脇田はラムではない
現在読者の間でラム最有力候補とされている脇田兼則はラムなのでしょうか?
ラムは黒田、若狭、脇田の3人の中にいることは先生が断言しています。
そして組織のメンバーをかぎ分ける灰原が黒田若狭をシロと断定している以上、消去法でまだ灰原と接触のない脇田しかいないと考えている方が多いと思います。
ですが私は脇田はラムではないと思っています。
- 脇田は隻眼ではない
- ラムは自ら調査を行わない
- 長野廃教会殺人事件に見る脇田がラムではない根拠
- Time is moneyは脇田を示した一文ではない
- その他の細かい脇田ラム説否定のあれこれ
脇田は隻眼ではない
脇田がラムではないと思う根拠はいくつもありますが興味深いと感じるのが95巻の「迷宮カクテル」の扉絵。
扉絵でコナンの左目が塞がれていることから脇田にまつわるエピソードと考えています。
この事件の犯人である深町はまるで両目を閉じているような糸目で描かれています。
しかし時折右目だけ左目だけと、片目だけを見開く描写があります。
つまり彼は両目が見えていることを絵で表現しています。
更に彼は犯人だと名指しされたとき左目だけを見開いている。
これは脇田が左目が見えていることを示唆しているのだと思います。
目の出来物の真偽は不明ですが彼は本来左目が見えている。
このエピソードが脇田に関する伏線であった場合
脇田はラムの絶対条件である隻眼に該当しない人物ということになります。
また長野廃教会殺人事件でも気になる描写があります。
灰原が組織にいた頃からラムは隻眼であるという噂は広がっていました。
つまりラムは隻眼の生活をそれなりの期間送っていることになります
コナン、小五郎、安室とばば抜きをした際、脇田は本来ペアになったはずのトランプを捨てなかったと考えられる描写があります。
これは脇田の眼帯は最近になって付けられた為に片目だけしか見えない状況が不慣れなために生じたのではないでしょうか。
隻眼の生活をある一定期間送っているラムであれば日常生活に支障がないレベルになっていると考えられます。
安室「よく転んで怪我をしていたと…」 95巻「迷宮カクテル」
これも脇田のできものが本物という可能性を指してるのかなとも思います。
これらの点から脇田が隻眼という可能性は低い、つまり彼はラムではないと考えています。
ラムは自ら潜入調査を行わない
ジン「それより気がかりなのは眠りの小五郎だ…眠ってる間に始末しねぇとな」(90巻)
このジンの言葉からも組織は小五郎の存在を疎ましく思っていることが分かります。
だからこそラムは脇田兼則として毛利探偵事務所の隣のいろは寿司に潜入したと考えてる読者が多いでしょうがラムはあの方のお気に入りであるベルモットでさえ敬語を使う人物です。
ジンも逆らえない立場にあります。
そのラムが寿司職人として潜入するなんて普通に考えて絶対に有り得ません(笑)
組織は明確な序列こそありませんがラムが別格なのは紛れも無い事実です。
原作でラムは自分の手下であるバーボンに新一の件を調査を命じました。(95巻)
また純黒の悪夢ではキュラソーに警察庁侵入を命じたと考えられます。
ラムは自分より下の人間に命令を下すことができる立場であり実際にそういうキャラクターであることが描かれてきました。
彼は自分の下の人間を動かす人物なのです。
仮に自ら標的に近づくにしてもそれは手下からの情報を収集した後でしょう。
原作でも劇場版でもその点は一貫していると考えられます。
組織が小五郎を疑っているとからといって世界規模の犯罪組織のナンバー2が自ら潜入する可能性は極めて低いと考えるべきです。
よって脇田がラムという可能性も必然的に低くなります。
長野廃教会殺人事件に見る脇田がラムではない根拠
1・安室は脇田の前で非常に自由に行動した
廃教会で殺人事件が発生し、困惑状態の容疑者達は「警察でもない素人が勝手な真似をしたら後で問題になるのではないか」と遺体を観察する小五郎に対し注意をします。
その言葉を受けて脇田が返した言葉が以下の通り。
