マリアちゃんの暗号★解読方法★

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※この記事は今後も加筆を繰り返す可能性があります

 

「マリアちゃんをさがせ! 95巻」に登場した暗号。

今回はこの暗号が意味するものを考察して綴っています。

ただ私は「現時点でこのように考えている」という感じなので今後考えが変わる可能性は十分あり得ます。

この記事はほとんど完成していたのでもっと前にUPする予定でしたが公式スピンオフ作品の「警察学校編」が実はこの暗号と関わりがありそうな気配を察知し、「警察学校編」の物語の完結を見届けてからのUPとなりました。

また更新の面倒くささ+何気なく作品を読み返している最中に気付いた細かな伏線等を書き足していくうちにこのタイミングでのUPになりました(笑)。

後述の通り「警察学校編」はマリアちゃんの暗号と関わりがありそうというのが私の考えです。

■マリアちゃんの暗号とは

ボスの正体が烏丸蓮耶である事が判明したのが「マリアちゃんをさがせ! 95巻」。

このエピソードに登場する暗号はボスの正体やRUM編を考察する上で非常に重要な役割を果たしている可能性があります。

コナン達のクラスの転校生である東尾マリアちゃんが学校に登校しなかった。

コナンを除く少年探偵団の4人はマリアちゃん家の向かいにあるマリアちゃんの祖父母の家に行く。

そこにはマリアちゃんのお祖母ちゃんがマリアちゃんに残した暗号があった。

暗号を解読する度に次々と矢印が出現し、それを辿るとマリアちゃんのいるゴールまでたどり着けるようになっていた。

【暗号は次の通り】

1・女の子は身だしなみが肝心!寝グセはチェックしたかな?

2・整理整頓ヨロシクね!

3・夜中のおトイレもこれで安心ね

4・バードちゃんのお世話をしてね

➡最後に地下室にたどり着く

 

■暗号が示すのはRUM編の主要キャスト

この暗号はそれぞれRUM編の主要キャストを当てはめるのではないかと思ってます。

◆「身だしなみ」は羽田浩司

「身だしなみ」の暗号は羽田ではないかと思います。

棋士なら身だしなみにも気を使っていただろう」という灰原の台詞からこの暗号は事件当日身だしなみを整える為に手鏡を使用した(しようとしていた)羽田が該当。

 

◆「整理整頓」は烏丸蓮耶

「整理整頓」、これはボスの烏丸。

羽田浩司が残したダイイングメッセージは鏡がバラバラになっていました。

それを羽田の意図する通り整理整頓すると出現するのが烏丸の名前です。

 

◆「夜のトイレ」は脇田兼則

脇田はトイレとセットで描かれているキャラクターです。

初登場回はスリの被害者のポーチがトイレに置かれている。

「長野廃教会」ではトイレで事件が発生。

「屋根裏密室事件」では小五郎がトイレに籠りっぱなし。

またトイレはW.C。これは脇田のイニシャルと絡めているのではないかと思います。

長野の事件ではW.Cが強調されている印象がありますし、脇田を意識したと考えられる容疑者の男性が登場する「牧場監禁事件」でもトイレの表記がW.Cでした。

 

◆「バードちゃんのお世話」は黒田兵衛

これは正直消去法ですね。

現時点ではここに該当するのは黒田しかいない感じなので。

ですが後述の通り脇田もここに該当すると考えています。

 

◆地下室は若狭留美

マリアちゃんが眠っていた地下室が示す人物は若狭です。

若狭は「新任教師の骸骨事件」、「牧場監禁事件」と地下に縁のある女性。

また若狭の登場前の「仲の悪いガールズバンド」に登場する若狭を連想させる眼鏡をかけた留海という女性は地下で犯行に及んでいます。

 

またマリアちゃんは地下室でずっと眠っていた事にも注目。

若狭のメイン回には必ず「眠る人物」が登場します。

「地下」と「眠り」から地下室で眠っていたマリアちゃんは若狭に当てはめる事が出来そう。

 

また若狭のメイン回では「眠る人物」とは別に「気絶する人物」が登場する事にお気付きでしょうか。

この2つのキーワードから17年前の羽田の事件当日の彼女の行動を考察しています。

若狭に関する詳しい考察は後述。

 

