物はRUMではないという解釈も出来そう。

つまり暗号をハッキングしていたのはRUM以外の人物という可能性ですね。

有力なのは若狭です。

若狭の初登場は今回同様暗号解読がテーマでしたし、コナンが暗号の解読表を見事に完成させるシーンも彼女の初登場回に似通っています。

そして若狭は機械に精通しているという伏線も確認できる人物。

コナン「名前や身分を偽って入国した可能性もあるけど…」

これは若狭のメイン回である「山菜採り 97巻」に登場した台詞を連想させます。

コナン「会う人によって名前や職業を変えなきゃいけない事をやってたんじゃない?」「探偵とか…スパイとか…詐欺師とか…」

詐欺師はもう1つの若狭のメイン回「牧場監禁事件」にも登場するワードです。

これは若狭が複数の顔を使い分けている(使い分けていた)事の伏線だと考えられます。

またこの事件に登場した小学校教師のワードも若狭を思い起こさせます。

ハッキングで暗号を解読し、組織がFBIを始末しているのを静観したのが若狭、この後登場し作戦を変更したのがRUMという筋書きなのかもしれません。

ラムとRUMの書き分けはRUMが本物、若狭演じるラムが偽物で彼女はRUMの影武者という可能性も浮上します。

ジンの影武者がRUMのモノローグと共に不敵な笑みを浮かべたのはようやく本物のお出ましという意味が込められているのかもしれません。つまりそれまではこの作戦に本物のRUMは大して関与していなかったという伏線と取れそうです。

複雑な話をすると慎重なRUMの性格を思えば安室どころか組織のメンバー全員本物のRUMを知らないという推測もしていいのではないかと思います。

灰原は若狭から組織の気配を感じ取っていませんが私は組織の任務をこなす人物は組織であるという考え方はしていません。

慎重な性格のRUMは組織以外の有能な人材を傍に配置する事で組織のメンバーにも極力自分の気配を感じさせない戦略の人物ではないかと考えています。

 

若狭は義眼とされている右目が見えている描写がある為RUMではありません。

黒田と対面した際黒田を探る様子を見せたのは彼女が黒田がRUMではないかと疑っている、即ちRUMの実像を完全に捉えていないから。

これもRUMが慎重な人物である為影武者である自分もその正体を掴めていないからと一応の説明はできます。

また若狭がマスコミを通して意味深な自分のアナグラムを報道させたのは自分がRUMの有能な影武者である以上RUMが自分に手を出す事はないという自信からかもしれません。

若狭は殺人の気配を感知しながら放置し、子供達を事件に巻き込むという悪の一面を持ち合わせている人物なのでFBIが命を落とそうが気に留めない性格という伏線はあるわけです。

彼女がRUMの影武者の任務を務めているのなら95巻で彼女がAPTX4869の投与者リストを閲覧していたのはハッキングでなくごく普通にアクセスできる状態にあるという見方も出来ます。

若狭はメアリーと繋がりがあるかのような描写が点在していますが実は両者は全く繋がっておらず若狭が幼児化の現象を突き止めた事にメアリーは無関係なのかもしれません。

 

若狭=浅香の可能性が高いとは考えていますが赤井は浅香に心当たりがあり彼は浅香を一切危険視していません。

赤井は高い情報収集能力を持っている事が作中で明言されている人物ですが危険な一面を持つ若狭は赤井の言う浅香の人物像と合致しない為若狭=浅香はただでさえ危うい部分がありました。

彼女には「詐欺師」という伏線通り隠された素顔があるのかもしれません。

 

若狭がRUMの影武者という可能性は深く考えた事がなかったんですがこの事件の流れと登場するワード、さらにRUMとラムの表記の違いから若狭の正体は本格的に考察しなおす必要があるのかなと感じました。

若狭=ラム=RUMの影武者という式は矛盾を孕んでいるとは思うのですがRUM編は最初からインチキを仕掛けるというアナウンスがあるわけですからこの式も何かしらの抜け道を持って完成させる事は出来るかもしれません。

 

