黒田と伊織は元麻薬取締官か

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『京都の甘い誘惑』

【2022年14号、15号、16号掲載】

今回のエピソードで黒田兵衛と伊織無我がかつて上司と部下の関係にあった事、2人がある程度長い付き合いである事などが発覚。情報盛りだくさんの事件でした。

※記事の最後に加筆しています。2022年5月22日

 

◆黒田と伊織は麻薬取締官か◆

黒田「点検するその癖…まだ抜けてないのか?」
伊織「…今でも言うんですね?尾行がいないか確認する事を「点検する」と…」
黒田「ああ…未だに尾行をまく事も「消毒する」と言ってるよ…」
コナン(点検と消毒…公安か?)

黒田と伊織が公安とういのはミスリードですね。
会話をよく読むと分かります。
2人とも同じ隠語を用いていますから同じ職業で両者は上司と部下の関係のようです。

ですが2人の会話から伊織が「点検」する仕事に就いていたのは過去ということが分かります。
そして「今でも」「未だに」から黒田もこの隠語を用いた仕事は伊織同様既に辞めているという事。
コナンの推測通り2人が公安関係者ならこの会話を成立させるためには黒田は元公安というのが条件となります。ですが黒田は現在公安の可能性大。

 

念のためそもそも黒田は公安なのかという事も記載します。

注目すべきは『標的は警視庁交通部』。
黒田は警察が持つ情報を安室に渡しています。
これは安室が警察官「降谷零」である事を知っているからです。
また彼はポアロに勤めている事を知った上で情報を渡したと考えられるので喫茶店員「安室透」を知っている。
さらにエピソードの最後に「バーボン」と呼んだ事から組織の一員として活動している事も知っている。
黒田は安室が持つ3つの顔を全て把握している警察官ですからここから黒田の正体は公安と考えられます。

安室が黒田の登場前に公安の上司の存在を口にしていましたがミスリードさえなければそれが黒田のはずです。
やはり黒田の正体は安室の上司の公安と考えるのが妥当です。


ここで改めて黒田と伊織の会話を振り返ります。
2人はかつて同じ仕事についていました。
ですが説明した通り元公安同士の会話とすると黒田は現在公安なので整合性が取れません。
そして会話には「偽名」「潜入先」というキーワードも登場。
よって2人の前職は潜入し偽名を使う、尾行される危険性がある、公安と同じ隠語を使うが公安ではない仕事という事になります。

 

では黒田と伊織の前職は一体何だったのでしょうか。

その仕事とは恐らく麻薬取締官
私はかつて黒田と伊織が麻薬取締官なのではないかという記事を書きました。
以前から作中で麻薬取締官の活躍が示唆されていた事や黒田と伊織のあらゆる伏線を総括した結果です。
以下の記事では脇田兼則の正体が麻薬取締官となっていますが私は黒田は2人いてその内の1人を脇田が演じていると考えています。
つまり脇田兼則=元麻薬取締官とも言えます。

今回の事件はキャンディが大きく取り上げられていました。
黒田がアメ玉は賄賂と発言したりキャンディーが床に散らばったり。
キャンディは麻薬を表す言葉です。2人の前職が公安というのはミスリードで実は麻薬取締官という伏線だと思います。
もしこの考察が的中しているのなら同時掲載の『ゼロの日常』で麻薬取締官についての描写があるのではないかと思い、読んだところ内容が安室と風見が薬物の取引現場の証拠を押さえるというものだったのでもうビンゴという感じ(笑)。

黒田と伊織が麻薬取締官だったという以前の考察は当たってたっぽいですね。
実は最近それらしい伏線が見当たらなかったのでこの考察はほぼ没にしていたんですがここにきて再浮上するとは私も驚きです。
黒田は何らかの理由で麻薬取締官から公安(おそらくトップ)となったようです。
その経緯も今後明かされていくでしょう。

 

黒田は以前は警察官ではなかった。しかも現在30歳の伊織と過去に仕事をしていたとなると麻薬取締官から警察官に転職したのはここ数年。
彼は『燃えるテントの怪』で強行犯係か火災犯かどちらを呼ぶか迷っていたので警察としての経験の浅さについては伏線が張られていましたがそれが回収された形です。

『牧場監禁事件』でも黒田が警察官である事を否定するような伏線が張られていました。

伊織「その打ち合わせには私なぞよりも数段頼りになるお方に…ご参加頂いておりますので…」

伊織の黒田への信頼は絶大です。それは黒田も同様かもしれません。
黒田には10年眠り続けていたという設定があり、長野県警の人間はこれを信じていますが伊織には真相を打ち明けている可能性があるので。
気になるのは「10年間眠り続けていた黒田兵衛」。
これが意味のない嘘なはずはありません。
そもそも黒田は10年前は警察に身を置いていない事は確実なので自分が警察ではなかった頃の話を意味なくでっちあげる必要性がありませんからね。
入院中に黒田の外見が大きく変貌した事は明らかになっていますから本物の黒田兵衛とすり替わったというのがシンプルな考え方とは思いますが未だに謎が多いですね。

 

伊織にとって黒田は尊敬する上司だったのでしょうが、なぜ2人とも麻薬取締官を辞める事になったのか。そして伊織はなぜ大岡家に仕える事になったのか。

「この伊織…死力を尽くしてお支えする所存でございます!」 『謎解きは喫茶ポアロで』 93巻

伊織は紅葉への忠誠心を見せていましたが今回の事件で黒田も大岡家を大事にしている事が分かりました。
伊織は黒田と付き合いが長く信頼している為黒田の命で大岡家に仕える道を選んだのかもしれません。

ですが2人が大岡家を大切に扱う理由は不明です。
大岡家は羽田家と交流があります。羽田浩司の事件解決の為、あるいは羽田が大変裕福な家の御曹司であることが組織に狙われた理由とすると大岡家が組織のターゲットとなっても不思議ではありませんからそれを防ぐためとか。その場合はこの2人以外にも大岡家を守る存在がいるのが普通と思いますが。
そして麻薬取締官といえば薬物、薬物といえばAPTX4869。

黒田は麻薬取締官として活動していた時点で組織が奇妙な薬品を作っている事に気付いていたかもしれません。その薬品と羽田の不審死に接点を見出し17年前の事件を追っていた可能性もあります。

彼はコナンの推理力を警察以上と判断しているので若返りに気付いているはずですが伊織もコナンの若返りを知っているのでしょうか。『紅葉からの挑戦状』で伊織は推理している最中のコナンの表情に注目していたので若返りに気付いているのかもと考えていますがまだ判断材料に乏しいですね。


伊織が善か悪か気になるところですが彼が悪人という可能性は現時点では低いと思っています。
『紅葉からの挑戦状』の中で平次から正体を問われた伊織は次のように答えています。

「まぁそれは…いずれ…」

彼はいつか平次に自分の正体を明らかにするつもりでいる。伊織が悪なら自分の素性について明かそうとはしないでしょう。悪人という線は無さそうです。

伊織の正体が元公安なら公安と繋がりのない平次に正体を明かす理由が判然としません。

ですが元麻薬取締官なら事情は異なります。

かつて平次は麻薬取締官といざこざを繰り広げた事がありますから。

伊織の「いずれ…」は「あなたと揉めた麻薬取締官は私のかつての仕事仲間です」なら納得。
無我という名前も安室透の透同様「ゼロ」を連想させますから彼の名前が潜入捜査官だったという伏線になっていたのかもしれません。
現在は大岡家の執事ですが作品の複雑さを考えると今も偽名という可能性も捨てきれないのでは。

何より重要なのは工藤新一生存の情報です。
伊織と紅葉は新一が生きている事もコナンと新一が繋がっている事も把握済み。
この情報は既に黒田にもたらされている可能性は十分あり得ます。
今回の記事では既にコナンの正体に辿り着いている可能性についても後述しています。

黒田の大岡家への挨拶は「京都に来る用」のついでなので本命は伊織との接触ではないでしょうか。
今後、より一層伊織の存在感が増していく事でしょう。

 

◆あの事件を密かに解決したのは黒田か◆

コナンの作中にはある謎がありました。
黒田が伊織が繋がっていた事が判明した今、その謎が解けたかもしれません。

その謎とは伊織初登場となった『謎解きは喫茶ポアロで』。
事件の最中、ポアロにいた伊織は別の場所にいた紅葉とずっと電話をしていました。
ですが伊織と電話で繋がっていたのは紅葉だけではありません。
紅葉が携帯越しにある音を拾いそれが事件解決に繋がりましたが紅葉は「自分は推理をしていない」「自分のヒントで事件が解決できた」と語っている事から事件を解決したのは紅葉ではありません。では伊織が解決したかというとそうではありません。

伊織は平次たちが事件を解決できるよう百人一首を詠みました。
ですが紅葉はヒントとなる音について伊織に伝えていない事が明らかになっているので音の情報を入手していない伊織にも事件は解けません。
つまりこの事件は紅葉が音を拾い、彼女が音の情報を伊織以外のある人物に伝えこの人物が事件を解決。その後伊織に事件の真相を伝えているんです。だから彼は百人一首を詠む直前まで事件を解決した電話の相手の発言内容に耳を傾けているんですね。


この事件を解決した人物が謎だったんですが伊織と紅葉が黒田と繋がっている事が判明した今となっては黒田が伊織の電話の相手であり紅葉からのヒントで事件を解決した可能性がかなり高くなります。
伊織は初登場の際ホームズの助手であるワトソンの和名を名乗っていました。
ここからコナンは伊織のバックにホームズのような存在がいるのではと考えています。
つまり伊織はホームズのような優秀な人物の助手のポジションが伏線と考えられるキャラクター。
今回のエピソードで黒田と伊織が元上司と部下である事、伊織の黒田への信頼が明るみになった事を踏まえるとホームズ=黒田、ワトソン=伊織となりそう。
事件を解決した人物をホームズと評するのはずいぶん大げさな表現だなと読んだ当初は違和感を覚えましたが相手が黒田であれば納得です。

また『紅葉からの挑戦状』は紅葉の一言で暗号が解読できた事、コナン達が暗号を解読できる事を想定して車が用意されていた事、暗号が解けなかった場合どうするつもりだったのかという問いに紅葉が意味深な沈黙をした事を考えるとこの暗号は既に黒田が解読しており紅葉は答えを知っていたと考える事ができます。
解読したのが伊織という可能性も残りますが現時点では黒田が濃厚でしょうか。
大岡家に暗号解読が依頼されるという展開が謎でしたが大岡家が黒田と親交がある事を考えると極めて自然な流れですね。

 

話をポアロの事件に戻しますが伊織の電話の相手が本当に黒田であるならコナンはピンチかもしれません。
というのも伊織は事件を解決へ導く為随時電話で現場の情報を拾っていました。
もちろん伊織の電話を通してコナンと平次の次の会話も黒田に筒抜けです。

伊織「私は和田進一…医療関係者です…」
平次「何や…お前と同じ名前やんけ…」
榎本梓「え?コナン君って…名前、コナンじゃないの!?」

この会話はコナンの正体が工藤新一である事に黒田が辿り着けるヒントになりそう。
コナンは赤井秀一にさえ正体を明かしていません。黒田が正義か悪かに関係なく江戸川コナン=工藤新一に辿り着いてしまうのはコナンとしては大ピンチです。
この事件の中でコナンの眼鏡の右側のレンズにかなり返り血が付着している演出を不思議に思っていたんですが黒田の存在の暗示とすると合点がいきます。

今振り返るとこの事件はすごい伏線になっていたんですね。

そういえばポアロの事件も今回の事件もどちらも舞台と愛人がキーワード。

犯行の動機も含めて伏線の可能性があるので丁寧に読み返したいものです。

 

考察通り伊織が黒田の助手というポジションなら黒田から獲得している信頼度は安室より伊織の方が上なのかもしれません。伊織が黒田からボスの正体まで明かされている可能性も考えていいのではないでしょうか。

そしてホームズと言えばコナンにとって最大のヒーロー。

黒田=ホームズのポジションの考察が的中しているのなら黒田は組織と戦う上でコナン、公安、FBIらを率いる最強の味方と捉える事ができます。

 

また私は以前若狭留美の正体が浅香というのが腑に落ちないという内容を少し記事にしましたが今回の事件で浅香は若狭でなく黒田なのかなという考えが強くなりました。

黒田=浅香の考察についてはまた別に記事にします。

 

◆「金髪の彼」は安室ではない可能性◆

黒田「そういえば奴と会ったらしいな…」
伊織「ああ…金髪の彼…お嬢様の用も兼ねてポアロという店で…」「過去の柵を引きずっているようですが…悪くないかと…」

一見「金髪の彼」とは安室であり黒田が安室の調査を伊織に依頼したように思えますが金髪の彼=安室はミスリードではないでしょうか。
安室がポアロに勤務している事を黒田は知っています。その黒田に対し安室とはポアロという店」で会ったという表現は違和感があります。
また私の考察通り『謎解きは喫茶ポアロで』の事件を解決したのが本当に黒田なら黒田は伊織の携帯を通して伊織と安室がポアロで顔を合わせた事を把握しているはずですから「会ったらしいな」という言い回しがおかしいんですよね。

ここでは「金髪の男性」が安室以外である可能性を考えてみます。

 

実は作中で髪の色が明かされている人物なんてそうはいません。
ですが珍しく明確に金髪と分かっている男性がいます。
それが『コナンと平次 恋の暗号』83巻に登場する麻薬取締官の男性です。

先述した平次といざこざのあった男性ですね。

ただしこの男性は典型的なモブキャラといった風貌なので今後の重要人物という可能性は無いでしょう(笑)。変装術があれば話は別ですが。
そうなると今後登場する新キャラクターかもしれません。
麻薬取締官の活躍の伏線は早くから張られていました。黒田と伊織の2人だけでは勢力として物足りないかもしれません。
金髪は職務上外見を派手にすることが求められる麻薬取締官という伏線として機能している可能性も。

また少し気になるのが『偽優作のTVで推理ショー』100巻のベルモットの発言です。

「ラムに頼まれてヤボ用を済ませていたのよ…」「今後、組織の脅威になりそうな人物が…なぜか日本に留まっていたから…」

作中では組織の脅威になりそうな人物は工藤夫妻のように演出していますが私はこれはミスリードで彼女は全く別の人物について語っていると考えています。

「なぜか日本に留まっていた」のはこの人物の活動拠点は本来外国という伏線だと思います。もちろん金髪の外国人男性の可能性があるわけです。

ラムが目をつけているというこの人物が伊織が会っていた金髪の男性とすると展開としては面白いですが。

もちろん私が黒田と伊織の会話を深読みしすぎているだけで「金髪の彼」は安室の可能性も有り得ますが。

ですが2人の会話から剣呑な印象は受けませんから仮に「金髪の彼」が安室だとしても安室がピンチという事はない気がします。

 

◆黒田は既にコナンの正体を知っているのか◆

今回気になった点は黒田がコナンにほぼ関心を示さなかった事。
これまで黒田は警察よりもコナンの能力を信用し現場でコナンを自由に動かしたり事件解決の為に安室を通してコナンに情報を流したりしていましたが今回はそれが見られません。
ここで考えられる可能性の1つが既に黒田がコナンの正体に辿り着いているという事。

伊織に「私なぞよりも数段頼りになる」と言わせておきながら今回の黒田は推理をコナンと平次に任せっきり。
これは黒田は既にコナンの正体に気付いており新一と平次が力を合わせれば確実に事件を解決できるという思いからかもしれません。

ここでRUM候補の1人、若狭留美の存在を取り上げます。
彼女は初登場時からコナンの正体を疑っておりコナンが推理できるよう助言をしていましたが工藤新一目撃情報の拡散と同時にコナンが小学校を休んだことでコナン=新一の方程式が確信に変わると推理のアシストを止めています。

