『警察学校編』第1話

今週より『警察学校編』がスタートしました。

安室透がトリプルフェイスになる前の話ということで彼の謎に包まれた素顔が描かれる可能性も高い作品です。

 

タイトルは考察としましたが少ない材料から自分なりに分解と組み立てを行っているだけです。

そしてネタバレも含みます。大丈夫という方のみお進みください。

 

 

 

 

 

 


CASE.1「竜虎相博」

 

夜の桜が舞い散る中でボクシングで闘う降谷と松田。

この花びらは早くに散っていった彼らそのものを表しているのかもしれません。

 

 

降谷の特技のボクシングはこの時点ですでに身に付けていたことが分かります。

松田は降谷よりもボクシングが強いという事前情報はありましたが松田の父親はプロボクサー。

強いのも納得です。

 

 

そして冒頭の降谷の台詞

「僕は絶対に警察官にならなきゃいけないんだ…」

 

今回降谷は全科目オールA、警察学校の歴史でも類を見ない成績で入校したことが明かされました。

それだけ優秀な人物であればどんな職業もよりどりみどり。

 

警察とは困っている人々を救う存在。

彼が「困っている人を助けたい」という気持ちがあれば医者や弁護士などの選択肢もあったはず。

しかし彼は警察官一択。

そのような考えに至った背景が今後この作品で描かれるかもしれません。

 

 

そして新しい情報は降谷の幼馴染で親友の諸伏景光(ヒロ)の両親の死について。

彼の両親が無くなっていたことは原作でも描かれていましたがその死が殺人事件であったことが判明。

ヒロはその現場を目撃し、22歳の時点でもその経験が心の傷となっています。

 

 

そして授業中の降谷の言葉

「目撃情報の注意点として、犯罪現場に居合わせたストレスや思い込みや、警察官の誘導的な質問で目撃者の証言がゆがめられる可能性がある…その為、証言を鵜呑みにするのではなく…しっかりとした裏取りが必要である…」

これは親友のヒロの経験をそのまま代弁しているのではないでしょうか。

 

 

ヒロは目の前で両親を惨殺されその精神的なストレスに加えまだ子供だったことを踏まえると事件当時の状況を上手く説明することができず警察官の見解に頷くより他なかった。

その為に降谷の言う裏取りを警察官が怠ってしまいこの事件が未解決となってしまった。

 

この可能性は高いかなと思います。

事件を自分の手で解決したいという気持ちからヒロ、そして兄の高明は2人とも警察官となった。

十分あり得る話ですね。

犯人が全身黒であったのもこの事件が未解決という意味を含んでいると思います。

 

本当に未解決であった場合本編で高明、降谷が協力して事件を解決する可能性もありますね。

 

また降谷は赤井に対しては冷静さを失うという設定がありますがヒロの両親が彼の目の前で惨殺されたことを考えるとこの設定も致し方ないのかなと思いました。

降谷にしてみれば赤井はヒロとヒロの両親を最悪の形で天国で再会させた人物になります。

彼の怒りは「親友を失った」に留まらない嘆きがあったのでしょう。

 

 

そしてこの事件が降谷が警察官を目指す理由になっている可能性も浮上します。

 

これまで読者の間ではエレーナの死の真相に迫りたいという気持ちから降谷は警察官を目指したのではないかとされていました。

 

ですが降谷はエレーナの死亡当時まだ子供です。

エレーナの死が事故でなかった場合かなり高い確率で組織の存在が関わってくるはず。

降谷が彼女の死に疑問を抱いたと仮定すると彼はほんの子供の段階で組織の起こした犯行に勘づく事ができたことになります。

それはちょっと現実的ではないなと思います。

 

 

加えて降谷は十代の時点で警察官を目指しています。警察官に「なりたい」でなく「ならなきゃいけない」。

もしエレーナの存在が警察官を目指す動機になっている場合彼の心の中には幼いころからいつもエレーナがいたはずです。

 

ですが降谷はフラッシュバックのような形でエレーナとの思い出を振り返ることが多い。

彼の心の中にいつもエレーナが存在しているならこのようなフラッシュバックのようなことは起こらないのではないかと思います。

 

 

降谷の警察官を志望する動機はエレーナの件でなく親友の両親の事件を解決したいという気持ちがあるのかもしれません。

 