■暗号に当てはまる事件とは

暗号はそれぞれRUM編の主要キャストに当てはめる事が出来ると同時に作中の事件を表しているとも言えそうです。

 

◆「整理整頓」は「ブログ女優の密室事件」

「整理整頓」は烏丸蓮耶に当てはめる事が出来ると同時にこの暗号を意識したと考えられる事件があります。それが「ブログ女優の密室事件」。

この事件は几帳面な性格の被害者が本棚の漫画の順番をめちゃくちゃに並べる事で暗号を生み出しています。

羽田が手鏡をバラバラにし、彼の意図する通り整理整頓して真のダイイングメッセージ「烏丸」を出現させた事が重なります。

また犯人が宿泊していた部屋番号は504号室。烏丸蓮耶の語呂合わせで烏丸がボスだと明かされた1008話のちょうど半分です。

 

52巻の「ひっくり返った結末」も当てはまります。

この事件も几帳面な被害者の部屋が犯人の手でメチャクチャにされ、少年探偵団が本を順番通りに並べようとしている。

犯人が宿泊したのはやはり1008のちょうど半分の504号室。作者はかなり早い段階から羽田のダイイングメッセージのトリックを考案していたのではないでしょうか。

また「メチャクチャ」と「整理整頓」は真逆。

マリアちゃんの暗号では整理整頓するのは82巻まで出ている漫画。

82巻をひっくり返すと28巻。

28巻は烏丸の別の名前とされる大黒連太郎の名前が登場するので烏丸蓮耶=大黒連太郎という伏線かもしれません。

 

◆「夜のトイレ」は「謎解きは喫茶ポアロで」

「夜のトイレ」は脇田を表した暗号でこの暗号に当てはまる事件が「謎解きは喫茶ポアロで」。

「謎解きは喫茶ポアロで」は暗闇のポアロのトイレから出てきた男性が事件を起こしています。

犯人は事前にポアロの店内の机や椅子の配置を再現し暗闇でも実行できるよう訓練していました。

マリアちゃんの暗号は地震でメチャクチャになった部屋のインテリアをきれいに配置する事で暗号が解けるようになっていました。

夜のトイレと暗闇のトイレ、店内の内装通りの配置とインテリアを元通りに配置。これが合致している。

 

夜や暗闇、そしてトイレがセットの事件が脇田を考察するヒントではないでしょうか。

そういう意味で怪しいなと感じるのが「怪盗キッドの絡繰箱」。

このエピソードの中でキッドは身長を小柄に演出していますがそれをコナンに指摘されたのがトイレ。そしてトイレを暗闇にする事でその場から姿を消しています。

このブログで何度も指摘していますが脇田は身長を誤魔化していますから脇田の身長詐称の伏線なのかもしれません。

また「姉妹バースデー事件」では容疑者となった少女が暗闇の中でなぜかトイレに行こうとしたと語っています。

この事件は犯人は利き手とは逆の手で被害者の額に「天罰」の文字を書くのですが恐らく「利き手とは逆の手」は伏線

冒頭で登場人物が利き手と逆の手で包丁を握っています。さらに油性マジックが鍵となった事件ですが世良は掌に油性マジックで渦巻きを書いていました。

これは渦巻きの書き方で利き手が分かるという84巻のエピソードを匂わせているもの。

「利き手とは逆の手」がRUM編の重要なワードという暗示だと思います。

そして脇田は利き手が不明の人物です。

▼記事はこちら

「姉妹バースデー事件」が脇田の人物像を紐解く役割を果たしている事件なら本来脇田は左利きなのかもしれませんね。

あと深読みかもしれませんが登場人物の誕生日が2月16日なのが気になりました。

この2倍の数字が432、FILE432は作中の重要なキーワードである「銀の弾丸(シルバー・ブレット)」が初めて大々的に取り上げられています。

脇田の素顔が銀の弾丸という伏線なのでしょうか。

ただ「姉妹バースデー事件」はうろ覚えですが登場人物は実在の方がモデルになっていたと思います。

本当にその方の誕生日というだけで数字には何も意味がない可能性は十分あり得ますね(笑)。

 