コナンの推理の手助けをしていた人間が突然それを止めるのはコナンの正体に辿り着いたからという可能性は十分あり得ます。

黒田のコナンへの関心の低さは正体に辿り着いた事の暗示という解釈は出来るかもしれません。

ポアロの事件の際平次との会話が黒田に筒抜けだった可能性がある事、コナンと新一の関わりを知る伊織と紅葉と繋がっている事など黒田にはコナン=新一に辿り着けるパーツはかなり揃っていると考えられるので。

 

◆この黒田は脇田なのか◆

私は以前から黒田は2人いる、そしてその内の1人がRUM、もう1人は脇田の変装で脇田はRUMの影武者であり正義の立場と考え記事にしてきました。
100巻でRUMの正体はいろは寿司の脇田兼則と取れるような描写がありますがこれはミスリードとしか考えていません。
私の中では黒田がRUMのままです。

では今回登場した黒田はRUMなのか脇田が演じる黒田なのか。
伏線から見ると脇田演じる黒田の可能性が高いと思います。

登場人物から「舞台が大当たりした」「この舞台は絶対に当たる!!」という台詞がありましたが以前記事にした通り脇田が登場する時は「馬券」「クジ」「食中毒」など「当たり」がセットです。この事からこの黒田は脇田の可能性があります。

またコナンの左目がベンツのエンブレムで隠されていますがこれも左目が眼帯の脇田を彷彿とさせます。
作者はわざわざ意味なく片目を隠したりしないはずなのでこのような描写は伏線と取るべき。

加えて私が気になったのは黒田の嗅覚に纏わるシーン。
黒田が被害者の口臭から食べたものを当てたり動物の匂いに気付いたりと彼の嗅覚がかなり優れている描写が見られました。
実は私は過去の事件から脇田は「感覚」に優れているのではないかと考察していたんです。
この考察は的中しているか分かりませんが「感覚」が伏線なら今回登場した嗅覚の優れた黒田は脇田演じる黒田なのかな、と。
ただ「感覚」についてはまだ確信が持てないのでもう少し材料が集まった時に記事にしたいと思います。


◆ついに羽田家が動くのか◆

エピソードの最後に運転手付きのクラシックカーに乗った髭を蓄えたなんとも不気味な老人が登場します。
この老人は警察を「愚鈍な輩」と評した事や鷲鼻のシルエットから一瞬烏丸蓮耶ではないかと思わせる演出でしたがその可能性は低いのでは。
和服を着ているあたり羽田家の可能性が高いと思います。
裕福な生活を送っているのは大岡家も同じですが大岡家は警察官の黒田と交流がありますから警察を愚鈍と考えるこの人物の性格と一致しません。
一方羽田家は羽田浩司事件が未解決である以上警察を疎ましく思っていても不思議ではありません。
この老人は父親の羽田康晴の可能性が高そうです。
羽田家は赤井家へ金銭的な援助をしている可能性が高いので赤井家との交流についても描かれそうですし、羽田家は羽田浩司が大切にしていた将棋の駒の持ち主が犯人と考えていますがこの駒は若狭が所持しているので羽田家VS若狭の展開も有り得ます。
彼の登場により今後RUM編は大きく動くはずなので今後が更に楽しみです。

 

◆【追記】黒田を悪人として描いた作者◆

今回の事件で黒田は救助の為に窓ガラスを割って現場をガラスの破片まみれにし、綾小路警部に責められています。確かに黒田の行動は現場を保存しなければならない警察官の行動として褒められたものではありません。

ですが黒田の行動はコナンの作中では「警察官としてアウト」でなく「人としてアウト」なんですよ。

注目すべきは49巻。車中にいる女性を救出する為に恋人の男性が車のフロントガラスを割る事件が収録されています。実はこの男性は女性を殺害した犯人。

コナンが彼を犯人と見抜いたのは彼のガラスの割り方です。

「人を助けたいのであれば直感的に助けたい人物から遠くの窓を慎重に割るはず。近くの窓を派手に割れば相手にガラスの破片が飛んで大ケガをする可能性があるから」

救助の為のガラスの割り方で善人か悪人かの判断ができると作中で断言されています。

この事実を踏まえた上で今回の黒田のガラスの割り方を振り返ります。

黒田は植木鉢でガラスを殴っています。割り方は大胆かつ豪快。しかも割っているのは被害者に近い方の窓ガラス。

本来は窓ガラスの鍵の周辺を慎重に割り、解錠するのが正解。実際にこの窓ガラスは鍵が付いている事がちゃんと描写されています。

このガラスの割り方で作者は黒田は悪人とメッセージを出してるんですよね。黒田は最近まで警察官ではなかったから現場保存が正しくできなかったという伏線と考えましたがやはり作者が49巻で記した善人と悪人の見分け方を忘れているとは考えにくいと最終的に判断しました。つまりこの黒田は悪人。当初今回の黒田は脇田と綴りましたが私の考察でこの黒田(悪人)を脇田(正義)とすると自分の中で辻褄が合わなくなってしまうので記載できなかったんです。

ですが「当たり」というキーワードやコナンの左目が隠されていた演出を考えると脇田に関する伏線の事件と考えるべきだと思います。

私は脇田は変装の達人と考えているんですが伊織が脇田の変装で両者は同一人物ということがあるんでしょうか。

伊織の初登場回で脇田の話題が出たり伊織の左目が描かれなかったり(恐らく意図的)してるんですよね。少なくとも伊織と脇田は何らかの繋がりがあるのだと思います。

伊織はあまり注目していなかった存在なので考察しておこうと思います。

 

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若狭の連携相手はメアリーでなく黒田か

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今回は黒田兵衛と若狭留美が手を組んでいる可能性について綴ります。

 

前半は若狭とメアリーが連携しているというのが盛大なミスリードではないかというもの、後半は若狭の真の連携相手は黒田ではないかという記事になっています。

  【若狭はメアリーと連携しているのか】

若狭は初登場時よりコナンの幼児化を疑っていました。
一部の例を除き若返りの現象にたどり着けるのは若返りの現象を目の当たりにした人物だけというのがこの作品の基本です。
つまり若狭は何者かの若返りを知っている事になります。
その若狭の知る若返りとはメアリーであり、若狭とメアリーは協力関係にあると考えられる描写は作中に点在しています。

ですが私は若狭がメアリーと連携している可能性は作者による盛大なミスリードという事も推測しています。

まず若狭とメアリーが連携していると考えられる伏線を振り返ります。


若狭の初登場は91巻です。
この時彼女はコナンの若返りに気付いている状態でした。また発生した事件が解決するようコナンをサポートしている事から江戸川コナン=工藤新一にほぼたどり着けていたと言えます。
そして彼女はアガサ博士の発明品に全く驚いた様子を見せていない。
若狭は初登場の段階でコナンの若返りと眠りの小五郎を支えているのがアガサ博士という情報も入手していると考えられます。

 

一方メアリーはロンドン編(71巻~72巻)の時点で少女化。
それと同時に江戸川コナンの正体が工藤新一である事にもたどり着いています。
また若狭登場の少し前、90巻でコナンの変声機を用いてコナンに代わり小五郎の推理ショーを披露した事からコナンを支えているのがアガサ博士という事にも気付いています。


若狭はメアリーと連携している。
だから若狭は若返りの現象を知っているしアガサ博士の発明品にも驚いていない。
メアリーから若狭へ情報提供があったと考えるのは自然です。

ただしこの推測は以下に記載する通り矛盾も孕んでいます。

 

【若狭とメアリーの関係はミスリード?】

若狭は当初コナンの推理のアシストをしていましたが現在は行っていません。
この変化は新一の生存情報の拡散と同時にコナンが小学校を休学した事で江戸川コナン=工藤新一という真相にたどり着いた事がきっかけです。
裏を返せば若狭はこの時まではコナンを新一と確信していなかった事になります。


メアリーは少女化した時点で江戸川コナン=工藤新一と結論付けています。
若狭がメアリーと通じているのならこの情報は当然共有されるはずで若狭は初登場時からコナンの正体に確信を持っていないとおかしい訳です。


またメアリーは娘である世良を通してコナンの情報を収集しコナンが信頼に足る人物であるかを精査しています。
世良の初登場は73巻。この時から世良はコナンの周辺を嗅ぎ回っていました。
若狭とメアリーが連携しているのならメアリーは娘を動かしている中で若狭にコナンの調査を依頼した事になりますがメアリーも世良もコナンの正体にたどり着いている中、一体メアリーは何を目的に若狭を動かしているのか理由が判然としません。 

メアリー「もしもそんな薬があるのならこのボウヤに接触し…是が非でも手に入れねばなるまい…」

 メアリーは世良にコナンが持つ解毒薬を「掠め取れ」と指示しています。


彼女はコナンが解毒剤で新一に戻っている可能性にたどり着いています。
コナンと娘を接触させる理由の1つが解毒剤の入手です。
ですがこの役割はコナンと毎日のように顔を合わせかつ身体能力に非常に秀でている若狭の方が適任です。
何せ「掠め取れ」とまで言う程に欲しい訳ですから。

メアリーが世良に薬を「掠め取れ」と指示したのが98巻。

若狭は既にコナンのクラスを担当していますからメアリーは若狭がコナンのクラスの副担任となってからもコナンから距離のある世良を動かしている事になります。
若狭とメアリーが連携しているならこれは奇妙と言えるのではないでしょうか。

 

また私が気になっているのが若狭の表情です。
彼女は97巻「山菜採り」でコナンの推理ショーの舞台裏を目撃していますが驚いた様子を見せないどこか不気味な笑みを浮かべています。
この笑みは95巻でAPTX4869の投与者リストを見ている時と同じ種類の笑みではないかと思います。
95巻の笑みは江戸川コナン=工藤新一にたどり着いた笑みと言えます。
つまり97巻の笑みは推理ショーの疑いが確信に変わった表情でありそれまでは推理ショーの裏側を把握していなかった可能性がありそう。
この笑みがここでようやく推理ショーの裏側に確信が持てた、それまでは推理ショーの舞台裏を完全に把握できていなかったという伏線となっているならやはり若狭はメアリーと連携していないのではないでしょうか。

先述した通り当初若狭はコナンの正体に確信を持っていなかった事は確実なのでまあこの時点でメアリーと連携しているという考察の方が実は無理があるという気もします。

 
若狭とメアリーの連携を否定する材料になりそうなものは他にもあります。 

世良「昔から世話になってるパパの友人が金持ちなんだ!」 83巻
メアリー「お父さんの友人の羽田さん覚えてる?」 98巻

ホテルを転々としているメアリーと世良ですがその資金は羽田家からという可能性が極めて高いと言えます。
そして若狭は高層マンション暮らし。若狭は羽田浩司に何かしら思い入れがある人物です。
彼女の資金源も羽田家からという見方が可能だったわけですが羽田家は「羽田浩司事件の犯人は彼が大切にしていた将棋の駒の持ち主」と考えている事が明らかとなりました。
この駒の持ち主は若狭です。
彼女が羽田家から資金援助を受けるほど羽田家と親しいのならこのように言われないはず。
若狭の潤沢な資金源が羽田家からという可能性は低くなり、若狭と赤井家が羽田家を通して交流があるという見方も難しくなりました。

 

そもそも極めて慎重な性格のメアリーが若狭と協力関係にあるというのにも違和感を覚えます。

メアリー「羽田浩司殺害事件の情報を嗅ぎつけて…奴らが来るその前に…」

宿泊していたあるホテルの隣室で羽田に絡む事件が起きた際メアリーはこの事件が報道される事で組織に狙われる可能性を危惧し即刻ホテルを変えています。立場上メアリーはマスコミを避けなければなりません。
一方若狭と言えば自分の名前を報道させるよう行動したと考えられます。
マスコミを嫌うメアリーが進んでマスコミに顔を出す若狭と関係を持つのは不思議です。
何より若狭は名前のアナグラムで組織を誘き出そうとしています。
マスコミを利用し組織を誘き出そうとする若狭、マスコミを忌避し組織から逃れようとするメアリー。
若狭と手を組むのはメアリーから見れば格段にリスクが高いと言えるのではないでしょうか。


若狭はコナンの正体を探る為に殺人の気配を察知しながら放置していますし、それどころか事件が起きコナンが動く可能性に期待するような笑みを浮かべた事もありました。

 加えて若狭は「山菜採り」で歩美ちゃんからプレゼントされた四つ葉のクローバーを捨てていますがこれは自分には幸せになる資格がないと認識しているからこその行動だと思います。
更に彼女は99巻では将棋の駒を奪還するために安室に暴力を振るい気絶させるという非常に大胆かつ乱暴な手段に出ています。

灰原の信頼こそ得ている若狭ですが彼女は元組織の可能性が高く、現在もその素顔は悪と言えます。

若狭のような人物に対し慎重なメアリーが自身のトップシークレットである若返りを打ち明け交流しているのはどうにも腑に落ちません。

若狭にコナンの若返りとアガサ博士の発明品の情報を渡した人物はメアリーではないのかもしれません。 

 

【若狭の真の連携相手は黒田なのか】

ここからは若狭にコナンの若返り及び推理ショーの裏側に関する情報を提供したのが黒田である可能性を探ります。

まずコナンの作中には若返っている人間が今後登場する、あるいは既に登場している可能性がそれなりに濃厚と言えます。


そのカギを握るのが羽田秀吉。
彼はコナンの若返りに気付いていますから若返りの実例を知っている人物という事になります。
ですが秀吉は母メアリーの若返りを知らない事が98巻で明るみとなりました。
また彼は灰原に関心を示していない事から灰原の若返りも知らないはず。
兄、赤井秀一の生存を知る数少ない人物であり今後も活躍が期待される秀吉ですが棋士として生活している彼がベルモットの若返りにたどり着いたとは到底考え難い。

 

つまり秀吉の知る若返っている人物とは作中にまだ登場していない、あるいは登場しているものの若返りが明かされていない人物という可能性が高いと考えていいのではないかと思います。

ではその秀吉と繋がっている若返っている人物は誰なのか。

私は秀吉の目の当たりにした若返りの実例とは黒田の可能性があるのではないかと考えています。


黒田は「ブログ女優の密室事件」の現場にいた高木からの電話を受けコナンがその現場にいると分かると高木たちにコナンの指示通りに動くよう伝えています。

黒田「君なら事件解決の手助けをしてくれると信じていたよ…」「眠りの小五郎の知恵袋ならねぇ…」

コナンの活躍ぶりは警察の中でも話題に上っているとはいえ幾度となくコナンと現場を共にしている目暮警部達でも事件をコナンに一任したりしません。
黒田の中には目暮警部や高木よりもコナンの能力の方が上だという確信があるわけです。
また「標的は警視庁交通部」ではコナンを視界に捉えてすぐに事件の情報をコナンへ提供するよう安室透に伝達しています。
黒田はコナンが事件解決の為に情報収集を行い、解決へ導く事を予測できているからこその行動です。

黒田(眠りの小五郎の知恵袋…流石と言うべきか…)

これらの黒田の言動から推察できるのは彼はコナンが普通の小学生ではない事を知っている、つまり若返りの事実に気付いている可能性があるという事。
黒田と目暮警部達のコナンへの関心度の差は若返りの現象を知る者とそうで無いものの差と言えそうです。

