安室と梓は協力関係【1】

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安室は現在梓と協力関係にある可能性がかなり高いと思います。

劇場版『ゼロの執行人』において公安の協力者というキーワードがありました。

原作でこれに該当する人物が梓であると考えています。

今回は以下の2点から2人が協力関係にある可能性を探ります。


◆女性警察官連続殺人事件での梓の不可思議な発言◆

「女性警察官連続殺人事件」は95巻から96巻にかけて発生したその名の通り女性警察官を狙った事件です。

※つい最近「標的は警視庁交通部」の題で全4話に渡りアニメ化されました。

 

殺人事件が起こる一週間前、毛利探偵事務所の近くで被害者と交通違反者との騒動がありました。

その騒動に着目したコナンでしたが騒動当日は小五郎が町内会の旅行で不在だったためポアロに勤務する安室の元へ赴きヒントを得ようとします。

その時の梓の返答が非常に奇妙なのです。

梓「3日前?」 96巻

コナンが梓にどのような質問を投げかけたのかは描かれていません。

しかし彼の目的は一週間前の情報収集であり、3日前ではありません。

誤植とは考え難いので梓の一言には何らかの意味があると考えた方がいいはずです。

 

そもそもコナンは何故安室でなく梓に声をかけたのでしょうか?

この時ポアロの店内にはお客さんの姿が確認できますが安室は接客をしておらず両手が空いているのが確認できます。

このような内容は公安である安室に真っ先に話した方が賢明です。

しかしコナンはそれをしなかった。

何よりもコナンが安室に向けて言ったこの台詞に注目です。

コナン「じゃあ何か思い出したら連絡してね!」 96巻

安室とコナンは連絡先を交換している仲だということが分かります。

 

この時コナンはスケボーで移動しており、情報収集を急ぎたいという気持ちが強かったはず。

ならば安室に直接連絡をとった方が早いのです。

それなのにわざわざポアロに出向いたのは梓を作中に登場させる必要があったからではないでしょうか。

 

これは青山先生が梓に「3日前」という台詞を言わせたかったのだと推測しています。

梓「安室さんが様子を見に行ってくれたから…ですよね?」 96巻

この時の「ですよね?」という梓の表情は安室に「そういう話でしたよね?」と言っているように見えます。

安室と梓の2人が何かしら口裏を合わせていると取れる描写です。

 

また深読みになってしまうかもしれませんが殺人事件発生の一週間前の「小五郎の町内会の旅行」という言葉にも私は関心を持っています。

コナン(一週間前は町内会の旅行に行ってたな あのオヤジ…) 95巻

ここは浮気調査で不在だったとかそのような理由でよかったように思います。

小五郎はポアロのマスターと大変仲がいいので町内会の旅行も一緒に参加している可能性は否定できないように感じます。

その通りであればポアロは当日休業していることになり2人とも勤務していることそのものが嘘ということになる。

それも含めての口裏合わせという線も完全には否定できないのではないのではないでしょうか。

 

しかし否定材料としては梓に代わって騒動を語る安室の背景に登場する交通違反者たちが実に詳細に描かれています。

素直に受け止めれば安室は目撃者として現場に居合わせたと捉える方が自然なように感じます。

安室はコナンに情報を提供する直前に黒田と連絡を取り合っていると思しき描写があるので黒田発信の情報をそのまま伝えただけという可能性も考えられます。しかしその否定材料になるかもしれないのが以下の安室の台詞。

安室「まあ僕の情報は事件解決の手助けにはあまりならなかったようですが…」 96巻

上司からもらった情報を「手助けにならなかった」と表現するのは失礼に値すると思うので安室は目撃者であると考える方が腑に落ちるような気がします。

ですが「3日前」という不可思議な発言をした梓は騒動について安室とは対照的に「遠目でチラッと見ただけ」と語っています。

梓に関しては当日ポアロを不在にしており実際には目撃していない可能性があるのではないでしょうか。

 

では梓はその日何をしていたのか、私の憶測の域を出ませんが「これじゃないかな」というのがひとつ浮かんでいるので後日記載します。


◆長野廃教会殺人事件の「梓を誘った」の真偽◆

このエピソードでは小五郎は依頼人の都合で4人で長野へ行く予定でしたが蘭と園子が当日になってキャンセルとなり、蘭は事件の依頼なら適任という理由で安室に参加を頼みます。その時の安室と蘭の会話が以下の通りです。

蘭「じゃあ梓さんも行けるんですか?」

安室「いや、一応誘ったんですが…明日の予定はもう決まっているらしくて…」 サンデー2019年11号 

その後安室の台詞は以下の通り。

小五郎「とにかく、旅の連れをもう一人探さねぇと…」

安室「ミステリー好きな人がベストなんですよね?」

そこに登場したのが脇田です。脇田は初登場回でこんな事を言っています。

脇田「アッシ小せぇ頃からミステリーってヤツがでェ好きでよォ!」 92巻

安室の「ミステリー好きな人がベスト」という発言は「脇田兼則がこの旅行に適任だ」という流れを生み出す言葉と捉えて間違いないと思います。

最初から安室は脇田と旅行に参加することが狙いでした。

ここで検証すべきは「梓を誘ったが彼女には予定があった」という安室の言葉です。

安室が脇田と旅行に同行したいと思っていたら偶然にも梓には予定がありうまい具合に脇田が参加となったとは考え難い。

彼は言葉を操ることに非常に長けている人物ですがさすがに当日梓に予定を作らせるというのは至難の業だと思います。

つまり安室が梓を旅行に誘ったのは嘘と考えた方が流れとして自然です。

「梓を誘った」と言う彼の言葉を聞いたコナン達は梓の勤務するポアロの常連客です。

後日、当日の予定について尋ねられる可能性は十分に有り得ます。

この件に関して梓が何も相談を受けていない場合安室は嘘つきな人物となり潜入捜査官としての信頼を失うことになります。それは立場上絶対に避けなければならないことです。

しかし梓が安室の協力者であれば話は違ってきます。

安室は旅行の件に関して「脇田と参加をしたい」という旨を梓に伝えている可能性が高いと思います。

私の考察では脇田は梓の父親です。

安室、脇田、梓の3人で口裏合わせが行われたのではないでしょうか。

安室の梓を誘ったという言葉は梓が安室の協力者でなければ出てこない台詞だと思います。

梓が正式な「公安の協力者」というのかは定かではありませんが安室と協力関係にあることは間違いないと考えています。

また安室透が主人公の公式スピンオフ『ゼロの日常』でも安室と梓が協力関係にあるという伏線が張られています。

そしてそれはここに記した本編で梓が交通違反者の騒動当日ポアロを留守にしていた可能性ともリンクするので改めて後日記載したいと思います。

※続きは安室と梓は協力関係【2】へ

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