赤井と若狭に繋がりはあるのか

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前回若狭とメアリーには繋がりがある可能性が高いという記事を書きました。

今回はメアリーの息子である赤井秀一も若狭と繋がっているのではないかという推理を記事にします。

◆若狭が赤井にメアリーの若返りを伝えた?◆

秀𠮷「兄さん…母さんの事だけど…」「僕の彼女になかなか会ってくれないんだ…電話にも出てくれないし…」

最新の棋士連続事件での秀𠮷の台詞です。

若返っている母親と自分の恋人を会わせようとする人間はいません。

そしてこの時秀𠮷の背後に描かれたメアリーは若返る以前の姿。

つまり秀𠮷は母親であるメアリーの若返りを知らないことが明確化されたことになります。

秀𠮷はメアリーと生活を共にしている妹の真純と頻繁に連絡を取り合っていますが真純はメアリーの現状を秀𠮷には打ち明けていない。

赤井は母の若返りに気付いていますが当然この情報は弟経由ではないことになります。

では赤井はなぜ母の若返りの情報を入手できたのでしょうか。

 

ここで浮上するのがメアリーの若返りの情報提供者が若狭である可能性です。

若狭と赤井は繋がっているかもしれない。そのように推理できる要素が以下の3点です。ひとつずつ解説していきます。

1・若狭はメアリーの若返りを知っている

2.赤井は浅香を知っている

3.若狭は烏丸を知っている

1・若狭はメアリーの若返りを知っている

若狭はメアリーと繋がっている可能性が極めて高いと考えるべき描写が目立ちます。

また彼女は初登場の段階でコナンがごく普通の子供ではないことを見抜いている。

作中では特別な例外を除き幼児化の現象に辿り着けるのは幼児化や若返りの実例を目の当たりにした者に限定されます。

若狭の場合はメアリーを通して幼児化の現象を知り得た可能性が高い。

若狭はメアリーの若返りについて知る数少ない人物の1人と言えそうです。

2・赤井は浅香を知っている

90巻で赤井(沖矢)は蘭と園子に「浅香という人物に心当たりがないか」と質問しています。

彼は浅香が妹の真純の周辺に姿を現しているのではないかと推測している訳です。浅香の行動が一切予見できない場合この質問はしないはず。

よって赤井はどの程度かはさておき浅香という人物に心当たりがあることは確かです。

そして以前記事にした通り若狭はかつて浅香を名乗っていた可能性があります。

また浅香は羽田の事件の容疑者とされているにも関わらず赤井が浅香の存在を警戒している様子は全く感じられません。

これもかねてより赤井が浅香を知っており、かつ危険人物ではないと断定できる理由も持ち合わせていると言えそう。

両者の付き合いはそれなりに濃い可能性があります。

3・若狭は烏丸を知っている

コナンと赤井は当初17年前の事件のダイイングメッセージは「ASACA」と「RUM」を分けて推理していました。

しかしこの2つの単語を1つにまとめた「CARASUMA」が真実だと判明します。ですがこれは赤井の助言があってこそ。

つまり赤井には2つの単語を1つにまとめること、そして完成するのが「CARASUMA」でなければならないことも分かっていた事になります。

ではなぜ彼は烏丸に辿り着けたのか。赤井は浅香に心当たりがあったのでASACAとRUMを分けずにCARASUMAとした、では暴論。

1つの言葉にまとめるにせよ「MURASACA(村坂)」や他の名前の可能性も十分に考えられたはず。

これは赤井にダイイングメッセージの真実を教えた者が存在したからという理由で解決できます。

この人物こそ若狭の可能性があるのではないでしょうか。

若狭はダイイングメッセージを残した張本人である羽田と関りがあったと考えられます。

羽田はまだ謎の多い人物ですが彼と関りがあり、かつ事件現場に居合わせたことが判明している若狭ならダイイングメッセージが「烏丸」を表していることに気付いていてもなんら不思議ではありません。何よりも偽名であろう彼女の名前は烏丸を意識した上で作られたことは間違いありません。

「烏丸」の名前は若狭から赤井に伝わったと推測することは可能な状況だと思います。

これらを踏まえると若狭と赤井は繋がっている可能性はそれなりにありそうです。

もしこの考察が当たっている場合、両者が交流を始めたのは赤井の死亡を偽装する前ではないでしょうか。

死亡を偽装した後に若狭が赤井に辿り着くのは困難でしょうし赤井も死亡したことになっている以上自ら接触する行動は大変リスキーです。

◆若狭と赤井家の不可思議な関係◆

別に記事にしますが私は若狭、そしてメアリー&真純は羽田家から資金援助を受けていると考えています。

この辺りも若狭と赤井の繋がりを表していると言えそうです。

 

メアリーは若狭と繋がっている可能性が極めて高いと思いますが長男の赤井にも若狭との繋がりが見えてきた印象です。個人的にはもう少し確信に迫る描写が欲しいなという感じですね。

今回の記事では若狭は赤井と母メアリーの両者と繋がりがあるのではないかと綴ったわけですがその一方で若狭は赤井とメアリーを信頼しきっていないのではないかとも考えています。

推測通り若狭と赤井&メアリーが繋がっていたのなら、若狭はダイイングメッセージの真相を知っていながら赤井にその情報を渡したのはごく最近。

彼を信頼しているのならなぜ早々に情報を提供しなかったのかという疑問が生じます。

また若狭がコナンの前に姿を現したのはコナンが信頼に足る人物か探ってほしいというメアリーの依頼があったからと考えられます。

ですが若狭は推理の助言をしている辺り彼女はコナンの存在を冷静にジャッジしていない。

若狭とメアリーのコナンに対する温度差を感じさせます。

若狭は赤井&メアリーを心から信頼していないのではないでしょうか。

若狭と赤井家の不可思議な距離感についても記事にしたいと思います。


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若狭とメアリーは繋がっている

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若狭はメアリーと繋がりがあると考えられる描写が多々見られます。

今回は両者が本当に繋がっているのかを考察。

若狭=浅香という前提の記事となります。

◆若狭はメアリーの若返りを知っている◆

若狭は初登場の時点でコナンがただの子供では無いことに気付いています。

コナンの作中では一部の例外を除き幼児化にたどり着けるのは若返りの実例を知っている者とされています。

つまり若狭はコナンと出会う以前に誰かの若返りを目の当たりにしていることになる。

コナン以外で若返りの現象が起きているのはベルモットと灰原、そしてメアリーの3人です。

この3人の中の誰の若返りに気付けたのか。

若狭はベルモットと接点があるような描写は確認できません。また灰原に関心を寄せているような様子も見られない。

よって若狭がコナンの幼児化を疑うきっかけとなったのはメアリーとなります。

またメアリーはコナンの正体に辿り着いている人物の1人です。

このことから工藤新一の幼児化の情報はメアリーが若狭にもたらしたものと考えられます。

◆若狭もメアリーも推理ショーのカラクリを看破している◆

最新の97巻でコナンは若狭の目の前で麻酔銃を使用しています。しかし若狭は全く驚いた様子を見せませんでした。

それどころか不敵な笑みすら浮かべている。

これは彼女が眠りの小五郎のカラクリの真相を知っていたから。

名探偵コナン (97) (少年サンデーコミックス)

