若狭の正体は浅香か
RUM候補の紅一点、コナン達のクラスの副担任である若狭留美。
彼女はRUMなのでしょうか。
私は若狭はRUMではなく羽田浩司殺害の容疑者とされている浅香ではないかと考えているのでこの事について綴りたいと思います。
◆若狭はRUMではない◆
若狭がRUMである可能性は極めて低いと言えます。
RUMは工藤新一に関する情報を求めていますが彼女は初登場の91巻から既にコナンの正体に勘付いている状態です。
その彼女が新一の行方を追う必要はありません。この時点で若狭がRUMとは到底考えられません。
また若狭は93巻の「燃えるテントの怪」にて当初灰原から疑いの目を向けられていたものの最終的にはあっさりと信頼を勝ち得ています。
灰原「言っとくけど私、好きだから若狭先生…だから悪く言わないでくれる?」
若狭はこの回で歩美ちゃんを拘束した犯人を威圧し、怯えていた歩美ちゃんを抱きしめています。灰原は若狭から大きな優しさを感じ取っている。ですが何よりも灰原を安心させたのは若狭が右目に涙をためたのを目撃したからではないでしょうか。
義眼である場合涙は流れないと言われているようです。このことから灰原は若狭は隻眼ではない=RUMではないと判断するに至ったと考えた方が自然です。若狭を信頼している理由が子供に優しいからでは推理物としてはNGですからね。
またコナンも若狭の右目は義眼ではなく別の何らかの障害と捉え始めているようです(山菜採り・97巻)。
RUMの絶対条件は隻眼。これに当てはまらない時点で若狭がRUMという可能性はほぼ潰えたと言えるのではないでしょうか。
◆若狭はかつて浅香だった◆
若狭はRUMではない。そうなると浮上するのが浅香の存在です。
まずネット上にUPされている浅香の写真は明らかに女性。コナンでは性別を超越して変装のできる人物も存在します。男性の可能性もゼロとは言えないかもしれません。
ですが読者は浅香とは何者かを考察するわけですし画像は貴重な考察材料であるべき。
さすがにこの画像がミスリードとは考え難いので浅香は女性ということになります。
ここで浅香の人物像について推理する為の材料を揃えましょう。
RUM編もスタートからかなりの時間が経過しています。重要人物である浅香は既に登場していると考えるべきです。
浅香の条件は資産家のボディーガードが務められるほど秀でた身体能力を持ち、17年前の時点でボディーガードの職務を担える年齢というのが必須。
この2つに当てはまるのが若狭とメアリー。では2人のうちどちらなのかという話になりますが最近になってメアリーが浅香である可能性は無いに等しいと言える状況になっています。
コナン「アマンダが「浅香」と呼んでいたボディーガードを最重要容疑者として行方を追っているが…その消息はまだつかめていない…なお、その「浅香」という人物の身元は謎に包まれていて…雇い入れた経緯を知る者はいないらしい…」 89巻
この言葉から浅香は現れるのも消え失せるのも得意な神出鬼没な人物という事が分かります。
ですがメアリーは羽田の事件からそう経過していない段階でこれといった変装もせず子供たちを連れて飛行機に乗っています。
この頃組織は浅香を血眼になって探している時期だったはず。メアリーが浅香とすると変装もなしに子供連れで堂々と飛行機に乗り込む、しかも機内で事件について口に出すということは絶対に避けるはず。
また彼女は当時真純を妊娠中でした。性別が女の子と分かっていたので妊娠してからある程度は経過しているはず。
正確な時期については断言できませんがメアリーは羽田の事件の時には既に妊娠していた可能性が高い。
ボディーガードの職に就いた女性はその間は妊娠は控えるはずです。
更に「霊魂探偵殺害事件」90巻でメアリーは堀田の掴んだ羽田浩司の情報を知りたがっています。
もし彼女が浅香としてアマンダに同行していたのなら堀田よりもはるかに情報を持っているはずなので霊魂探偵なんて胡散臭い人物に関心を持つはずがありません。
何よりメアリーはMI6であることが確定の状態。
彼女はコナンに対し早い段階で自らMI6のヒントを与えています。
これはメアリーはコナンに対し自分の経歴を隠すつもりが無いという事。つまり彼女はMI6以外の顔を持ち合わせてはいない。
これらを総括するとメアリーは浅香ではないという事になり、必然的に消去法で若狭=浅香となります。
何よりも若狭は「山菜採り」97巻で血の匂いから羽田の遺体を連想しています。当日現場にいたとなればやはり若狭はかつて浅香であったと考えるべきです。
◆若狭は「いいひと」ではない◆
灰原から好かれる。子供たちを守る為に犯人を制圧する。子供の安全が確信で斬れば目に涙を浮かべる。
一見「いいひと」に思われがちな若狭ですが実際はそうではありません。
初登場回の「新任教師の骸骨事件」91巻では遺体を見つけていながら放置し、結果少年探偵団を巻き込んでいます。
「白い手の女」92巻ではこの後殺人が起こるという気配を察知しながらやはり放置しました。(それどころか笑みまで浮かべています)
彼女の行動はコナンの正体が工藤新一であるか否かの確証を得る為です。その為なら殺人でさえ喜ばしいものと捉えてしまう。非常に危険な一面も持ち合わせています。
「ごめんなさい吉田さん…その四つ葉のクローバーは受け取れないわ…私は人を殺してしまった悪い人だから…罰を受ける前に幸せなんかもらっちゃいけないの…」97巻
「山菜採り」の犯人の言葉です。結局四つ葉のクローバーは歩美ちゃんが若狭へプレゼントします。しかし彼女は笑顔で受け取りながらもすぐに捨ててしまいます。
これは犯人の言葉と自分の過去がシンクロした結果だと思います。
「燃えるテントの怪」では組織の気配を放ち灰原を警戒させている。彼女はかつて組織の一員だった可能性は十分に考えられます。
殺人を犯した経験があっても不思議ではありません。また刑罰も受けていないと考えられます。
◆異常なまでに完璧な若狭◆
若狭はコナンを凌駕する推理力の持ち主です。そしてズバ抜けた身体能力の持ち主でもあります。また料理も相当な腕のようです。その上絵も上手い。
コナンは若狭には障害があるのではと考え始めています。若狭と重なるキャラクターが劇場版「純黒の悪夢」のキュラソー。
若狭にもキュラソーのように障害があるが故の特殊な能力が備わっているのかもしれません。
キュラソーはRUMの腹心でしたが若狭もかつてはRUMにとって特別な存在だった可能性も捨てきれませんね。
とはいえ劇場版で腹心という設定を用いた以上少なくとも原作ではその言い回しは避けるはずですが。
RUMを誘き出そうとしているかのような行動、APTX4869の投与者を把握している、体に無数の傷があるなど若狭は謎に包まれた存在です。恐らく原作登場の度に彼女の過去を紐解くピースが散りばめられていくはず。今後の活躍が見逃せないキャラです。