安室と脇田は同志

f:id:hayama0-0:20200215231247p:plain

私は脇田は安室と協力関係であると推測しています。

ここではその考察について綴りたいと思います。

前回の記事で脇田は安室と連携している麻薬取締官ではないかと投稿しました。

ここで言う協力関係とは両者が公安と麻薬取締官という繋がりだけでなく組織を壊滅することにおいても2人は同志であるということです。


◆2人が後ろで手を組んだコマの意味◆

脇田のメイン回は今までに2回あります。

初登場の「となりの江戸前推理ショー」(92巻)とコミックス化されていない「長野廃教会殺人事件」です。

※↑「長野廃教会殺人事件」がコミックス化されました。(追記:2020年2月15日)

この2つのエピソードの間脇田はずっと腕組みをしています。

今のところ脇田は変装かどうか定かではありませんが「脇田兼則」というキャラクターの癖は前で腕組みをすることで間違いないでしょう。

彼が珍しくその手を後ろで組んだ場面がありました。

「長野廃教会殺人事件」で小五郎と諸伏高明が会話をしているコマです。

実は同じコマで安室も脇田同様やはり手を後ろで組んでいます。

このポーズは警察官としての正しい立ち方の為、高明に対しての敬意の表現とも取れますが青山先生がそれ以上に表現したかったのは安室と脇田が裏で手を組んでいるということだと思います。

大きなコマでもなければ脇田がコマからやや見切れている為2人が後ろで手を組んでいる描写は見落とされがちだと思うのでミスリードとは考え難い気がします。

加えてこのシーンのすぐ後に脇田はいつも通り前で腕組みをしています。

2人が後ろで手を組んだのが意図的なのは間違いありません。

勿論裏で手を組むというのは堂々と協力関係になれない状況を意味しています。

これはまさに安室が上司(正確には偽黒田であるラム)を裏切っていることを意味していると思います。


◆安室と脇田は類似点が多い◆

安室と脇田には似通った点が複数見られます。

■双方(恐らくわざと推理を間違えて)小五郎に弟子入り

■眠りの小五郎の推理が始まった際のリアクションが同じ

■コナンはテーブルの下で推理ショーを行った

■2人とも食べ物を手土産に小五郎に接近

■小五郎の財布に万馬券を仕込んだと思われる脇田(92巻)と蘭の財布から鍵を盗んだ安室(95巻)

小五郎「今日は色々ついてねぇぜ…」コナン「色々って?」(財布を落としたことを話す小五郎とコナンの会話 92巻)

蘭「今日は散々だなー…」コナン「散々って?」(財布を落としたことを話す蘭とコナンの会話 95巻)

蘭に関しては「散々」と語るほどの出来事でもないので安室と脇田を関連付けする為の台詞と考えられます。

↓以下「長野廃教会殺人事件」↓

■旅行に参加した安室にコナンが抱いた感想は(暇なのか?公安…)。同じく参加する脇田に対しても(自由だなこの人も…)と似たもの同士と捉えている

■コナン、上原から小五郎は「水戸黄門のよう」と称されておりこの場合安室と脇田は助さん格さんとなる為同じ立場

■小五郎も「まあまあ脇田さん、安室君」と肩を叩いて宥めておりコナン同様小五郎も2人に対する扱いが同じ

 

ちなみに「長野廃教会殺人事件」では脇田の隣にいる安室の頬に線まで入っていて非常に親し気。

安室の表情は隣にラムがいるという様子ではありません。


◆『ゼロの日常』から垣間見える脇田は敵ではない◆

私はラム編を考察する上で「ゼロの日常」は貴重な資料だと考えています。

1話に登場するいろは寿司の看板はとても鮮明に描かれています。

見た方は分かると思いますがここは適当な描き方で十分です。

それが適当どころか逆に鮮明に描いている。

「ゼロの日常」は安室から見た日常を描いた作品です。

彼にとって素性の知れない人物は目元を描かないという特徴があります。

何度となく会っているコナンや小五郎でさえ目元が描かれたことがありません。

対照的に蘭はしっかりと描かれていることから本編と同じく彼女に一切疑いを持っていないことが分かります。

「ゼロの日常」の描写の特徴を考えれば脇田が敵であれば看板を鮮明に描くことを避けるのではないでしょうか。

1話の時点では脇田はまだいろは寿司に潜入していなかった、または潜入していたもののその頃は脇田がラムだと疑っていなかったという理由で看板が描かれたという可能性もゼロではありませんが少なくとも鮮明に描く必要性を感じないコマなのでやはりこれは安室にとって脇田が警戒するに値しない人物だというのを現しているように感じます。

さらに安室は「心のこもったストラップ」(94巻)の裏側を描いた39話の扉絵で左目を閉じてウィンクをしています。

本編で比護選手のストラップの左目が取れていたことを考えるとラム疑惑の中で唯一左目が義眼とされる脇田を連想させますしこの扉絵は意図的でしょう。

彼は34話の扉絵でも左目を閉じてウィンクしています。また他にも彼は何度か左目を閉じてウィンクしているのが見られます。

ゼロの日常は多くの読者がさらっと読む作品と思っている為この作品でラム編のミスリードをしているとは考えづらいと思います。

ちなみに安室と大きな確執を持つ赤井は1巻に写真で登場していますが目元はしっかりと描かれているものの2巻でちらりと登場する沖矢の目元は描かれていません。

これは安室が「赤井秀一」という人物の素性を掴んでいるものの「沖矢昴」に関しては掴みきれていないことを表しています。

「安室は脇田を敵視していない」よりも「安室は脇田の素性を把握している」が適切な言葉かもしれません。

また「ゼロの日常」には脇田を連想させる人物が犯人役で登場しますがだからと言って脇田をラムと決め付けるのは強引。むしろこれも脇田の存在が安室の日常の一部という意味だと受けとることが可能だと思います。