名探偵コナン (97) (少年サンデーコミックス)

 

90巻の「霊魂探偵殺害事件」でメアリーはコナンに代わり推理ショーを繰り広げています。

メアリーは推理ショーのカラクリについて若狭に情報を提供していると推測することができます。

また「霊魂探偵殺害事件」ではこんな台詞も。

世良「浅香は女だってことを堀田がつかんだみたいだって…」

メアリー「そんな事か…くだらん…」

羽田浩司の事件はメアリーの夫である務武が関わった事件であり、彼女にとって生死不明の務武の情報は喉から手が出る程に欲しい状態のはず。「くだらん」と冷めた表情で語る様子は浅香が女性であることを知っている、つまりメアリーは浅香と交流があると考えられる1コマと言えます。

名探偵コナン(90) (少年サンデーコミックス)

名探偵コナン(90) (少年サンデーコミックス)

 

沖矢「世良さんの周りに変わった人とか見かけませんでした?」「絶えず周囲を警戒し危険な相手なら瞬時に制圧する能力に長けた…「浅香」という名の…」 90巻

メアリーの息子である赤井(沖矢)の発言は彼が浅香という人物に心当たりがあることを表しています。

さらに赤井は浅香が妹である真純の周辺に現れることを予想。浅香と真純の母親であるメアリーの関係性を窺がわせる台詞です。

◆現在若狭はコナン=工藤新一であると確信している◆

若狭はコナンに対し本人に気付かれない形で事件を解決させる助言をしてきました。

そもそもですが若狭が当初よりコナンの正体が工藤新一であると確信していた場合名探偵に助言する必要はありません。

その彼女が97巻の「山菜採り」ではコナン1人で事件を解決させています。なぜこのような変化が起きたのか。

94巻~95巻にかけてコナンは解毒剤を使い新一の姿で修学旅行に参加しました。この間コナンは小学校を休学。

この出来事を期に彼女の中で「コナン=工藤新一」という式が完成します。

若狭の中で疑惑が確信に変わった。その為「山菜採り」では一切推理の助言を行わなかったのです。

◆若狭は務武の失踪に関与していない◆

メアリーの夫で現在生死不明の務武ですが若狭は務武の失踪には関与していないと思います。

組織の罠に陥ってしまったメアリーの警戒心は相当なもののはず。

そんな状況下で若狭の方からメアリーの正体に辿り着けたとしてもメアリーが全てを曝け出すとは思えない。

若返りについてはやはりメアリー本人から若狭へ打ち明けられたという流れが自然です。

若狭は薄暗い過去の持ち主である可能性が極めて高い人物ではありますが少なくともメアリーにとって若狭は信頼のできる存在。

これはメアリーが夫、務武の行方不明に関しては若狭が介入していないと断定していることの表れとも言えます。

また先述の浅香について語っている赤井(沖矢)からは不穏な空気は感じ取れません。

メアリーも赤井も若狭を危険人物とは捉えていないことが分かります。

◆若狭は事件の核心をメアリーに伏せている◆

ここまで若狭とメアリーが繋がっているという記事を書きましたがその一方で若狭はメアリーに大きな情報を渡していないと考えることもできます。

97巻で若狭は17年前の事件現場に居合わせたことが明らかになっています。

そしてメアリーは90巻で堀田の新情報に関心を寄せていました。堀田は胡散臭い人物として知られていた存在です。

そんな堀田よりも若狭の方が得ている情報は多いはず。

若狭から最上級の情報の提供を受けているのであればメアリーはここまで強く反応しないはずです。

また92巻で若狭が自分の名前を報道させるように仕向けたのはRUMを誘き出すためと考えられます。

これは彼女がRUMにある程度心当たりがあるからです。93巻の黒田に対する高圧的な態度は彼をRUMではないかと疑っているから。

若狭はその情報をメアリーに渡していない可能性は高いと思います。この推理が正しい場合メアリーにとって宿敵であるRUMに関する核心部を伏せている理由が気になるところ。

 

この2人がいつ頃から交流を始めたのかは不明ですが若狭がメアリーの若返りに辿り着けたということは若返る前のメアリーと交流があったはずです。

次回は若狭とメアリーの息子である赤井秀一とも繋がっている可能性について綴ろうと思います。


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若狭の正体は浅香か

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RUM候補の紅一点、コナン達のクラスの副担任である若狭留美

彼女はRUMなのでしょうか。

私は若狭はRUMではなく羽田浩司殺害の容疑者とされている浅香ではないかと考えているのでこの事について綴りたいと思います。


◆若狭はRUMでない◆

若狭がRUMである可能性は極めて低いと言えます。

RUMは工藤新一に関する情報を求めていますが彼女は初登場の91巻から既にコナンの正体に勘付いている状態です。

その彼女が新一の行方を追う必要はありません。この時点で若狭がRUMとは到底考えられません。

また若狭は93巻の「燃えるテントの怪」にて当初灰原から疑いの目を向けられていたものの最終的にはあっさりと信頼を勝ち得ています。

灰原「言っとくけど私、好きだから若狭先生…だから悪く言わないでくれる?」

若狭はこの回で歩美ちゃんを拘束した犯人を威圧し、怯えていた歩美ちゃんを抱きしめています。灰原は若狭から大きな優しさを感じ取っている。ですが何よりも灰原を安心させたのは若狭が右目に涙をためたのを目撃したからではないでしょうか。

義眼である場合涙は流れないと言われているようです。このことから灰原は若狭は隻眼ではない=RUMではないと判断するに至ったと考えた方が自然です。若狭を信頼している理由が「子供に優しいから」では推理物としてはNGですからね。

またコナンも若狭の右目は義眼ではなく別の何らかの障害と捉え始めているようです(山菜採り・97巻)。

名探偵コナン (97) (少年サンデーコミックス)

名探偵コナン (97) (少年サンデーコミックス)

 

RUMの絶対条件は隻眼。これに当てはまらない時点で若狭がRUMという可能性はほぼ潰えたと言えるのではないでしょうか。


◆若狭の正体は浅香◆

若狭はRUMではない。そうなると浮上するのが浅香の存在です。

まずネット上にUPされている浅香の写真は明らかに女性。コナンの世界では性別を超越した変装を得意とする人物も存在します。浅香が男性の可能性もゼロとは言えないかもしれません。

ですが読者は浅香とは何者かを考察するわけですし画像は貴重な考察材料であるべき。

さすがにこの画像がミスリードとは考え難いので浅香はそのまま女性と受け止めていいはず。

ここで浅香の人物像について推理する為の材料を探しましょう。

RUM編もスタートからかなりの時間が経過しています。重要人物である浅香は既に登場していると考えるべきです。

浅香の条件は資産家のボディーガードが務められるほど秀でた身体能力を持ち、17年前の時点でボディーガードの職務を担える年齢の女性ということ。

この条件に合致するのが若狭とメアリーです。

では2人のうちどちらなのかという話になりますが最近になってメアリーが浅香である可能性は無いに等しいと言える状況になっています。

コナン「アマンダが「浅香」と呼んでいたボディーガードを最重要容疑者として行方を追っているが…その消息はまだつかめていない…なお、その「浅香」という人物の身元は謎に包まれていて…雇い入れた経緯を知る者はいないらしい…」 89巻

