RUMは黒田兵衛 ~影武者の伏線と外見の違い~

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黒田兵衛には影武者がいる。

影武者がいる以上彼の正体はRUMである。

これが私の推理です。

この事に関してはこれまでも記事にしてきましたが原作が進んだ事に加え私自身原作を読み返す中で新たな発見もありました。

今回は黒田兵衛に影武者がいるという伏線と本人と影武者の見分け方について等をまとめました。

 

◆黒田兵衛に影武者がいるという伏線の数々

■記憶が不完全という設定

上原「意識が戻った今も所々細かい記憶が抜け落ちてるっておっしゃってたけど…」 86巻 

黒田は記憶が不完全という設定です。

彼に影武者がいれば完全な記憶の共有は不可能。

影武者の存在を示唆していると受け止める事ができます。

 

■諸伏との会話

黒田「三枝にも…後でこってり事情聴取せねばならんようだが…どうやらそれはお前達に任せる事になりそうだ…」

コウメイ「え?」 87巻

「県警の黒い闇 86巻~87巻」の黒田とコウメイの会話。

これはこの事件の大部分に登場し事件を追っていた黒田と最後に少しだけ登場しコウメイとこの会話をした黒田が別人という伏線。

この時黒田はスマホを操作しています。

犯人確保という慌ただしい中でどうしても連絡を取らなければならない相手がいるという事。

この黒田は事件の詳細を知るもう1人の黒田との情報共有を終えなければ事件に対応できません

コウメイは目の前の黒田が先ほどの黒田と別人と分からない為「なぜ?」という表情をしているんです。

 

■コナンと二度目の対面で握手を求めた

「ブログ女優の密室事件 87巻」で黒田はコナンに握手を求めています。

本来なら両者は二度目の対面ですから握手は不要。

ここで握手を求めたのはこの黒田が黒田の影武者でコナンと会うのが初めてだったからとすれば納得がいきます。

 

■若狭と対面時の扉絵の伏線

RUM候補の2人、黒田と若狭留美が作中で初めて対面したのが93巻「ティップオフ」。

この時若狭は目の前の黒田を探るような様子を見せています。

実は「ティップオフ」の扉絵は74巻「動画サイト」に非常によく似ているんです。

「動画サイト」は博士の家からペルシャ絨毯が盗まれその事実を隠蔽するため犯人が本物とそっくりの偽物をスリ替えた事件。

これは若狭の目の前にいる黒田が本物そっくりの偽物にスリ替わっていると当てはめる事ができます。

若狭の黒田を探る様子も本物と偽物を見極めようとしているとすれば合点がいきます。

 

■RUMと鼠はセット

ベルモット「組織内に鼠が入り込んで来てるって…ジンが問題視していたし…」 85巻 

この台詞の後に公開されたのが「純黒の悪夢」。

劇場版でバーボンとキールNOCと疑われた事から鼠はこの2人(あるいはどちらか)を指しているとする見方もできない訳ではありません。

ですが考察好き以外はスルー出来るレベルのベルモットのたった一言の為に劇場版を完成させたとは考えにくいと思います。

もしこの鼠がバーボンとキールを指しているのなら原作の伏線を劇場版で回収している事になってしまいます。

ジンの言う鼠は原作において未回収の伏線でありその鼠は今後明らかになる存在と考えた方が妥当ではないかと思います。

そしてこの「鼠」発言が85巻、黒田の初登場が86巻。

ジンが鼠の気配を察知したすぐ後に黒田が登場している事からRUMである黒田が組織内で鼠を従えて動いているという推理は十分可能です。

 

■休暇を必要としていない

白鳥「思いきって休まれてはどうですか?どーせ年次休暇も全くとられていないんでしょ?」 93巻

黒田には影武者がおりその人物と交代しながら任務をこなす事が可能な為休みを必要としていないと考えられます。

 

■コナンへの関心の差

黒田はその時々でコナンへの関心度が全く異なるという特徴があります。

 

「ブログ女優の密室事件 87巻」「標的は警視庁交通部 95巻~96巻」の黒田はコナンへの関心が異常に高い事が分かります。

高木「け、警部!コナン君の指示通りにしろと…か、管理官が…電話で…」 87巻

 この黒田は現場にコナンがいると分かっただけで事件解決をコナンに一任。

ちなみにこの黒田は先述のコナンに握手を求めた人物です。

安室「言われた通り僕が提供できる情報は全てあの少年に伝えました…」 96巻

 「標的は警視庁交通部」ではコナンを視界に捉え即座に安室に連絡。

この2つの事件の黒田はコナンへの関心が尋常でなく高いんです。

一方「県警の黒い闇」の黒田(最後に登場した黒田を除く)はコナンへの関心がさほど無いのが特徴。

コナンが自分の推理を披露したのは黒田から離れた帰りの新幹線の中です。

「ブログ女優の密室事件」や「標的は警視庁交通部」の黒田ならコナンの能力を信頼している為目の前でコナンに推理をさせるはずです。

よって「県警の黒い闇」でコナンと行動を共にしていた黒田はコナンへの関心が高いとは言えません。

コナンへの関心の差は「別人だから」と捉えるべきです。

 