◆「バードちゃんのお世話」は「牧場監禁事件」

「バードちゃんのお世話」に該当するのは「牧場監禁事件」。

この事件は「バードちゃん」の暗号を強く意識して作られたものとなっています。

以下、マリアちゃんの暗号を「バード」、「牧場監禁事件」を「牧場」とします。

◆お世話

「バード」で少年探偵団が鳥のおもちゃの世話をする

「牧場」ではお世話をする為のニワトリを見つけられず

◆何もない…

「バード」は矢印をたどると何もないシャワー室

「牧場」は矢印をたどるとニワトリのいない養鶏場

◆地下室で眠る人物

「バード」は地下室で眠り続けるマリアちゃんを発見

「牧場」では地下室でベッドで眠るように亡くなっていた男性の遺体を発見

◆光

「バード」では光の屈折がキーワード

「牧場」では部屋を照らす明かりとブラックライトの2つの光を生み出す

 

全体的にマリアちゃんの暗号を意識しているのは間違いないでしょう。

先述のように「バードちゃん」を黒田としたのは消去法に過ぎません。

ただ「牧場監禁事件」の白髪に白いひげを蓄えた犯人が実は変装していてその正体は黒髪の男性だったというのは黒田の外見が黒髪から白髪に突然変貌した話を思い起こさせます。

ちなみに容疑者の中でこの男性だけ懐中電灯の持ち方が警察官のものではなかったので黒田の素顔は公安ではないという伏線になっている可能性が高いと考えています。

私が「バードちゃんのお世話」を黒田と断言できないのは「牧場監禁事件」と黒田の共通点をさほど見出せないというのが大きいです。

 

暗号はそれぞれ該当する人物と事件を照合する事でその人物の正体に迫れるようになっているのかと思います。

 

例えば推測通り整理整頓が烏丸ならぐちゃぐちゃになっている場所を整理整頓する事件が烏丸に繋がるヒントになるとか、夜のトイレが脇田なら暗闇とトイレがセットで発生した事件に脇田の正体を紐解くヒントがあるとかそういった具合ですね。

暗号の矢印にも意味があるのならこれは羽田事件の現場への到着の順番なのでしょうか。

 

■若狭は事件当日クローゼットで眠っていた?

若狭は地下と結びついていると考えられる人物です。

他にも若狭は眠りというワードが伏線となっています。

そしてもう1つ若狭を語る上で重要と考えられるキーワードが「気絶」です。

ここで若狭と「眠り」、「気絶」について振り返りましょう。

 

◆若狭と「眠り」「気絶」の伏線

登場前

●留海という犯人が被害者を睡眠薬で眠らせて犯行に及ぶ(ガールズバンド事件)

●和香、留海という女性が登場する事件で和香は妙なところで眠る癖があるという設定。

この事件では蘭が気絶(眠らされたとも取れる描写)している(バスルーム事件)

 

初登場

【眠り】

強盗犯のボスの遺体が10年間そのままだったのは眠り続けていたと取れる描写

【気絶】

1つ前のアガサ博士が気絶させられていたエピソードが語られる

白鳥警部が犯人から襲撃され気絶

若狭が犯人3人をまとめて気絶させる

 

2度目のメイン回

【眠り】

元太が若狭の家で疲れて眠ってしまう

【気絶】

犯人が自分は被害者で何者かに気絶させられていたと主張

最後は犯人が若狭から攻撃され気絶

 

3度目のメイン回

【眠り】

被害者がテントの中で眠る

黒田が「自分はウトウトしていた」と発言

若狭はこの事を(あなたは)「寝てしまった」と発言

【気絶】

犯人に捕らえられた歩美ちゃんがショックで気絶

 

4度目のメイン回

【眠り】

犯人が女性に睡眠薬入りのワインを飲ませクローゼットに閉じ込める

※この回は気絶の描写は無し

 

5度目のメイン回

【眠り】

歩美ちゃんが眠らされる

被害者が自殺後発見した弟によってベッドに眠るように寝かされる

【気絶】

風見が不意を衝かれ気絶させられる

安室が若狭の攻撃で気絶させられる

 