この言葉から浅香は現れるのも消え失せるのも得意な神出鬼没な人物という事が分かります。

ですがメアリーは羽田の事件からそう経過していない段階でこれといった変装もせず子供たちを連れて飛行機に乗っています。

この頃組織は浅香を血眼になって探している時期だったはず。メアリーが浅香とすると変装もなしに子供連れで堂々と飛行機に乗り込む、しかも機内で事件について口に出すということは絶対に避けるはず。

また彼女は当時真純を妊娠中でした。性別が女の子と分かっていたので妊娠してからある程度は経過しているはず。

正確な時期については断言できませんがメアリーは羽田の事件の時には既に妊娠していた可能性が高い。

ボディーガードの職に就いた女性はその間は妊娠は控えるはずです。

更に「霊魂探偵殺害事件」90巻でメアリーは堀田の掴んだ羽田浩司の情報を知りたがっています。

もし彼女が浅香としてアマンダに同行していたのなら堀田よりもはるかに情報を持っているはず。霊魂探偵なんて胡散臭い人物に関心を持つはずがありません。

何よりメアリーはMI6であることが確定の状態

彼女はコナンに対し早い段階で自らMI6のヒントを与えています。

これはメアリーはコナンに対し自分の経歴を隠すつもりが無いという事。つまり彼女はMI6以外の顔を持ち合わせてはいない。

これらを総括するとメアリーは浅香ではないという事になり、必然的に消去法で若狭=浅香となります。

何よりも若狭は97巻の「山菜採り」で血の匂いから羽田の遺体を連想しています。当日現場にいたとなればやはり若狭はかつて浅香であったと考えるべきです。


香車の駒は浅香を表している?◆

そして若狭は初登場の91巻で彼女はこんな台詞を口にしています。

「む、夢中でトンボ振り回してたから…」

天下三名槍のひとつ、蜻蛉切を思わせる一言です。

これは若狭は槍と関りがあるということ。

コナン「香車がどこまでも真っすぐ前に進んで…」

秀吉「まるで槍のようだから…」 85巻

コナン「香車は英語表記だと「槍(ランス)の「L」!」 最新の棋士連続事件

RUM編において香車が表しているのは「槍」。

現在若狭、槍、香車は結びつきがあると考えられる段階まできていると思います。

もちろん香車は謎に包まれた人物、浅香のことです。

先日の記事でRUM編と槍を含めた日本刀の関連について触れましたがその記事更新の直後に本編でも具体的なワードが描かれたことでこの考察も当たっている可能性は高くなったなと感じています。


◆若狭は「いいひと」ではない◆

灰原から好かれる。子供たちを守る為に犯人を制圧する。子供の安全が確信できれば目に涙を浮かべる。

一見「いいひと」に思われがちな若狭ですが実際はそうではありません。

初登場回の91巻「新任教師の骸骨事件」遺体を見つけていながら放置し、結果少年探偵団を事件に巻き込んでいます。

92巻「白い手の女」ではこの後殺人が起こるという気配を察知しながらやはり放置しました。それどころか笑みまで浮かべています。

彼女の行動はコナンの正体が工藤新一であるか否かの確証を得る為です。その為なら殺人でさえ喜ばしいものと捉えてしまう。非常に危険な一面も持ち合わせています。

「ごめんなさい吉田さん…その四つ葉のクローバーは受け取れないわ…私は人を殺してしまった悪い人だから…罰を受ける前に幸せなんかもらっちゃいけないの…」97巻

「山菜採り」の犯人の言葉です。結局四つ葉のクローバーは歩美ちゃんが若狭へプレゼントします。しかし彼女は笑顔で受け取りながらもすぐに捨ててしまいます。

これは犯人の言葉と自分の過去がシンクロした結果だと思います。

「燃えるテントの怪」では組織の気配を放ち灰原を警戒させている。彼女はかつて組織の一員だった可能性は十分に考えられます。

殺人を犯した経験があっても不思議ではありません。また山菜採りの犯人の台詞から刑罰も受けていないと考えられます。


◆異常なまでに完璧な若狭◆

若狭はコナンを凌駕する推理力の持ち主です。そしてズバ抜けた身体能力の持ち主でもあります。また料理も相当な腕のようです。その上絵も上手い。

コナンは若狭には障害があるのではと考え始めています。若狭と重なるキャラクターが劇場版「純黒の悪夢」のキュラソー

若狭にもキュラソーのように障害があるが故の特殊な能力が備わっているのかもしれません。

キュラソーはRUMの腹心でしたが若狭もかつてはRUMから重宝されていた優秀な人材だった、なんてこともあるのでしょうか。

とはいえ劇場版で腹心という設定を用いた以上少なくとも原作ではその言い回しは避けるはずですが。

 

RUMを誘き出そうとしているかのような行動、APTX4869の投与者を把握している、体に無数の傷があるなど若狭は謎に包まれた存在です。恐らく原作登場の度に彼女の過去を紐解くピースが散りばめられていくはず。

再登場が今から楽しみですね。


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トランプが表すRUM編の伏線とは

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先日最新刊97巻が発売になりました。

RUM候補のうちの2人、若狭留美の羽田に関する回想シーンや脇田兼則との旅行など考察材料が多い1冊と言えます。

今回私が注目したのはトランプです。単行本冒頭のお馴染みのコナンと新一の2ショットのイラスト。

2人はババ抜きをしています。そのコナンの手元のカードはジョーカーとスペイドのジャック。

スペイドのジャックは「長野廃教会殺人事件」でアップで描かれたカードです。それをここでも描いている。確実に意図的です。

今回はトランプが表すRUM編の伏線について綴りたいと思います。


スペイドのジャックとは

97巻収録の「長野廃教会殺人事件」。

依頼人から4人で来る必要があったため、コナンと小五郎は急遽参加を申し出た安室とRUM候補の1人である脇田と共に長野へ向かい連続殺人に遭遇する話です。

このシリーズの冒頭で4人はババ抜きをしています。この時安室が小五郎から引いたカードがスペイドのジャックです。

このカードは読者に分かりやすいようアップで描かれています。

 

そもそもスペイドのジャックとは何を意味するのかというところから。

組織のボスである烏丸蓮耶について初めて語られた30巻「集められた名探偵」を振り返りましょう。

このエピソードの中でのコナンの台詞が以下の通り。

「切り札とは英語でトランプの事!」

「兵士はJ!」「剣はスペイドを意味してるんだ…」

「剣と兵士はスペイドのJってわけ!」

トランプは数字やマークの意味がゲームの内容によって異なる場合がありますがコナンの作中においてはスペイドのジャック=剣&兵士という意味で語られています。このカードの意味するものこそ脇田の存在そのものなんです。