「何を隠そうこのお方は泣く子も眠る名探偵…」小五郎(泣く子も眠る…?)「毛利小五郎…人呼んで眠りの小五郎たァこのお方の事よォ!!」「これ以上死人を出したくなかったら大人しくプロに任せろってんだ!!」
仮に脇田をラムとします。
組織は小五郎を気にしている為脇田のこの発言はラムとして小五郎の実力を見たいがための一言と捉えることができます。
しかし安室はこの言葉を目の前で聞いておきながらその後遺体に平気で触れたり被害者が飲まされた薬物について推測したりと非常に自由な行動を取っています。
この旅行は急遽参加したいと申し出た脇田をメンバーとして適任という流れを安室が作っている為、2人の計画通りだったはず。
脇田がラムであれば安室は彼を接待する行動を取らなければなりません。
つまりこの事件では安室は小五郎の邪魔をしてはならないはず。ですが安室は自由に行動している。
これは脇田に対し自分が警察であることを隠す必要がない、要するに安室が公安であることを脇田が既に知り得ていると考えられます。
同時に安室にとって脇田が脅威ではないために自由な行動がとれているのだと思います。
脇田の正体がラムではないからこそ安室は自由に振舞えたのです。
2・脇田は薬物に精通している様子を全く隠さなかった
脇田「酸化還元反応が出ねぇから…水に毒は仕込まれてなかったようですぜ?」
彼が組織の人間であれば自分が薬物に精通していることは確実に隠すはずです。
しかも寿司屋の新入りの板前として潜入している立場なら尚更です。
この脇田の行動は彼がラムでないことを如実に示していると言えます。
1・薬物事情に精通している
2・高い推理力を持っている(若狭留美という名前を「トンチが利いてる」と発言したのは名前から何かに気付いた為・安室とコナンと同じタイミングで暗号を解読できたと思しき描写がある)
3・確実に大きな秘密を抱えている若狭留美に反応している
上記の理由から脇田は確実に一般人ではありません。
しかし同時に黒ずくめの組織の一員ではないと考えるのが妥当かと思います。
Time is moneyは脇田を示した一文ではない
ラムからバーボンへ宛てたメールにTime is money!という一文があり、これが脇田兼則のアナグラムであることから読者に向けたヒントと捉えている方が多いようですが私はそうは思いません。
自分の名前(たとえ偽名であっても)のアナグラムを使用することは当然デメリットが多いはずです。
普通に考えれば使用しません。
文末にRUMと名乗っている以上、ここにアナグラムを入れる必要性は皆無。
このラム編はデタラメ、インチキというワードが確認できます。
予想外の展開を青山先生が用意していると予想していいと思います。
素直にアナグラムを受け入れるべきではないというのが私の考察です。
よってこれはラムの名前のヒントでなくラムの座右の銘のようなものだと考えています。
その他の細かい脇田ラム説否定のあれこれ
■ラム酒を連想させる名前の馬を駄馬と表現
■客がハイボールを注文したのは脇田が組織を割る人物だという示唆
■初登場回と長野の事件の2つのメイン回の両方でスリという単語が登場しているがスリはフランス語で鼠の意味(黒ずくめの組織は潜入している人物を鼠と呼ぶ)、脇田が組織にとって鼠のような存在という可能性
■「仮面ヤイバ―の敵のボスの側近が出る回」という台詞があるが敵のボスの側近と敵は必ずしもイコールではない
■脇田の「白状(ゲロ)するだけ」という言葉は警察関係者が使用する言葉
■黒田と同じスマホを持っているので連携している可能性がある
■長野旅行の最中に安室に緊張した素振りが見られない
■コナン達とトランプをしたがトランプの意味は「切り札」。絶大な権力を持っているとされるラムが組織にとって切り札という表現は奇妙。脇田は公安、あるいは安室にとっての切り札という意味
■脇田といる際の小五郎の「引いちゃならねぇハズレだけはピンとくる」という台詞
■初登場回のコナンのモノローグの「加わって消す」は脇田がコナン達に加わって組織の殲滅を図るという意味
■深読みでしょうが初登場回は大根の話。大根は当たらない役者の意味。当たらない=ラムではない、役者=変装している
脇田兼則は私の中で完全にシロです