◆脇田は組織にとって鼠?◆

脇田のメイン回である「となりの江戸前推理ショー」と「長野廃教会殺人事件」の2つのエピソード両方にスリという単語が登場します。

スリはフランス語で鼠の意味です。

私は脇田は組織内の裏切者を指すNOCではないと考えていますが組織にとって鼠のような役割を果たす人物なのではないかと思います。

かつてベルモットは安室に対しこんな言葉を言っています

「組織内に鼠が入り込んで来てるって…ジンが問題視していたし…」 85巻

鼠なのは安室も同様です。

つまり二人は組織壊滅という同じ目標を掲げた同志と考えることができると思います。

私は脇田はポアロのウエイトレスである榎本梓の父親と推測しています。

 その梓と安室は現在協力関係にあるという考察記事がこちら。

安室は脇田と彼の娘である梓とも連携が取れている仲というのが現在の私の考察です。


 にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ

ラムは2人いる黒田のうちの1人

f:id:hayama0-0:20200321211103j:plain

私はラムの正体は黒田兵衛だと考えています。

正確に述べると黒田は2人存在しており、片方がラムであるというのが私の考察です。

今回は私が黒田がラムだと考えるに至った描写について綴ります。


 ◆ラム編は緻密な計算で成り立っている◆

組織の気配を感じ取ることのできる灰原が黒田をシロだと断定している為読者の間でも黒田はラムではないとしている方が多いようですが私は黒田がラムだと確信しています。

ラム編で出てきている「デタラメ」「インチキ」というワードは青山先生が「ラム編では大きな仕掛けをするよ」という意味だと受け止めています。

灰原が黒田、若狭をシロとしてるからラムは脇田で決まりというのは余りに安直過ぎる。

作品の流れを見る限りラム編は単純な考察とはいかないはずです。

黒田に関してはまだ謎が多いのですが便宜上この記事ではラムでない方を黒田と表現することにします。


  ◆黒田は2人存在している◆

黒田は10年近く意識不明で入院していた上、包帯を取った看護士が腰を抜かすほど別人のように変化していたとされています。

上原「意識が戻った今も所々細かい記憶が抜け落ちてるっておっしゃってたけど…」 86巻

これは黒田が2人存在する為に記憶の共有が不完全であると捉えることができると思います。

灰原が黒田と初めて会ったのは「ブログ女優の密室事件」(87巻)で、最後のページに黒田は少しだけ登場しますがこの時灰原はかなり怯えきってコナンにしがみつきました。しかしその理由を灰原はこう述べています。

灰原「あんな恐ろしい顔を間近で見せられて平気でいられるわけないでしょ?」 87巻

組織の人間の匂いを黒田から感じたわけではないのでこの時は黒田で間違いありません。

現在までに原作で黒田の活躍の目立ったエピソードといえば初登場回の「県警の黒い闇 86巻~87巻」と「燃えるテントの怪 93巻」の2つです。

「県警の黒い闇」の黒田と「燃えるテントの怪」の黒田は私には違う人物に思えます。

まず「県警の黒い闇」の黒田ですがこの時の黒田はとにか人の名前を事あるごとに呼んでいます。

「三枝、鹿野、秋山の3人はこの周辺の聞き込みを!」

「大和と諸伏と上原は竹田が関わった事件で恨みに思ってる奴を全て洗い出せ!」

「抜かるなよ…大和の言う通り…」

たった3コマでこれでもかと言うほど人名を口にしています。

対照的に「燃えるテントの怪」は最低限しか人の名前を呼んでいません。

もちろんその時の状況や登場人物の多さという違いこそありますがかなり気がかりな点です。この違いから2人は別人と考えるべきではないでしょうか。

また名前に関するものだと気になる台詞もあります。

容疑者として浮かび上がった3人が被害者のテントを訪れた順について語るシーンです(93巻)

黒田「確か最初は先程名前を伺った…古岡美鳥さん…次が芦沢純人さん…そして最後が…段野邦典さんの順でしたな?」

丁寧に名前を呼ぶ、というよりもこのシーンは黒田が読者に容疑者を紹介しているかのようです(笑)

これこそ黒田と偽黒田(ラム)の違いは人を頻繁に名前で呼ぶかどうかというヒントではないでしょうか。

 この回で黒田と灰原はしっかりと対面していますが彼女は一切黒田に反応していません。

そのことから「燃えるテントの怪」の黒田はラムではないと言えます。

以下私が注目している黒田初登場回の台詞

大和「どっかの組織の大ボスみてーな面だからな…」

偽黒田(ラム)が公安のボス、黒田と同じ顔をしている。

大和「どーせ誰かと見間違えたんだよ!」

黒田「フン…とても見誤る風体とは思えんがな…」

→事件との関りが疑われた大和が現場周辺で目撃されたことについてのやり取り。

黒田は片目の潰れた大和を「誰かと見間違うとは思えない」と表現しているがこれは大和と同じく片目の潰れている特徴的な外見を持つ自分と同じ顔がこの世に存在するはずがないということを強調しているように思える。

言い換えれば黒田と同じ顔がもうひとつ存在しているということ。

高明「獅子身中の虫…獅子を喰らうとも言いますし…」

ラムが警察庁内に侵入している

ラム編はラムは誰かという話ですから黒田初登場回の「県警の黒い闇」は黒田でなくラムと考えるべきです。

この時が黒田で後にラムがちょこちょこ登場するのは漫画の演出上あまり美しいとは言えない展開です。

ですが「県警の黒い闇」の最後にチラッと登場したのは黒田だと思います。

黒田「三枝にも…後でこってり事情聴取せねばならんようだが…どうやらそれはお前達に任せる事になりそうだ…」

高明「え?」

これはこの事件を捜査していたのがラムだから黒田にはラムとの情報共有を終えなければ対応できないということです。

高明は黒田が2人存在していることを知りませんから「なぜ?」という表情をしているわけですね。

またこの時黒田はスマホを操作しています。慌ただしい中でどうしても連絡を取らなければならない相手がいるということ。

これはラムと連絡を取っていると考えるべきです。

黒田が2人存在していることを読者に伝える為にひとつの事件の中に2人とも登場させた方がやはり演出として最高の形だと思います。

そして灰原はこの時の黒田と会っていません。もし出会っていれば反応したはずです。

白鳥「思いきって休まれてはどうですか?どーせ年次休暇も全くとられていないんでしょ?」 93巻

これも2人の人物が黒田1人を演じている為大して休みが必要ではないということを示唆しているのかもしれません。

また後述しますが黒田とラムの決定的な違いは黒田がコナンに関心を持つのに対しラムは新一に関心を持つというのがあります。

この「県警の黒い闇」の黒田はコナンへの関心が非常に薄いのです。

実際にコナンはなぜか小五郎と蘭しかいない新幹線の中で推理を披露しています。

黒田であればコナンから情報を聞き出そうと模索するはずです。

ここからもこの時の黒田はラムであると言えます。


◆なぜか黒田はコナンと2度目の対面で握手を求めた◆

私の考察が正しければ黒田とコナンの本当の初対面は87巻の「ブログ女優の密室事件」の最後のページとなります。この事件で黒田と対面した灰原は彼から組織の気配を感じ取っていません。このことからこの黒田はラムではない。

