黒田が変装している伏線【縁結び神社】

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今回は1067話~1069話「縁結び神社」からRUM編を考察しています。

前回の1066話で組織のNo.2、RUMの正体は脇田兼則とされる描写が掲載されました。
しかし作中においても公式の文章においても脇田がRUMである事は明言されていません。
私は脇田=RUMはミスリードであり脇田の正体はRUMではないと考えています。
この記事は脇田はRUMではないという私の考察が前提の記事となっています。

 

今回の事件は平次と和葉のメイン回。
舞台は縁結びとして人気の神社。
ここで警察官の男性が殺害され、容疑者は被害者が追っていた指名手配犯の3人の中にいると言うもの。
結論から述べればこの事件は黒田兵衛は変装術を持っているという伏線なのだと思います。 

【黒田は変装術を会得している?】

黒田の変装術の伏線について。
まず扉絵でコナンは狐のお面で右目を隠していますが右目が義眼とされているのは黒田。

今回平次はお面をつけた上でコナンから拝借した変声機で全くの別人に成りすましていました。
これは黒田が変装術を持っているという暗示だと思います。

 

和葉が平次がお面を付ける理由として「彼は顔に火傷の跡がある」ことを挙げていますがこれは黒田の顔の傷を連想させるもの。黒田の傷は蘭の口から「火傷」と明言されています。
また事件の被害者は警察官。事故に遭い長年昏睡状態であったとされる黒田を彷彿とさせますし雪だるまの右目が取れた事が事件解決へと繋がりましたが右目が義眼とされるのは黒田です。

平次は変声機で声を変えていましたがこれが黒田の正体に繋がる伏線となっているのであれば黒田は変声術まで会得している事になり別人に成り済ます技術はかなりの物という事。

ちなみにこのブログでは黒田は2人存在しておりその内の1人を脇田が演じていると考察しています(過去記事参照)
つまり私の考察上黒田の正体は脇田と言い換える事も出来ます。
この考察が正しければ黒田(=脇田)は変装術も変声術も卓越している事になります。
暗示された黒田の変装術が黒田=脇田となるのか。後述の通り脇田をモデルにしていると考えられる容疑者も登場しているので黒田=脇田の仮説立証に少しずつ近付いていると捉えたいところです。


では若狭が変装術を獲得しているか否か。
彼女は意味深な名前を報道させる事で黒田と脇田のどちらかあるいは両方の関心を引く狙いがありました。
若狭に変装術があるのなら妙な名前を名乗るという回りくどい手段は用いないでしょう。
反応のもらえる外見に変装した方が手っ取り早いですからね。
よって若狭は変装術を持たない可能性が高いというのが今のところの私の判断です。


一応脇田が2人いるという可能性はあるのかについても記載します。

脇田「んなの「腹の具合がどうにも御機嫌斜めで…今日と明日おヒマを頂きやす」って大将に言やぁ合点承知之助でさぁ!」 97巻

この言葉通り脇田は旅行行きを当日決めています。
彼の勤務先のいろは寿司は欠勤にも柔軟に対応してくれるようです。気軽に休みの取れる立場の人間を2人も用意する必要はありませんよね(笑)。
この事から脇田が2人存在している可能性は無いと言えそうです。

ちなみに黒田は休暇を全く取得していない事が明言されています。(93巻) 


【お茶会の新情報】

優作「例の深夜のお茶会の答えをまだ頂いてませんし…」
赤井「ええ…」
コナン(お茶会?)

安室を交えた工藤邸のお茶会についての新情報。
安室と何らかの取引をしたのだと思います。

コナンはきっかけこそ作ったもののお茶会の内容どころかお茶会そのものを知らなかった。
この優作&赤井がコナンの1歩先を行くという流れは最近の作中でいくつか見られるパターン。
ボスの正体にたどり着いたのも両者が先、偽優作の推理ショーでも主人公は蚊帳の外でした。
裏を返せば今後主人公の存在感を遺憾無く発揮できるステージが待っている。
それこそRUMの正体は脇田ではない、等と言った衝撃の展開がそのステージに該当すると考えているんですが。


【脇田はひき逃げ事件の被害者だった?】

容疑者の1人、川野という男性は左利きのボクサーです。
脇田は左利きの伏線の張られている人物であり彼のビジュアルはボクシング漫画「あしたのジョー」の丹下段平をモデルにしている可能性が高い。

「牧場監禁事件」にも脇田を連想させる利き手不明のメタボ体系のボクサーが登場。
左利きのボクサーは脇田に関する伏線の可能性が更に高まりました。
そして川野がひき逃げ犯という事にも注目。
私は脇田は2年前にひき逃げの被害に遭ったのではないかという考察をしています。
▼脇田のひき逃げ被害の伏線についてはこちら

 左利きのボクサーが脇田を暗示しているのならやはり彼がひき逃げされたという考察も的中しているのかもしれません。

また利き手が不明のボクサーと言えば安室も同様です。
彼はボクシングの攻撃は原作、スピンオフ、アニメ、映画と一貫して左手です。これが伏線として機能しないのはさすがにおかしいですね。
以前なら脇田はボクシングに精通している可能性がある事から、安室にボクシングを指導したのは脇田であり両者は組織内で繋がっている、つまり脇田はRUMであるという考察も可能でした。

ですが降谷はスピンオフ「警察学校編」でボクシングを披露しています。
そのレベルはプロボクサーを父に持つ松田と対等に渡り合えるほど。おまけにこんな言葉も松田にぶつけています。