若返りの事実にたどり着けるのは若返りの実例を目の当たりにした者だけ。
黒田の知る若返りの実例とは黒田本人という伏線は張られていると思います。


黒田が登場した「ブログ女優の密室事件」では犯人が年齢をサバ読んでいた事が事件の引き金となりました。
また同じく黒田の登場した「標的は警視庁交通部」のシリーズ1話目のタイトルは「同い年なのに…」とまたも年齢の話題です。
そしてこの事件は被害者、容疑者5人全員名前に数字が入っています。
これは黒田の年齢が50歳ではないという伏線の役割を担っているのかもしれません。
若狭の知る若返りの実例が黒田である可能性はゼロとは言えないと思います。

 

若狭が初登場から知っていたアガサ博士の発明品の情報も黒田経由だとしても実は辻褄が合うんです。 

安室「この近所にはMI6も顔負けの発明品を作っている博士がいるそうじゃないですか…」
「上には僕の方から話しますので…」

この安室の台詞は黒田登場前の85巻のもの。
黒田は安室の上司ですからこの「上」とは黒田だと推測できますから黒田は85巻の段階でアガサ博士の数々の発明品を知っていた可能性が極めて高い。
また私は黒田のこの台詞にも注目しています。 

「この度松本清警視正に代わり…警視庁捜査一課の管理官に就いた黒田兵衛です…以後、お見知り置きを…」 87巻

これは黒田からアガサ博士に向けての挨拶です。今後も宜しくというこの挨拶は眠りの小五郎推理ショーを行うコナンの背後にアガサ博士がいる事を知っていたから出てきた台詞ではないでしょうか。

黒田はコナンに注目していますがそのコナンよりも先にアガサ博士に挨拶していますからここは重大な伏線だと思います。
つまり黒田は87巻の時点でコナンの若返りと彼の協力者がアガサ博士である事にも気付けていたのではないかと考えられます。

そして若狭の初登場は91巻。


若狭がコナンの若返りにたどり着けたのは若返った人物と接触したから。
そしてその人物はアガサ博士の発明品に纏わる情報を持っている。

黒田は若返っている可能性があり、若返りの実例そのもの。
そしてアガサ博士の発明品の情報を持っている。
この考察通りなら黒田は若狭が連携している人物像に合致しています。


補足すると若狭もその名から若返っていてもおかしくはありません。
若狭の知る若返りの実例が彼女本人という可能性はあり得ると思います。
ですが自身が若返っているというだけでは彼女がピンポイントでコナンはもちろんアガサ博士の発明品にたどり着く事は至難の業です。
コナンが普通の小学生ではない、かつアガサ博士の発明品が大きな役割を担っているという情報提供がないとコナンの正体を疑う事は出来ない気がします。やはり若狭が単独行動をしていると考えるのは難しいのではないでしょうか。


コナンが非常に優れた推理力を持つこと、アガサ博士が優秀な発明家である事を把握している黒田が若狭の連携の相手と考えた方がメアリーと協力関係にあるという考察よりも矛盾が生じない気がします。

 

【考察の矛盾と解決の糸口】

黒田と若狭が連携しているのではないかという今回の記事ですが反論材料となるのが両者が作中で初対面となった93巻でしょう。
「燃えるテントの怪」で若狭は黒田を訝り、牽制とも取れる様子を見せていました。
2人が連携しているのなら若狭のこの態度はあり得ないという意見が出てきても当然かと思います。
ですがこれを解決できるのが黒田が変装の達人であるという伏線です。

▼黒田が変装術を持っている伏線はこちら

考察通り黒田が変装しているのなら彼は若狭と会っている時は素顔、あるいは全くの別人として名前も別のものを用いている。
これなら若狭は連携している人物が黒田だとは気付けないのではないでしょうか。
つまり両者の連携は全面的でなく互いに損をしないレベルのものであり完全ではないという事。

もちろん黒田だけでなく若狭も自分の名前などを伏せた上で接触している可能性があります。


最近工藤夫妻と赤井秀一が連携しコナンを騙すというエピソードがありました。
ですが工藤親子はコナン=新一の情報を赤井に渡していません。

また赤井家は家族が敵同士という訳ではありませんが全員完全な協力関係には至っていません。
目的遂行の為には敵でなくとも互いに情報を伏せるパターンは工藤家、赤井家でも証明済み。
協力関係が完全な形になっていないケースは最近の作中でよく見られます。

このような手段を使う人物が他にいてもおかしくありません。

 

私の考察の流れとしてはまず黒田が若返ります。

黒田は若狭に事情を説明し若狭は若返りの実情を確認。
黒田は公安の情報を持っている為コナンの推理力や博士の発明品について若狭に伝達。
若狭はコナンの活躍開始と新一の失踪が同時期である事に気付き、自分の入手したAPTX4869投与者リストで死亡とされていた新一がコナンとして生活しているという仮説立証の為に帝丹小学校へ潜入。

もし両者が繋がっているなら大まかな流れとしてはこんなところかなと思います。
「山菜採り」で推理ショーを目の当たりにした時の若狭の笑みは推理ショーの裏側にようやくたどり着けたという笑みかもしれません。
加えて自分や黒田の推測通りだったという「勝ち」や連携相手である黒田への手土産が出来たという表情であった可能性も。

 

若狭が若返っているパターンでも若狭と黒田の連携という考察は成立します。
黒田の持つ情報と若狭の持つ情報が同一という肝心な部分さえクリアできれば黒田と若狭、どちらが若返っていても問題ありません。

若狭が協力関係となっているのは黒田でありメアリーの方は娘の世良としか連携していないのかもしれません。

 

黒田と若狭が繋がっているという今回の考察は的外れとまでは言えないと思いますが私自身まだ引っ掛かる点はいくつかあるのが現状です。

ですが秀吉の知る若返りの現象が作中で若返りが明かされているキャラクター以外である可能性が高い事、若狭と羽田家の繋がりの否定、メアリーが少女化と同時にコナンの正体にたどり着いていた事など最近は盤石とされてきた若狭とメアリーの繋がりを否定する材料が揃いつつある印象は受けます。

 

私の考察は非常に複雑です。
読者の方はご存知かと思いますが私は黒田兵衛は2人いてその内の1人を脇田兼則が演じていると考えています。
ここで記した若狭と手を組んでいる黒田は脇田演じる黒田の事です。
つまり脇田と若狭が連携しているとも言い換え可能です

実は脇田と若狭が繋がっているというこの考察は1度自分の中で没にしたものでした。
ですが最近の「明美のタイムカプセル」で脇田の後ろ姿を眺めていた若狭の表情に険しさを感じられなかった為若狭は脇田(黒田)と連携しているかもしれないというかつての仮説を再検証してもいいかなと思い記事にした次第です。


若狭の連携相手がメアリーとすると謎が多いのですが黒田=脇田であり、かつ若狭と連携しているとすると私の中で納得できるシーンが多いというのもこの記事を書く決め手になりました。

私は脇田はRUMの影武者と推測していますからこの推測が的中している場合脇田はRUMから多額の報酬が与えられている可能性があります。

脇田がその報酬を協力者である若狭に流しているとすれば謎に包まれた彼女の資金源についての説明ができます。
そして脇田と言えばメイン回で立て続けにペアで行動するキャラクターが登場している事から彼を考察する上で重要な伏線の一つにペアが挙げられると思います。
これは脇田が黒田兵衛も演じている、脇田と黒田は2人で1人という伏線と考えていますが脇田と若狭が2人1組で行動している暗示という可能性もあるかもしれません。

 

少なくとも若狭が初登場時から持っているコナンの若返り&アガサ博士の発明品の情報はメアリーだけでなく黒田も若狭登場前から持っていたという事実を念頭に置いた上で若狭への情報提供者は誰なのかについて考察するべきだと思います。

 

若狭と連携している相手が誰なのか、それはいつ頃明らかとなるのか、また彼女の正体は浅香なのか。
私としては若狭の連携の相手よりも若狭=浅香とするとやや引っ掛かる点があるのでこちらも考察していきたいなと思います。
今後もお付き合いいただけたら幸いです。

 

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コナンはボスと既に対面している?【アガサ博士誘拐事件】

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コナンは黒の組織のボスである烏丸蓮耶と既に会っているのかもしれません。

今回は最新の事件「アガサ博士誘拐事件」を含め、作中に点在している伏線からその可能性を探ります。

 

【アガサ博士誘拐事件】

1073話から1075話までの3話構成。
コナン達は人気のフレンチレストランを訪れます。
そこで出会った南條という社長は脅迫状などが届く為社員からボディガードをつけられていました。
それを窮屈に思っていた南條はレストランからの脱出を図るべく自分と容姿の似ているアガサ博士に目をつけ2人はトイレの中で衣装を交換。
トイレから出たアガサ博士は南條に間違えられ人気のない場所で銃撃されそのまま車で誘拐されてしまいます。


コナンは博士を救出に向かうさなか神奈川県警交通部の萩原千速と出会います。

彼女は安室透こと降谷零の警察学校時代の同期である萩原研二の姉でした。

コナンは千速と共に博士を攫った犯人たちを追跡します。

 

萩原の姉である千速が初登場しました。

彼女の回顧には弟の萩原、そして彼の親友の松田陣平も登場。

千速は松田の初恋の相手である事が警察学校編のコミックスの質問コーナーで明かされています。

この質問コーナーには今回のエピソードに関わっている内容もあります。

▼警察学校編 上下巻はこちら


萩原、松田共に故人ですが来年の映画は警察学校組も絡んでくるので宣伝の意味も兼ね今後も彼らは回想で登場するかもしれませんね。

 

【脇田はRUMでなく変装の達人】

今回登場した南條という男性は脇田を推理するヒントとなる人物ではないかと思います。
まずアガサ博士と南條がトイレですり替わった事に注目。


脇田はトイレが伏線として描かれている人物です。

■初登場回ではスリ被害者のポーチがトイレで発見

■2度目のメイン回ではトイレで事件が発生

■3度目のメイン回では小五郎が話の最初から最後までトイレに籠りっぱなし

これは脇田のイニシャルWCとトイレの表記W.C.を掛け合わせたものでしょう。
南条がトイレで変装した事は脇田を紐解くカギになっている可能性があります。
またトイレ以外にも南条という男性そのものが脇田に置き換えられる存在ではないかと考えています。

 


今回登場した南條は過去に登場したあるキャラクターに立場がよく似ているんです。
そのキャラクターとは「迷宮カクテル」に登場した諸岡という男性。
先述した「南條が脇田を推理するヒントになる人物」である点はここにあります。
南條と諸岡、両者の共通点に触れてみましょう。

南條は鈴木財閥のセキュリティを任されている社長という立場です。一方諸岡は資産家。どちらも大変裕福です。
そして2人とも脅迫状が届いた事で数人のボディガードを帯同させています。
また南條はきれいな女性のいる行きつけのパブに行く事を目的にしていましたが諸岡はバニーガールクラブの常連でした。
加えて南條はアガサ博士と衣装を交換し別人に成りすましましたが諸岡も別人のように激太りと激痩せをしスーツを新調しています。
この様に南條と諸岡は共通点が多いんです。
ではこの2人の共通点と脇田がどのように繋がるか。
これは諸岡が登場した「迷宮カクテル」が脇田初登場回「となりの江戸前推理ショー」を模して作られている事にあります。

ここで「迷宮カクテル」と「となりの江戸前推理ショー」の共通点を振り返ります。

1・失くした財布がトイレの前で見つかる、財布がトイレの中で見つかる、
2・その店らしくない料理が充実しておりキャラクターがその事について語る
3・スマホ2台持ちの人物の登場
4・著しく視力に問題を抱えた人物が眼鏡をかけていない間に事件が発生
5・袖口の汚れた被害者、袖口の汚れた犯人

6・日本刀の名前の被害者(朝倉)、日本刀の名前の犯人(宗近)
7・確実に意識した似通った台詞(以下に記載)

▼迷宮カクテル

蘭「でも今日は散々だなー…」
コナン「散々って?」
蘭「運悪く有里さんの付け爪踏んでたし…いつの間にか財布落してたし…」

▼となりの江戸前推理ショー

小五郎「くそォ!今日は色々ついてねぇぜ…」
コナン「色々って?」
小五郎「いつものタバコが売り切れだし…財布の小銭をぶちまけちまうしようォ!」 

この様に「迷宮カクテル」は「となりの江戸前推理ショー」を意識して作られている事が分かります。
また「迷宮カクテル」シリーズ1話目の扉絵はコナンの左目が隠れています。これは左目に眼帯をしている脇田を連想させるもの。
話の内容も扉絵も脇田を彷彿とさせるものになっている。
「迷宮カクテル」は脇田を考察する上で極めて重大な事件だと考えています。
これらを総括すると南條=諸岡=脇田という式になるのではないかと思います。
そして南條も諸岡も外見を変えていた事を加味すると今回の事件は脇田には変装のスキルがある事を暗に示している可能性が否定できないと思います。

▼日本刀とRUM編の伏線はこちら

脇田は変装している事が1066話で明らかになりました。
今回の話が考察通り脇田の変装術に纏わる伏線なら今更こんな伏線を張るのは老人の顔の時点であれが彼の素顔ではないからでしょう。


ここから先は脇田=RUMはミスリードと考えている私の見解です。
脇田の変装は組織内で囁かれている「顔を変えている」という情報に合致しないと思います。
RUMは外見も明かさなければ幹部との会話も機械を通すほど慎重な人物です。
その人物の変装とすると脇田のそれはあまりに低レベル。

ベルモットのように全くの別人になりきるキャラクターの登場する作品ではその粗さが余計に際立ってしまいます。正直この作品内では「顔を変えている」どころか変装とさえ言えないレベルではないでしょうか。
さらにこのブログの中で何度か言及していますが脇田は身長を詐称しています。
彼はわざと足腰を曲げて背を低く演出しているだけで実際は長身です。
足腰をピンと伸ばすシーンがあり、本来は長身で足腰に問題はない人物という伏線はちゃんと描かれています。
身長を低く見せるのは杖を突いていた倉庫の老人に外見を近づける行為ですから慎重な性格のRUMとしてはあり得ないでしょう。
脇田がRUMなら老人の印象を打ち消す為に身長を偽らず背筋を伸ばしていた方が賢明です。


脇田は老人の時点で既に変装済みだから最低限の変装しか出来ないと考えた方が合点がいくという感じです。
当然ながら脇田が老人に変装しているという考察が正しければやはり脇田はRUMではありませんしRUMの影武者の役割を担っている可能性の方が高いでしょう。
今回の事件は密かに脇田がRUMである事を否定しているのだと思います。

▼脇田=RUMはミスリードという記事はこちら
私は黒田は2人いてその内の1人を脇田が演じていると考えています。(過去記事参照)
最近黒田が変装の達人という伏線も張られたので黒田と脇田は同一人物かどうか、今後も継続して推理しておきます。

▼黒田が変装の達人という伏線の記事はこちら


【コナンは烏丸蓮耶と既に会っている?】

次にコナンは「あの方」こと烏丸蓮耶に既に会っているかもしれない。

その可能性について綴ります。
私がその伏線になっているかもしれないと考えているのが「黒いウサギ」というワードです。
最近のコナンでは明らかに「黒いウサギ」がキーワードになっています。

まず「縁結び神社」では三影兎なる人物の話題が出てきます。

そしてその次の「明美のタイムカプセル」では冒頭で小学校で飼われている黒いウサギについて会話をしています。
さらにその次のエピソードであり最新の「アガサ博士誘拐事件」では黒いウサギのキーワードこそありませんでしたが先述した通りこの事件は「迷宮カクテル」を意識して作られたもの。
「迷宮カクテル」で事件が発生した場所は黒ウサギ亭というクラブでした。
つまり3話立て続けに黒いウサギが密かに織り込まれている。

当然ながら黒いウサギは伏線と考えるべきでしょう。

 