そしてこの時黒田はコナンに握手を求めています。

非常におかしいですよね。

黒田が本当に1人である場合、コナンとは「県警の黒い闇」で既に対面済みのはず。今更握手する必要はありません。

ここで黒田が握手を求めたのはこれが黒田とコナンの初対面だからです。

また高木刑事に電話でコナンの指示通りに動くよう伝えている為この時の黒田は最初からコナンに対し強い関心を持っていることが分かります。「県警の黒い闇」の黒田には見られなかったものです。

このことからも黒田は2人存在している可能性が高いと言えます。


◆人を名前で呼ぶか否かは作品上最適な演出◆

私の考察通り黒田が2人存在しておりその2人の容姿も声も全く同じであればラム、黒田の両方と連絡を取り合える人物(具体例を挙げれば安室)は電話越しでもラムと黒田を瞬時に判別し話を合わせなければなりません。

相手は組織の大物。偽黒田がラムだと気付いたからと言って対組織陣営が簡単に動くことはできないはず。

安室はラムの正体に気付いてもラム捕縛作戦を実行に移すそのギリギリ、もしくはその瞬間まで偽黒田(ラム)を信じ切っている演技をします。

よって黒田と偽黒田(ラム)には電話越しでも明確な違いが必要になります。

そしてそれはラムが誰であるかを考察している読者にも伝わるものでなればなりません。

その明確な違いこ「人を名前で呼ぶかどうか」ではないでしょうか。

ラムは電話の際最初に相手を名前で呼ぶクセがあるのだと思います。

このクセがあれば安室をはじめ、黒田と連絡を取り合っている対組織陣営の人物は相手が黒田かラムであるかどうか即座に判断し、適切な対応ができます。

実際に長野廃教会事件でこんな描写がありました。

大和「もしもし?」

黒田「久し振りだな大和…」 97巻

大和に電話をかけた際、黒田は一言目に相手の名前を呼んでいます。

私はこの時の黒田はラムだと考えています。

人物を名前で呼ぶのは対組織陣営と読者が黒田かラムかを判断する上で最適な演出と言えます。

現時点で両者の違いを示す判断材料が少ないのは確かですが「電話越しでもすぐに違いが分かる何か」となると相当限定されるはずです。


◆「バーボン」呼びした際の黒田はラム◆

黒田が安室を「バーボン」と呼んだのが96巻です。

黒田とラムの明確な違いとして黒田=コナンに関心を示す、ラム=新一に関心を示すというものがあります。

この96巻でコナンを目で追っている黒田の存在が確認できます。コナンに関心を持っている為これは黒田ですね。この時黒田は安室と連絡を取っています。

黒田はコナンの推理力に関心を持っているのでコナンの手助けになる情報を与えるよう安室に指示したわけです。

事件解決後、恐らく翌日でしょうが安室と黒田がスマホで会話をする場面に移ります。

安室「言われた通り僕が提供できる情報は全てあの少年に伝えました…まあ事件解決の手助けにはあまりならなかったようですが…」

黒田「それより例の件は…どうなってる?」

 96巻黒田の言葉を受けこわばった安室の表情の背後に描かれているのは赤井と工藤夫妻。

「例の件」とはまだ明らかにされていない工藤邸でのお茶会のことだと分かります。

この黒田はコナンの情報よりも新一の情報を欲しがっています。これはラムでしょう。

この「バーボン」呼びが出た上に安室が余裕のない表情であったことから読者の間では黒田がラムならあまりにストレートすぎるので彼はラムではないと考えていた人が多かったようです。しかしこれこそ青山先生の狙い通りではないでしょうか。

私はこの時点で安室は黒田が2人存在していること、その2人には電話越しでも判断できる違いがあることに辿り着いていたと考えています。電話越しでも判断できる違いが上記の通り相手を名前で呼ぶということです。

恐らくこの電話の冒頭で黒田(ラム)は安室を名前で呼んだのだと思います。そこで安室は相手が黒田でなくラムだと判断できたのではないでしょうか。

電話の相手がラムであり、そのラムに対して嘘をついている為に怯えたような表情をしていたと推測できます。

原作で安室と黒田の繋がりが描かれたのはこのシーンが初めてです。

コナンと初対面の時の黒田がラムであるならやはり安室の上司が黒田であることが初めて明らかとなったこのシーンもやはりラムと考えられます。


◆コナンと風見の台詞は黒田が2人存在していることの示唆か◆

工藤新一生存情報が世間を騒がせている真っ最中、当事者であるコナンはこんな台詞を口にしています。

「実は工藤新一には双子の弟がいて…死んだのは弟の方だった…」 95巻

このことをコナンは「こんな冗談でも言わないと頭がどうにかなるぐらいに焦っている」と理由を述べています。

これは黒田と同じ顔の人物がもう1人存在していることを示唆している台詞ではないでしょうか。

また「ゼロの日常」38話「おかしな噂」は安室によく似ているとされる人物が登場します。

自分に似た人物の起こした行動で安室に関する良くない噂が広まっていることを彼は部下の風見に愚痴をこぼすのですがその際の両者の会話がこちら。

風見「降谷さん…それはもしかしたらドッペルゲンガーかもしれません…」

安室「ドッペル?」

ひとしきりドッペルゲンガーの恐ろしさについて解説した風見は最後にこう付け足します。

風見「降谷さん…偽物を捜すのは危険かもしれません…」

これは黒田は2人存在し、一方が偽物でラムであるためその彼を追うのは非常に危険な行為であるという意味があるのかなと。

そして次の39話「頼んだぞ」は「ゼロの日常」とは思えない程冒頭はあからさまに組織を連想させるものでした。


◆「裏切りのステージ」の容疑者の名前が伏線か◆

「裏切りのステージ」(90巻)はコナン、安室、赤井というラム編の主要キャストが初めて協力して事件を解決した上に安室と赤井の確執の原因まで明らかにされたことからラム編における非常に貴重な回と言えます。

そして無視できないのが容疑者となった3人の風貌はそれぞれあからさまに黒田、若狭、脇田を連想させる点です。

黒田に該当するのが布施、若狭は円城、脇田は梶谷という人物ですが私はこの3人の名前に注目しています。

円城=えんじょう=炎上、梶谷=かじや=火事。この2人は火災に関連する名前です。

しかし布施だけそうではありません。特に意味がないのであれば3人とも火災に関連する名前にすればいいはずです。

では布施は何を表しているのか。彼の名前をローマ字にしてみましょう。

布施=FUSE=ヒューズ

導火線という意味のヒューズとなります。当然連想するのは17年前に殺害されたアマンダ・ヒューズです。

このヒューズがアマンダを指しているのかどうかは断言できませんが容疑者3人のうち黒田に該当する人物の名前のみ仲間外れにしたのは意図的だと思います。

ラムには影武者の存在が示唆されていますがラムが1人であることは明言されています。

ここで布施1人だけ他2名と名前の関連性がない上に17年前の事件を連想させる名前というのは大変気がかりな点です。

黒田=ラムという伏線ではないでしょうか。


◆安室は脇田と手を組んでいる◆

私は安室と脇田の二人は協力関係であると考えています。

長野廃教会殺人事件で同じコマで2人とも手を裏で組んでいますがこれは2人が裏で手を組んでいると考えていいと思います。

裏で手を組むということは堂々と協力関係ではいられないということ。

これは安室が上司の黒田を(正確には偽黒田であるラム)を裏切っているという意味が含まれていると推測できます。

安室と脇田が協力関係にあることに関してはまた別に記事にします。

追記:記事、完成しました。

にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ

「Time is money!」とは何か

「Time is money!」

 