スペイド=剣=脇田兼則

スペイドの意味は剣です。なぜ脇田と剣に関連があると言えるのか。

実は日本刀には「兼則」というものが存在するから。

もちろんそれだけじゃありません。

63巻の「回る凶器」の扉絵を振り返りたいと思います。

脇田の初登場となった92巻「江戸っ子探偵!?」の扉絵と酷似していることがよく分かりますね。

これは「回る凶器」と脇田には関連があるという事。

「回る凶器」は阿笠博士と少年探偵団が回転寿司を食べに行った先で事件が起こるというもの。

ですが描かれた扉絵は回っていないお寿司。これは確実に伏線。

元太の口から「江戸っ子」という言葉も飛び出しているので作者の中で「江戸っ子の寿司職人」はこの時点で頭にあったはずです。

何よりコナン達が訪れた回転寿司屋の名前は「旋風剣」。これは作者の前作『YAIBA』が由来です。

一見作者の遊び心に見えますが

兼則という日本刀がある

回転寿司屋の事件なのに回らないお寿司が描かれている

脇田初登場回の扉絵と酷似している

やはり脇田と剣にはなんらかの繋がりがあると考えていいはずです。

初登場時の犯人の名前が国宝であり天下五剣のひとつである日本刀、宗近であることも偶然ではないでしょう。
青山先生は大の侍好きですから当然日本刀に関してもそれ相応の知識があるはず。

またRUM編には槍にちなんだ事件も起きています。そして犯人を撃退した際の若狭の言葉も恐らく伏線。

「む、夢中でトンボ振り回してたから…」(91巻)

天下三名槍のひとつに蜻蛉切があります。若狭は体に切り傷と思しき跡が複数確認できますが(95巻)これも日本刀(槍を含む)での襲撃を受けたと考えられます。犯人を撃退したのは倉庫ですからトンボ以外にも武器になるものはあったはず。それこそもっとメジャーなバット等。トンボにしたのは意味があるはずです。

私はRUM編は槍を含む日本刀にも注目するべきだと考えています。

ちなみにボスの烏丸、スコッチ(諸伏景光)も日本刀からだと思います。(RUM編と日本刀についての記事はまた別の投稿します)

脇田も若狭同様日本刀と繋がっています。97巻で2度もアップで描かれた剣を意味するスペイドのトランプは脇田を表わしていると考えるべきです。


トランプが示す脇田はRUMではないという伏線

スペイドは剣。ではジャックはどうでしょうか。意味は「兵士」など「仕える者」です。

脇田はこのジャックに該当するのでしょうか。

RUMは組織のNo.2でボスに仕える立場。とはいえコードネームを与えられた他のメンバーと異なり権力は絶対的です。

灰原「トランプのジャックの意味は廷臣か兵士…王子や息子の意味はないわ」(49巻)

つまりコナンの作中においてジャックは地位の高い人物ではないということ。

この時点で脇田が組織のNo.2の権力者という可能性は無いことを意味します。

またコナンも言っている通りトランプの意味は「切り札」。組織のNo.2を切り札と表現するのはおかしな話なのでこのことからもやはり脇田はRUMという可能性は非常に低いと言えます。


脇田はRUMの影武者で安室の仲間

先述の通りババ抜きの際安室は小五郎から脇田を示すスペイドのジャックを引き抜きました。

そしてそのカードを手放す描写はありませんでした。これは脇田は安室の仲間という意味です。

「長野廃教会殺人事件」の終盤で両者が裏で手を組んでいたのも同志であり、脇田は公安の手札ということ。

 

また97巻冒頭のコナンと新一の2ショットのトランプではジョーカーの陰に脇田を表わすスペイドのジャックが隠れています。

このイラストが意味するものは「脇田兼則はRUMの影武者」だということ。

彼がRUMの影武者である以上RUMの思惑通りに動くより他ありません。これが多くの読者が脇田=ラムと判断する材料となっているわけです。

 

97巻2ショットのイラストは以前よりこのブログで提唱していた私の考察がそのまま表現された形なので本当にうれしかったですね。

脇田はラムの影武者という考察記事はこちら。


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若狭の正体は浅香か

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RUM候補の紅一点、コナン達のクラスの副担任である若狭留美

彼女はRUMなのでしょうか。

私は若狭はRUMではなく羽田浩司殺害の容疑者とされている浅香ではないかと考えているのでこの事について綴りたいと思います。


◆若狭はRUMではない◆

若狭がRUMである可能性は極めて低いと言えます。

RUMは工藤新一に関する情報を求めていますが彼女は初登場の91巻から既にコナンの正体に勘付いている状態です。

その彼女が新一の行方を追う必要はありません。この時点で若狭がRUMとは到底考えられません。

また若狭は93巻の「燃えるテントの怪」にて当初灰原から疑いの目を向けられていたものの最終的にはあっさりと信頼を勝ち得ています。

灰原「言っとくけど私、好きだから若狭先生…だから悪く言わないでくれる?」

若狭はこの回で歩美ちゃんを拘束した犯人を威圧し、怯えていた歩美ちゃんを抱きしめています。灰原は若狭から大きな優しさを感じ取っている。ですが何よりも灰原を安心させたのは若狭が右目に涙をためたのを目撃したからではないでしょうか。

義眼である場合涙は流れないと言われているようです。このことから灰原は若狭は隻眼ではない=RUMではないと判断するに至ったと考えた方が自然です。若狭を信頼している理由が子供に優しいからでは推理物としてはNGですからね。

またコナンも若狭の右目は義眼ではなく別の何らかの障害と捉え始めているようです(山菜採り・97巻)。

RUMの絶対条件は隻眼。これに当てはまらない時点で若狭がRUMという可能性はほぼ潰えたと言えるのではないでしょうか。


◆若狭はかつて浅香だった◆

若狭はRUMではない。そうなると浮上するのが浅香の存在です。

まずネット上にUPされている浅香の写真は明らかに女性。コナンでは性別を超越して変装のできる人物も存在します。男性の可能性もゼロとは言えないかもしれません。

ですが読者は浅香とは何者かを考察するわけですし画像は貴重な考察材料であるべき。

さすがにこの画像がミスリードとは考え難いので浅香は女性ということになります。

ここで浅香の人物像について推理する為の材料を揃えましょう。

RUM編もスタートからかなりの時間が経過しています。重要人物である浅香は既に登場していると考えるべきです。

浅香の条件は資産家のボディーガードが務められるほど秀でた身体能力を持ち、17年前の時点でボディーガードの職務を担える年齢というのが必須。

この2つに当てはまるのが若狭とメアリー。では2人のうちどちらなのかという話になりますが最近になってメアリーが浅香である可能性は無いに等しいと言える状況になっています。

コナン「アマンダが「浅香」と呼んでいたボディーガードを最重要容疑者として行方を追っているが…その消息はまだつかめていない…なお、その「浅香」という人物の身元は謎に包まれていて…雇い入れた経緯を知る者はいないらしい…」 89巻

この言葉から浅香は現れるのも消え失せるのも得意な神出鬼没な人物という事が分かります。

ですがメアリーは羽田の事件からそう経過していない段階でこれといった変装もせず子供たちを連れて飛行機に乗っています。

この頃組織は浅香を血眼になって探している時期だったはず。メアリーが浅香とすると変装もなしに子供連れで堂々と飛行機に乗り込む、しかも機内で事件について口に出すということは絶対に避けるはず。