また「明美のタイムカプセル」シリーズ1話目の扉絵は77巻「自分の領分」の扉絵によく似ています。
「自分の領分」は「灰原の秘密に迫る影」のシリーズ1話目です。
この事件の被害者は指でウサギの影絵を作りダイイングメッセージを残しました。
黒いウサギの話題が出た「明美のタイムカプセル」の扉絵とウサギの影絵が登場した「自分の領分」の扉絵がとても似ている。
これは明らかに意図的でしょう。
作者が黒いウサギを強調する狙いがあるのは間違いありません。
振り返れば黒ウサギ亭という場所で事件が起きた「迷宮カクテル」はボス判明回の次の事件。
RUM編や黒の組織について考察する上で極めて重要な話である可能性が高いわけです。
ここで黒いウサギのキーワードを使用している事はとても興味深いと思います。

 

私はこの黒いウサギこそ烏丸に関する伏線と考えています。
どういう事かと言うと

黒ウサギ➡くろうさぎ➡クロウさぎ➡烏鷺➡烏鷺の争い 

この様に変換する事が出来るからです。

烏鷺の争いから導き出せるのが次の3つかなと思います。

1・囲碁
2・黒(組織)と白(正義)の戦い
3・カラスとサギ(正義)の戦い

では烏鷺の争いはこの3つのうちの何を指しているのでしょうか。

 

まず1。

烏鷺の争いとは囲碁のことです。カラスは黒、サギは白である事が語源です。

ですが烏鷺の争いは囲碁を指してはいないと思います。

羽田浩司の事件や板倉卓が将棋のソフト制作に傾倒していた事など作中では将棋に纏わる伏線は張られていますが囲碁は確認できません。よってストレートに囲碁を指しているとは考えにくい気がします。


続いて2。

烏=黒、鷺=白だから組織と正義が戦っている伏線という考え方。これも無さそう。
黒と白が戦っているのは読者は皆知っている事なので今更その事実を伏線にする意味は皆無でしょう。


結果、消去法で3のカラスとサギ(白=正義)が戦っているという暗示が一番腑に落ちます。
つまり黒ウサギは今コナン達(白=正義)が戦っている相手は烏丸蓮耶であるという伏線。
考察が正しければコナンと烏丸は既に出会っているのかもしれません。
RUM編でボスの正体が明かされているわけですからね。

 

実は「烏鷺の争い」に関してはきちんと伏線が張られています。
スピンオフの「ゼロの日常」4巻の風見裕也のモノローグです。

(カラスとサギ…黒と白…ウロ(烏鷺)の争いー…)

このモノローグの登場する話はAPTX4869を匂わせる「テトロドトキシン」の単語が出てきたり話の内容が本編と完全にリンクさせたりとやたら意味深でした。
何らかの伏線の可能性は高いと考えていましたが黒ウサギに繋げていたんですね。

▼ゼロの日常4巻

「迷宮カクテル」の事件現場が黒ウサギ亭である事が強調されていたので黒ウサギが伏線なのは理解していましたが烏鷺の争いにはたどり着けませんでした。

若狭メイン回で詐欺師の単語が登場する事が多く、これは若狭が詐欺師並みに数々の顔を使い分けているという伏線と考えてきましたが最近になりようやく黒ウサギからサギ(詐欺)を独立させて推理するのが正解と気付きました。


「山菜採り」では四つ葉のクローバー(【クロウ】バー)と結婚詐欺師、「牧場監禁事件」では烏(クロウ)と詐欺師が登場。

このようにきちんと黒ウサギ(=クロウサギ=烏鷺)が成立するように作られてきています。

今回の考察が的中しているのなら「黒ウサギ」はかなり面白い伏線だなと思います。

そしてとても丁寧に作られていますよね。まさに「トンチが利いてる」(笑)。

 

私としては「灰原の秘密に迫る影」の時点で伏線を張っていたとは考えていないんですがこの事件は灰原が自らの意思で宮野志保に戻った最初で最後のエピソード。その意義は大きいはず。
そう考えると77巻の時点で既にコナンは烏丸と会っているという考察も出来るかもしれません。

 

余談ですがカラスを始め鳥の数え方は「羽」、そして鳥以外で「羽」と数えられる唯一の生き物がウサギです。
今回の「黒ウサギは烏鷺の争いを暗示している」という考察が外れていた場合数え方が注目ポイントという事も視野に入れていいのかなとも思っています。


また最近のコナンによく見られるのがボーガンが凶器となるエピソード。
これも烏丸を指しているかもしれません。
ボーガンの別名はクロスボウ

これを入れ替えるとクロウ・ボス=カラス・ボスとなります。

ちなみにクロスボウの表記はCrossbowなので英語表記を入れ替えてもCROW BOSS=カラス ボスが成立します。
ボーガンは烏丸蓮耶の暗示。この様に考えられるかもしれません。
本当に伏線の役割を担っているのなら今後もボーガンは登場するはずなので注目しておきます。

私は最近のエピソードに登場したクロード・モネが烏丸の伏線かもしれないという記事を先日UPしています。
クロード・モネの考察記事はこちら

これも当たっているのならやはり作者は烏丸の存在感を密かに作中に漂わせている事になります。
まだコナンがNo.2のRUMにたどり着いていない中で既にボスの烏丸の伏線を張っているのならかなり怖いですよね。
烏丸蓮耶にたどり着けるヒントのパーツは作中のあちこちに点在している。
それらをどのように組み立て烏丸の正体を暴くかがRUM編の時点で読者に求められている。
こういう事かもしれません。

 

他にも烏丸に纏わる見落としている伏線があるかもしれないので探しておきます。
見つけ次第こちらに追記するか新たに記事をUPするかもしれません。

その時もお付き合いいただけたら幸いです。

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宮野家を知っていた若狭、若狭VS灰原の幕開けか【明美のタイムカプセル】

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今回は1070話~1072話の全3話構成となった「明美のタイムカプセル」の考察です。
若狭留美が宮野家の存在を知っていた事や「銀の弾丸」に関する新情報が明らかになりました。

またRUM候補である脇田と若狭の2人が登場し、灰原の組織レーダーが反応した事も含め読者刮目のエピソードであったと言えます。

 

明美のタイムカプセル】 


灰原の姉、宮野明美はコナン達の通う帝丹小学校の卒業生で卒業に合わせ同級生達のタイムカプセルを埋め、その場所を暗号に残していました。
コナンと灰原を含む少年探偵団は若狭、小林先生、そして同窓会で集まった明美の同級生のうち3人と共に暗号に挑みますがこの3人の中にタイムカプセル探しを妨害している者がいる。それは一体誰なのか。そして明美がタイムカプセルに残した灰原へのメッセージとは一体何だったのか…。

 

【若狭は宮野家を知っていた】

若狭(宮野…明美…宮野…志保…あの毒薬の研究を引き継ぎそして組織を裏切った…ヘルエンジェルの娘…この子が…!?…まさかね…) 

この言葉により若狭は宮野家の存在を知っている事が明らかになりました。
ですが若狭のこの独白は解釈が分かれてしまう気がします。
若狭がエレーナと灰原のどちらについて触れているのかイマイチ分からないんですよね。
「毒薬の研究を引き継ぎ組織を裏切った」とは誰の事なのか。

ベルモット「恨むならこんな愚かな研究を引き継いだ両親を…」

エレーナは組織の何らかの研究を引き継いでいました。
また組織は敵対する人物、勢力を銀の弾丸と呼んでいますがエレーナは銀の弾丸なる薬品を作っていた事から組織にとって裏切り者であったと考える事が出来ます。

一方の灰原は両親の作ったAPTX4869を復元、その後組織を離反。
若狭の言う「毒薬の研究を引き継いだ後、組織を裏切った人物」というのはエレーナと灰原のどちらの解釈も可能なんです。
これがコミックスで修正されていればいいのですが。

まあこの回りくどい言い回しを作者が敢えてチョイスした可能性もあります。
ですがどちらについてであっても若狭の独白は読者にとって大きな新情報となります。


まずエレーナについて触れたというパターン。

若狭は「毒薬」で羽田浩司の遺体を回想しています。
即ちエレーナが引き継いだ「愚かな研究」とはAPTX4869の事。
組織は宮野夫妻組織加入前からこの薬の開発に尽力していた背景が窺えます。
灰原はAPTX4869を「両親の作った薬」と語っていますが組織の研究を引き継いだ結果宮野夫妻が完成させたという考えでも矛盾はしません。

またエレーナが組織の裏切り者であるというのも新情報です。
エレーナは「組織の裏切り者」と考えられる描写こそありましたが彼女が「組織を裏切った人物」というのは憶測の域を出ないものでした。
若狭の独白により組織を裏切った事が初めて明かされた事になります。

しかしこれはどちらも若狭視点に過ぎないというのも留意すべき点です。
若狭はこれまでの描写から元組織の可能性の高い人物。

若狭の視点は組織内で語られていたエレーナの人物像でしかなく核心部分については若狭も知らないという可能性は充分残ります。

 

次に灰原について触れているというパターン。
これはかなり衝撃の情報ですね。

灰原が組織を離脱したのは最近の事です。この情報を若狭がどのように手に入れたのかという疑問が生じます。
若狭はAPTX4869の投与者リストをPCで閲覧していた事からハッキングに優れている可能性があります。
そして若狭の閲覧していた情報に工藤新一死亡の文字が。これは若狭が組織のかなり新しい情報を持っている事を表しています。
よって彼女がこのハッキング技術で最近の出来事である灰原の離反を知りえた可能性はあります。
ですがそれならばなぜ若狭はシェリー=灰原にたどり着けていないのか。


若狭が灰原に関心を抱いたのはこのエピソードが初めてです。
シェリーの顔写真が組織のデータとして保管されている事はピスコの登場時、作中で明らかにされています。
若狭はコナンの正体にたどり着いている為若返りの現象を知る者。

「組織の裏切り者」=宮野志保という方程式を知っているのなら灰原の外見から彼女の正体に気付いていないと不自然です。

もちろん若狭はシェリーの顔写真の情報にはアクセスできなかった(していなかった)だけという可能性はあり得ます。

少なくとも若狭は明美の名前から志保を思い起こしたのでこの2人が姉妹の関係にある事とエレーナことヘルエンジェルの娘達であるという事まで把握している事は確定です。
また若狭がエレーナの名前を出さなかったのがポイントかと思います。
娘達の名前を知っているのならエレーナの名前も知っているでしょう。

エレーナの名前でなく彼女の組織内の呼称を持ち出す事で若狭が組織と深く関わりがある人物である(あった)事を読者に匂わせる意図があるのかもしれません。

またここでエレーナの名前を出さない事で二人は大して親しい間柄ではなかったという考察も出来ます。


銀の弾丸の新情報】


明美が志保に託したメッセージの中に「銀の弾丸」に関する新情報がありました。

明美(お母さん言ってたよ!銀の弾丸は正義の弾だって…) 

明美は母から「銀の弾丸は正義の弾」と聞かされていた事が明らかになりました。
謎の多いエレーナですが彼女が悪なら娘に研究の情報を漏らしたりはしません。
黒幕説も囁かれるエレーナですが悪に立ち向かうために暗躍していた女性と考えて問題ないと思います。

またここで注視すべき点は明美のメッセージに目を通している灰原の表情が極めて晴れやかだという事です。 

エレーナ「お母さんね…今、とても恐ろしい薬を作っているの」「シルバーブレッド…銀の弾丸ってね!」 

灰原は母の残したテープにより「銀の弾丸」の存在を知る事となりましたがそれは「とても恐ろしい薬」という情報でしかないはず。
彼女の中で銀の弾丸=恐ろしい薬という方程式があるのなら今回のような穏やかな表情にはなりません。
これは「銀の弾丸」に関する情報が彼女の中で上書きされる何かがあったから。
エレーナの残したテープにはまだ読者に明かされていない部分がありそれを灰原は知っているのか。
はたまた彼女が自分なりに「銀の弾丸」について秘密裏に研究を進めた結果たどり着いたのか。
少なくとも現在の灰原の中で「銀の弾丸」はエレーナの言う「とても恐ろしい薬」には該当しない、それどころか明美の言う「正義の弾」という表現に肯定的と言えるでしょう。灰原は「銀の弾丸」の持つ真の効果を知っているわけですね。
タイムカプセルでこの薬品に触れたという事はこの薬は作中で伏線の役割を担っていると考えられる「時の流れ」に深く関わっているのかもしれません。

作中では「銀の弾丸」とAPTX4869が同一であるかはまだ明かされていませんが考察材料はまた追加された形です。

 

【若狭の組織離脱時期のヒント】


これまで若狭は元組織と取れる描写はありましたが組織離脱がいつ頃なのかは不明でした。
ですがこのエピソードにはその時期を紐解くヒントがあります。

明美(志保へ…IQの高いあなたは海外に留学させられ…多分、父と母の研究を引き継がされるんだろうけど…)

明美のしたためたメッセージから灰原は13年前の5歳の時点で組織入りが決まっていた、つまりこの頃既に組織の関心を集めていた事が分かります。
そして5歳時の志保の容姿は現在の灰原と大差ありません。
若狭が13年前に組織に在籍していたのなら宮野志保の情報は把握していた可能性が高く、そこから志保=灰原にたどり着けるはず。
ですが若狭が灰原に関心を示したのはこのエピソードが初めて。
ここから若狭は少なくとも13年前には組織を離脱していたという明確な数字が算出できるわけです。


若狭が元組織である事を前提とし、13年前より後、例えば10年前に組織入りしその後離脱した可能性があるのか。
結論から言えばその可能性は低いと思います。
彼女は羽田浩司の遺品である将棋の駒を持ち歩くなど17年前の事件に非常に執着しています。
彼女が元組織ならやはり17年前の事件に何らかの形で関わっている、その時点では組織の一員だったと考えるのが自然です。わざわざこの数年に加入と離脱をしたという経歴にする必要性を感じません。

ピスコは宮野夫妻と交流がありまだ赤ん坊だった灰原とも顔を合わせています。

もちろん宮野夫妻はピスコ以外の組織の人間に娘達を紹介していても不思議ではありませんが若狭に届いていたのは宮野姉妹の名前の情報だけだったのかもしれません。

【若狭VS灰原の展開となるのか】


今回脇田の登場により灰原の組織センサーが作動。
私は脇田=RUMはミスリードと考えている立場です。
脇田はRUMの影武者を任されている組織以外の人物で正義の立場であるというのがこれまでの私の考察でしたがもし灰原センサーが脇田に反応したのであれば脇田が組織という事も視野に入れようと思います。
これまでも安室や赤井のように正義の立場ながらも組織に在籍した人物が灰原センサーに引っ掛かった例はあったので。

ですが脇田登場と言っても脇田と灰原は顔を合わせてはいません。
灰原のセンサーが反応した相手は元組織である若狭という可能性は否定できないと思います。


若狭は「毒物」の言葉と共にこの薬によって死亡した羽田の遺体を回想。彼女はリストから彼の死因がAPTX4869である事を知っています。
そして若狭は羽田に対し特別な感情を抱いていると考えられる人物。この薬の開発者へ彼女の憎悪が向かう流れは想像に難くない。
それを物語るように組織センサーの働いた時、灰原の背後に佇む若狭は不気味な雰囲気を醸し出しています。
今後若狭VS灰原という展開が待ち受けているのかもしれません。
この両者の対決の構図に関してはきちんと下地が整っています。

若狭はAPTX4869の投与者リストに江戸川コナンとして生存している工藤新一が死亡と記載されている事を知っています。
ここから工藤新一を死亡した事にしたい何者かが組織内にいる(いた)、そしてその何者かは工藤新一を守りたい人物でコナンの周辺に身を置いている事も予測できるはず。

