若狭の偽物が登場!コナン=新一を疑う謎の人物とは

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RUM候補の1人でコナン達のクラスの副担任である若狭留美

実は作中で若狭に変装している人物が登場しています。

今回は若狭の偽物の登場シーンとそこから若狭に変装したこの人物は誰なのかを考察します。

※2020年5月30日「1コマだけ登場する謎のスマホ」の項目を追加しました。

◆灰原に探りを入れた若狭は偽物

若狭は初登場時からコナンの正体を疑っていた人物です。その彼女の中で疑惑が確信に変わったのが工藤新一の目撃情報がネット上に拡散された時(95巻)。

工藤新一が修学旅行で京都に姿を現した時、彼女が副担任を務めるクラスの児童である江戸川コナンは小学校に顔を出していません。

この事実から若狭は江戸川コナンは工藤新一が若返った姿だと確信するに至りました。

ですが若狭はこの後謎の行動を取ります。

コナン=新一を確信しながらなぜか灰原に探りを入れたのです。

若狭「ねぇ…灰原さん…あなたが住んでる阿笠博士さんの家の隣って…「工藤」ってお宅よね?」

灰原「あ、はい…」

若狭「会った事ある?その家の息子さんの新一君に…」

灰原「いえ、ないですけど…どうしてですか?」

若狭「ホラ、今話題になってるから…ちょっと聞いてみただけよ…」

灰原「…」 95巻

彼女はかねてよりコナンの正体を疑っていたもののこれまで一度も周辺に具体的な探りを入れた事はありません。

その彼女がなぜかコナンの正体に確信を持った後に踏み込んだ行動を取っている。

若狭の行動とすると極めて不自然です。それもそもはず。

実はよく観察するとこの人物は若狭留美ではありません。

何者かが彼女に変装しているのです。

それを示す描写をピックアップしていきましょう。

持っている駒の書体が異なる

最新エピソード「牧場監禁事件」で安室は若狭が常に持ち歩いている将棋の駒を拾います。

この駒はかつて羽田浩司が持っていたものであり安室は公安の研修で事件に繋がる有力な証拠品としてその駒の事を記憶していました。

安室(将棋の駒…待てよこの「角」…どこかで…) FILE1051

  (この角はあの時に見た駒の写真に…傷の形状も文字の形も酷似している…) FILE1052

つまり「角」の書体が重要な伏線という事が分かります。

かつて羽田の御守りであり現在若狭の持ち物となっている「角」の駒は真ん中が土の字です。

実は将棋の「角」の駒は一般的に真ん中の縦線が突き抜けています。

この事から若狭が持っているのは長録というかなり珍しい書体の駒であることが分かります。

羽田はこの駒を御守りとして持っていましたが長禄の書体は縁起がいいとされているのも関係しているのかもしれません。

そして世間では工藤夫妻の戦略により新一の生存情報は情報発信者の勘違いということで表向きは沈静化を見せました。

この時ネット上に流れている情報をチェックしている若狭の手元に置かれた駒に注目してください。

「龍馬」の字が確認できます。角が「成った」状態です。

そしてこの龍馬、馬の字が崩れています。

一般的な「角」=裏の「龍馬」の馬が崩れている

長禄の「角」=裏の「龍馬」の馬の字が崩れない

この違いからこの人物が持っている駒は長録以外の書体の駒。

この人物が若狭ではないとする細かな伏線です。

かけている眼鏡がちがう

若狭の眼鏡はコナンのメインキャラクターでは見られないノーズパッド付きのものです。

これは彼女の血縁関係に関する伏線ではないかと考えています。

この血縁関係の考察が当たっているかは分かりませんが若狭が特徴的な眼鏡をかけているのは間違いありません。

その点は作者も意識しているはず。

ですが長禄ではない駒を手元に置いた若狭はいつもと異なる黒ブチ眼鏡。

これもこの若狭が本物ではないという伏線だと思います。

ですが灰原に探りを入れた若狭の眼鏡はいつもと同じもの。

つまりこの若狭の偽物は眼鏡をかけ替えている事になります。

この若狭が偽物であるというヒントを読者に出しているとも考えられますがこの人物は変装の達人。若狭以外の人物も演じることができるでしょう。

この後黒ブチの眼鏡の人物に変装して行動した(する)という伏線の可能性もあるかと思います。

若狭の偽物という伏線は将棋の駒で充分な気がするので。

いつもと違う灰原の態度

「言っとくけど私、好きだから若狭先生…だから悪く言わないでくれる?」 93巻

灰原は若狭の事を非常に好意的に見ています。

彼女は「牧場監禁事件」で若狭が安室を気絶させた張本人だと気付いているはず。

この直前に灰原はコナンから「若狭先生に気を許すな」とアドバイスを受けていますが若狭を警戒するどころか彼女が安室に暴力を振るったことに気付きながら若狭の隣に寄り添うという不思議な行動を取っています。