ラムが安室に送信したメールに綴られた一文です。(95巻)

 

今回はここから脇田=ラム説を否定する私の立場からこのアナグラムについて検証してみたいと思います。


Time is money!とは何か

 

 

黒ずくめの組織のNo.2のラム候補は黒田兵衛、若狭留美、脇田兼則の3人。

 

その中で多くの読者がラム候補最有力と考えているのが毛利探偵事務所の隣、「米花いろは寿司」に勤務する板前の脇田兼則です。

 

 

根拠として挙げられるのが組織の気配を感じ取ることができる灰原が黒田、若狭の2人をラムと考えていないことが大きいと思います。青山先生はラムは黒田、若狭、脇田の3人の中にいる事を明言している。そうなると消去法でラムは脇田となります。

 

 

そして組織は毛利小五郎の存在を疑っていると考えられますがその毛利に接近しているのが脇田。

他にも読者が彼を疑わしいと考えている点は多々ありますがそのうちのひとつが95巻で明らかになったラムが安室に送ったメールに綴られた一文「Time is money!」ではないでしょうか。

 

これを日本語に訳すと時は金なり➡TOKIWA KANENARI。

入れ替えるとWAKITA KANENORI脇田兼則になります。

 

これらを踏まえるとラム=脇田兼則となるのも頷けます。

 

ですが私は脇田がラムという考えは過去にも記している通り現時点では否定派です。


「長野廃教会殺人事件」の安室の言葉の意味とは

 

 

コミックス化されていない「長野廃教会殺人事件」ではコナンからRUMについて尋ねられた安室がこんな言葉を返しています。

「会った事があると答えれば君は僕がかかわっている人達に探りを入れ始めるだろうし…会ったことがないといえば僕や君に近づく人達を必要以上に警戒するだろ?」

「どの道、僕にメリットはないけど…ヒントとして君に言えるとしたら…その人物はとてもせっかち…――って事ぐらいかな?」

「せっかち」という表現は「時は金なり」のことわざを連想させる台詞です。

このこともラム=脇田という推理に繋がります。

 

 

この回は工藤家のお茶会を終えた後のエピソードです。

お茶会の内容は詳細が明らかにされていません。

 

 

ですがこの台詞はお茶会を終えてもコナンと安室が完全な協力関係とはならなかったことを示しています。

 

 

2人の間に協力関係があればRUMに関する情報も共有するはずです。

そして安室の「メリット」という言葉のチョイス。

協力関係や信頼関係が成り立っている場合、「メリット」「デメリット」で相手との関係性を考えたりしないはず。

 

さらに最後の「せっかち…――って事ぐらいかな?」も個人的に大きな意味があると思います。

「――」も「ぐらいかな?」も両方とも安室は「せっかち」以外に何かを掴んでいる表現と考えて良さそう。

そしてその情報を手にしていながらコナンにそれを教える気はない。

 

 

つまり安室はコナンの事を情報を共有すべきでない人物ではないと判断していることになります。

 

そんな相手に対しRUMという大物に関する情報を簡単に渡さないと考えた方が妥当。

 

 

一方で「せっかち」はラムにたどり着くヒントであることは事実だと思います。

安室が意味のないヒントを出す必要はありません。

何よりも作品の性質上「コナンへのヒント=読者へのヒント」ということを忘れてはいけません。

 

「せっかち」は重要な情報ではないが読者やコナンが推理する上でヒントであることに偽りはないということ。

 

 

仮にラム=脇田である場合「せっかち」から脇田兼則のアナグラムにたどり着く可能性は非常に大きい。

コナンの並外れた推理力を安室は知っています。

何よりこのエピソードの中で脇田はコナンと安室と旅行をしており、コナンと脇田の距離が近付いている最中です。

 

 

そんな状況下であればなおさら安室が「ラムの情報を渡すべき相手ではない」と判断している人物に対し有力な情報を渡すとは考え難い。


せっかちの解釈はいくつも存在する

 

 

私は「せっかち」はRUMの性格と同時に彼の座右の銘のようなものと捉えています。

そしてラムを割り出すヒントの役割も果たしている。

 

そもそも「せっかち」には類語が山ほどあります。

その一例が「あわてんぼう」です。

あわてんぼうと言えばサンタクロース。

 

過去のクリスマス絡みのエピソードにRUMがこっそりと登場していてコナンと接しているとします。

 

そのことを知っていた安室が

RUM➡クリスマス➡サンタクロース➡あわてんぼう➡せっかち

ここからコナンに「せっかち」と伝えた可能性などは考えられないでしょうか。

 

これだと「RUMにたどり着くには難しい情報であると同時にせっかちは事実でありヒント」となる。

 

 

95巻で梓が安室にクリスマスの予定を聞いていたことなどから組織はクリスマスに何か行動を起こす可能性があります。

 

念のため記載しますがRUMとクリスマスに因果関係があると考察しているのではなくせっかちの類語であわてんぼうが浮かんだのでそこから話題をクリスマスに繋げただけです。(もちろんRUMとクリスマスの関連は否定できませんが)

 

 

このように「せっかち」の単語が示すのはなにも「時は金なり」のことわざだけではありません。

せっかちの類語は他にどんなものがあるか、外国ではどのように言うか、せわしい人物を示す別のことわざは何かなど調べると面白いと思います。

 

 

青山先生はRUMについて候補者3人が原作に登場する以前に既に登場しているともとれるコメントを発信しています。

 

 

「せっかち」をヒントにRUM編以前のエピソードを振り返るのもお勧めです。


  にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ
 

梓は独自の情報網を持っている

 

 梓は既に安室の素性を知り得た上で素知らぬ顔で振舞っている可能性があることを綴りました。

そして「ゼロの日常」の38話「おかしな噂」でそれが顕著となったシーンが見られましたのでここに記載したいと思います。

 

内容は安室に関する奇妙な噂が周辺で複数確認されたことで真相を突き止めるために安室が動きますが、自分と似た人物の存在が原因であったというものです。

 