若狭が初めて灰原へ関心を示したこのエピソードは両者対決の口火を切ったと捉える事も出来そうです。
灰原は若狭を非常に信頼していますがその若狭から恨まれる展開となれば灰原の悲劇は更に上乗せとなりなんとも気の毒。
ですが幼児化を知る若狭が灰原=志保に気付くのは時間の問題でしょうね。

 

【不可思議な脇田の独白】


脇田=RUM不定派の私は今回の脇田のこの独白に注目しています。

(帝丹小学校19期生は…あの宮野明美だが…) 

明美は妹の志保と違ってコードネームも持たない下っ端であり組織にとって必要な存在ではなかった事が作中で明かされています。
特にNo.2であるRUMほどの大物であれば余計に明美はどうだっていい人物のはず。
しかしながら脇田は明美が死んでいる事はもちろん、彼女の通学していた学校や卒業の時期まで把握しています。灰原でさえ明美が帝丹小学校に通学していた事は知らなかったというのに。
脇田をRUMとすると彼がコードネームも持たない明美に詳しい事そのものが不可思議と言えます。

(死人が来るワケないか…)

次に脇田のこの言葉の真意について。
組織の目的は死者の復活。
灰原はこれを否定していますがその一方ベルモットは板倉との電話でこの目的を肯定するような発言をしています。
脇田はRUMの影武者として振る舞う中で組織の目的は死者の復活やそれに近いものであるという情報を得ているのではないでしょうか。
組織は死者の復活なるものを目論んでいるようだが死者は蘇る事などあり得ない。
彼の心中はこのようなものだったのではないかと考えています。
彼は組織サイドというより組織を追い詰める立場の者という伏線のひとつとして死者の復活を匂わせる言葉を使用した可能性があります。

 

【モネの絵画は烏丸の暗示か】


今回登場した「モネの絵」は烏丸を暗示しているキーワードの可能性があるかもしれません。
暗号の「モネ」からコナン達は校長先生が校長室に飾っているモネの絵のレプリカにヒントがあると考えます。
しかしその絵はいつの間にか卒業生の作品に変えられていました。
クロード・モネは名前に烏のクロウが入ります。また彼の代表作は睡蓮。
クロード・モネは烏丸蓮耶を暗示する上でうってつけの存在ではないかと思います。

「モネの絵」が本当に烏丸を暗示しているのなら飾られていた絵が全くの別物にすり替わっていた事は極めて大きな伏線となりそうです。
端的に言ってしまえば実は烏丸は何者かとすり替わっているという可能性ですね。

「僕が在校してた時もモネの絵だったけど…いつから僕の絵になったんだろ?」

深読みかもしれませんが卒業生の言葉は絵画のすり替え時期を推察させる狙いがあるようにも思えました。彼の言葉から13年前はモネの絵だったという事が分かります。

コナン「ウチの校長先生画家のモネが大好きで…レプリカを校長室に飾って自慢してたから…」 

コナンのこの言葉の「校長先生がモネの絵を校長室に飾っていた」という情報は
■工藤新一として通学していた時代に得た
江戸川コナンになってから得た
どちらなのかもポイントになります。
基本的に工藤新一時代の小学校の知識を語ってしまった場合コナンは幼児化を誤魔化そうと焦るのが通常パターンなのでこれはコナンになってから得た情報の可能性の方が高いかもしれません。
となるとモネの絵はつい最近卒業生の絵に替えられたという事になります。
最近の1066話「RUM」で「あの方」という表現が登場したので「あの方」は存在している事になります。
ですが「あの方」は烏丸から何者かにすり替わっている可能性はゼロとは言えないのでは。
何せボス=烏丸と明かされた時のタイトルは嘘を意味する「ホラ」でしたからね。
現在「あの方」は烏丸を名乗っているだけ等という事も有り得るのかなと思います。

 
さて、今回の「明美のタイムカプセル」を含め最近のコナンはかなり大胆な伏線を張り始めています。
もちろん私の考察が正しければの話ですが。
その大胆な伏線については近いうちに記事をUPしますので目を通して頂けましたら幸いです。

※▼重大な伏線に関する記事が完成しました。

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黒田が変装している伏線【縁結び神社】

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今回は1067話~1069話「縁結び神社」からRUM編を考察しています。

前回の1066話で組織のNo.2、RUMの正体は脇田兼則とされる描写が掲載されました。
しかし作中においても公式の文章においても脇田がRUMである事は明言されていません。
私は脇田=RUMはミスリードであり脇田の正体はRUMではないと考えています。
この記事は脇田はRUMではないという私の考察が前提の記事となっています。

 

今回の事件は平次と和葉のメイン回。
舞台は縁結びとして人気の神社。
ここで警察官の男性が殺害され、容疑者は被害者が追っていた指名手配犯の3人の中にいると言うもの。
結論から述べればこの事件は黒田兵衛は変装術を持っているという伏線なのだと思います。 

【黒田は変装術を会得している?】

黒田の変装術の伏線について。
まず扉絵でコナンは狐のお面で右目を隠していますが右目が義眼とされているのは黒田。

今回平次はお面をつけた上でコナンから拝借した変声機で全くの別人に成りすましていました。
これは黒田が変装術を持っているという暗示だと思います。

 

和葉が平次がお面を付ける理由として「彼は顔に火傷の跡がある」ことを挙げていますがこれは黒田の顔の傷を連想させるもの。黒田の傷は蘭の口から「火傷」と明言されています。
また事件の被害者は警察官。事故に遭い長年昏睡状態であったとされる黒田を彷彿とさせますし雪だるまの右目が取れた事が事件解決へと繋がりましたが右目が義眼とされるのは黒田です。

平次は変声機で声を変えていましたがこれが黒田の正体に繋がる伏線となっているのであれば黒田は変声術まで会得している事になり別人に成り済ます技術はかなりの物という事。

ちなみにこのブログでは黒田は2人存在しておりその内の1人を脇田が演じていると考察しています(過去記事参照)
つまり私の考察上黒田の正体は脇田と言い換える事も出来ます。
この考察が正しければ黒田(=脇田)は変装術も変声術も卓越している事になります。
暗示された黒田の変装術が黒田=脇田となるのか。後述の通り脇田をモデルにしていると考えられる容疑者も登場しているので黒田=脇田の仮説立証に少しずつ近付いていると捉えたいところです。


では若狭が変装術を獲得しているか否か。
彼女は意味深な名前を報道させる事で黒田と脇田のどちらかあるいは両方の関心を引く狙いがありました。
若狭に変装術があるのなら妙な名前を名乗るという回りくどい手段は用いないでしょう。
反応のもらえる外見に変装した方が手っ取り早いですからね。
よって若狭は変装術を持たない可能性が高いというのが今のところの私の判断です。


一応脇田が2人いるという可能性はあるのかについても記載します。

脇田「んなの「腹の具合がどうにも御機嫌斜めで…今日と明日おヒマを頂きやす」って大将に言やぁ合点承知之助でさぁ!」 97巻

この言葉通り脇田は旅行行きを当日決めています。
彼の勤務先のいろは寿司は欠勤にも柔軟に対応してくれるようです。気軽に休みの取れる立場の人間を2人も用意する必要はありませんよね(笑)。
この事から脇田が2人存在している可能性は無いと言えそうです。

ちなみに黒田は休暇を全く取得していない事が明言されています。(93巻) 


【お茶会の新情報】

優作「例の深夜のお茶会の答えをまだ頂いてませんし…」
赤井「ええ…」
コナン(お茶会?)

安室を交えた工藤邸のお茶会についての新情報。
安室と何らかの取引をしたのだと思います。

コナンはきっかけこそ作ったもののお茶会の内容どころかお茶会そのものを知らなかった。
この優作&赤井がコナンの1歩先を行くという流れは最近の作中でいくつか見られるパターン。
ボスの正体にたどり着いたのも両者が先、偽優作の推理ショーでも主人公は蚊帳の外でした。
裏を返せば今後主人公の存在感を遺憾無く発揮できるステージが待っている。
それこそRUMの正体は脇田ではない、等と言った衝撃の展開がそのステージに該当すると考えているんですが。


【脇田はひき逃げ事件の被害者だった?】

容疑者の1人、川野という男性は左利きのボクサーです。
脇田は左利きの伏線の張られている人物であり彼のビジュアルはボクシング漫画「あしたのジョー」の丹下段平をモデルにしている可能性が高い。

「牧場監禁事件」にも脇田を連想させる利き手不明のメタボ体系のボクサーが登場。
左利きのボクサーは脇田に関する伏線の可能性が更に高まりました。
そして川野がひき逃げ犯という事にも注目。
私は脇田は2年前にひき逃げの被害に遭ったのではないかという考察をしています。
▼脇田のひき逃げ被害の伏線についてはこちら

 左利きのボクサーが脇田を暗示しているのならやはり彼がひき逃げされたという考察も的中しているのかもしれません。

また利き手が不明のボクサーと言えば安室も同様です。
彼はボクシングの攻撃は原作、スピンオフ、アニメ、映画と一貫して左手です。これが伏線として機能しないのはさすがにおかしいですね。
以前なら脇田はボクシングに精通している可能性がある事から、安室にボクシングを指導したのは脇田であり両者は組織内で繋がっている、つまり脇田はRUMであるという考察も可能でした。

ですが降谷はスピンオフ「警察学校編」でボクシングを披露しています。
そのレベルはプロボクサーを父に持つ松田と対等に渡り合えるほど。おまけにこんな言葉も松田にぶつけています。

降谷「驚いたな…僕の拳を食らって…立っている奴がいるとはな…」

警察官になる前から降谷のボクシングの腕は相当なものでした。
そんな彼が脇田にボクシングを指導してもらう必要はありません。少なくともボクシングから脇田=RUMと結論付ける事は出来なくなりました。
ですが安室のボクシングがサウスポースタイルは確定であり脇田は左利きでボクサーという伏線のあるキャラクター。
この事からこの2人は安室の警察学校入りの前に接点があったのではないかと考えています。
脇田が警察学校入りの前の降谷にボクシングの指導をした過去があるのなら両者は実は親密に打ち解けあっているのかもしれません。
もちろんボクシングを指導し親しくしていた過去があったとしても脇田=RUMであるのなら降谷はかつて世話になった人物と組織内で敵として再会した可能性もあります。

ところで脇田=RUMの裏付けとして安室の前で脇田の発したこの台詞を挙げる方が結構いるようです。

脇田「自分を謀る裏切り者がわかるじゃないですか…鮮度の落ちた魚を高値で売りつける仲卸とかねぇ…」

これは脇田は安室を疑っているからこそ出てくる台詞でやはり彼の正体はRUMであるというもの。
ですが私はこの「鮮度の落ちた」はベルモットについて語った可能性が高いように思います。
なぜなら脇田初登場回の際登場人物の女性が「リンゴをむいていたら手が滑って怪我をした」と発言しています。
ここは普通「料理をしていた」でしょう。わざわざリンゴにしたのは伏線だと思います。

「鮮度の落ちた」と「リンゴ」でラットゥンアップル。
「鮮度の落ちた魚を高値で売りつける」というのはベルモットがそれ相応の年齢にもかかわらず若き美人女優として自分を世間に売り込んでいる事に触れている。

脇田の疑っている相手とはベルモットであり彼は組織と敵対関係にある正義の立場である事をここで暗示しているというのが私の解釈です。
ですが脇田=RUMとしても彼とベルモットとの関係が良好とは言い切れません。何せベルモットは組織内に敵が多いので(笑)。
推測通り脇田の台詞がベルモットを指していたとしても脇田=RUMは成立します。

ところでボクサーの伏線等からも脇田の外見のモデルが丹下段平なのは間違いないと思うのですがこれだと脇田=RUMとした場合あまりに安直すぎやしませんか(笑)?

灰原「ラム…?」
コナン「酒の名前だよ!よく海賊とかが飲んでる…」 86巻

丹下は酒に溺れた人間でした。また脇田と丹下は眼帯をつけていますがこれは海賊の象徴です。脇田の外見はRUMそのもの過ぎるんですよね。
青山先生はRUM編はかなり早い段階から構想を練っていました。
その上で作り上げたキャラクターが見た目でたどり着けるというのが全く合点がいかない(笑)。脇田=RUMがミスリードの可能性は充分あり得ます。

 

【RUM候補3人は顔見知りか】

今回の事件の容疑者3人の関係性は極めて複雑でした。
結婚詐欺師の男の財布をスったのが万引き常習犯の女性、その女性の恋人をひき逃げしたのが前述の川野、その川野の妹を罠に陥れたのが結婚詐欺師の男でした。
容疑者3人が見事に円を描いて繋がっていたという話。

これはRUM候補3人が顔見知りという伏線なのかもしれません。
この3人の関係性に関しての伏線もきちんと張られているので記事にまとめます。

 

【RUM候補3人は全員顔を変えている】

既に脇田は変装を施した上でいろは寿司に勤務している事が分かっています。
そして若狭はトンチのきいた名前を名乗る事で他のRUM候補の関心を引いています。
これは現在の顔では反応してもらえない、つまり彼女は17年前と顔が違う可能性があります。
そしてここにきて黒田の変装術の伏線。
コナンが手にした「RUMは顔を変えている」という情報に3人とも合致する展開となりました。
やはりRUMの正体はまだ確定していないというのが私の判断です。


【ついにコナンはアナグラムに注目】

コナンはRUMが現在「ふざけた名前」を名乗っている事を知っています。
平次はふざけた名前として土井塔克樹の名前を挙げました。怪盗キッドがかつて名乗ったもので並びを変えると怪盗キッドとなります。

コナン(アナグラムか…)

ここからコナンが安室からのヒント「せっかち」とアナグラムを掛け合わせ脇田をRUMと疑う展開となるのか。
アナグラムで言えば脇田よりも若狭の方が格段に分かりやすいのでこちらに反応する方が先な気がします。
若狭はこれまでの情報からもアナグラムからも浅香の可能性が高い人物です。
コナンはまず若狭=浅香にたどり着きその後脇田に注目する流れなのかなと思います。
そもそも浅香の正体が明かされるより先にRUMの正体が明かされる展開は奇妙と思うのですが。
RUMの正体判明の後浅香の正体が明かされるのは正直緊張感に欠けるのではないでしょうか。
ここも脇田=RUMとすると腑に落ちないポイントです。

また被害者の警察官が老けて見える男性というのが強調されている印象を受けました。
私は黒田が若返っている可能性を記事にしていますがこれに繋がってくるかどうか。
▼黒田若返りについてはこちら 

私は黒田=脇田の変装と考えているので黒田の若返りは脇田の若返りを意味します。

 

そして容疑者の1人が結婚詐欺師であった事。結婚詐欺師は「山菜採り」でも登場。「牧場監禁事件」でも詐欺師のワードが出てきました。
詐欺師の意味するものに関してはまた別に記事にまとめる予定です。

※▼「詐欺師」の伏線についての記事が完成しました。

エンジェルは若狭かもしれない

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作中で明かされていないベルモットがかつてエンジェルと呼んでいた謎の人物。
RUM候補の若狭留美のこそエンジェルなのではないかという考察の記事です。
私の中でも可能性の1つとしてしか考えていませんが記録として今回記事にします。
また若狭=浅香が前提の記事でもあります。
加えて若狭の若返りや彼女がメアリー&エレーナの姉妹である可能性についても他にまとめる場所がないのでここに記載します。

◆エンジェルとは

ベルモット「私にエンジェルは微笑みかけてはくれなかったもの…一度もね…」

ベルモットにはエンジェルと呼んでいた特別な存在がいたようです。
このエンジェルが何者なのかまだ明かされていません。
この台詞は1年前のもの。

現在彼女は蘭の事をエンジェルと呼び大切に思っています。彼女の中でエンジェルのポジションはある人物から蘭に変更となったのが両者が初対面となる「NY事件」です。

 