灰原はコナン(新一)に対し好意を寄せています。

それは自分と似通った境遇、組織と共に闘ったなど過ごした時間が長ければその内容も濃い。恋愛感情を抱いても当然と言えます。ですが若狭と灰原に深い結びつきはありません。その若狭にピタリと寄り添うのはいっそ奇妙とも言えます。

灰原の若狭への「好き」という感情はコナンへの想い以上とも取れる描写です。

そんな灰原ですが若狭から新一の存在について尋ねられた時若狭と距離を置こうとしているのが分かります。

表情にも安心感が見られません。

若狭に心を許しているいつもの灰原とは全く異なるものです。

更に若狭の去り際に彼女は「…」と無言で若狭を見ています。

この「…」は灰原が若狭からいつもと違う気配を感じ取ったからでしょう。

 

コナンの正体を確信した後に探りを入れるという謎の行動、若狭に心を許していない灰原の態度、異なる書体の駒、いつもと違う眼鏡。

やはりこの人物は若狭に変装した別人と考えた方が自然です。

◆若狭に成りすました人物を考察

若狭留美になりすましたこの人物は一体何者なのでしょうか。

たった数コマの登場ですがこの人物の正体をある程度は絞れるので考察してみましょう。

若狭に変装したこの人物は以下の条件を全て満たす者です。

1・若狭や灰原を知っている

2・以前からコナンの正体が新一であると疑っていた

3・若返りの実例を知っている

4・既出のキャラクター

5・組織の人間ではない

ひとつずつ説明していきましょう。

1・若狭や灰原を知っている

若狭の事を全く知らない人間が変装する事は出来ません。当然ですね。

ですが「知っている」の定義が非常に難しい。

少なくとも口調まで真似できているのでこの人物が仕入れている情報は若狭の外見や勤務地だけではないでしょう。

若狭は92巻でマスコミに顔を晒しています。

この時TVカメラも確認できるので若狭の口調などはこの時に仕入れた情報かもしません。

この人物は恐らく若狭のいなくなった隙を見計らって灰原たちの前に姿を見せたのだと思います。

必要最低限の質問だけして去っていったのも若狭がいつ戻るか分からないという危険を感じたからでしょう。

若狭をある程度知ってはいるものの行動をばっちり把握できるほど彼女と結び付きはない人物と考えられます。

灰原については名前と住所を把握していますがこの人物が持っている情報は実際はこれ以上の可能性もあります。

2・以前からコナンの正体が新一であると疑っていた

当然この人物は江戸川コナン=工藤新一の可能性をかねてより疑っていました。

だからこそ工藤新一の生存情報が拡散されたと同時に動き出したのです。

またこの人物は阿笠博士を知っているので眠りの小五郎を生み出したのは阿笠博士だという事まで看破している可能性があります。

3・若返りの実例を知っている

作中の傾向として一部の例外を除き、若返りの実例を知った者だけが若返りにたどり着けるというのがあります。

この人物もコナン=新一の可能性を疑っている時点で誰かの若返りの実例を知っている事になりますね。

4・既出のキャラクター

若狭に変装したこの人物は既に作中に登場している可能性が極めて高いと思います。

コナンは推理物ですからこの人物が変装している姿から謎解きスタートという訳にはいかないはず。

例外的に安室は赤井に変装してからのデビューでしたが死亡したとされる赤井の再登場は読者の視点が間違いなく集まるよう計算されてのもの。このようなケースであれば変装からのスタートの方がむしろ盛り上がりを見せるわけです。

若狭に成りすましたこの人物は変装の達人という設定がある以上今後大きな活躍を見せることが必須。

仮にこの場で初登場だった場合お披露目が小さなコマでその上あっという間に退場というのは漫画の演出として歓迎されません。

やはり既出のキャラクターと考えた方が自然です。

5・組織の人間ではない

この人物は灰原に質問する際灰原の顔をしっかりと覗き込んでいます。

そして組織の人間にはシェリーの顔が知られている。

この人物がもし組織の一員ならコナン=新一、灰原=シェリーにたどり着いてしまいコナンサイドとしてはまさに最悪の状況。

ですがこの人物は灰原に何の反応もしていません。

また灰原は若狭の偽物に警戒こそしましたが組織の気配は感じ取っていません。

よってこの人物は組織の一員ではない事がわかります。

◆1コマだけ登場する謎のスマホ

※2020年5月30日追加の項目

工藤新一の生存情報に強い関心を抱いている人物が黒田や脇田以外にも存在しているという伏線はある1コマでも確認できます。

新一の生存情報がネット上に拡散され多くの人々、いわゆるモブキャラが反応しているページのあるコマに注目してください。

 その名は、東の高校生探偵…工藤新一君でーす!