また彼女は当時真純を妊娠中でした。性別が女の子と分かっていたので妊娠してからある程度は経過しているはず。

正確な時期については断言できませんがメアリーは羽田の事件の時には既に妊娠していた可能性が高い。

ボディーガードの職に就いた女性はその間は妊娠は控えるはずです。

更に「霊魂探偵殺害事件」90巻でメアリーは堀田の掴んだ羽田浩司の情報を知りたがっています。

もし彼女が浅香としてアマンダに同行していたのなら堀田よりもはるかに情報を持っているはずなので霊魂探偵なんて胡散臭い人物に関心を持つはずがありません。

何よりメアリーはMI6であることが確定の状態

彼女はコナンに対し早い段階で自らMI6のヒントを与えています。

これはメアリーはコナンに対し自分の経歴を隠すつもりが無いという事。つまり彼女はMI6以外の顔を持ち合わせてはいない。

これらを総括するとメアリーは浅香ではないという事になり、必然的に消去法で若狭=浅香となります。

何よりも若狭は「山菜採り」97巻で血の匂いから羽田の遺体を連想しています。当日現場にいたとなればやはり若狭はかつて浅香であったと考えるべきです。


◆若狭は「いいひと」ではない◆

灰原から好かれる。子供たちを守る為に犯人を制圧する。子供の安全が確信で斬れば目に涙を浮かべる。

一見「いいひと」に思われがちな若狭ですが実際はそうではありません。

初登場回の「新任教師の骸骨事件」91巻では遺体を見つけていながら放置し、結果少年探偵団を巻き込んでいます。

「白い手の女」92巻ではこの後殺人が起こるという気配を察知しながらやはり放置しました。(それどころか笑みまで浮かべています)

彼女の行動はコナンの正体が工藤新一であるか否かの確証を得る為です。その為なら殺人でさえ喜ばしいものと捉えてしまう。非常に危険な一面も持ち合わせています。

「ごめんなさい吉田さん…その四つ葉のクローバーは受け取れないわ…私は人を殺してしまった悪い人だから…罰を受ける前に幸せなんかもらっちゃいけないの…」97巻

「山菜採り」の犯人の言葉です。結局四つ葉のクローバーは歩美ちゃんが若狭へプレゼントします。しかし彼女は笑顔で受け取りながらもすぐに捨ててしまいます。

これは犯人の言葉と自分の過去がシンクロした結果だと思います。

「燃えるテントの怪」では組織の気配を放ち灰原を警戒させている。彼女はかつて組織の一員だった可能性は十分に考えられます。

殺人を犯した経験があっても不思議ではありません。また刑罰も受けていないと考えられます。


◆異常なまでに完璧な若狭◆

若狭はコナンを凌駕する推理力の持ち主です。そしてズバ抜けた身体能力の持ち主でもあります。また料理も相当な腕のようです。その上絵も上手い。

コナンは若狭には障害があるのではと考え始めています。若狭と重なるキャラクターが劇場版「純黒の悪夢」のキュラソー

若狭にもキュラソーのように障害があるが故の特殊な能力が備わっているのかもしれません。

キュラソーはRUMの腹心でしたが若狭もかつてはRUMにとって特別な存在だった可能性も捨てきれませんね。

とはいえ劇場版で腹心という設定を用いた以上少なくとも原作ではその言い回しは避けるはずですが。

 

RUMを誘き出そうとしているかのような行動、APTX4869の投与者を把握している、体に無数の傷があるなど若狭は謎に包まれた存在です。恐らく原作登場の度に彼女の過去を紐解くピースが散りばめられていくはず。今後の活躍が見逃せないキャラです。


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実は不可思議なスコッチの自決

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安室と赤井に決定的な亀裂を生じさせたスコッチの死。

実は彼の自決は非常に謎めいていると言えます。

 

幼なじみで同じく警察官となったヒロを失った安室の悲しみは余りに大きく、それ故に赤井に対する憎悪は相当なものとなりました。

赤井「俺に対する奴の恨みは…思った以上に根深いようだ…」 85巻

安室「殺したい程憎んでる男が…左利き(レフティ)なだけですか

ら…」 90巻

しかし今後安室は赤井と完全な和解とまでいかなくとも組織の壊滅の為にはある程度距離を詰めなければなりません。

ここではその鍵となる存在、スコッチの死について検証してみたいと思います。


スコッチ自決の複数の謎

 


◆スコッチの自決とは

スコッチの死の真相が明らかになったのは90巻「裏切りのステージ」です。

スコッチ(悪い降谷…奴らに俺が公安だとバレた…逃げ場はもう…あの世しかないようだ…じゃあな零(ゼロ)…)

これがスコッチから安室への最期の言葉です。

この言葉がメールなのか通話なのかそれとも手紙なのか明らかにされていません。

 

安室は階段を必死に駆け上がりスコッチのいる屋上へ向かいますがそこには既に息絶えている幼馴染と拳銃を手にした赤井の姿がありました。

【安室が赤井を憎んでいる理由】

赤井はスコッチが公安からのスパイだと分かったから撃ち殺したと説明しその場を後にします。

安室は現場の状況からスコッチが自決したことはすぐに気付いたものの使用されたのが赤井の拳銃であったために赤井が自分の拳銃を渡し幼馴染を自決に追いやったと勘違いしてしまいました。これが2人の間に大きな確執を生むことになります。

【スコッチ自決に対する赤井の自責の念】

スコッチは赤井の拳銃を奪い、スマホごと自分の心臓を打ち抜きました。

最終的に彼が引き金を引くきっかけとなったのは幼馴染である安室の足音です。赤井がスコッチを自分が殺したことにしたのは組織内で昇り詰める為とも言えますが赤井は安室とスコッチの仲の良さはある程度は把握していたはず。

赤井「それと…彼の事は今でも悪かったと思っている…」 85巻

これはスコッチに自決する隙を与えてしまった事に対する罪悪感からくる言葉だと思います。

赤井なりの思いやりが安室には伝わっていないのは残念ではありますがだからこそ2人のキャラクターのそれぞれの魅力が活きてくるのでしょう。


◆当初スコッチはスマホを破損する気は無かった?

スコッチがスマホごと自分の心臓を銃弾で貫いたことを赤井は家族や仲間のデータを消去する為と考えています。

真偽は不明ですがスコッチがスマホを壊したかったのは描写から事実と言えそうです。

またベルモットのこんな言葉があります。

「ホラ、公安から潜り込んでて名前を聞く前に殺された…」 85巻

スマホを壊したために組織はスコッチの名前まで掴めなかったと考えられます。つまり親友の安室の情報の流出を食い止めている。彼の最期の行動は大変意味のあるものでした。

しかしその一方で大きな謎が残ります。

スコッチはスマホを破壊する気でいたのならなぜ拳銃を所持していなかったのでしょうか。

彼が安室へ遺した言葉を素直に受け止めると彼は命を絶つ覚悟でいたことになります。

そして彼の最期は屋上でした。拳銃を持たない彼は屋上から飛び降りるつもりだったのでしょうか。

スコッチが飛び降り自殺したとなればその原因を組織は探るはずですし彼と行動を共にしていた安室に疑いの目が向けられるのは当然と言えます。スコッチが志を同じくした大切な幼馴染をそのような危険にさらすとは思えません。