話そのものは『ゼロの日常』でよく見られるほのぼのとしたものですが最後のページがとても印象的でした。

 

というのも安室によく似た人物の話になった際、梓がこんなことを言い出します。

梓「そっくりさんっていえば…この前私にそっくりな人が安室さんとライブに行ってたって…蘭ちゃんと園子ちゃんが言ってました!」

これは90巻の「裏切りのステージ」の話です。

ベルモットが梓に扮して登場した時のことですね。

ではここで自分のそっくりさんについて語る梓の背景に注目してください。

蘭と園子の目元が描かれていません。

 

『ゼロの日常』は自分が信用が置けない、正体がつかめないと判断している場合相手の目元を描かないという手法が取られています

 

その人物が自分にとって日常ではないからです。

 

上記のリンクでも記載した通り梓は「ゼロの日常」で赤井を除いて唯一登場人物一覧でプロフィールの更新が無く、またモノローグがほぼないキャラクターです。

 

私はこの理由を梓には原作で描かれていない秘密があるからと考えています。

 

 

その梓から見た世界が描かれたということ自体がとても貴重なのですが注目すべきは蘭も園子も目元が描かれていない。

つまり梓から見て2人は無邪気な女子高生ではなく何か怪しい人物ということ。

 

『ゼロの日常』のルールを適用するとそういう意味になります。

 

 

対照的に安室は目元がしっかりと描かれています。

これは梓が安室を信頼のできる人物と判断していることを意味しています。

 

ですがよく考えてみてください。

 

安室は29歳の成人男性で、しかもポアロ勤務中に(大切な事情があるとはいえ)突然いなくなったりしてしまうような人物です。

 

 

その人物が謎の女性と一緒にいたとなれば不信感を抱くのは当然です。

そんな人物に信頼を寄せ、ごく平凡な女子高生に不信感を抱いているのは実に奇妙な話です。

 

これは梓が安室を同僚として信頼しているからという理由ではあまりに弱すぎる。

やはり梓には安室透は信頼に値する人物だと助言した誰かの存在があったと考えられます。

 

私の考察ではその人物こそ以前にも紹介した梓の父親、脇田です。

そして気になるのがもう一点。

梓は「裏切りのステージ」当日安室とベルモットが一緒にいるのを目撃したのではないでしょうか。

 

 

まず自分のそっくりさんについて語る梓の背景の描写が非常に繊細です。

まるで自分がその場を目撃したかのように詳細に描かれています。

 

 

梓の頭の中に浮かんでいるのは安室と腕組みをしている自分そっくりのベルモットです。

つまり梓は安室とベルモットが腕組みをしていたと知っていたということになります。

 

 

梓は「裏切りのステージ」の翌日に蘭たちから不審人物に関する情報を入手していますが(90巻)蘭たちは腕組みについてまで伝えていないと思います。

 

 

もし伝えていたならその場で安室に「その女性とはどんな仲なのか」「あなたは不審人物と関りがあるのではないか」と詰め寄ると思います。

それをしなかったということは腕組みの描写は彼女自身が目撃したからと考えることができます。

ベルモット「変装したままここに長居するのは危険なんだから…」

この台詞は安室に近い人物である梓に変装している為に出た言葉と考えていいと思います。

うっかり梓本人に目撃されたら大変なことになりますからね。

 

ですが「ゼロの日常」の最新話を読むと梓本人がその場を目撃していた可能性も出てきました。

 

翌日に自分そっくりな人物の情報を聞かされて驚いている梓の姿が確認できますが(90巻)これが演技である可能性も否定はできません。

何しろ彼女は安室の素性を掴んでいながら何も知らないふりを通しています(あくまで私の考察上の話ですが)。これくらいの演技はできそうです。

実際に62巻では殺人容疑のかかった兄の無実を証明するために演技で警察を撒いています。

 

 

ほんわかしたイメージが強い梓ですが実は演技派な一面があると私は考えています。

 

これらを踏まえるとベルモットの「変装したまま長居するのは危険」という言葉は既に梓に目撃されているという今後に繋がるヒントだったのかもしれません。

 

 

仮に目撃していないとしても当日の様子を父親である脇田が調べ上げて詳細を梓に伝えた為に細やかな描写となった可能性もあります。

 

 

どちらにせよ「安室透が信頼に足る人物」という情報を与えた人物が梓の周辺にいることは間違いなさそうです。

 

そして私の考察が正しければその人物は上記の通り脇田となります。

にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ

ラム編の重要人物は榎本梓

現在進行中のラム編ですが者のほとんどの方が(というより多分誰も)気付いていない大きな役割を果たすことになるキャラクターがいると私は予想しています。

 

それが安室透の潜入先、喫茶ポアロのウエイトレスである榎本梓です。


梓は安室の素性を把握している?

 

榎本梓は安室の年下の先輩というポジションの女性です。

 

私が梓が重要人物と考えるに至った理由はいくつかあるのですがそのうちのひとつが社会現象となった『ゼロの執行人』のワンシーン。

 

 

梓が同僚である安室と二人でポアロで必要な物を買い出しに向かうシーンがあります。

 

 

シリアスな展開が続く劇中で唯一といっていいほどほっこりとしたものです。

(原作者の青山剛昌先生いわくラブコメシーンとのこと)

 

実はこのシーン、私はラム編における非常に貴重な伏線が張られていると考えています。

 

安室と梓はお互いに目的のものを買うために二手に分かれ、その間安室は部下である風見と密かに合流し捜査状況についての会話を交わします。

 

公安警察2人の短い会話が終わった直後に梓が安室に声を掛けます。

 

この時梓の姿は映っていないのですが声のトーンからしてある程度距離のある所から安室に声をかけたと思いますがその一言がかなり奇妙です。

梓「や、安室さーん!」

目的の人物を見つけた際にかける言葉といえば「あ、〇〇さん!」なのでその先入観から皆さん気付いていないでしょうが梓は「あ」ではなく「や」と言ってるんです。

 

 

これは降谷の「や」以外に該当するものがありません。

 

つまり梓はこの時点で安室の本名を把握しているということになります。

 

 

この「や」が全く別の意味であったりそもそも「や」に聞こえるだけという可能性もゼロではないんですがこのシーンは青山先生が書いたものであり「一字一句違わすに入れてもらったと表現しています。

 

普通「全部自分で書きました」とかそんな言葉でいいと思うのですが先生はわざわざ一字一句という言葉を用いています。

これは伏線があるから一字一句に注目してほしいということではないでしょうか。

劇場版と原作は分けて考えるべきという意見はあるでしょうが極めて重要なシーンは青山先生の意見が入っているはず。

 

 

