脇田は榎本梓の父親

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現在『名探偵コナン』は黒ずくめの組織のNo.2のラムが誰であるかを追ういわゆるラム編の真っ最中です。

その中で読者がラム最有力としているのが脇田兼則です。

ですが私は脇田がラムだとは思っていません。

脇田は喫茶ポアロに勤務する榎本梓の父親だと考えています。

脇田と梓は親子である。

そう考えるに至ったいくつかの伏線をピックアップします。


◆脇田はなぜラム最有力候補なのか◆

ラムは組織のNo.2にして絶対的な権力者です。

あの方のお気に入りであるベルモットでさえラムに対し敬語で接しています。

そのラム候補として名前が挙がっているのが以下の3名。

★警視庁捜査一課管理官である黒田兵衛(50)

★帝丹小学校でコナン達のクラスの副担任である若狭留美(37)

★「米花いろは寿司」の新入りの板前脇田兼則(56)

原作者の青山剛昌先生もラムはこの3人の中にいると明言しています。

そして多くの読者がラムと考えているのが脇田です。

そもそもなぜ彼はラム最有力となっているのでしょうか。

読者が脇田をラムと推測する理由はいくつかあります。

組織の匂いを感じ取ることのできる灰原の存在は大きいはずです。

彼女は黒田には反応を示さず、若狭に関しては好意さえ抱いています。当然消去法でラム=脇田となります。

そして彼女は脇田とは面識がありません。

また組織は小五郎を疑っていますが脇田の勤務先の米花いろは寿司は探偵事務所のすぐ隣。

小五郎を調べたいが為に寿司屋に潜入したと考えることができます。

加えてラムが安室へ送信したメールにTime is money!の文が添えられていましたがこれを日本語に訳すと時は金なり=TOKIWAKANENARI=WAKITAKANENOR

Iとなります。

安室はコナンに「RUMはせっかち」というヒントを与えていることも脇田=ラムに拍車をかけた形となっています。

私は脇田≠ラム派ですが読者の多くが脇田をラムと考える材料は揃っている感じですね。


◆「迷宮カクテル」が表したのは脇田≠ラム◆

灰原「左右どちらかの眼球が…義眼らしいわよ…」 86巻

作中でラムは隻眼であることが明らかになっていますが私は脇田兼則を考察する上で重要なのが「迷宮カクテル」だと思っています。

「迷宮カクテル 95巻」シリーズの扉絵でコナンは蘭に左目を塞がれています。

脇田は左目に眼帯をしていますが本人曰く出来物ができたとのこと。

この事件は左目を塞がれている扉絵から3人の中で唯一左目が義眼とされている脇田について綴ったエピソードの可能性が高いと私は考えています。

もちろんこの扉絵以外にも「迷宮カクテル」には脇田を連想させるものがいくつか見られるのです。

この事件の犯人の深町は基本的に糸目で描かれています。

ですが深町は作中で右目だけ、あるいは左目だけを開けた描写がいくつか見られます。

そして犯人だと名指しされた際には左目だけをカッと見開いた状態です。

これは脇田は本来両目が見える人物であるという示唆だと思います。

ラムの絶対条件は隻眼ですから脇田はこれに該当しない、つまり脇田はラムではないという事になります。

さらに深町は度の強い眼鏡をかけていますが犯行が行われた際眼鏡をかけていなかった為、そんな状態で自分には事件を起こすなど不可能と語ります。

実は視力はいいのではないかと疑ってきた小五郎に深町は自分の眼鏡をかけるように頼み、小五郎は深町の眼鏡をかけてみます。

小五郎「うわっ こりゃスゲー!!逆にこんなんかけてよく見えるな!!」

これは周りの人間にしてみればない方がいいのではと思うものも当人からすれば必要不可欠なものであるということ。

これは脇田にとって眼帯は必需品であると置き換えることができるのではないでしょうか。(出来物が真実かに関わらず)