また屋上からスマホを投げ捨てて破損させるなんてことをするわけがありません。

もっと確実でかつ証拠の残らないスマホの処分方法はいくらでもあるはずです。

そんなことに気が回らない程混乱状態だったという理由が作品上通るとは思えません。

当初スコッチにはスマホを破損する気は無かったと考える方が自然だと思います。

そこから一転スマホを破壊すると決めたのは何故なのか疑問が残ります。


◆赤井が二度使用した「諦めろ」の真意とは

屋上で赤井はスコッチに対し二度「諦めろ」と言っています

「自殺は諦めろ」というのが一回。これはそのまま「自殺は思い止まれ」という意味です。

赤井はその前にも一度「諦めろ」と声をかけています。

これを「自殺を諦めろ」と同じだと勘違いしている読者の方が多いのではないでしょうか。

よく見ると2つの「諦めろ」は意味が異なります。

まず「自殺は諦めろ」と語りかけた時の赤井は利き手である左手でリボルバーのシリンダーを掴んでいます。

彼に自決をさせない為です。

そしてスコッチが逃げ出さないよう反対の右手を壁に当てています。

しかしその前の「諦めろスコッチ…」と声をかけた際赤井は利き手の左手を壁に当てているのが確認できます。

この時点ではスコッチは赤井の拳銃を奪っていないことが分かります。

このことから「諦めろ」は最低2回、異なるシチュエーションで使用されたことが分かります。

そして赤井の回想で「諦めろスコッチ」の前にこんな言葉がありました。

(無理だ…不可能だよ…)

この言葉が赤井とスコッチのどちらのものであるのかは明確に描写されていませんが流れからすると赤井の言葉と考えられます。

つまり赤井はスコッチに対し「無理だ…不可能だよ…諦めろスコッチ…」と声をかけた。

この「諦めろ」はスコッチから何かを聞かされた赤井がその考えに対し無理、不可能だと判断している。

また赤井はこの時点でスコッチに対し自分がFBIであることを明かしていません。

スコッチは赤井を組織のメンバーと認識した上で何かを語ったことになります。

赤井「俺を撃つ前に話を聞いてみる気はないか?」

この言葉もそれまでスコッチが一方的に話す側だったとも受け取れないでしょうか。

自殺を決意している人間が敵相手に色々と語るなんて大変奇妙です。

赤井がFBIだと所属を明かしたのはスコッチが拳銃を自分の胸に突き立て自決の意志を行動で示した後です。

当初赤井はスコッチから自決の意志を感じ取れなかったのではないでしょうか。

赤井「俺に投げ飛ばされるフリをして俺の拳銃を抜き取るとは…」

スコッチは赤井に投げ飛ばされる言動をしたことが分かります。

銃を奪う為に仕掛けたものなのかは不明ですが屋上でのスコッチの自決は描かれていない真相がまだあると考えるべきです。


◆スコッチは屋上で発砲した?

安室がピンポイントで屋上に辿り着けた理由が現時点では判明していません。

しかし、ひとつ可能性として浮上するものがあります。

それがスコッチが屋上で発砲した銃声を頼りに場所を割り出したのではないかということです。

原作にはスコッチが発砲した描写は全くありません。

ですが私はスコッチが屋上で発砲した可能性はかなり高いのではないかと考えています。

彼は赤井に投げ飛ばされるフリをして赤井の拳銃を奪いました。

その直後とみられるコマでスコッチは赤井に銃口を向けています。そして彼は息が上がっている状態です。

息が上がっていたのは取っ組み合いの直後だからとも考えられます。ですがスコッチは次のコマで片目を閉じて赤井に銃口を向けている様子が確認できます。

これはスコッチが赤井に狙いを定めている(定めていた)描写と受け取れないでしょうか。

さらに赤井が両手を挙げて敵意が無いことをアピールしています。

赤井はかつて一度に複数の人物から銃口を向けられたことがありましたがその時でさえ余裕たっぷりでした。(85巻)

しかしスコッチ1人を相手にしているこの屋上ではその余裕が見られません。

 の状況からスコッチは赤井の拳銃を奪った後赤井に対し威嚇射撃をした可能性が考えられます。

また安室が屋上に辿り着けたのも「銃声が聞こえたから」という理由で解決ができます。

推測通りスコッチが威嚇射撃をした場合その理由が判然としません。

可能性として高いのは自決する為に赤井を近寄らせたくなかったということでしょうか。ですが結果的に銃を奪った直後に自決ができない状態に追いやられています。

この直前に赤井に投げ飛ばされたことを踏まえると両者は本格的に揉めていたのかもしれません。

赤井への威嚇射撃はスコッチの感情が昂っていた為という可能性も捨てきれません。

ですが死を決意している人間がなぜ感情の昂るような状態に陥っているのかも謎です。


◆なぜ安室の足音で自決したのか

スコッチは幼馴染である安室の足音を追手のものだと勘違いして自決してしまったというのが読者の間で定説となっています。

しかしそれも奇妙な話なんです。

そもそもスコッチが安室の足音を追手のものだと思い込んで自決した場合、彼は組織の人間が自分の元へ来ればすぐに自決する気でいたということになります。

しかし彼はFBIと明かす前の赤井、組織のメンバーであるライと何か話し込んでいるのです。

つまりスコッチの中には組織に見つかる=自決という図式は無かったと考えられます。

その彼がなぜ足音で自決したのか理由が分かりません。

仮に安室を追手と思い込んだとしても足音から相手が1人であることは判断できたはずです。

スコッチにはFBIという強い味方がいました。銃もありました。勝ち目のない戦いではなかったはずです。

そんな状況下で彼はなぜ引き金を引かなければならなかったのでしょうか。


◆自決したのは恐らく海外

私はスコッチが自決したのは日本ではないと考えています。

その理由は赤井の台詞です。

「聞いてないのか?そいつは日本の公安の犬だぞ…」 90巻

「ここは日本…そういう事はFBIより君らの方が畑だろ?」 85巻

まず前者、わざわざ「公安」に「日本」と付けるのはスコッチ自決の場所が日本ではないからだと思います。

そして後者の「ここは日本」は「あの時と違って」という意味とも考えられます。

つまりスコッチが自決したのは日本以外の可能性があります。

では彼らはどんな任務で海外にいたのか。この考察が当たっていた場合海外滞在に自決の原因が隠されているのかもしれません。

また『ゼロの日常』4巻で安室によく似たイタリア人が登場する話がありました。

安室はイタリア語で食堂をタベルナと言うことやナポリタンがナポリでは出されていないことを知っていることが描かれています。このイタリア人がホテルのフロントでイタリア語で話しかける為従業員が困惑していたのですが両者の間に余裕の表情で割って入る安室の姿があります。

安室がイタリアに精通していることの示唆かもしれません。

これは彼のルーツがイタリアにあるという伏線かもしれませんし物語には何の関連もない話の可能性も十分にありますが気になったので記載しておきます。

もしかするとスコッチ自決の場所はイタリアなのかもしれません。

【追記】

85巻の安室と赤井の会話で初めてスコッチの存在が示唆されましたがこの時安室が「クエッション」と発音しています。これをイギリス式の発音とする見方もありますし、物語がイギリス色が強まっていることを踏まえるとスコッチの自決はイギリスの可能性が高いというのが現在の考察です。(2020年3月13日)