SNSの書き込みが表示されたスマホを誰かが右手で持っています。

新一の生存情報に関心を示すそれまでのモブキャラと違い青山先生の作画なのでこのスマホの持ち主は重要人物である事は間違いありません。

このコマの次のページで右手にスマホを持ち、工藤新一に反応する黒田が描写されている為、流れからこのスマホの持ち主は黒田と思いがちですがよく見るとSNSの書き込みが表示されたスマホはトーンが貼られたもの。

黒田のスマホは黒なのでSNSを確認している人物は黒田ではない事が分かります。

作者による巧みなミスリードですね。

また、脇田は黒田と同じスマホである事からこのスマホの持ち主は脇田でもありません。※黒田と脇田のスマホは非常に似通ったデザインですが違うものです(2020年8月25日追記)

若狭はPCでAPTX4869の投与者リストを見ている為SNSをチェックしているスマホの持ち主から除外されます。

仮にこのトーンが貼られたスマホで新一の情報を集めているのが若狭なら他のRUM候補同様、拡散された情報にどのように反応するか彼女の表情を描くべきです。

RUM候補3人以外にも工藤新一の生存情報に強い関心を寄せている人物が存在している。

たった1コマしか登場しないスマホが実は大きな伏線になっている可能性が高いですね。

このトーンを貼ったスマホの持ち主こそ若狭に成りすました人物なのだと思います。

若狭に変装した人物がPCでSNSを確認しているのもスマホSNSを確認した人物と同一人物という伏線なのかもしれませんね。

若狭に変装し新一の情報を集めている人物がいる事には気付けましたがスマホは完全に見落としていたので新一に注目している事が明確に描かれている人物以外にも彼の存在に大きな関心を寄せている謎の人物がいる可能性は更に高まったという感じです。

◆最有力は榎本梓か

では若狭留美に変装したこの人物は誰なのか。

一応候補を挙げてみます。私がピックアップしたのは以下の3名。

1・メアリーの仲間のMI6

2・米原桜子

3・榎本梓

1・メアリーの仲間のMI6

メアリーには少女化してもなお連絡を取り合っているMI6の仲間がいることが分かっています。

この仲間は工藤新一が姿を消したと同時にコナンが事件現場に顔を出すようになった事を把握しています。

つまりコナン=工藤新一の方程式にたどり着ける材料を持っている人物。

慎重な性格のメアリーですがこの仲間の事は信頼して自分の少女化について打ち明けている可能性も考えられます。

もしかするとメアリーから「江戸川コナンは私と同じように若返ったのではないか」という情報を得ているのかもしれません。

そうなればこのMI6が若返りの実例を知っている事もコナンの正体に勘づいた事も説明できます。

ですが若狭に変装している人物は既出のキャラクターと考えるべき。

今のところMI6の可能性があるキャラクターと言えば若狭か黒田兵衛くらいだと思います。(2人がMI6の可能性というのはまた別に記事にします)

メアリーと連携しているMI6の存在は気になるところですが若狭に変装した可能性は低いと思います。

2・米原桜子

彼女はコナンの頭の良さに注目しているとも取れる描写があります。

また彼女の登場する「ブログ女優の密室事件 87巻」では黒田が高木刑事にコナンの指示通りに動くよう電話で伝えています。

普通に考えて高木刑事が黒田に「コナンが現場にいる」と伝えるはずはありません。

ではなぜ黒田はコナンが現場にいることを知ることができたのか。

黒田が電話からコナンの声を拾い事件現場にいることを確信したとも考えられますが実は桜子は黒田と繋がっており、彼女がコナンがこの場にいることを電話で伝えたと推測することは可能です。