「眠り」と「気絶」が若狭の過去を紐解くキーワードになっているはずです。 

ここで私が導き出した1つの答えが17年前の羽田の事件当日、若狭はクローゼット眠らされていたのではないかというものです。

 

なぜクローゼットなのか。

若狭のメイン回である「山菜採り」では女性がクローゼットの中で眠らされていました。

更に和香、留海が登場した「蘭も倒れたバスルーム」では被害者の和香は過去にクローゼットの中で眠ってしまった事が語られています。

この事件は登場人物の名前が後に登場する若狭留美の名前をあからさまに彷彿とさせるものであり尚且つ遺体が片目を閉じている、片目の視力に問題のある犯人、マスカラの単語の登場など羽田事件の伏線になっている事件のはず。

ここでクローゼットで眠った過去のある被害者の登場。

若狭はクローゼットと関わりがある人物なのかもしれない。

そう考えて作品を読み直すとヒントになりそうなものを発見しました。それが「堆黒盆」。

この事件も遺体が片目を閉じていたり、犯人が被害者を一撃で仕留められなかった事、容疑者3人の容姿がRUM候補3人と重なる事等羽田の事件を匂わせています。

「堆黒盆」で犯人は被害者を攻撃した後、一度和箪笥の中に身を潜め、人が去ってから再び攻撃し被害者を絶命させています。

これは羽田事件当日クローゼットに身を潜めていた人物がいたという伏線かもしれません。

 

若狭を取り巻く「眠り」「気絶」「クローゼット」の単語から彼女は羽田事件の当日眠らされた、あるいは気絶させられた後クローゼットに閉じ込められていたのではないでしょうか。

 

ここで冒頭に記載した「警察学校編」に視点を移します。

この物語の1話目でスコッチことヒロ(諸伏景光)は両親が殺害された際クローゼットの中にいた事が判明。

「若狭は事件当日クローゼットの中で眠らされていたか気絶させられていた」

私の考察が正しければヒロもクローゼットの中で眠っていた、あるいはそれに近い描写があるのではないか。

そこでこの記事の仕上げは真相が明かされるヒロ編を読み終えてからにしようと思いました。

そしてヒロ編で彼は事件当日クローゼットの中で眠っていたという過去が明かされました。

これに関しては読み通りだったので若狭が事件当日クローゼットの中で眠っていた可能性は私の中で高まった感じです。

 

こじつけっぽい話を付け加えると若狭の羽田の回想も気になる点。

まず「遠見の角に好手ありってね」の羽田は角の駒を右手に正面を見ています。

この駒は現在若狭が所有していること、若狭の回想で正面を見ている事から羽田が若狭に向けて語っていると考えられます。

ですが次の「それでも僕を殺すと言うんですか?」は若狭の方を向いていないとも受け取れる描写。

またこの2つの羽田の台詞は前者と後者で敬語のありなしという差があります。

これは前者の話の相手は若狭だが後者は羽田と別の人物の会話という伏線かも。

彼女は事件当日クローゼットで身動きが取れない状態(眠らされており意識が不鮮明等)の中で羽田とある人物の会話を目撃していたのかもしれない。

後者の敬語の羽田の角度が少々ローアングルなのは若狭がクローゼットの中から羽田を見上げる形になっていたからかもしれません。

 

若狭は羽田に何かしらの特別な感情を持っていたはず。

羽田の「私を殺すと言うのか」という問いかけは若狭本人に向けてではなかったとすると納得できるものがあります。

彼女は事件当日クローゼットの中で羽田とRUMの会話を聞いていたのかも。

 

「牧場監禁事件」で不意打ちとは言え若狭が安室を攻撃し意識を失わせた描写は当初若狭の身体能力の高さと意地でも駒を取り戻したいという彼女の意思を誇張する作者の狙いがあったと考えていましたがそうではない。