ベルモットは通り魔に変装し蘭と偶然接触しています。(35巻)
この時ベルモットのもたれかかった柵が壊れ彼女は地面に落下しそうになりましたが間一髪蘭に救出されます。
この直前までベルモットは蘭に銃口を向けていた「悪人」ですがそれでも蘭は彼女の命を救おうとします。これを機に蘭はベルモットの中でエンジェルとなりました。


初めてベルモットが直接蘭をエンジェルと呼んだのは「2元ミステリー」。
この時ベルモットは灰原に銃口を向けていましたがそれでも蘭は自分を犠牲にする覚悟で灰原に覆いかぶさります。
ここで彼女は蘭に向けて「エンジェル」と叫ぶと同時に「NY事件」で自分の命を投げ出す覚悟でいた蘭の様子を思い起こしています。
この事から彼女の言うエンジェルとは己を犠牲にしてでも他者を救う事の出来る人物と言えそうです。


そしてエンジェルが故人とは断言されていません。
この人物こそ若狭なのではないかと考えています。


◆エンジェルが絡む2つの事件の類似点

私が若狭はエンジェルなのではないかと考える大きな理由が「NY事件」と「裏切りのステージ 」の内容が重ねて作られている可能性が高いと感じるからです。

「裏切りのステージ」は容疑者の容姿がRUM候補3人を意識したものである事や片方だけのサークルレンズ等RUM編を意識して作られているはずです。

若狭は浅香の可能性が濃厚ですが「裏切りのステージ」は組織が浅香の調査を行っています。

そしてこの裏切りのステージでベルモットは蘭をエンジェルと呼んでいます。

「二元ミステリー」以来二度目の事です。

蘭がエンジェルの単語から「二元ミステリー」で自分をそう呼んだ謎の女性(ベルモット)を回想している事から「裏切りのステージ」は浅香とエンジェルに焦点を当てた話という表現も可能です。


そもそもこのエピソードはベルモットが急ごしらえの変装で榎本梓として登場した事からも分かるように彼女が居なければ成り立たないものではありません。
恐らく作者は「裏切りのステージ」の中でベルモットに「エンジェル」と言わせる目的があったのだと思います。

ここからエンジェル=浅香=若狭が成立するのではないかという考察です。

 

「NY事件」はベルモットが蘭をエンジェルと呼ぶきっかけとなったエピソード。

「裏切りのステージ」は組織が浅香の調査に動いたエピソード。


この2つの事件は類似点についてですがまず被害者の男性に注目。
「NY事件」の被害者ヒースは劇団のトップスター、「裏切りのステージ」の波土は人気ロックミュージシャン。
どちらもショービズ界のスターの男性です。
そして2人とも遺体は舞台上でかなり高いところで宙づり(「裏切りのステージ」ではロープ、「NY事件」もワイヤーが使用されて宙づり)、2人の遺体の様子が非常に似通っています。

ベルモット「映画の主役の話が来て舞台は今夜が最後らしいけど…」(NY事件)
布施「彼にとって今回のライブが…最後のようですから…」(裏切りのステージ)

ヒースは舞台を引退、波土はミュージシャンを引退する予定でした。

2人の男性の設定が似通っている事がよく分かります。


または「NY事件」はメッセージの書かれた林檎がキーワードでしたが「裏切りのステージ」波土はメッセージが入った野球のボールを持ち歩いていました。

この点も結びつきがありそうです。


細かなことまで記載するとメインキャラクターが本番前に会場入りしている事や死亡した男性の背景に複雑な女性関係の描写があったこと等も挙げられます。

 

「裏切りのステージ」は「NY事件」を重ねている可能性がある。

そしてベルモットが蘭を再びエンジェルと呼び、ここで「浅香」の存在が大きくクローズアップされている
若狭=浅香を前提とすると若狭こそエンジェルであるという伏線なのではないでしょうか。
この事件の犯人の円城が若狭のビジュアルを意識して作られているのも興味深い点です。

 

またベルモットとエンジェルを結び付ける事件である「2元ミステリー」の犯人が動機として有名映画プロデューサーが自分の大好きな映画シリーズをあっけなく完結させた事を挙げています。
これもエンターテイメント界のスターであるヒースと波土の選んだ引退の道と重なるものがあります。

 

◆手鏡のハートと翼

「NY事件」と「裏切りのステージ」の類似点だけではなく羽田事件でダイイングメッセージを残すために使用された手鏡も若狭=エンジェル伏線になっている可能性があります。
この手鏡にはハートと天使の翼のように見えるまつげが描かれていました。
PUT ON MASCARAという文字の入った女性向けの手鏡という時点で持ち主は女性のはず。
わざわざハートやまつげを描く必要性を感じませんしハートとまつげが手鏡の持ち主の性別のミスリードとして機能していません。
ハートと天使の翼を思わせるまつげ。
この手鏡の持ち主は天使のハートと翼をもつエンジェルだったという示唆ではないでしょうか。

世良「姿を消したボディガードの浅香があの手鏡を持ってる所を見た人がいて…浅香は女だって…」

スリードがなければこの手鏡の持ち主は浅香である若狭です。

 

若狭の初登場では暗号解読の為にコナンがハートマークを描いています。
その次の若狭のメイン回でも頬にハートマークが描かれている人物が登場している事から若狭とハートマークは繋がりがあるという印象も受けます。


そしてネット上にUPされた画像はハートとまつげが割れているのが確認できる。

コナン「アマンダが「浅香」と呼んでいたボディガードを最重要容疑者として追っているが…その消息はまだつかめていない…」

若狭=浅香なら彼女は羽田事件を機に消息を絶った事になります。
ベルモットは若狭をエンジェルとして大切に思っていた。しかし羽田事件を境に彼女は組織を離脱しエンジェルはベルモットにとって心の拠り所から裏切り者へと姿を変えた。
割れたハートと天使の翼を思わせるまつげはこのような過去の伏線なのかもしれません。

もし考察通りハートマークがRUM編の何らかの伏線になっているのであればボス判明回のタイトルの「ホラ♡」はかなり怖いんですが(笑)。

ボスとエンジェルをセットにする事に何か意味合いがあるのかもしれませんね。

 

「裏切りのステージ」は「裏切りの制裁」「裏切りの行方」「裏切りの矛先」「裏切りの真相」の全4つから構成されていますがタイトルで裏切りが強調されている割に肝心の裏切りが見えてこない事件が現実です。
スコッチの死の真相が明かされライがスコッチを「裏切り者」と発言する1コマがあるだけで4話全てに「裏切り」を付ける必要性を感じませんし何よりスコッチは裏切り者ではありませんでした。
これは浅香(=若狭)はかつてエンジェルであったもののベルモットを裏切ったという暗示なのかもしれません。


◆若狭とキリスト教

エンジェルと言えば一般的に神の使いを指します。
そして若狭はキリスト教を絡めて描かれているように感じます。

七つの大罪
RUMの名前が初登場となった次のエピソードには「七つの大罪」のワードが登場しています。
この話は重要なヒントとして香車の駒が登場していますが過去にも記している通り香車は槍であり槍は若狭を暗示している可能性が高いと思います。

▼記事はこちら

またここで飛車の駒が事件を解決へ導くと同時に飛車の駒が表すものは「傲慢」と語られていました。

秀吉「高飛車な人は傲慢ともいえますからね…」

高飛車な女と言えば作中で言及されている通りやはりベルモットです。
香車と飛車という2つの駒。
若狭とベルモットキリスト教の「七つの大罪」で繋がっている、これは若狭=エンジェルの伏線なのかもしれません。


【マリアちゃんの存在】
若狭が初登場となった91巻では東尾マリアちゃんが久々の登場となりました。
ボスが烏丸と明かされたエピソードもマリアちゃんが主役と言えそう。

マリアという言葉から連想されるのはやはり聖母マリア
以前マリアちゃんは若狭の存在をなぞって描かれたキャラクターという記事をUPしましたがこれは若狭=エンジェルの可能性を秘めているのかなと思います。

▼記事はこちら 

【四つ葉のクローバー】
若狭のメイン回には四つ葉のクローバーが登場する話がありますが四つ葉のクローバーが幸運の象徴とされているのはその形が十字架に似ているから。
ここでも若狭とキリスト教が結び付いている可能性があります。
この話の最後で若狭は歩美ちゃんからプレゼントされた四つ葉のクローバーを捨てていますがこれは「自分は幸せを掴んでいい立場ではない」という若狭のほの暗い過去を考察できる描写であると同時に現在、彼女は現在エンジェルではないという示唆なのかと考えています。

 

◆灰原の若狭への信頼

慎重な性格の灰原は若狭に対し絶対的な信頼を置いています。

灰原が若狭を信頼するに至ったエピソードが「燃えるテントの怪」。
エピソードの冒頭では灰原は若狭に対しRUMではないかと疑いの目を向けていましたがラストでは若狭を好きとまで言っています。
灰原の若狭への信頼は「若狭がいい教師だから」では推理物として説明ができません。


この時若狭は犯人に捕らわれた歩美ちゃんを救出する為行動していますし、メイン回で毎回少年探偵団を守っています。
そして作中のエンジェルである蘭はかつて灰原の命を身を挺して助けています。

若狭の行動は蘭が命がけで灰原を救った事と重ねる事が出来ます。
そして灰原は蘭の純粋な心と命を懸けて自分を救おうとした姉の明美を重ね、蘭を大切に思っている様子が確認できます。

組織の匂いを嗅ぎ分けられる能力を持っている灰原ですが彼女は蘭の持つエンジェルの匂いに自然と反応しています。

灰原は組織の匂いが分かるからこそ正反対と言えるエンジェルの要素を持つ人物に対し反応できる設定という可能性もありそう。

若狭は殺人の気配を察知しながら放置した事を踏まえればその人格はエンジェルと呼ぶには程遠いもの。

ですがベルモットの話では相手はかつてエンジェルであっただけで現在はその人格の持ち主ではない。けれど若狭からはエンジェルであった過去の匂いが消えていない。

蘭と似通った行動を取った若狭はかつてベルモットのエンジェルだった。
この線で行けば謎に包まれている灰原の若狭への絶大な信頼についての説明ができるのではないかと思います。

 

◆若狭の体の

この項目に関しては根拠に乏しいものになりますが若狭はかつてベルモットを命がけで守った過去があるのではないかという考察もしています。
若狭は体に多くの傷跡がある女性。
この傷について最も想定できるパターンは彼女はかつてRUMと戦い、その際に負傷したという筋書きではないでしょうか。
もちろんその可能性は充分あり得ると思いますが若狭は羽田の遺体を回想している事から17年前、この現場にはいたはずです。
ですがネット上にUPされている情報に「ホテルに羽田以外の人物の血痕が残されていた」等という情報がない事が気掛かりです。
若狭の傷跡は流血が伴うものだったはずなのでホテルでRUMと鉢合わせとなり戦闘したのならその痕跡がその場に必ず残ります。
そうなれば羽田事件と同様、その血痕についてもクローズアップされているのが自然です。
17年前、ホテルで若狭とRUMが戦闘したという可能性は低いように感じます。

もしかすると若狭の傷はベルモットを守る為に戦った負傷なのかもしれません。
命がけでベルモットを守った若狭の行動が彼女の心を震わせ、その結果若狭がエンジェルとなったのかもしれません。
この流れなら自分を犠牲にしてでもベルモットを救出しようとした蘭(=エンジェル)の行動にピタリと符合しますから有り得なくはないかなと感じます。


◆矛盾点とその辻褄合わせ

ここまで若狭=浅香=エンジェルの可能性を提示しましたがこの方程式の矛盾と取れる描写もあります。
それが前述の「裏切りのステージ」。
若狭=浅香を前提とします。
ベルモットはコナンと蘭がこの場に現れるという情報をキャッチしバーボンの浅香の調査に急遽同行しています。

浅香の正体がかつてベルモットにとって大切なエンジェルであれば彼女は「浅香」に大きく反応するはずです。それは浅香がベルモットにとって現在はエンジェルでなくなっていたとしても同様でしょう。
ですが作中でベルモットは浅香に最低限の関心しか寄せていません。
浅香=エンジェルとするとこれは釈然としないものがあります。
ですがベルモットが浅香=エンジェルの方程式を知らずに浅香と接していたという可能性は否定できないと思います。

 

若狭のメイン回である「山菜採り」と「牧場監禁事件」には詐欺師のワードが登場しています。
これは若狭は複数の顔を使い分けていたという伏線かもしれません。

そして浅香は自分の素性を隠す事に特化した人物です。

コナン「その「浅香」という人物の身元は謎に包まれていて…アマンダがその人物を雇い入れた経緯を知る者はいないらしい…」

ベルモットが心から慕っていたエンジェル(=若狭)が浅香として活動していた事を知らなかったという可能性は考えてもいいように思います。


また若狭は意味深な自身の名前を報道させています。
作品の演出から黒田と脇田のどちらか(あるいは両方)に反応してもらう事が狙いでしょう。
彼女が17年前と同じ外見なら顔を報道させるだけで十分です。
つまり彼女は整形などで17年前と違う顔で生活している可能性が否定できない人物。
浅香がクローズアップされた「裏切りのステージ」では被害者の整形の話題が出ています。
別の若狭のメイン回「牧場監禁事件」でもそれらしい台詞が出てきます。

風見「詐欺師は…簡単な変装でもしているのかも…」

若狭が顔を変えているという暗示なのかもしれません。

若狭は自分の身分を偽る事に長けた人物である上に外見まで変貌を遂げている可能性が否定できない。それに加え抜群の推理力の持ちの主です。
よってベルモットが浅香(若狭)=エンジェルの方程式に気付く事が出来ないという捉え方も可能なのかと思います。

 

◆エンジェルとヘル・エンジェル

エンジェルの単語から連想される人物と言えばヘル・エンジェルこと宮野エレーナ。

若狭とエレーナの容姿が似ていると感じる読者がいるようです。
実際に2人は眼鏡をかけている事や全体的な雰囲気などは確かに似ている気がします。
ですが私はむしろ若狭はエレーナと対になるキャラクターとして作られたのではないかと考えています。

 

若狭は黒髪ですがエレーナはトーン無しの髪。
目元は若狭がたれ目(少なくとも凛とした印象は与えない)、エレーナはシャープな目元です。

性格においても対照的なのではないでしょうか。
若狭は本来の性格はさておき小学校の教員として子供達から好かれる能力を持っています。
一方エレーナは基本的に人見知りで患者として訪れる子供とも最低限の会話で済ませる人物でした。
また若狭は非常に短気で暴力的、感情的であるのに対しエレーナは「何を考えているのかわからない人物」と語られていました。
ここも両者が対と言えそう。


エンジェルは若狭、ヘル・エンジェルはエレーナ。
この伏線として容姿や外見を対にしている可能性があるのかなと思います。

 

◆若返りとメアリー&エレーナの姉妹の可能性

若狭=エンジェルの考察からピントはズレますが若狭が若返っている(不老)、そしてメアリー&エレーナの姉妹である可能性を記載します。

 

【若狭は不老の状態か】

まず若返りですが彼女の名前が若さを留め続けているという意味を含んでいるのならこの名前はRUM(あるいは組織)に対し「私は若返りの現象を知っている」という脅しと取る事が出来ます。
そうなると可能性として否定できないのが若狭本人の若返り。
若狭自身がベルモットと同様に年を取らない人物なのかもしれません。

初登場の自己紹介の際自分を「オバサン」と語った事も気になる点です。


若狭は37歳という年齢に言及されたことが無いので外見は37歳相応という事。

37歳が若狭の実年齢なら羽田事件のあった17年前、彼女は20歳。
FBIやCIA等にも顔のきく大資産家のボディガードを務めるには心許ない年齢なので17年前の時点で37歳の容姿だったという可能性は考えてもよさそう。