「迷宮カクテル」の事件は脇田の存在をなぞって描かれたエピソードだと考えています。


◆暗示された脇田と梓の親子関係◆

「迷宮カクテル」は脇田≠ラムと同時に脇田兼則と榎本梓が親子であるという伏線のエピソードだと推測しています。

小五郎に黒うさぎ亭に来るよう依頼した諸岡は事件の終盤で被害者の有里の実の父親と判明します。

しかし自分と有里が親子であることを諸岡の執事である深町に打ち明けていなかった為事件が起こってしまいました。

諸岡「しかし、よくわかったね…娘に会う為に痩せたり太ったり転んだりしていたと…」

被害者の勤める黒うさぎ亭の隣は洋服店です。

諸岡は娘の有里に会う口実の為に激やせや激太りをし、その洋服店でスーツを新調していました。

また彼はその店でスーツを買い替える為にわざと転んで服を破いていました。

■娘に会う為に隣の店を利用=梓の勤め先は喫茶ポアロでその隣が脇田の勤めるいろは寿司

■父親の激やせと激太り=脇田の身分を隠す行為

■父親の怪我=脇田の目の出来物

■娘の名前が有里でユリの花の付け爪をしている=梓も兄の杉人も植物由来の名前

脇田と梓の関連を強く感じる内容になっています。

また脇田初登場の「となりの江戸前推理ショー 92巻」と「迷宮カクテル」は共通点が多いのです。

■財布が奪われる

スマホを2台持っている人物の登場

■袖口の濡れた人物

■視力に問題を抱えた人物が肝心な時に眼鏡を外している

■店のイメージと異なるメニューが豊富にある

やはり「迷宮カクテル」は脇田に絡めたエピソードと言えると思います。

梓の父親がラム編に関わるという伏線はありましたが私の中ではこのエピソードで彼女の父親が脇田だと判明したという感じです。


◆脇田初登場時の扉絵で梓の存在を示唆◆

脇田初登場のエピソードである92巻FILE.6奪われた万馬券」の扉絵をよく見てください。

いろは寿司の戸に少しばかり身を隠したコナンが描かれています。

この時彼の左目が描かれていないことから脇田をイメージした扉絵と言えます。

そしてコナンの後ろに注目。招き猫の置物が確認できます。

梓は大変珍しく価値の高い雄の三毛猫、大尉を飼っています。

安室「三毛猫の雄は1000匹に1匹の割合でしか生まれず…その希少価値からいわゆる招き猫のモデルとされていて…」 82巻

招き猫は脇田と梓が親子であるということを示唆したものだと考えています。

さらにいろは寿司に訪れた若い男性は脇田にコーラガリのおかわりを頼んでいます。

梓はかつて兄の杉人が殺人事件に関わっていると疑われた際、コナンは彼の無実をコーラを使って証明しました。

そして杉人は大のダジャレ好きですがこの男性客がおかわりを求める際ガリを食べていてその擬音がガリガリ。これも小さな伏線の可能性があると思います。

またこの事件をアニメ化した「となりの江戸前推理ショー」の脇田の台詞にこんなものが追加されています。

「家族持ちは色々ありやすな…」

このエピソードのアニメ化にあたりアニメスタッフがどこまで原作サイドと情報を共有したかは不明ですが組織のメンバーに家族持ちの人物の存在が示唆されている上、彼はラム疑惑のある人物。

この台詞を付け足すのは原作サイドの許可が無いと難しいような気がします。この台詞以外は基本的に原作通りです。

この言葉はそのまま受け取れば脇田本人は家族を持っていないという意味です。

しかしわざわざ追加されたことでかえって脇田には家族がいる印象を受けました。


◆長野廃教会事件での脇田と梓の繋がり◆

長野廃教会殺人事件は安室とラム最有力候補とされている脇田が作中で初めて顔を合わせた上、一緒に旅行するという内容で読者の注目を大いに集めました。

その際に乗車したのがスーパーあずさです。

またこの事件は野球に関する暗号を解読しなければ解決できないというものでしたがこの新章が掲載されたのが2019年サンデー11号。その直前のサンデー9号、10号の2週に渡り公式スピンオフ「ゼロの日常」の中で梓が草野球チームに所属していることが明らかにされました

梓が野球が詳しいと判明した直後に脇田と野球を絡めた本編がスタートしたわけです。

ちなみにこのシリーズの最初の一コマはとても大きく描かれたスーパーあずさでした。

 

そして暗号を解いている最中、安室の「ナイン」という言葉に何かを感じ取った脇田が確認できます。

当然話の流れを考えるとコナンや安室と同様に脇田もナインという単語で野球を連想したはず。

彼も梓同様野球のルールが分かっているということになります。

脇田と梓には魚がさばけるという共通点もあります。

脇田「御見逸れしやした!!眠りの小五郎さん!!アッシを探偵の弟子にしてくだせぇ!! 92巻

梓「探偵になれそうですか?私も毛利先生に弟子入りしようかしら!」 『ゼロの日常』1巻

台詞が似通っていますね。これらもまた2人が親子であるという伏線だと思います


◆脇田の本来の職業とは◆

脇田「ペットボトルの水からは…酸化還元反応が出ねぇから…水に毒は仕込まれてなかったようですぜ?」

「長野廃教会事件」での脇田の台詞です。

脇田は優れた推理力を持っているので一般人ではありません。

また脇田は隻眼ではないのでラムではありませんし、彼は表向きはただの板前。

ラムであれば薬物に精通している素振は隠すはずです。

少なくとも脇田は一般人ではなく、かつ潜入スキルの高い人物と考えられます。

その脇田ですが梓とは作中で一度も出会っていません。

私は2人が親子だと考えているので作中で一緒のシーンが描かれる際双方がどんなリアクションをするのかとても楽しみにしています

脇田は一般人ではない。そしてラムでもない。IFrame

次回は彼の本来の職業に就いて綴りたいと思います。


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