降谷「驚いたな…僕の拳を食らって…立っている奴がいるとはな…」

警察官になる前から降谷のボクシングの腕は相当なものでした。
そんな彼が脇田にボクシングを指導してもらう必要はありません。少なくともボクシングから脇田=RUMと結論付ける事は出来なくなりました。
ですが安室のボクシングがサウスポースタイルは確定であり脇田は左利きでボクサーという伏線のあるキャラクター。
この事からこの2人は安室の警察学校入りの前に接点があったのではないかと考えています。
脇田が警察学校入りの前の降谷にボクシングの指導をした過去があるのなら両者は実は親密に打ち解けあっているのかもしれません。
もちろんボクシングを指導し親しくしていた過去があったとしても脇田=RUMであるのなら降谷はかつて世話になった人物と組織内で敵として再会した可能性もあります。

ところで脇田=RUMの裏付けとして安室の前で脇田の発したこの台詞を挙げる方が結構いるようです。

脇田「自分を謀る裏切り者がわかるじゃないですか…鮮度の落ちた魚を高値で売りつける仲卸とかねぇ…」

これは脇田は安室を疑っているからこそ出てくる台詞でやはり彼の正体はRUMであるというもの。
ですが私はこの「鮮度の落ちた」はベルモットについて語った可能性が高いように思います。
なぜなら脇田初登場回の際登場人物の女性が「リンゴをむいていたら手が滑って怪我をした」と発言しています。
ここは普通「料理をしていた」でしょう。わざわざリンゴにしたのは伏線だと思います。

「鮮度の落ちた」と「リンゴ」でラットゥンアップル。
「鮮度の落ちた魚を高値で売りつける」というのはベルモットがそれ相応の年齢にもかかわらず若き美人女優として自分を世間に売り込んでいる事に触れている。

脇田の疑っている相手とはベルモットであり彼は組織と敵対関係にある正義の立場である事をここで暗示しているというのが私の解釈です。
ですが脇田=RUMとしても彼とベルモットとの関係が良好とは言い切れません。何せベルモットは組織内に敵が多いので(笑)。
推測通り脇田の台詞がベルモットを指していたとしても脇田=RUMは成立します。

ところでボクサーの伏線等からも脇田の外見のモデルが丹下段平なのは間違いないと思うのですがこれだと脇田=RUMとした場合あまりに安直すぎやしませんか(笑)?

灰原「ラム…?」
コナン「酒の名前だよ!よく海賊とかが飲んでる…」 86巻

丹下は酒に溺れた人間でした。また脇田と丹下は眼帯をつけていますがこれは海賊の象徴です。脇田の外見はRUMそのもの過ぎるんですよね。
青山先生はRUM編はかなり早い段階から構想を練っていました。
その上で作り上げたキャラクターが見た目でたどり着けるというのが全く合点がいかない(笑)。脇田=RUMがミスリードの可能性は充分あり得ます。

 

【RUM候補3人は顔見知りか】

今回の事件の容疑者3人の関係性は極めて複雑でした。
結婚詐欺師の男の財布をスったのが万引き常習犯の女性、その女性の恋人をひき逃げしたのが前述の川野、その川野の妹を罠に陥れたのが結婚詐欺師の男でした。
容疑者3人が見事に円を描いて繋がっていたという話。

これはRUM候補3人が顔見知りという伏線なのかもしれません。
この3人の関係性に関しての伏線もきちんと張られているので記事にまとめます。

 

【RUM候補3人は全員顔を変えている】

既に脇田は変装を施した上でいろは寿司に勤務している事が分かっています。
そして若狭はトンチのきいた名前を名乗る事で他のRUM候補の関心を引いています。
これは現在の顔では反応してもらえない、つまり彼女は17年前と顔が違う可能性があります。
そしてここにきて黒田の変装術の伏線。
コナンが手にした「RUMは顔を変えている」という情報に3人とも合致する展開となりました。
やはりRUMの正体はまだ確定していないというのが私の判断です。


【ついにコナンはアナグラムに注目】

コナンはRUMが現在「ふざけた名前」を名乗っている事を知っています。
平次はふざけた名前として土井塔克樹の名前を挙げました。怪盗キッドがかつて名乗ったもので並びを変えると怪盗キッドとなります。

コナン(アナグラムか…)

ここからコナンが安室からのヒント「せっかち」とアナグラムを掛け合わせ脇田をRUMと疑う展開となるのか。
アナグラムで言えば脇田よりも若狭の方が格段に分かりやすいのでこちらに反応する方が先な気がします。
若狭はこれまでの情報からもアナグラムからも浅香の可能性が高い人物です。
コナンはまず若狭=浅香にたどり着きその後脇田に注目する流れなのかなと思います。
そもそも浅香の正体が明かされるより先にRUMの正体が明かされる展開は奇妙と思うのですが。
RUMの正体判明の後浅香の正体が明かされるのは正直緊張感に欠けるのではないでしょうか。
ここも脇田=RUMとすると腑に落ちないポイントです。

また被害者の警察官が老けて見える男性というのが強調されている印象を受けました。
私は黒田が若返っている可能性を記事にしていますがこれに繋がってくるかどうか。
▼黒田若返りについてはこちら 

私は黒田=脇田の変装と考えているので黒田の若返りは脇田の若返りを意味します。

 

そして容疑者の1人が結婚詐欺師であった事。結婚詐欺師は「山菜採り」でも登場。「牧場監禁事件」でも詐欺師のワードが出てきました。
詐欺師の意味するものに関してはまた別に記事にまとめる予定です。

※▼「詐欺師」の伏線についての記事が完成しました。