また「NY事件」で通り魔に扮したベルモットは柵から落下しかけた際極めて身軽な身のこなしを見せています。

彼女は容姿だけでなく肉体年齢も若さを留め続けている事を読者に伝えるシーンですね。

浅香は大資産家のボディガードの任務に就けるほど身体能力の高い人物。

そして若狭は男3人を瞬時に制圧できる女性です。

若狭=浅香なら彼女は17年前から肉体の能力が衰えていない事になります。

彼女の抜きんでた身体能力が17年前と変化がないのであればベルモットと同様に肉体年齢が若いまま、つまり不老という見方も出来ます。

 

【若狭はメアリー&エレーナの姉妹なのか】 

次に若狭がメアリー&エレーナの姉妹である可能性について。

若狭はエレーナのビジュアルを意識して作られたキャラクターと記載しましたが同時に彼女はメアリーの存在も強く意識しているとも考えられます。
若狭は並外れた身体能力と推理力の持ち主。これはメアリーの能力に合致するものです。
つまり若狭はメアリーとエレーナを融合させて誕生したキャラクターである可能性がある。
若狭はメアリー&エレーナと姉妹であるという考察もそれほどズレたものでもない気がします。
メアリー&エレーナと若狭は髪の色は異なりますがこれは宮野明美&志保姉妹が髪の色が異なっていたので深く考える必要はないでしょう。むしろこの髪色こそ3姉妹という伏線の可能性も。
また先述した目元ですが若狭が整形しているのなら実際はメアリー&エレーナ姉妹によく似たシャープな目元であっても不思議ではありません。


若狭=エンジェル前提の妄想となってしまいますが若狭もベルモットも若返り(不老)の薬を飲んでいた。
ベルモットにとって若狭は年を取らない自分の苦しみを汲み取ってくれる唯一の理解者=エンジェルだった。
しかし羽田事件により若狭は突如組織から離脱、逃亡。
この一件でベルモットはエンジェルを失う事になったというシナリオです。
本当に若返りの薬を服用していたのならそれはおそらくAPTX4869が完成するより前の話でしょうね。
若狭の実年齢は37+17=54よりは上かと。
メアリーが現在53歳なので若狭は3姉妹の長女の可能性も。

メアリーが17年前に36歳だった事を踏まえればこの当時37歳くらいの姉妹がいる事は不自然ではありません。 

またベルモットは自称29歳であり現在の容姿は20年前と変化していません。

若狭が50代くらいであれば推測できるベルモットの実年齢から、親しく交流していた過去があっても自然な年齢となります。



エンジェルはその響きから女性を連想させますが男性の可能性もゼロではないと思います。
事実「NY事件」でエンジェル役だったヒースも彼を意識していると考えられるキャラクターである「裏切りのステージ」の波土も男性でした。

エンジェルはRUM候補である黒田と脇田のどちらかという可能性も考えていいのかも。

 

今回はエンジェルは若狭ではないかという記事にしましたがエンジェルの正体がヘル・エンジェルこと宮野エレーナという可能性とその矛盾点についても記事にしようと思います。

マリアちゃんの暗号★解読方法★

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※この記事は今後も加筆を繰り返す可能性があります

 

「マリアちゃんをさがせ! 95巻」に登場した暗号。

今回はこの暗号が意味するものを考察して綴っています。

ただ私は「現時点でこのように考えている」という感じなので今後考えが変わる可能性は十分あり得ます。

この記事はほとんど完成していたのでもっと前にUPする予定でしたが公式スピンオフ作品の「警察学校編」が実はこの暗号と関わりがありそうな気配を察知し、「警察学校編」の物語の完結を見届けてからのUPとなりました。

また更新の面倒くささ+何気なく作品を読み返している最中に気付いた細かな伏線等を書き足していくうちにこのタイミングでのUPになりました(笑)。

後述の通り「警察学校編」はマリアちゃんの暗号と関わりがありそうというのが私の考えです。

■マリアちゃんの暗号とは

ボスの正体が烏丸蓮耶である事が判明したのが「マリアちゃんをさがせ! 95巻」。

このエピソードに登場する暗号はボスの正体やRUM編を考察する上で非常に重要な役割を果たしている可能性があります。

コナン達のクラスの転校生である東尾マリアちゃんが学校に登校しなかった。

コナンを除く少年探偵団の4人はマリアちゃん家の向かいにあるマリアちゃんの祖父母の家に行く。

そこにはマリアちゃんのお祖母ちゃんがマリアちゃんに残した暗号があった。

暗号を解読する度に次々と矢印が出現し、それを辿るとマリアちゃんのいるゴールまでたどり着けるようになっていた。

【暗号は次の通り】

1・女の子は身だしなみが肝心!寝グセはチェックしたかな?

2・整理整頓ヨロシクね!

3・夜中のおトイレもこれで安心ね

4・バードちゃんのお世話をしてね

➡最後に地下室にたどり着く

 

■暗号が示すのはRUM編の主要キャスト

この暗号はそれぞれRUM編の主要キャストを当てはめるのではないかと思ってます。

◆「身だしなみ」は羽田浩司

「身だしなみ」の暗号は羽田ではないかと思います。

棋士なら身だしなみにも気を使っていただろう」という灰原の台詞からこの暗号は事件当日身だしなみを整える為に手鏡を使用した(しようとしていた)羽田が該当。

 

◆「整理整頓」は烏丸蓮耶

「整理整頓」、これはボスの烏丸。

羽田浩司が残したダイイングメッセージは鏡がバラバラになっていました。

それを羽田の意図する通り整理整頓すると出現するのが烏丸の名前です。

 

◆「夜のトイレ」は脇田兼則

脇田はトイレとセットで描かれているキャラクターです。

初登場回はスリの被害者のポーチがトイレに置かれている。

「長野廃教会」ではトイレで事件が発生。

「屋根裏密室事件」では小五郎がトイレに籠りっぱなし。

またトイレはW.C。これは脇田のイニシャルと絡めているのではないかと思います。

長野の事件ではW.Cが強調されている印象がありますし、脇田を意識したと考えられる容疑者の男性が登場する「牧場監禁事件」でもトイレの表記がW.Cでした。

 

◆「バードちゃんのお世話」は黒田兵衛

これは正直消去法ですね。

現時点ではここに該当するのは黒田しかいない感じなので。

ですが後述の通り脇田もここに該当すると考えています。

 

◆地下室は若狭留美

マリアちゃんが眠っていた地下室が示す人物は若狭です。

若狭は「新任教師の骸骨事件」、「牧場監禁事件」と地下に縁のある女性。

また若狭の登場前の「仲の悪いガールズバンド」に登場する若狭を連想させる眼鏡をかけた留海という女性は地下で犯行に及んでいます。

 

またマリアちゃんは地下室でずっと眠っていた事にも注目。

若狭のメイン回には必ず「眠る人物」が登場します。

「地下」と「眠り」から地下室で眠っていたマリアちゃんは若狭に当てはめる事が出来そう。

 

また若狭のメイン回では「眠る人物」とは別に「気絶する人物」が登場する事にお気付きでしょうか。

この2つのキーワードから17年前の羽田の事件当日の彼女の行動を考察しています。

若狭に関する詳しい考察は後述。

 

■暗号に当てはまる事件とは

暗号はそれぞれRUM編の主要キャストに当てはめる事が出来ると同時に作中の事件を表しているとも言えそうです。

 

◆「整理整頓」は「ブログ女優の密室事件」

「整理整頓」は烏丸蓮耶に当てはめる事が出来ると同時にこの暗号を意識したと考えられる事件があります。それが「ブログ女優の密室事件」。

この事件は几帳面な性格の被害者が本棚の漫画の順番をめちゃくちゃに並べる事で暗号を生み出しています。

羽田が手鏡をバラバラにし、彼の意図する通り整理整頓して真のダイイングメッセージ「烏丸」を出現させた事が重なります。

また犯人が宿泊していた部屋番号は504号室。烏丸蓮耶の語呂合わせで烏丸がボスだと明かされた1008話のちょうど半分です。

 

52巻の「ひっくり返った結末」も当てはまります。

この事件も几帳面な被害者の部屋が犯人の手でメチャクチャにされ、少年探偵団が本を順番通りに並べようとしている。

犯人が宿泊したのはやはり1008のちょうど半分の504号室。作者はかなり早い段階から羽田のダイイングメッセージのトリックを考案していたのではないでしょうか。

また「メチャクチャ」と「整理整頓」は真逆。

マリアちゃんの暗号では整理整頓するのは82巻まで出ている漫画。

82巻をひっくり返すと28巻。

28巻は烏丸の別の名前とされる大黒連太郎の名前が登場するので烏丸蓮耶=大黒連太郎という伏線かもしれません。

 

◆「夜のトイレ」は「謎解きは喫茶ポアロで」

「夜のトイレ」は脇田を表した暗号でこの暗号に当てはまる事件が「謎解きは喫茶ポアロで」。

「謎解きは喫茶ポアロで」は暗闇のポアロのトイレから出てきた男性が事件を起こしています。

犯人は事前にポアロの店内の机や椅子の配置を再現し暗闇でも実行できるよう訓練していました。

マリアちゃんの暗号は地震でメチャクチャになった部屋のインテリアをきれいに配置する事で暗号が解けるようになっていました。

夜のトイレと暗闇のトイレ、店内の内装通りの配置とインテリアを元通りに配置。これが合致している。

 

夜や暗闇、そしてトイレがセットの事件が脇田を考察するヒントではないでしょうか。

そういう意味で怪しいなと感じるのが「怪盗キッドの絡繰箱」。

このエピソードの中でキッドは身長を小柄に演出していますがそれをコナンに指摘されたのがトイレ。そしてトイレを暗闇にする事でその場から姿を消しています。

このブログで何度も指摘していますが脇田は身長を誤魔化していますから脇田の身長詐称の伏線なのかもしれません。

また「姉妹バースデー事件」では容疑者となった少女が暗闇の中でなぜかトイレに行こうとしたと語っています。

この事件は犯人は利き手とは逆の手で被害者の額に「天罰」の文字を書くのですが恐らく「利き手とは逆の手」は伏線

冒頭で登場人物が利き手と逆の手で包丁を握っています。さらに油性マジックが鍵となった事件ですが世良は掌に油性マジックで渦巻きを書いていました。

これは渦巻きの書き方で利き手が分かるという84巻のエピソードを匂わせているもの。

「利き手とは逆の手」がRUM編の重要なワードという暗示だと思います。

そして脇田は利き手が不明の人物です。

▼記事はこちら

「姉妹バースデー事件」が脇田の人物像を紐解く役割を果たしている事件なら本来脇田は左利きなのかもしれませんね。

あと深読みかもしれませんが登場人物の誕生日が2月16日なのが気になりました。

この2倍の数字が432、FILE432は作中の重要なキーワードである「銀の弾丸(シルバー・ブレット)」が初めて大々的に取り上げられています。

脇田の素顔が銀の弾丸という伏線なのでしょうか。

ただ「姉妹バースデー事件」はうろ覚えですが登場人物は実在の方がモデルになっていたと思います。

本当にその方の誕生日というだけで数字には何も意味がない可能性は十分あり得ますね(笑)。

 

◆「バードちゃんのお世話」は「牧場監禁事件」

「バードちゃんのお世話」に該当するのは「牧場監禁事件」。

この事件は「バードちゃん」の暗号を強く意識して作られたものとなっています。

以下、マリアちゃんの暗号を「バード」、「牧場監禁事件」を「牧場」とします。

◆お世話

「バード」で少年探偵団が鳥のおもちゃの世話をする

「牧場」ではお世話をする為のニワトリを見つけられず

◆何もない…

「バード」は矢印をたどると何もないシャワー室

「牧場」は矢印をたどるとニワトリのいない養鶏場

◆地下室で眠る人物

「バード」は地下室で眠り続けるマリアちゃんを発見

「牧場」では地下室でベッドで眠るように亡くなっていた男性の遺体を発見

◆光

「バード」では光の屈折がキーワード

「牧場」では部屋を照らす明かりとブラックライトの2つの光を生み出す

 

全体的にマリアちゃんの暗号を意識しているのは間違いないでしょう。

先述のように「バードちゃん」を黒田としたのは消去法に過ぎません。

ただ「牧場監禁事件」の白髪に白いひげを蓄えた犯人が実は変装していてその正体は黒髪の男性だったというのは黒田の外見が黒髪から白髪に突然変貌した話を思い起こさせます。

ちなみに容疑者の中でこの男性だけ懐中電灯の持ち方が警察官のものではなかったので黒田の素顔は公安ではないという伏線になっている可能性が高いと考えています。

私が「バードちゃんのお世話」を黒田と断言できないのは「牧場監禁事件」と黒田の共通点をさほど見出せないというのが大きいです。

 

暗号はそれぞれ該当する人物と事件を照合する事でその人物の正体に迫れるようになっているのかと思います。

 

例えば推測通り整理整頓が烏丸ならぐちゃぐちゃになっている場所を整理整頓する事件が烏丸に繋がるヒントになるとか、夜のトイレが脇田なら暗闇とトイレがセットで発生した事件に脇田の正体を紐解くヒントがあるとかそういった具合ですね。

暗号の矢印にも意味があるのならこれは羽田事件の現場への到着の順番なのでしょうか。

 

■若狭は事件当日クローゼットで眠っていた?