もちろん彼は謎の多い人物。実は全く違うところに警察官を目指すきかっけがあるのかもしれません。

 

そして松田の気になる言葉。

降谷の「証言を鵜呑みにするのではなく裏取りが必要」という言葉に「警察学校(ここ)を卒業した連中がそれを実践できてるかマユツバもん」と言い教官を怒らせています。

 

ここから松田自身、あるいは彼の大切な存在が「警察学校(ここ)を卒業した連中」つまり警察官から濡れ衣を着せられた過去があると推測できます。

彼は22歳の時点でも警察を快く思っていないという発言をしています。

かつて味わった苦い経験があるからこそ彼は警察という組織を内側から変えていきたいと思うようになったのかもしれません。


降谷のウィンクは脇田との繋がりの示唆?

 

『ゼロの日常』では降谷が何度か左目を閉じてウィンクすることがありました。

そしてこの『警察学校編』でも彼が左目を閉じてウィンクしているのが確認できます。

これは彼の癖なのかもしれません。

それと同時に私は彼と脇田兼則の繋がりを示唆しているものではないかと考えています。

 

私は脇田が降谷にボクシングを教えた可能性が高いと思っています。

このブログとTwitterに投稿した考察内容、そしてどこにも投稿していないもの全てをまとめると現時点での私の考察は以下の通り。

 

【脇田は降谷にボクシングを教え、降谷は脇田を父親のように慕っていたが降谷が十代のうちに彼の元から姿を消した】

 

この考察が当たりか外れか、当たっているとしたらどの程度なのかが考察している側としてはとても気になっています。

 

脇田は本編に絡む重要なキャラクターなので明確な描写は絶対に描かれませんが降谷のボクシングに関して読者に考察するヒントを与える事はありそうですね。

 

少なくとも警察学校入校の時点(22歳)でボクシングを身に付けていたのは確定。


その他第1話について

 

『警察学校編』は『ゼロの日常』と同じく穏やかなストーリーだと思っていたのでヒロの両親が殺害される描写はかなり衝撃でした。

ヒロが夜遅くにホラー作品を見ているだけだろうと3回ほどページを見なおしたりしました(汗)

もしかすると今後衝撃的な降谷の過去も描かれるのかもしれません。

 

また以前から外国人の血が混じっているのではないかとされていたヒロですが彼の目と両親が黒髪であることを踏まえると両親ともに日本人の可能性が高そうです。

 

そしてヒロが寝る時も腕時計をしているのが気になりました。

両親の形見とか何か理由があるのかもしれませんね。

 

そして今回ヒロの両親の死の真相が明らかになったことで兄の高明は両親を惨殺され、憧れていた女性も失った挙句、弟のヒロも潜入先で命を落とすという悲劇の連続だったことになります。

しかし彼はそれを嘆くことなく受け入れている。これが彼の魅力だと思います。

 

降谷の性格は基本的に『ゼロの日常』で描かれた安室透とそんなに差がない印象を受けました。

安室透でいる時もそれなりに素でいることができているのかもしれません。

一人称は「僕」松田に対して「君」という辺りも安室そのものです。

 

警察学校時代はやんちゃだったという設定はこの作品の連載前からありましたが1話を見る限り真相は「真面目過ぎる性格と頭髪のせいで他の学生とイザコザが絶えない」というもの。

松田とのボクシングも仕掛けたのは松田のようです。

やんちゃというよりも生真面目ゆえにトラブルに巻き込まれてしまうというのが正確なようですね。

 

教官が降谷の成績について語るシーンで風見と思しき人物の後ろ姿が確認できます。

他の人物と髪の描き方が異なって描かれているので風見と見て間違いないでしょう。

彼が警察学校編でいわゆる「警察学校組」と絡むエピソードも用意されているかもしれませんね。

 

想像通りみんなの父親的なポジションだった伊達ですが彼もまた父親の辞職を引きずるなど訳ありな様子です。

 

また萩原ですが原作では22歳で亡くなったと考えられますがこの時点で既に22歳。

どこかで死亡した時期に修正が入るのかそのままなのかも気になるところです。

また彼は松田と仲が良さそうでした。

警察学校入校前から付き合いがあったのではないでしょうか。

 

 

私は本編を考察する上で『セロの日常』も参考にしていたのでこの『警察学校編』も何かしら伏線が張られると思います。

その点も楽しみに読んでいきたいと思います。


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