安室と脇田は同志

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私は脇田は安室と協力関係であると推測しています。

ここではその考察について綴りたいと思います。

前回の記事で脇田は安室と連携している麻薬取締官ではないかと投稿しました。

ここで言う協力関係とは両者が公安と麻薬取締官という繋がりだけでなく組織を壊滅することにおいても2人は同志であるということです。


◆2人が後ろで手を組んだコマの意味◆

脇田のメイン回は今までに2回あります。

初登場の「となりの江戸前推理ショー」(92巻)とコミックス化されていない「長野廃教会殺人事件」です。

※↑「長野廃教会殺人事件」がコミックス化されました。(追記:2020年2月15日)

この2つのエピソードの間脇田はずっと腕組みをしています。

今のところ脇田は変装かどうか定かではありませんが「脇田兼則」というキャラクターの癖は前で腕組みをすることで間違いないでしょう。

彼が珍しくその手を後ろで組んだ場面がありました。

「長野廃教会殺人事件」で小五郎と諸伏高明が会話をしているコマです。

実は同じコマで安室も脇田同様やはり手を後ろで組んでいます。

このポーズは警察官としての正しい立ち方の為、高明に対しての敬意の表現とも取れますが青山先生がそれ以上に表現したかったのは安室と脇田が裏で手を組んでいるということだと思います。

大きなコマでもなければ脇田がコマからやや見切れている為2人が後ろで手を組んでいる描写は見落とされがちだと思うのでミスリードとは考え難い気がします。

加えてこのシーンのすぐ後に脇田はいつも通り前で腕組みをしています。

2人が後ろで手を組んだのが意図的なのは間違いありません。

勿論裏で手を組むというのは堂々と協力関係になれない状況を意味しています。

これはまさに安室が上司(正確には偽黒田であるラム)を裏切っていることを意味していると思います。


◆安室と脇田は類似点が多い◆

安室と脇田には似通った点が複数見られます。

■双方(恐らくわざと推理を間違えて)小五郎に弟子入り

■眠りの小五郎の推理が始まった際のリアクションが同じ

■コナンはテーブルの下で推理ショーを行った

■2人とも食べ物を手土産に小五郎に接近

■小五郎の財布に万馬券を仕込んだと思われる脇田(92巻)と蘭の財布から鍵を盗んだ安室(95巻)

小五郎「今日は色々ついてねぇぜ…」コナン「色々って?」(財布を落としたことを話す小五郎とコナンの会話 92巻)

蘭「今日は散々だなー…」コナン「散々って?」(財布を落としたことを話す蘭とコナンの会話 95巻)

蘭に関しては「散々」と語るほどの出来事でもないので安室と脇田を関連付けする為の台詞と考えられます。

↓以下「長野廃教会殺人事件」↓

■旅行に参加した安室にコナンが抱いた感想は(暇なのか?公安…)。同じく参加する脇田に対しても(自由だなこの人も…)と似たもの同士と捉えている

■コナン、上原から小五郎は「水戸黄門のよう」と称されておりこの場合安室と脇田は助さん格さんとなる為同じ立場

■小五郎も「まあまあ脇田さん、安室君」と肩を叩いて宥めておりコナン同様小五郎も2人に対する扱いが同じ

 

ちなみに「長野廃教会殺人事件」では脇田の隣にいる安室の頬に線まで入っていて非常に親し気。

安室の表情は隣にラムがいるという様子ではありません。


◆『ゼロの日常』から垣間見える脇田は敵ではない◆

私はラム編を考察する上で「ゼロの日常」は貴重な資料だと考えています。

1話に登場するいろは寿司の看板はとても鮮明に描かれています。

見た方は分かると思いますがここは適当な描き方で十分です。

それが適当どころか逆に鮮明に描いている。

「ゼロの日常」は安室から見た日常を描いた作品です。

彼にとって素性の知れない人物は目元を描かないという特徴があります。

何度となく会っているコナンや小五郎でさえ目元が描かれたことがありません。

対照的に蘭はしっかりと描かれていることから本編と同じく彼女に一切疑いを持っていないことが分かります。

「ゼロの日常」の描写の特徴を考えれば脇田が敵であれば看板を鮮明に描くことを避けるのではないでしょうか。

1話の時点では脇田はまだいろは寿司に潜入していなかった、または潜入していたもののその頃は脇田がラムだと疑っていなかったという理由で看板が描かれたという可能性もゼロではありませんが少なくとも鮮明に描く必要性を感じないコマなのでやはりこれは安室にとって脇田が警戒するに値しない人物だというのを現しているように感じます。

さらに安室は「心のこもったストラップ」(94巻)の裏側を描いた39話の扉絵で左目を閉じてウィンクをしています。

本編で比護選手のストラップの左目が取れていたことを考えるとラム疑惑の中で唯一左目が義眼とされる脇田を連想させますしこの扉絵は意図的でしょう。

彼は34話の扉絵でも左目を閉じてウィンクしています。また他にも彼は何度か左目を閉じてウィンクしているのが見られます。

ゼロの日常は多くの読者がさらっと読む作品と思っている為この作品でラム編のミスリードをしているとは考えづらいと思います。

ちなみに安室と大きな確執を持つ赤井は1巻に写真で登場していますが目元はしっかりと描かれているものの2巻でちらりと登場する沖矢の目元は描かれていません。

これは安室が「赤井秀一」という人物の素性を掴んでいるものの「沖矢昴」に関しては掴みきれていないことを表しています。

「安室は脇田を敵視していない」よりも「安室は脇田の素性を把握している」が適切な言葉かもしれません。

また「ゼロの日常」には脇田を連想させる人物が犯人役で登場しますがだからと言って脇田をラムと決め付けるのは強引。むしろこれも脇田の存在が安室の日常の一部という意味だと受けとることが可能だと思います。


◆脇田は組織にとって鼠?◆

脇田のメイン回である「となりの江戸前推理ショー」と「長野廃教会殺人事件」の2つのエピソード両方にスリという単語が登場します。

スリはフランス語で鼠の意味です。

私は脇田は組織内の裏切者を指すNOCではないと考えていますが組織にとって鼠のような役割を果たす人物なのではないかと思います。

かつてベルモットは安室に対しこんな言葉を言っています

「組織内に鼠が入り込んで来てるって…ジンが問題視していたし…」 85巻

鼠なのは安室も同様です。

つまり二人は組織壊滅という同じ目標を掲げた同志と考えることができると思います。

私は脇田はポアロのウエイトレスである榎本梓の父親と推測しています。

 その梓と安室は現在協力関係にあるという考察記事がこちら。

安室は脇田と彼の娘である梓とも連携が取れている仲というのが現在の私の考察です。


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