若狭は地下と結びついていると考えられる人物です。

他にも若狭は眠りというワードが伏線となっています。

そしてもう1つ若狭を語る上で重要と考えられるキーワードが「気絶」です。

ここで若狭と「眠り」、「気絶」について振り返りましょう。

 

◆若狭と「眠り」「気絶」の伏線

登場前

●留海という犯人が被害者を睡眠薬で眠らせて犯行に及ぶ(ガールズバンド事件)

●和香、留海という女性が登場する事件で和香は妙なところで眠る癖があるという設定。

この事件では蘭が気絶(眠らされたとも取れる描写)している(バスルーム事件)

 

初登場

【眠り】

強盗犯のボスの遺体が10年間そのままだったのは眠り続けていたと取れる描写

【気絶】

1つ前のアガサ博士が気絶させられていたエピソードが語られる

白鳥警部が犯人から襲撃され気絶

若狭が犯人3人をまとめて気絶させる

 

2度目のメイン回

【眠り】

元太が若狭の家で疲れて眠ってしまう

【気絶】

犯人が自分は被害者で何者かに気絶させられていたと主張

最後は犯人が若狭から攻撃され気絶

 

3度目のメイン回

【眠り】

被害者がテントの中で眠る

黒田が「自分はウトウトしていた」と発言

若狭はこの事を(あなたは)「寝てしまった」と発言

【気絶】

犯人に捕らえられた歩美ちゃんがショックで気絶

 

4度目のメイン回

【眠り】

犯人が女性に睡眠薬入りのワインを飲ませクローゼットに閉じ込める

※この回は気絶の描写は無し

 

5度目のメイン回

【眠り】

歩美ちゃんが眠らされる

被害者が自殺後発見した弟によってベッドに眠るように寝かされる

【気絶】

風見が不意を衝かれ気絶させられる

安室が若狭の攻撃で気絶させられる

 

「眠り」と「気絶」が若狭の過去を紐解くキーワードになっているはずです。 

ここで私が導き出した1つの答えが17年前の羽田の事件当日、若狭はクローゼット眠らされていたのではないかというものです。

 

なぜクローゼットなのか。

若狭のメイン回である「山菜採り」では女性がクローゼットの中で眠らされていました。

更に和香、留海が登場した「蘭も倒れたバスルーム」では被害者の和香は過去にクローゼットの中で眠ってしまった事が語られています。

この事件は登場人物の名前が後に登場する若狭留美の名前をあからさまに彷彿とさせるものであり尚且つ遺体が片目を閉じている、片目の視力に問題のある犯人、マスカラの単語の登場など羽田事件の伏線になっている事件のはず。

ここでクローゼットで眠った過去のある被害者の登場。

若狭はクローゼットと関わりがある人物なのかもしれない。

そう考えて作品を読み直すとヒントになりそうなものを発見しました。それが「堆黒盆」。

この事件も遺体が片目を閉じていたり、犯人が被害者を一撃で仕留められなかった事、容疑者3人の容姿がRUM候補3人と重なる事等羽田の事件を匂わせています。

「堆黒盆」で犯人は被害者を攻撃した後、一度和箪笥の中に身を潜め、人が去ってから再び攻撃し被害者を絶命させています。

これは羽田事件当日クローゼットに身を潜めていた人物がいたという伏線かもしれません。

 

若狭を取り巻く「眠り」「気絶」「クローゼット」の単語から彼女は羽田事件の当日眠らされた、あるいは気絶させられた後クローゼットに閉じ込められていたのではないでしょうか。

 

ここで冒頭に記載した「警察学校編」に視点を移します。

この物語の1話目でスコッチことヒロ(諸伏景光)は両親が殺害された際クローゼットの中にいた事が判明。

「若狭は事件当日クローゼットの中で眠らされていたか気絶させられていた」

私の考察が正しければヒロもクローゼットの中で眠っていた、あるいはそれに近い描写があるのではないか。

そこでこの記事の仕上げは真相が明かされるヒロ編を読み終えてからにしようと思いました。

そしてヒロ編で彼は事件当日クローゼットの中で眠っていたという過去が明かされました。

これに関しては読み通りだったので若狭が事件当日クローゼットの中で眠っていた可能性は私の中で高まった感じです。

 

こじつけっぽい話を付け加えると若狭の羽田の回想も気になる点。

まず「遠見の角に好手ありってね」の羽田は角の駒を右手に正面を見ています。

この駒は現在若狭が所有していること、若狭の回想で正面を見ている事から羽田が若狭に向けて語っていると考えられます。

ですが次の「それでも僕を殺すと言うんですか?」は若狭の方を向いていないとも受け取れる描写。

またこの2つの羽田の台詞は前者と後者で敬語のありなしという差があります。

これは前者の話の相手は若狭だが後者は羽田と別の人物の会話という伏線かも。

彼女は事件当日クローゼットで身動きが取れない状態(眠らされており意識が不鮮明等)の中で羽田とある人物の会話を目撃していたのかもしれない。

後者の敬語の羽田の角度が少々ローアングルなのは若狭がクローゼットの中から羽田を見上げる形になっていたからかもしれません。

 

若狭は羽田に何かしらの特別な感情を持っていたはず。

羽田の「私を殺すと言うのか」という問いかけは若狭本人に向けてではなかったとすると納得できるものがあります。

彼女は事件当日クローゼットの中で羽田とRUMの会話を聞いていたのかも。

 

「牧場監禁事件」で不意打ちとは言え若狭が安室を攻撃し意識を失わせた描写は当初若狭の身体能力の高さと意地でも駒を取り戻したいという彼女の意思を誇張する作者の狙いがあったと考えていましたがそうではない。

作者は若狭と「気絶」のワードを繋げるために安室を気絶させたわけです

彼は損な役回りを与えられてしまいましたね(笑)。

一方少々気になるのが「眠り」と「気絶」を同時に描いている事です。

若狭が当日気絶させられそのまま意識を失ったのなら気絶する人物を描くだけで十分な気がします。

事件当日気絶した人物と眠っていた人物両方が存在していたという考え方も出来るかもしれません。 

考察通り若狭が事件当日気絶させられていた、眠らされていたのなら羽田事件の実行犯という可能性は無くなります。ただしアマンダを殺害した後気絶させられたという事は考えられます。

作者は17年前の事件はRUMの犯行ではないと解釈が可能な発言をしているので実行犯が若狭以外だから若狭≠RUMとは断言できない。

考察通り事件当日眠らされていたとしても若狭のRUM説否定の根拠としては弱いと感じます。

■黒田と脇田は「バードちゃん」のボディガードだったのか

私が考えている考察の1つに黒田と脇田は事件当日同じ任務に就いていたのではないかというのがあります。

「バードちゃんのお世話」の暗号が黒田を表しているものだとします。

 

コナン達がRUMの名前にたどり着いた「17年前と同じ現場」では「体格のいい2人のボディガード」のワードが登場します。

そして49巻には「自衛隊上がりの2人の巨漢のボディガード」というワードが登場。

48巻~49巻で組織は選挙に出馬する人物の暗殺を計画していましたが作者が途中で話のミスに気付き標的となる人物を変更しています。

当初組織に狙われるはずだった人物は資産家の御曹司で人気俳優の男性でした。

これは大金持ちの御曹司で将棋の棋士として有名人だった羽田と重なります。

組織から命を狙われた理由がイマイチ判然としないのも共通しています。

この事件は羽田事件を紐解くヒントになっている可能性がありそう。

 

この2つの事件に登場する「大柄な2人のボディガード」は伏線ではないかと思います。

黒田は大男とされているのでこれに合致。

また「バードちゃん」の暗号を解いた場所がトイレ=W.Cである事にも注目。

「バードちゃんのお世話」の暗号は黒田と脇田の2人を暗示していそう。

脇田は身長を低く偽っていますからメタボ体系も変装という事は十分あるはず。

彼は黒田同様本来は体格のいい人物の可能性はそれなりに濃厚です。

 

羽田の事件当日、黒田も脇田も「バードちゃん」のボディガード(お世話係)の役目を担っていたのかなと思います。

そしてこの暗号は「バードちゃん」をどう解釈するかが考察する上で重要ではないでしょうか。

1つは「バードちゃん」を烏丸とする考え。もう1つは羽田とする考え。

 

▼「バードちゃん」=烏丸の場合

「バードちゃんのお世話」の暗号に当てはまる人物が黒田と脇田で「バードちゃん」が烏丸なら烏丸をお世話する立場の黒田と脇田はどちらかがRUM、どちらかがRUMの影武者等が考えられそう。

 

▼「バードちゃん」=羽田の場合

羽田の名前、そしてダイイングメッセージに使用された手鏡のまつげが天使の翼のように描かれてるのは羽田=「バードちゃん」の示唆なのかもしれません。

この場合黒田と脇田は事件当日羽田のボディーガード等を務め彼の身の回りの世話を行っていたのかも。

羽田は大変裕福な家柄なのでアマンダが浅香を帯同させていた様に彼にも似たような存在がいた。その人物こそ黒田と脇田かもしれません。

 

また2人のお世話係の伏線を密かに暗示していそうな事件がやはり「堆黒盆」。

この事件の被害者の家には家政婦が2人雇われていますが沖矢とアガサ博士の台詞によってなぜかこの2人の家政婦の存在が強調されているんですよね。

やはり事件当日お世話係なるものを任されていた人物が2人いそうです。

もちろんアマンダのボディガードの浅香を含めて2人いたという考え方も可能かと思います。

 

RUM候補3人のうち2人は体格が良い人物で「バードちゃん」のお世話をしていた。

この線で行くと若狭は身体能力こそ秀でていますが体格がいいとは言えません。

黒田と脇田は「バードちゃんのお世話」をしていて若狭はアマンダのボディガード、つまり浅香なのかなと。

3人とも事件当日ボディガード等身の回りの世話をする任務に就いていたというのが現時点の推測です。

当たっていればRUM候補3人は顔見知りの間柄という事になります。

灰原の口からRUMのヒントが義眼である事が語られた事件では組織内で噂されていたRUMの容姿に合致する3人の容疑者が登場します。

被害者を含めこの3人は知り合いだったという事件ですがこれは羽田、そしてRUM候補を含めた4人はある程度互いを知っている間柄という伏線かも。

 

■黒田と脇田は同一人物なのか

私は黒田は2人存在しそのうちの1人が脇田、つまり黒田と脇田は同一人物ではないかという記事を複数UPしています。

本当に「バードちゃんのお世話」の暗号に該当する人物が黒田と脇田の2人を示唆しているのならやはりこの2人は同一人物なのかもしれません。

先述の「牧場監禁事件」には黒田を意識したキャラクターが登場していますが同時にメタボ体系で両利き、元ボクサーというキャラクターにも注目。

脇田は変装かもしれませんが現在メタボ体系、両利きの伏線が張られている人物です。また彼のモデルとされているのがボクシング漫画「あしたのジョー」の丹下段平である事を踏まえるとこのキャラクターは脇田を意識して作られているはず。

黒田と脇田を意識したキャラクターが2人同時に登場しているのは興味深い点です。

またRUM候補3人の容姿を意識したキャラクターが登場する事件と言えば「裏切りのステージ」と「堆黒盆」。

この2つの事件にも黒田と脇田は同一人物と考えられる細かな伏線が張られています。

まず「裏切りのステージ」。この事件で黒田に該当するキャラクターが布施という人物。そして「堆黒盆」で黒田に該当するのが遠島です。

黒田を模した布施と遠島の2人はある共通点があります。

布施「私は今朝からお腹を壊し気味でここのトイレに籠っていただけだと…」

遠島「一度トイレに行ったら家が広くて迷ってしまい…」

事件当時のアリバイがトイレに行っていたという事なんです。

ここで記している通りトイレは脇田を暗示しているワード。

多くの読者が黒田と脇田は敵対する関係と考察していますが作者は黒田と脇田をセットで描いているんです。

脇田の身長詐称は大柄な黒田としても生活している事を隠す為とするとしっくりきます。

RUM編で長身かつ重要キャラと言えば黒田か伊織くらいです。

 

また脇田のメイン回では登場人物がペアで行動する、ペアを完成させるゲームであるババ抜きがエピソードに取り入れられる等ペアというワードが立て続けに登場。

脇田を暗示するワードがペアである事は間違いありません。

脇田は黒田と2人1組のペアで黒田兵衛を演じているというヒントではないかと考えています。

少なくとも黒田と脇田は敵であっても連絡が取りあえる等近しい間柄なのだと思います。

 

また先述の脇田の利き手に話を戻しますが彼が左手をよく使う人物なのは間違いありません。

本当に利き手が左なら脇田はそれを隠している事になります。

彼の正体が慎重な性格のRUMであってもコナン達の前で利き手を隠す理由が分かりません。彼は初登場時、眼帯を外そうとした。つまり脇田=RUMなら小五郎達がRUMである自分にどのように反応するかを確認しているんですよね。

その大胆不敵な行動を取る人物が利き手を偽るというのが釈然としません。

慎重派なら利き手を隠すより隻眼の話題を避けたがるはずなので。

ですが何らかの事情により脇田が黒田の役割を兼任しているのなら本来左利きの脇田が右利きの黒田の役を演じているうちに右利きが移った等の説明ができます。

実際に脇田は初登場眼帯が右にあると勘違いをしています。

これも彼が右目が塞がった黒田を演じている伏線とすれば納得できるんです。

 

私は脇田はRUMではなくRUMの影武者と考えています。 

若狭は体に無数の傷跡がありますが傷跡は左半身に集中しているので攻撃したのは右利きの人物。彼女を負傷させたのがRUMならRUMは右利きの人物でしょう。

RUMは隻眼で右利き。RUMの影武者として暗躍している脇田はRUMに成り済ます為に右利きを演じているのではないでしょうか。黒田=RUMかどうかはさておき脇田の利き手の作画があやふやなのは右利きの別人として二重生活を送っているから。この可能性はありそうだなと思います。

身長を低く演出している事、右目が塞がっていると勘違いした事、ペアの伏線、黒田を模した人物とトイレの結び付き、不明瞭な利き手…。

どれも脇田の正体は黒田とするとピタリとピースが当てはまる感じです。

 

■警察学校編に伏線か

警察学校編で明かされたヒロの過去は若狭の歩んできた道とリンクしているのかもしれません。

この項目ではヒロの過去から若狭、及びRUM編を深読みしたいと思います。

私が過去を語ろうとするヒロに関して妙な印象を受けたのは事件現場の様子を「鉄の匂いが立ち籠める」と繰り返し表現した事。

これについては萩原が一体何の事かと尋ね、降谷は「鉄の匂い」とは「血の匂い」である事をヒロに代わり詳しく説明しています。

ここはストレートに「血の匂い」でよかったと思います。

「鉄の匂い」が犯人は外守でなく金物屋の人物というミスリードならバイク店の店員も疑われる流れを作るべきですがそれはありませんでした。

犯人のヒントはタトゥのある人物。外守という名前を分解するとタトウになりますし作中の刺青のルビはタトゥーでなくタトウー。犯人のフルネームを外守一としたのもタトウーに合わせているからでしょう。

つまり外守の名前そのものが彼が犯人だという伏線となっているので今更ミスリードの必要が無いんです。

ここで若狭と「血の匂い」についての深読み。

彼女は「山菜採り」で血の匂いから羽田の遺体を回想しています。

ですが「血の匂い」と似ている「鉄の匂い」と若狭が結び付いている可能性も。

若狭は体中に刃物が原因と考えられる傷跡がいくつも確認できます。

つまり彼女は刃物の匂いである「鉄の匂い」を知っている人物。そして若狭を負傷させたのはRUMである可能性が高そうです。

以前記事にしましたがRM編は日本刀が伏線になっていると思います。

ヒロがクローゼットの中で血の匂いを鉄の匂いと感じたのなら若狭も閉じ込められていたクローゼットの中で羽田の血の匂いとRUMの所有する刃物の匂いを重ねていたのかもしれません。

▼RUM編と日本刀の関連性はこちら

また気になっているのがヒロの幼馴染で彼の両親の事件のきっかけになった少女の名前が有里である事。

ボスの正体が判明した次のエピソード「迷宮カクテル」は過去にも記しましたがRUM編の伏線になっている可能性が高いと考えています。

この事件は父親の有里という娘への愛情の深さが事件に繋がってしまいました。

ヒロの事件も有里という娘を持つ父親の愛情の強さが事件を招いています。

同じ名前にした事に何か意味があるかもしれません。

 

作者はヒロの事件は本編には繋がらないと明言しています。

ヒロ編と若狭の繋がりに関しては考察というよりも深読みといった感じですがヒロがクローゼットの中で眠っていた事に関しては予想通り。

ヒロ編にはRUM編を紐解く意外なヒントが散りばめられているのかもしれません。

登場人物がやたらウィンクしているのも私としては少々気になりました。

 

 

マリアちゃんの暗号が収録されているのは95巻ですがそれ以前もそれ以降もこの暗号を解読するヒントとなる事件が発生しているというのが私の考えです。

以前少し記事で触れましたがマリアちゃんの暗号を意識した事件は最近も起こっています。

つまり今後も暗号を意識した事件は発生しそう。

 

今のところ暗号はここに記した解読方法で合っているのかなとは思いますがまだまだ羽田事件の全貌を明らかにするには程遠い感じですね。

恐らくここに記した事件以外にも暗号に該当する事件はあるでしょうし何か気づき次第加筆していく予定です。

マリアちゃんの暗号についてはもっと考察するべきとも感じますし同時に暗号をベースにした事件が今後も続くなら事件内容と暗号の接点を丁寧に拾い上げるという地道な作業を繰り返す事でRUM候補3人の正体や彼らの事件当日の行動などが明るみになる仕組みなのかもしれません。

 

マリアちゃんの暗号については他にも記載したいのですが長くなるのでまたPart2といった感じで記事にしようと思っています。