◆形勢は一転、危険な状態へ

赤井「これで一応奴らにここ(工藤邸)を襲撃される恐れはなくなりましたね…」

優作「ああ…後は、備えるだけ…組織の…大きな…動きに…」

前回のこのやり取りから一転、キールNOCである事、キャメルの生存、さらには赤井の生存が組織に気付かれるかもしれないという極めて危機的な状況へ。

今回は暗号に使われたローマ字が訓令式ヘボン式かをRUMは即座に見抜きました。

これには作中屈指の頭脳派である優作も相手がRUMとは知らないものの相手の能力の高さを痛感しています。

優作「訓令式ヘボン式…私が事前に気づけたかどうか…しかし向こうにはそれを瞬時に見抜いた誰かが居るという事…」

「どうやら我々は組織の事を…少々甘く見ていたようですね…」

優作にこの台詞を言わせる程RUMは洞察力や推理力の高い人物のようです。

 

読者のあいだでRUM最有力の脇田ですが彼が今後コナンに探りを入れる展開になるのは確実。

脇田はRUMかどうかは別にしても「屋根裏密室事件」でコナンの口から新一の名前が出た事で両者の関係を疑い彼が行動を起こす下地は整っていました。

そして彼はRUM候補の中で唯一コナンに関心があるという描写のない人物でしたしコナンからも疑われてはいませんでした。

コナンが脇田に疑念を抱くのはこれからのはず。

 

 ◆その他 

ジンの利き手からジンは今回2人登場したと考えていますがシリーズ1話目のジンがFBIの喉を打ち抜いて絶命させたのもちょっと不可解に感じました。

安室の口から「ジンは拳銃でとどめを刺す時は必ず頭を撃つ」と明言されています。このジンはいつも通り左利きですがなぜ頭を狙わなかったのかが謎ですね。

今回の事件でジンは本物に加え頭以外を狙う、右利きの計3人が登場したのでしょうか。さすがに影武者がいきなり2人も登場とは思えないですがかなり気になりました。

とは言え単にジンの残忍な性格を改めて読者に示す事と100巻に入り物語に緊張感を持たせる狙いがあるだけかもしれませんね。

 

そしてキールが久しぶりに登場。

組織の任務を果たす事、かつ命の恩人であるキャメルが最悪の状況に陥る事を回避する為彼を撃つというNOCとして賢明かつ大胆な行動を取りました。

過酷な運命を背負いながらも強く生きる彼女のキャラクターの魅力が存分に活かされています。

キール「やけに警察の到着が早そうだし…」

 FBI捜査官の死亡直後にパトカーのサイレンが鳴り響いています。

これはFBIと公安が既に協力関係にあるという見方も出来るかもしれません。

工藤夫妻とFBI陣営が「大事」を知っていたのも安室経由かも。

また脇田が正義の立場として組織で行動しているのなら彼が通報した可能性もありそうです。

ベルモットティーカップで紅茶を飲んでいたのに対しキールは缶の飲み物というのが気になりました。

この缶に残された指紋がキールの今後に繋がるのかもしれません。

これは指紋で死を偽装した赤井を連想させますが今回のエピソードは「赤と黒のクラッシュ」を意識させるものだったので敢えて似たようなパターンを描きその中に驚きを交える事でこの戦いを面白く演出する狙いがあってもいいのではないかと思います。

 

 FBI陣営の結束は安堵させられるものがありました。

今回はジョディの作った暗号によりFBIが危機的状況に。

これまでも何かと損な役回りばかりだったジョディでしたがこのエピソードでは赤井もジェイムズも彼女を擁護する言葉をかけています。

またいつもは冷静沈着な赤井がキャメルの危機的状態に焦った表情を見せ声を荒げ仲間を思う様子は胸に迫るものがあります。

赤井は生存を隠している立場上沖矢昴としての生活を余儀なくされていますが最近は沖矢で登場する機会が減っている。

これは赤井をはじめFBIが組織の壊滅に本腰を入れている事を読者に分かりやすく伝える為かもしれません。

組織との全面戦争が近い事が窺えます。

 

ここまで色々と綴ってきましたが今回の考察は登場したのが本物のRUM、ジンの利き手が作画ミスでない等を前提としています。

RUMが偽物の可能性は否定できませんしジンの利き手も単なる作画ミスという事は十分考えられます。実際この事件はジンの影武者がいなければ成立しない話という訳ではありませんでした。

啄木鳥会も87巻で一応解決している事件です。RUMは最初から指揮を執っていた可能性も十分考えられます。

今回は「こうであれば面白い」という希望も込めた記事に仕上げました。

 

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