梓は安室の本名が降谷零であることを既に知っていた。

 

その為一度はうっかり「降谷」と口にしてしまったので慌てて「安室さん」を付け加えた。

その結果が「や、安室さーん!」として表に出ることになったのではないかと。

 

ちなみに書籍などでは「や」ではなく「あ」です。

私は「や」が大きな伏線である以上文章にはできないためだと考えています。

 

 

梓は安室透が偽名だと把握している時点で彼が公安であることも当然知り得ている可能性があります。


梓に情報を渡したのは誰なのか

 

 

原作やスピンオフ『ゼロの日常』においても安室が梓に自ら公安であると打ち明けていたと取れる描写は全くありません。

 

つまり梓が一方的に安室の素性を知っているということになります。

 

 

梓は『ゼロの日常』でごく普通のウェイトレスをしている様子が窺えます。

公安でも警察関係の人間でもありません。

 

そもそも公安が彼女に問題がないと判断したから安室はポアロに潜入してるわけです。

 

何よりも梓は組織の匂いをかぎ分ける灰原と面識がありますがその灰原は梓に対して何も反応していません。

これらのことからも梓が過去から現在に至るまで組織の人間であるという可能性は消えます。

 

となると何者かが梓に対し安室の情報を渡しているということになります。

 

 

安室の情報を入手できる人物ともなるとその人物はラム編に絡んでくるのは確実だと考えていいのではないでしょうか。

 

では誰が梓に情報を渡したのか。

 

それが脇田兼則だと思います。

私の考察上彼は梓の父親であり、安室の仕事仲間の麻薬取締官です。

 

 

安室の素性について情報を伝えたのは彼の可能性が高いと考えています。

 

梓「どこで誰が聞き耳を立ててるか分かんないんですからね!」(『ゼロの執行人』より)

これはコナンが風見につけた盗聴器を指しているものでしょうがもしかすると安室の素性を把握している梓の「あなたは公安なんだから周辺には注意して」という思いも込められているのかもしれません。


『ゼロの日常』での梓の不可解な描かれ方

 

 

『ゼロの日常』のコミックス冒頭にある登場人物紹介欄のページで梓のみプロフィールが一度も更新されていません。

 

赤井も更新されていませんが彼は出番がほぼ無いので更新が無くて当たり前です。

 

また梓視点のエピソードはひとつもありませんし彼女のモノローグ(心の声)もほぼ見られません。

出番が多いにもかかわらず更新されないプロフィールと全く描かれないモノローグ。

 

  

これは青山先生から読者へ向けた「榎本梓には秘密がある」というメッセージだと私は受け止めています。

 

今後も彼女の出番は注意深く観察したいと思います。



 にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ

脇田の本職は麻薬取締官

f:id:hayama0-0:20200216000523p:plain

脇田兼則の正体は麻薬取締官だと思います。

「裏切りのステージ」と「ゼロの日常」からラム候補の1人である脇田兼則の正体を探ろうと思います。

◆「裏切りのステージ」は今後の重要な伏線◆

まずは90巻収録の「裏切りのステージ」。

このエピソードでラム編の主要キャストであるコナン、安室、赤井の3人が初めて協力して事件を解決しました。

事件解決の決め手が片方だけのサークルレンズというのもラムを連想させます。

恐らくラム編で安室と赤井は何らかの形で共闘することになると思いますがその2人の亀裂の決定的な原因となったスコッチの死の真相が描かれていたというのも大きなポイントだと思います。

その確執の詳細が明らかになったことからも「裏切りのステージ」がどれだけ大きな意味を持つ事件であったかが分かると思います。

この事件はラム編そのものを現しているように感じます。

そうなるとここにベルモットが梓の変装をして現れたのは今後ラム編で梓が重要な役割を担うということで間違いないと思います。

何より容疑者3人の外見がラム候補3人をそのまま連想させるものです。

実際にコナンは大柄な黒田にあたる人物であろう布施を見て心の中で(でかっ!!)と言っています。

作中に特別必要のない台詞なのでこの台詞は意図があったはず。

「裏切りのステージ」の時点では若狭先生(初登場91巻)と脇田(初登場92巻)がまだ登場していなかったので容疑者のビジュアルに注目していなかった読者が多いと思いますが確実にラム疑惑の3人を意識して描かれているので読み返してみると考察する上で面白いと思います。


◆安室は麻薬取締官(マトリ)と協力関係にある◆

事件を推理している最中、唐突に麻薬取締官(マトリ) の話題が出てきます。

死亡したロックミュージシャンのバックで演奏予定だったメンバーが覚せい剤所持の現行犯で捕まったというものです。

逮捕されたのは事件の発生したホールでなく会場の外でした。

この「裏切りのステージ」は薬物の逮捕劇が無くても話はスムーズに進むようになっています。ですが本当ならマトリは明日のライブ直後に会場に踏み込む予定だった」という詳細まで語られている。

その上事件解決後安室が麻薬の話題を容疑者の1人に振っています。

このマトリの件はやはり無視できません。

私は安室とマトリは繋がりがあると思います。

当初この事件の翌日に麻薬取締官は会場に踏み込む予定でしたがこの計画を前倒ししています。

マトリは事前に安室の会場入りの情報を入手し、 彼の任務の邪魔にならないようこの日会場の外でバンドメンバーを 逮捕したのだと思います。

もちろん順序が逆のパターンも考えれます。

まずマトリから会場に踏み込む情報を入手した安室がその前日にどうしても会場内に用事があると言うことでマトリは日程をずらして会場の外で逮捕するという結論に至ったわけです。

事件解決後安室はこの薬物の逮捕劇をネットの速報で上がっている から既に知ってると答えていますが実際は交流のあるマトリから事前に逮捕するという情報を得ていたと思います。