作者は若狭と「気絶」のワードを繋げるために安室を気絶させたわけです

彼は損な役回りを与えられてしまいましたね(笑)。

一方少々気になるのが「眠り」と「気絶」を同時に描いている事です。

若狭が当日気絶させられそのまま意識を失ったのなら気絶する人物を描くだけで十分な気がします。

事件当日気絶した人物と眠っていた人物両方が存在していたという考え方も出来るかもしれません。 

考察通り若狭が事件当日気絶させられていた、眠らされていたのなら羽田事件の実行犯という可能性は無くなります。ただしアマンダを殺害した後気絶させられたという事は考えられます。

作者は17年前の事件はRUMの犯行ではないと解釈が可能な発言をしているので実行犯が若狭以外だから若狭≠RUMとは断言できない。

考察通り事件当日眠らされていたとしても若狭のRUM説否定の根拠としては弱いと感じます。

■黒田と脇田は「バードちゃん」のボディガードだったのか

私が考えている考察の1つに黒田と脇田は事件当日同じ任務に就いていたのではないかというのがあります。

「バードちゃんのお世話」の暗号が黒田を表しているものだとします。

 

コナン達がRUMの名前にたどり着いた「17年前と同じ現場」では「体格のいい2人のボディガード」のワードが登場します。

そして49巻には「自衛隊上がりの2人の巨漢のボディガード」というワードが登場。

48巻~49巻で組織は選挙に出馬する人物の暗殺を計画していましたが作者が途中で話のミスに気付き標的となる人物を変更しています。

当初組織に狙われるはずだった人物は資産家の御曹司で人気俳優の男性でした。

これは大金持ちの御曹司で将棋の棋士として有名人だった羽田と重なります。

組織から命を狙われた理由がイマイチ判然としないのも共通しています。

この事件は羽田事件を紐解くヒントになっている可能性がありそう。

 

この2つの事件に登場する「大柄な2人のボディガード」は伏線ではないかと思います。

黒田は大男とされているのでこれに合致。

また「バードちゃん」の暗号を解いた場所がトイレ=W.Cである事にも注目。

「バードちゃんのお世話」の暗号は黒田と脇田の2人を暗示していそう。

脇田は身長を低く偽っていますからメタボ体系も変装という事は十分あるはず。

彼は黒田同様本来は体格のいい人物の可能性はそれなりに濃厚です。

 

羽田の事件当日、黒田も脇田も「バードちゃん」のボディガード(お世話係)の役目を担っていたのかなと思います。

そしてこの暗号は「バードちゃん」をどう解釈するかが考察する上で重要ではないでしょうか。

1つは「バードちゃん」を烏丸とする考え。もう1つは羽田とする考え。

 

▼「バードちゃん」=烏丸の場合

「バードちゃんのお世話」の暗号に当てはまる人物が黒田と脇田で「バードちゃん」が烏丸なら烏丸をお世話する立場の黒田と脇田はどちらかがRUM、どちらかがRUMの影武者等が考えられそう。

 

▼「バードちゃん」=羽田の場合

羽田の名前、そしてダイイングメッセージに使用された手鏡のまつげが天使の翼のように描かれてるのは羽田=「バードちゃん」の示唆なのかもしれません。

この場合黒田と脇田は事件当日羽田のボディーガード等を務め彼の身の回りの世話を行っていたのかも。

羽田は大変裕福な家柄なのでアマンダが浅香を帯同させていた様に彼にも似たような存在がいた。その人物こそ黒田と脇田かもしれません。

 

また2人のお世話係の伏線を密かに暗示していそうな事件がやはり「堆黒盆」。

この事件の被害者の家には家政婦が2人雇われていますが沖矢とアガサ博士の台詞によってなぜかこの2人の家政婦の存在が強調されているんですよね。

やはり事件当日お世話係なるものを任されていた人物が2人いそうです。

もちろんアマンダのボディガードの浅香を含めて2人いたという考え方も可能かと思います。

 

RUM候補3人のうち2人は体格が良い人物で「バードちゃん」のお世話をしていた。

この線で行くと若狭は身体能力こそ秀でていますが体格がいいとは言えません。

黒田と脇田は「バードちゃんのお世話」をしていて若狭はアマンダのボディガード、つまり浅香なのかなと。

3人とも事件当日ボディガード等身の回りの世話をする任務に就いていたというのが現時点の推測です。

当たっていればRUM候補3人は顔見知りの間柄という事になります。

灰原の口からRUMのヒントが義眼である事が語られた事件では組織内で噂されていたRUMの容姿に合致する3人の容疑者が登場します。

被害者を含めこの3人は知り合いだったという事件ですがこれは羽田、そしてRUM候補を含めた4人はある程度互いを知っている間柄という伏線かも。

 