◆スコッチに自決の意志は無かったのではないか

スコッチは上記の通りスマホを破壊する準備をしていなかった、FBIだと明かす前の赤井と話し込んでいるなど自殺を決意した人間とは考え難い不可解な言動を取っています。

少なくとも自決に赤井の拳銃を使用した時点で彼の自決は計画的とは言えないのは確かです。

ここで現在までに判明しているスコッチの自決までの流れをおさらいしましょう。

1・屋上でスコッチはFBIと明かす前の赤井(つまり組織のメンバーのライ)と何かしら話をした

2・スコッチの話に赤井は「無理。不可能。諦めろ」と諭した

3・赤井がスコッチを投げ飛ばす

4・スコッチは投げ飛ばされるフリをし赤井の拳銃を奪う

5・スコッチは奪った拳銃でスマホごと打ち抜こうとするが赤井は「自殺は諦めろ」と諭した

6・赤井はFBIであることを伝えた

7・安室の足音を聞いたスコッチが隙をついてスマホごと自分の心臓を打ち抜き自決

8・安室がスコッチの遺体に駆け寄るも赤井は自分が殺したことにし立ち去る

スコッチが今まさに死に逝こうとしているのなら赤井も早々に自分がFBIであることを伝え、彼の保護に尽力するはず。それをせず赤井はスコッチに何かを「諦めろ」と伝えています。

スコッチ「け…拳銃は…お前を撃つために抜いたんじゃない…」

赤井の拳銃を奪い取った直後の言葉です。

これは真実だと思います。

彼はこの言葉の直前に赤井に対して発砲したとは思いますがそれはあくまで威嚇射撃。

そして注目してほしいのはこの吹き出しがとても波打っている、つまりスコッチが震えながら発した言葉であるということです。

最初から死を決意していた人間の言葉とすると釈然としません。

それこそ赤井の拳銃を奪うことに成功するまでは自ら命を絶つという考えは全くなかったと考えられなくもないのです。

次の言葉がこちら。

スコッチ「こうする…為だ!!」

自分の心臓に拳銃を突き刺しています。その後のスコッチと赤井の会話が以下の通り。

赤井「自殺は諦めろスコッチ…お前はここで死ぬべき男ではない…」

スコッチ「何!?」

赤井「俺はFBIから潜入している赤井秀一…」「お前1人逃がすぐらい造作もないのだから…」

スコッチ「あ、ああ…」

普通に考えれば「FBI」という単語に反応しそうなものですがスコッチが大きく反応したのは「死ぬべき男ではない」というところでした。

また「逃がすぐらい造作もない」という言葉に対する「あ、ああ…」は赤井に同調している表情に見えます。

私はこの時点でスコッチの自決の意志が揺らいでいるように感じました。

しかしその直後、安室の足音が聞こえてきてスコッチは引き金を引き息絶えることになります。

ライと話していることが顕著だと思いますがスコッチの自決までの一連の流れは自殺を決意した人間とは思えないものです


◆スコッチのメッセージが安室に届いたのはいつなのか

スコッチの自決は計画的なものでないことは確かです。そうなると安室に送った自殺を示唆する言葉の真意が分からなくなります。

ここで原作を振り返りましょう。

安室はスコッチのいる屋上まで階段を駆け上ります。その最中スコッチの「じゃあな零」という最期の言葉が添えられています。

なんの疑いもなく読めばこの言葉を受けた安室がスコッチを助けるために屋上へ向かっていると考えられます。

ですがスコッチの自決は先述の通り計画的とは言えないものです。

そしてこの言葉がどんな形で安室に伝わったのか明らかにされていません。

踏み込んで語ればこの内容が安室に伝わったのがいつなのかも不明瞭です。

赤井との会話などから彼は当初自殺する気はなかったと考えることもできます。

では安室へ遺したあの言葉は何だったのか。

スコッチには自殺に見せかけて姿を消さなければならない何らかのアクシデントが生じた可能性も視野に入れていいのではないでしょうか。

つまり「自分の素性が知られてしまったから命を絶つ」はフェイクで実は彼はどこかで生き延びようとしていたなど。

しかし赤井との会話でそれが不可能だと言われてしまい本来フェイクであった自決という選択肢が浮上することになった。

ヒントになりそうなのは96巻。

兄の高明がスコッチの死を知った回でスコッチは兄に手紙を送っています。その手紙に自分なりのサインのようなものを添えていることから普段から彼は手紙やメモで相手にメッセージを送る人物だったと推測できます。

スコッチの最期の言葉は手紙やメモの可能性が十分に考えられます。

メールや通話と違い書き置きされた手紙やメモの場合安室はメッセージに気付くことが遅れてしまいます。

スコッチはその間に姿を消す算段だったのかもしれません。 

安室が自殺を示唆するメッセージを受け取り屋上に駆け付けたように演出しているに過ぎず実際は安室がメッセージに気付いたのはスコッチの死後の可能性もあるのではないでしょうか。 

私の考察ではスコッチは屋上で発砲しています。安室が駆け付けたのは自殺を示唆する内容の連絡を受けたからではなく銃声が聞こえたからだということも視野に入れています。

安室にとって屋上で幼馴染の遺体を見つけることは全くの想定外だったという考察も現時点では可能ではあります。

これらは憶測の域を出ませんがその可能性が完全否定できない程彼の死は謎が多いのです。


◆「お茶会」でスコッチの自決の詳細は明かされたのか

読者の間で「潔い」「名シーン」とされているスコッチの死に難癖を付けているように受け取られるかもしれませんが勿論そのような意図は全くありません。

しかしながら現時点では彼の死はあまりに不可解と言えます。

赤井が安室にスコッチの自決に関する詳細を伏せているのは「伝えない方がいい何か」があるのではないかと勘繰ってしまいます。

スコッチの行動が謎めているのは明確ですが、かと言って安室と赤井の対決の構図を美しく描くためにスコッチに不可解な行動を取らせたとはさすがに考えられません。

そして謎に包まれている彼の死に後ろ暗い真相(端的に言うとファンが悲しむような事実=実はスコッチは悪など)があるとも思えません。 

スコッチは安室と赤井の間のわだかまりを和らげる存在でなくてはならない。彼は死後もなお必要不可欠なキャラクターなのです。その彼の死を無駄にすることはまず有り得ません。

安室と赤井の間にはスコッチの死で決定的な確執が生じましたが95巻ではその2人が顔を合わせたいわゆる「お茶会」が開かれました。

この「お茶会」で謎に包まれたスコッチの自決の真相が赤井の口から語られているのかもしれません。

「工藤邸でのお茶会」の考察記事はこちら。


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黒田と脇田は同一人物(63巻より)

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黒田兵衛は2人存在し、一方がラム、もう一方が脇田兼則による変装。

つまり黒田と脇田は同一人物であるというのが私の考察です。
今回は私が両者が同一人物という伏線ではないかと考えているものを63巻から紹介します。

 ◆「犯人は元太の父ちゃん」はRUM編の伏線◆

RUMの名前が作中に初登場したのは85巻。ですがそれよりずっと前の63巻にRUM編のヒントと考えられるエピソードが収録されています。

青山先生はかなり早い段階からRUM編の構想を練っていたとされているので63巻で断片的にヒントを描いていても不思議はありません。

名探偵コナン (63) (少年サンデーコミックス)

名探偵コナン (63) (少年サンデーコミックス)

 