安室には特定の親しいマトリがいるのでしょう。

安室「麻薬で逮捕されたバックバンドの事を知っていたのでは?」

現場にいた人物の1人に安室が投げかけた問いですがこれはこの人物も薬物事件に関わっていないか探っているのではないでしょうか。

今回自分の任務に協力してくれたマトリへのお礼となる材料を探しているように見えます。


◆安室と協力関係にある麻薬取締官は脇田◆

この事件は安室の潜入捜査先のウエイトレスである榎本梓が過去に巻き込まれた事件を連想させる内容と捉えています。

『裏切りのステージ』と過去に梓と彼女の兄である杉人が巻き込まれた『真犯人からの届け物』は類似点が見られます。

●波土はロープで首を吊っていた→杉人は犯人からロープによる自殺を強要された

●現場には遺書が残されていた→杉人は犯人から遺書を書くように要求された

ベルモットがダジャレを言った→杉人は梓に呆れられるほど大のダジャレ好き

●トリックに野球のボールが使われている→この後に描かれるゼロの日常3巻で梓が草野球チームに参加していることが判明

●犯人はあるメールを削除する為に波土のポケットから携帯を抜き取った→犯人はあるメールを削除するために梓のポケットから携帯を抜き取った

布施「妊娠のことを『朝、カフェ』で聞いたから…女の子なら『朝香』!『Cafe』の『Ca』を取って『ASACA』ってね…」

●Cafe=喫茶店、娘=看板娘=梓

この布施の言葉は梓を現していると考えています。

沖矢「波土のベスト1は『血の箒星』ですよね?」

安室「いえいえ僕は『雪の堕天使』の方が…」

原作者の青山先生は大のガンダムファンで有名です。

これはシャア=赤い彗星アムロ白い悪魔のこと。

深読みになりますが兄の杉人の無実の証明となったのは血と雪の中の写メだったので少し関連性もあるのかなと思ったりもします。

波土のマネージャーで元恋人の女性は17年前に彼の子供を流産しています

その事情を知った彼は17年前の曲に歌詞をつけようとしたものの書くことができず自殺してしまいました。

女性は「元恋人のせいで彼が自殺したと知られたら彼の家族に申し訳ないから」という理由で殺人に偽装したというのが真相です。

つまり波土の自殺は父親としての責任感からということ。

これは梓の父親の存在を示唆していると思います。

そして彼女の父親が脇田ではないかと考察した記事がこちら。

 脇田「酸化還元反応が出ねぇから…水に毒は仕込まれてなかったようですぜ?」

長野廃教会殺人事件で脇田は薬物について語っていました。

 またコナンが左目を塞がれていた扉絵などから脇田を連想させた「迷宮カクテル」も毒物の事件でした。

 これは脇田が薬物に精通した人物、麻薬取締官であることを暗喩しているのではないでしょうか。


◆『ゼロの日常』で安室と梓が見た夢が伏線◆

私が脇田はマトリだと確信したのが「ゼロの日常」の2巻で梓が見た夢です。

喫茶ポアロの暇な時間帯に安室と梓はうとうとしてしまいそれぞれ夢を見ます。

安室は組織の夢で梓は虫のGの夢。うとうとして見た夢にしては奇妙ですよね。

光彦「麻薬取締官?」

コナン「マトリとかGメンって呼ばれてるよ…」 83巻

梓の見た夢に描かれた「G」はマトリの「G」だと思います。

その「G」をバーボンと並ばせることで安室がバーボンとして仕事をする際、脇田は麻薬Gメンとして共に仕事をしていることを表していると推測しています。

二人とも潜入捜査官ということになりますね。

麻薬取締官厚生労働省の職員で警察官ではない為脇田が安室の直属の上司ということにはなりませんがマトリは警察と連携するの事が多いようです。仕事上で交流があったのだと思います。 

脇田は麻薬取締官としてのスキルを活かして現在はいろは寿司に潜入していると思います。 

ちなみにこの時点(ゼロの日常2巻「あ…」)で安室は脇田の娘が同僚の梓だとは気付いていません(あくまで私の考察上ですが)。

この考察が正しかった場合脇田は安室が公安の降谷であると知った上で交流している数少ないキャラクターのうちの1人ということになります。

また「名探偵コナン」は組織の壊滅でなく

完全な解毒薬を手に入れたコナン達が体を元に戻すことがゴールと考えるべきです。

その意味でも薬物に精通した麻薬取締官の存在は今後大きな役割を担ってくれるのではないでしょうか。


 にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ

脇田は榎本梓の父親

f:id:hayama0-0:20200410225908j:plain

現在『名探偵コナン』は黒ずくめの組織のNo.2のラムが誰であるかを追ういわゆるラム編の真っ最中です。

その中で読者がラム最有力としているのが脇田兼則です。

ですが私は脇田がラムだとは思っていません。

脇田は喫茶ポアロに勤務する榎本梓の父親だと考えています。

脇田と梓は親子である。

そう考えるに至ったいくつかの伏線をピックアップします。


◆脇田はなぜラム最有力候補なのか◆

ラムは組織のNo.2にして絶対的な権力者です。

あの方のお気に入りであるベルモットでさえラムに対し敬語で接しています。

そのラム候補として名前が挙がっているのが以下の3名。

★警視庁捜査一課管理官である黒田兵衛(50)

★帝丹小学校でコナン達のクラスの副担任である若狭留美(37)

★「米花いろは寿司」の新入りの板前脇田兼則(56)

原作者の青山剛昌先生もラムはこの3人の中にいると明言しています。

そして多くの読者がラムと考えているのが脇田です。

そもそもなぜ彼はラム最有力となっているのでしょうか。

読者が脇田をラムと推測する理由はいくつかあります。

組織の匂いを感じ取ることのできる灰原の存在は大きいはずです。

彼女は黒田には反応を示さず、若狭に関しては好意さえ抱いています。当然消去法でラム=脇田となります。

そして彼女は脇田とは面識がありません。

また組織は小五郎を疑っていますが脇田の勤務先の米花いろは寿司は探偵事務所のすぐ隣。

小五郎を調べたいが為に寿司屋に潜入したと考えることができます。

加えてラムが安室へ送信したメールにTime is money!の文が添えられていましたがこれを日本語に訳すと時は金なり=TOKIWAKANENARI=WAKITAKANENOR

Iとなります。

安室はコナンに「RUMはせっかち」というヒントを与えていることも脇田=ラムに拍車をかけた形となっています。

私は脇田≠ラム派ですが読者の多くが脇田をラムと考える材料は揃っている感じですね。


◆「迷宮カクテル」が表したのは脇田≠ラム◆

灰原「左右どちらかの眼球が…義眼らしいわよ…」 86巻

作中でラムは隻眼であることが明らかになっていますが私は脇田兼則を考察する上で重要なのが「迷宮カクテル」だと思っています。

「迷宮カクテル 95巻」シリーズの扉絵でコナンは蘭に左目を塞がれています。

脇田は左目に眼帯をしていますが本人曰く出来物ができたとのこと。

この事件は左目を塞がれている扉絵から3人の中で唯一左目が義眼とされている脇田について綴ったエピソードの可能性が高いと私は考えています。

もちろんこの扉絵以外にも「迷宮カクテル」には脇田を連想させるものがいくつか見られるのです。

この事件の犯人の深町は基本的に糸目で描かれています。

ですが深町は作中で右目だけ、あるいは左目だけを開けた描写がいくつか見られます。

そして犯人だと名指しされた際には左目だけをカッと見開いた状態です。

これは脇田は本来両目が見える人物であるという示唆だと思います。

ラムの絶対条件は隻眼ですから脇田はこれに該当しない、つまり脇田はラムではないという事になります。

さらに深町は度の強い眼鏡をかけていますが犯行が行われた際眼鏡をかけていなかった為、そんな状態で自分には事件を起こすなど不可能と語ります。

実は視力はいいのではないかと疑ってきた小五郎に深町は自分の眼鏡をかけるように頼み、小五郎は深町の眼鏡をかけてみます。

小五郎「うわっ こりゃスゲー!!逆にこんなんかけてよく見えるな!!」

これは周りの人間にしてみればない方がいいのではと思うものも当人からすれば必要不可欠なものであるということ。

これは脇田にとって眼帯は必需品であると置き換えることができるのではないでしょうか。(出来物が真実かに関わらず)