■黒田と脇田は同一人物なのか

私は黒田は2人存在しそのうちの1人が脇田、つまり黒田と脇田は同一人物ではないかという記事を複数UPしています。

本当に「バードちゃんのお世話」の暗号に該当する人物が黒田と脇田の2人を示唆しているのならやはりこの2人は同一人物なのかもしれません。

先述の「牧場監禁事件」には黒田を意識したキャラクターが登場していますが同時にメタボ体系で両利き、元ボクサーというキャラクターにも注目。

脇田は変装かもしれませんが現在メタボ体系、両利きの伏線が張られている人物です。また彼のモデルとされているのがボクシング漫画「あしたのジョー」の丹下段平である事を踏まえるとこのキャラクターは脇田を意識して作られているはず。

黒田と脇田を意識したキャラクターが2人同時に登場しているのは興味深い点です。

またRUM候補3人の容姿を意識したキャラクターが登場する事件と言えば「裏切りのステージ」と「堆黒盆」。

この2つの事件にも黒田と脇田は同一人物と考えられる細かな伏線が張られています。

まず「裏切りのステージ」。この事件で黒田に該当するキャラクターが布施という人物。そして「堆黒盆」で黒田に該当するのが遠島です。

黒田を模した布施と遠島の2人はある共通点があります。

布施「私は今朝からお腹を壊し気味でここのトイレに籠っていただけだと…」

遠島「一度トイレに行ったら家が広くて迷ってしまい…」

事件当時のアリバイがトイレに行っていたという事なんです。

ここで記している通りトイレは脇田を暗示しているワード。

多くの読者が黒田と脇田は敵対する関係と考察していますが作者は黒田と脇田をセットで描いているんです。

脇田の身長詐称は大柄な黒田としても生活している事を隠す為とするとしっくりきます。

RUM編で長身かつ重要キャラと言えば黒田か伊織くらいです。

 

また脇田のメイン回では登場人物がペアで行動する、ペアを完成させるゲームであるババ抜きがエピソードに取り入れられる等ペアというワードが立て続けに登場。

脇田を暗示するワードがペアである事は間違いありません。

脇田は黒田と2人1組のペアで黒田兵衛を演じているというヒントではないかと考えています。

少なくとも黒田と脇田は敵であっても連絡が取りあえる等近しい間柄なのだと思います。

 

また先述の脇田の利き手に話を戻しますが彼が左手をよく使う人物なのは間違いありません。

本当に利き手が左なら脇田はそれを隠している事になります。

彼の正体が慎重な性格のRUMであってもコナン達の前で利き手を隠す理由が分かりません。彼は初登場時、眼帯を外そうとした。つまり脇田=RUMなら小五郎達がRUMである自分にどのように反応するかを確認しているんですよね。

その大胆不敵な行動を取る人物が利き手を偽るというのが釈然としません。

慎重派なら利き手を隠すより隻眼の話題を避けたがるはずなので。

ですが何らかの事情により脇田が黒田の役割を兼任しているのなら本来左利きの脇田が右利きの黒田の役を演じているうちに右利きが移った等の説明ができます。

実際に脇田は初登場眼帯が右にあると勘違いをしています。

これも彼が右目が塞がった黒田を演じている伏線とすれば納得できるんです。

 

私は脇田はRUMではなくRUMの影武者と考えています。 

若狭は体に無数の傷跡がありますが傷跡は左半身に集中しているので攻撃したのは右利きの人物。彼女を負傷させたのがRUMならRUMは右利きの人物でしょう。

RUMは隻眼で右利き。RUMの影武者として暗躍している脇田はRUMに成り済ます為に右利きを演じているのではないでしょうか。黒田=RUMかどうかはさておき脇田の利き手の作画があやふやなのは右利きの別人として二重生活を送っているから。この可能性はありそうだなと思います。