私は63巻の段階でRUM候補に関するキャラクター設定はできていた可能性は極めて高いと考えています。

なぜなら63巻収録の「回る凶器」の扉絵は脇田初登場となった92巻「江戸っ子探偵!?」と酷似しているから。

ちょっとした間違い探しと思うくらい似ています。明らかに意図的です。

つまり「回る凶器」と脇田兼則というキャラクターには繋がりがあるという事。

この考察に関してはまた別に記事にします。

ですが今回注目したいのは同じく63巻収録の「犯人は元太の父ちゃん」です。

タイトル通り元太の父親、元次が容疑者の1人になってしまう話です。

この事件とRUM編に一体何の繋がりが?と思う方も多いと思いますがきちんと繋がっています。

元太の父、元次は昔ながらの生粋の江戸っ子です。それはキャラクターの台詞を通しても強調されています。

灰原「チャキチャキの江戸っ子だっていう彼の父親がね…」

灰原「まさに生粋の江戸っ子ね…」

コナン「江戸っ子だからだよ!昔ながらの江戸っ子は…」

元次「火事と喧嘩は江戸の華って言うじゃねえか!!」

元次は生粋の江戸っ子。ですがその元次に関して大変奇妙なことが描かれています。

高木「あなたは今日どんな歌を?」

元次「黒田節を…」

この日元次は歌を披露しなければならなかったのですが彼が歌ったのは黒田節。

これは福岡県の民謡。生粋の江戸っ子である元次がなぜ黒田節を選択したのか理解に苦しみます。

そもそもですが実はこの「犯人は元太の父ちゃん」の1つ前のエピソードである「回転寿司ミステリー」(同じく63巻収録)でも元次が江戸っ子であることが語られています。

元太「父ちゃんが江戸っ子なら寿司はいい店で食えって言って」たからよ!

つまり「回転寿司ミステリー」「犯人は元太の父ちゃん」と立て続けに元次の江戸っ子っぷりを描きながらその彼が歌うのは福岡の民謡。

これはさすがに不自然です。

当然「江戸っ子」「寿司」とくれば連想するのは脇田。そして「黒田節」から連想されるのはもちろん黒田です。

ちなみにRUM候補の初登場は黒田兵衛が86巻、若狭留美が91巻、脇田兼則が92巻。

考察通り63巻の時点でRUM編の伏線が張られているのならRUM編は相当に凝ったものになると考えていいはずです。


◆黒田節の内容はRUM編のキーワードばかり◆

生粋の江戸っ子であるはずの元次がなぜか披露した福岡県の民謡である黒田節。

ここで黒田節について簡単に綴ります。

黒田官兵衛の嫡男黒田長政福島正則の元へ家臣を使いにやります。

その際長政はその家臣に酒の問題を回避するために正則と酒を呑まないことを約束させますが正則は大杯に注いだ酒を「これを飲み干せばなんでも褒美を与える」と言うので家臣はその酒を飲み干し、褒美として正則は豊臣秀吉から下賜された槍である日本号を貰い受けました。

黒田官兵衛➡黒田兵衛

豊臣秀吉➡羽田秀𠮷

日本号➡RUM編は槍に関する事件が発生(日本号の話も語られている)

槍に関しては若狭のこんな台詞もあります。

若狭「む、夢中でトンボ振り回してたから…」(91巻)

天下三名槍のひとつに蜻蛉切があります。この台詞は若狭と槍が関連している伏線だと考えています。(これに関してもまた別に記事にします)また黒田節ですが「太閤恋する名人戦」でその内容について語られています。

「太閤恋する名人戦」は作中でRUMの名前が登場した次のエピソード。
黒田節とRUMが繋がっていることがよく分かります。


◆元太の父を通して黒田と脇田が同一人物であると描いている?◆

江戸っ子でありながら福岡県の民謡である黒田節を歌った元太の父。

私は彼を通して黒田と脇田が同一人物だというヒントが描かれているのではないかと推測しています。

便宜上黒田と脇田を1人で2役演じている人物を双方のイニシャルを取ってKWとします。

元次の江戸っ子口調&「寿司はいい店で」という台詞=脇田。

元次が生粋の江戸っ子にも関わらず黒田節を歌う=黒田。

これらは黒田と脇田は同一人物でKWというまだ素顔が明らかになっていない人物が演じているという伏線。

またこの日元次は普段かけない眼鏡をかけていました。

元次「度が入(へえ)ってて目ェ開けてらんなくて大変(てーへん)だったぜ!」

この時彼は片目を閉じています。隻眼のRUMを連想させますね。

脇田は初登場回(92巻)で左目にあるはずの眼帯を右だと勘違いしているコマがあります。またこのコマだけいつもの江戸っ子口調ではありませんでした。

これは脇田が右目が隠れた江戸っ子口調ではない人物も演じている伏線。

名探偵コナン (92) (少年サンデーコミックス)

名探偵コナン (92) (少年サンデーコミックス)

 

体格などから該当するのは黒田のみなのでKWが1人で2人の人物を演じている可能性は極めて高いと思います。

また元次は普段眼鏡をかけない人物ですがこの時は賢さを演出する為に眼鏡をかけて別人のようになっていました。

そして印象をよくするために普段の江戸っ子口調を避けています。

これもKWが本来目に問題がないものの目に何か細工し、江戸っ子口調とそうでない口調を使い分けることで全くの別人に変装していると捉える事が出来ます。

近々発売の97巻で脇田(KW)がトランプのペアを捨てる事が出来なかったと考えられる描写があります。

KWはある時は右目が見えない設定の黒田、ある時は左目に眼帯のある脇田を演じている。

そうなると視界に問題が出てきます。その中の1つがトランプのペアを見過ごしたという事なのです。

元次は普段掛けない眼鏡を掛けた為に視界に問題が生じていますがこれも脇田がペアを捨てられなかったことと重なります。

「犯人は元太の父ちゃん」は黒田=脇田という方程式をそのまま描いた貴重なエピソードだと考えています。

ラムの絶対条件は隻眼。KWは本来両目が見えている人物。この彼が脇田を演じているのなら当然脇田は必然的にラム候補から外れます。

また元次は犯人の態度に激昂し突如暴力を振るい、恐ろしい表情と言葉で相手を威圧するシーンがあります。

これは若狭そのものですね。彼を通してRUM候補を全員描いたとも言えます。

ただ先述の通り体格からKWが若狭を演じている可能性はゼロ。

この話の中で元次は盗賊団のボスを追い詰め自白させる展開に持ち込んでいます。

私は以前から脇田はRUM脇田の影武者であると同時に正義の立場と推理しています。

元次がボスを追い詰めたのは黒田と脇田を演じているKWがボスを追い詰める役割という暗示なのかなとも思います。


◆63巻は伏線だらけ?◆

実は「回転寿司ミステリー」「犯人は元太の父ちゃん」の次は「霧にむせぶ魔女」。安室透の愛車であるRX-7が大々的に描かれたエピソード。

この時点でまだ安室は登場していないので63巻は後の作品に関する大きな伏線が描かれている1冊という見方もできそうですね。

ちなみに私はKWは安室の恩師であり父親的な存在であると同時に梓の父親と推測しています。

RUM編は親の癖が子供に移るという特徴がありますが安室と梓は右利きなのにトングを持つ時は左手という奇妙な癖がある。

これは安室と梓の2人が同じ人物を父親としている伏線だと思います。

コナンの作中では利き手が重要なカギを握るので少なくともこの2人にはポアロの同僚という以外にも何か繋がりがあるというのは間違いないでしょうね。

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