「迷宮カクテル」の事件は脇田の存在をなぞって描かれたエピソードだと考えています。


◆暗示された脇田と梓の親子関係◆

「迷宮カクテル」は脇田≠ラムと同時に脇田兼則と榎本梓が親子であるという伏線のエピソードだと推測しています。

小五郎に黒うさぎ亭に来るよう依頼した諸岡は事件の終盤で被害者の有里の実の父親と判明します。

しかし自分と有里が親子であることを諸岡の執事である深町に打ち明けていなかった為事件が起こってしまいました。

諸岡「しかし、よくわかったね…娘に会う為に痩せたり太ったり転んだりしていたと…」

被害者の勤める黒うさぎ亭の隣は洋服店です。

諸岡は娘の有里に会う口実の為に激やせや激太りをし、その洋服店でスーツを新調していました。

また彼はその店でスーツを買い替える為にわざと転んで服を破いていました。

■娘に会う為に隣の店を利用=梓の勤め先は喫茶ポアロでその隣が脇田の勤めるいろは寿司

■父親の激やせと激太り=脇田の身分を隠す行為

■父親の怪我=脇田の目の出来物

■娘の名前が有里でユリの花の付け爪をしている=梓も兄の杉人も植物由来の名前

脇田と梓の関連を強く感じる内容になっています。

また脇田初登場の「となりの江戸前推理ショー 92巻」と「迷宮カクテル」は共通点が多いのです。

■財布が奪われる

スマホを2台持っている人物の登場

■袖口の濡れた人物

■視力に問題を抱えた人物が肝心な時に眼鏡を外している

■店のイメージと異なるメニューが豊富にある

やはり「迷宮カクテル」は脇田に絡めたエピソードと言えると思います。

梓の父親がラム編に関わるという伏線はありましたが私の中ではこのエピソードで彼女の父親が脇田だと判明したという感じです。


◆脇田初登場時の扉絵で梓の存在を示唆◆

脇田初登場のエピソードである92巻FILE.6奪われた万馬券」の扉絵をよく見てください。

いろは寿司の戸に少しばかり身を隠したコナンが描かれています。

この時彼の左目が描かれていないことから脇田をイメージした扉絵と言えます。

そしてコナンの後ろに注目。招き猫の置物が確認できます。

梓は大変珍しく価値の高い雄の三毛猫、大尉を飼っています。

安室「三毛猫の雄は1000匹に1匹の割合でしか生まれず…その希少価値からいわゆる招き猫のモデルとされていて…」 82巻

招き猫は脇田と梓が親子であるということを示唆したものだと考えています。

さらにいろは寿司に訪れた若い男性は脇田にコーラガリのおかわりを頼んでいます。

梓はかつて兄の杉人が殺人事件に関わっていると疑われた際、コナンは彼の無実をコーラを使って証明しました。

そして杉人は大のダジャレ好きですがこの男性客がおかわりを求める際ガリを食べていてその擬音がガリガリ。これも小さな伏線の可能性があると思います。

またこの事件をアニメ化した「となりの江戸前推理ショー」の脇田の台詞にこんなものが追加されています。

「家族持ちは色々ありやすな…」

このエピソードのアニメ化にあたりアニメスタッフがどこまで原作サイドと情報を共有したかは不明ですが組織のメンバーに家族持ちの人物の存在が示唆されている上、彼はラム疑惑のある人物。

この台詞を付け足すのは原作サイドの許可が無いと難しいような気がします。この台詞以外は基本的に原作通りです。

この言葉はそのまま受け取れば脇田本人は家族を持っていないという意味です。

しかしわざわざ追加されたことでかえって脇田には家族がいる印象を受けました。


◆長野廃教会事件での脇田と梓の繋がり◆

長野廃教会殺人事件は安室とラム最有力候補とされている脇田が作中で初めて顔を合わせた上、一緒に旅行するという内容で読者の注目を大いに集めました。

その際に乗車したのがスーパーあずさです。

またこの事件は野球に関する暗号を解読しなければ解決できないというものでしたがこの新章が掲載されたのが2019年サンデー11号。その直前のサンデー9号、10号の2週に渡り公式スピンオフ「ゼロの日常」の中で梓が草野球チームに所属していることが明らかにされました

梓が野球が詳しいと判明した直後に脇田と野球を絡めた本編がスタートしたわけです。

ちなみにこのシリーズの最初の一コマはとても大きく描かれたスーパーあずさでした。

 

そして暗号を解いている最中、安室の「ナイン」という言葉に何かを感じ取った脇田が確認できます。

当然話の流れを考えるとコナンや安室と同様に脇田もナインという単語で野球を連想したはず。

彼も梓同様野球のルールが分かっているということになります。

脇田と梓には魚がさばけるという共通点もあります。

脇田「御見逸れしやした!!眠りの小五郎さん!!アッシを探偵の弟子にしてくだせぇ!! 92巻

梓「探偵になれそうですか?私も毛利先生に弟子入りしようかしら!」 『ゼロの日常』1巻

台詞が似通っていますね。これらもまた2人が親子であるという伏線だと思います


◆脇田の本来の職業とは◆

脇田「ペットボトルの水からは…酸化還元反応が出ねぇから…水に毒は仕込まれてなかったようですぜ?」

「長野廃教会事件」での脇田の台詞です。

脇田は優れた推理力を持っているので一般人ではありません。

また脇田は隻眼ではないのでラムではありませんし、彼は表向きはただの板前。

ラムであれば薬物に精通している素振は隠すはずです。

少なくとも脇田は一般人ではなく、かつ潜入スキルの高い人物と考えられます。

その脇田ですが梓とは作中で一度も出会っていません。

私は2人が親子だと考えているので作中で一緒のシーンが描かれる際双方がどんなリアクションをするのかとても楽しみにしています

脇田は一般人ではない。そしてラムでもない。IFrame

次回は彼の本来の職業に就いて綴りたいと思います。


 にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