身長を低く演出している事、右目が塞がっていると勘違いした事、ペアの伏線、黒田を模した人物とトイレの結び付き、不明瞭な利き手…。

どれも脇田の正体は黒田とするとピタリとピースが当てはまる感じです。

 

■警察学校編に伏線か

警察学校編で明かされたヒロの過去は若狭の歩んできた道とリンクしているのかもしれません。

この項目ではヒロの過去から若狭、及びRUM編を深読みしたいと思います。

私が過去を語ろうとするヒロに関して妙な印象を受けたのは事件現場の様子を「鉄の匂いが立ち籠める」と繰り返し表現した事。

これについては萩原が一体何の事かと尋ね、降谷は「鉄の匂い」とは「血の匂い」である事をヒロに代わり詳しく説明しています。

ここはストレートに「血の匂い」でよかったと思います。

「鉄の匂い」が犯人は外守でなく金物屋の人物というミスリードならバイク店の店員も疑われる流れを作るべきですがそれはありませんでした。

犯人のヒントはタトゥのある人物。外守という名前を分解するとタトウになりますし作中の刺青のルビはタトゥーでなくタトウー。犯人のフルネームを外守一としたのもタトウーに合わせているからでしょう。

つまり外守の名前そのものが彼が犯人だという伏線となっているので今更ミスリードの必要が無いんです。

ここで若狭と「血の匂い」についての深読み。

彼女は「山菜採り」で血の匂いから羽田の遺体を回想しています。

ですが「血の匂い」と似ている「鉄の匂い」と若狭が結び付いている可能性も。

若狭は体中に刃物が原因と考えられる傷跡がいくつも確認できます。

つまり彼女は刃物の匂いである「鉄の匂い」を知っている人物。そして若狭を負傷させたのはRUMである可能性が高そうです。

以前記事にしましたがRM編は日本刀が伏線になっていると思います。

ヒロがクローゼットの中で血の匂いを鉄の匂いと感じたのなら若狭も閉じ込められていたクローゼットの中で羽田の血の匂いとRUMの所有する刃物の匂いを重ねていたのかもしれません。

▼RUM編と日本刀の関連性はこちら

また気になっているのがヒロの幼馴染で彼の両親の事件のきっかけになった少女の名前が有里である事。

ボスの正体が判明した次のエピソード「迷宮カクテル」は過去にも記しましたがRUM編の伏線になっている可能性が高いと考えています。

この事件は父親の有里という娘への愛情の深さが事件に繋がってしまいました。

ヒロの事件も有里という娘を持つ父親の愛情の強さが事件を招いています。

同じ名前にした事に何か意味があるかもしれません。

 

作者はヒロの事件は本編には繋がらないと明言しています。

ヒロ編と若狭の繋がりに関しては考察というよりも深読みといった感じですがヒロがクローゼットの中で眠っていた事に関しては予想通り。

ヒロ編にはRUM編を紐解く意外なヒントが散りばめられているのかもしれません。

登場人物がやたらウィンクしているのも私としては少々気になりました。

 

 

マリアちゃんの暗号が収録されているのは95巻ですがそれ以前もそれ以降もこの暗号を解読するヒントとなる事件が発生しているというのが私の考えです。

以前少し記事で触れましたがマリアちゃんの暗号を意識した事件は最近も起こっています。

つまり今後も暗号を意識した事件は発生しそう。

 

今のところ暗号はここに記した解読方法で合っているのかなとは思いますがまだまだ羽田事件の全貌を明らかにするには程遠い感じですね。

恐らくここに記した事件以外にも暗号に該当する事件はあるでしょうし何か気づき次第加筆していく予定です。

マリアちゃんの暗号についてはもっと考察するべきとも感じますし同時に暗号をベースにした事件が今後も続くなら事件内容と暗号の接点を丁寧に拾い上げるという地道な作業を繰り返す事でRUM候補3人の正体や彼らの事件当日の行動などが明るみになる仕組みなのかもしれません。

 

マリアちゃんの暗号については他にも記載したいのですが長くなるのでまたPart2といった感じで記事にしようと思っています。