黒田がコナンの推理力を信頼しているという事は彼は眠りの小五郎の真相にたどり着いているとも推測できます。

例えば黒田と桜子が親子で2人とも誰かの若返りの実例を目の当たりにした。

そしてコナンを疑っていた桜子が父の黒田にコナンが現場にいることを伝えた。

この流れはありそうです。

桜子はシングルマザーの母親に育てられていますがこれも父の黒田が10年眠り続けていた事を指していると考える事もできるかもしれません。

しかしながら現在まで桜子がコナン=新一の方程式に気付ける描写がないのが気掛かりです。

3・榎本梓

過去に記事にしましたが梓はコナンの正体を疑っていると取れる描写があります。

またコナンと安室が2人とも嘘をついている事にたどり着ける場面にも遭遇している。

そして伊織が偽名の「進一」を名乗った事を受けて平次がコナンに対し「お前と同じ名前」と発言しこれを聞いた梓が大きく反応した事もあります。

『ゼロの日常 4巻』では安室が梓の見えないところで犯人を制圧しました。

安室は公安である事を隠さなければならない立場で犯人を制圧したのが自分である事を知られてはならないという気持ちがありました。

そこで彼は自分が食べ終えたバナナの皮を犯人の顔に乗せ梓に対し犯人が倒れたのはバナナの皮で滑ったせいではないかととぼけます。

ですがこのバナナは安室と梓が半分に分け合って食べた時のもの。

この時点で梓は安室が犯人を撃退しながらその事を隠したと気付けるのですがコミックスのおまけのページには犯人の顔に乗せられた半分しかないバナナの皮を回収する梓が描かれています。

梓はこのバナナの皮が意味する事に気付いているはずですが驚いている様子がない事から彼女は既に安室の本職にたどり着いている可能性は十分考えられます。

梓は安室の正体に気付いていながら素知らぬふりをしている点は完全には否定できずこれが当たっている場合彼女はかなりの演技派。

そして彼女は過去に演技で警察の監視を撒くという一面も見せています。

「裏切りのステージ 90巻」でベルモットが梓に変装したのは物語の重要な局面で梓がベルモットに変装するという伏線ではないかとも考えています。

梓は一見平凡なウェイトレスですが相当な女優肌の可能性があると思います。
また同じく4巻には安室が部下の風見に潜入捜査に必要な服の購入を任せる話が収録されていますがこの時風見は女性の服を購入しているのが分かります。

つまり安室には潜入捜査できる女性の協力者が現れた未来がこっそりと織り交ぜてあるのです。

『ゼロの執行人』に登場した公安の協力者というワードが今後の原作における伏線だと思います。

そしてこの話には梓が登場していないにも関わらず扉絵には梓のイメージカラーが確認できる事からこの協力者こそが梓なのではないかと推理しています。

総合的に考えた上でも消去法という意味でも若狭に変装したのは梓が最有力という感じです。

 

『ゼロの日常』はあくまでスピンオフで本編と無関係と考える読者の方もいます。

ですが原作で若狭に変装のできる人物が登場していますし、この人物は組織の一員ではない。

組織でない以上最終的にこの人物は安室や赤井と協力関係となるのが自然な流れです。

そして『ゼロの日常』では安室が協力者の衣装の調達を風見に命じている。

これらを踏まえると本編とスピンオフの繋がりは非常に深いというのが私の考えです。

 

とは言え絶対に忘れてはいけないのがコナンは劇場版で伏線を張ってきた経緯があるのは事実ですが原作のみでもきちんと物語が考察できるようになっている事。

今のところ梓がコナン=新一にたどり着ける描写と演技派と推測できる描写の2つはあっても彼女が変装ができる人物という明確な伏線は原作で確認できません。それは梓以外のキャラクターも同様ですね。

若狭に変装したのが何者なのか今後原作で必ず伏線が張られていくはず。

この人物はまだコナン=新一に確信が持てていない状態ですから今後も若狭以外の人物も含め変装しコナンの周辺を嗅ぎまわるはず。

「牧場監禁事件」での小林先生が怪しいなと思っていますがまだ決定打に欠ける感じ。

また新たに気になる人物が現れたら記事にしたいと思います。

現時点では榎本梓が最有力としていますが今後の描かれ方によっては思いがけない人物が浮上する可能性もあるので注目ですね。

また変装の得意な女性の存在は対組織戦において相当な戦力となるはず。

まあ女性に変装できる男性の可能性もゼロではありませんがそれはキッドの専売特許のような気がします(笑)。

ベルモットと互角に戦える可能性のあるこの人物がどのような立ち回りを見せるかも楽しみです。

※若狭に変装した人物はSNSを閲覧していますが劇場版「ゼロの執行人」で梓はSNSを利用している事が分かっているのでこの点も若狭に成りすました人物が梓という伏線になっているのかもしれません。 追記:2020年5月30日


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