◆黒田とその影武者の見分け方

実は黒田とその影武者は外見で違いを見分ける事が出来ます。

コナンに高い関心を示す黒田とさほど関心のない黒田には外見に次の差があるんです。

・コナンに高い関心を示す黒田=襟元にバッジがある

・コナンにさほど関心のない黒田=襟元にバッジがない

バッジが伏線と考えられるのが82巻で佐藤刑事が赤バッジをなくすエピソードの中の次台詞。

高木「いやぁビックリでしたね…あんなによく似た別人がいるなんて」 

手配中の被疑者の情報が舞い込み現場に直行したものの別人だったという話です。

86巻で初登場となる黒田のバッジの有無が彼とその影武者を見分けるポイントになっていると思われます。

また「標的は警視庁交通部」にはこんな気になる台詞も。

佐藤「もちろんこっそり警察バッジ見せて…追っ払ったわよ!」 95巻

ナンパしてきた男を警察バッジで追い払ったというが佐藤の回想ではなぜか警察バッジでなく警察手帳で追い払っているんです。

作画ミスの可能性もありますがこの後すぐにバッジを付けた黒田が登場する事からバッジに注目という意味が込められている可能性も。

 

またバッジを付けている黒田はコナンの能力を高く評価している為幼児化の現象に気付いている可能性が高いと言えます。

幼児化に気付いている時点で組織の人間ではありません。

さらにバッジ付きの黒田は灰原とも面識がありますが灰原は彼から組織の気配を感じ取っていませんし黒田の方も灰原に何の反応もしていません。

この事からもバッジ付きの黒田は組織の一員ではないと言えます。

組織ではない=正義と断言できるわけではありませんがジンは鼠、つまり組織以外の人間が組織内を動き回る事を危惧していますからバッジ付きの黒田は正義の可能性が高いと言えそうです。

 安室はRUMの事をせっかちと語っています。

これがRUMの性格を表しているのかは定かではありませんがこのバッジは付ける付けないは本人の自由。

高木「まぁ基本付けてますけど、付けなくてもいい物ですし…」 82巻

バッジを付けないのはせっかちだから、つまりバッジ無しの黒田はRUMという伏線とも言えそうです。 

 

◆バッジは確実に伏線

私は黒田のバッジは気にはなっていましたがそれほど深く考えてきませんでした。

理由は2つ。

1つ目に黒田のバッジが小さすぎてバッジに見える別物という可能性があったから。

2つ目は「燃えるテントの怪 93巻」で私服の黒田が登場しているからです。

黒田を見分ける伏線がバッジの有無なら私服の黒田について適切な判断ができません。

ですがやはりバッジは伏線に違いないという根拠を最近ようやく発見できました。

コナンの作中では警視庁の警察官はみんなバッジをつけています。

これは連載当初からではありません。

では青山先生は一体いつから警察官の襟元にバッジを付ける事にしたのでしょうか。

実は比較的最近の「命を懸けた恋愛中継 76巻」からです

この事件は作者がバッジを強く意識して描いている事がよく分かります。

なぜなら登場人物のバッジがこれでもかという程丁寧に描写されているからです。

 

そしてこの事件は安室透の警察学校時代の友人である伊達航に恨みを持つ人物が同じ「ワタル」という名前の高木刑事を誤ってターゲットにしてしまうというもの。

要するに犯人が本物と偽物を勘違いした結果発生した事件です。

バッジの有無は本物と偽物の差の伏線と捉える事が出来ます。

また高木に止まったカラスがきっかけで事件解決に前進していますが実はこの事件、彼だけがバッジを付けていませんでした。

バッジを付けていない高木刑事とカラスをセットにする事でッジを付けていない黒田=組織という伏線としているのかもしれません。

 

現在作品は100巻に収録されるエピソードまで掲載されている状況です。

そして76巻から今に至るまで警視庁の人間は必ず胸元にバッジを付けています。

※書き忘れというレベルのものはいくつもあります。

ですが「命を懸けた恋愛中継」より後に二度だけバッジが描かれなかった時がありました。

それが「みんなが見ていた 79巻」と「燃えるテントの怪 93巻」です。

「燃えるテントの怪」は扉絵から偽物と本物がスリ替わっている話と推測できます。

この時の黒田は私服でバッジの有無は確認できません。

その代わりこの時弓長警部はバッジ無しで登場しています。

これはこの時登場した私服の黒田はバッジ付きの黒田ではないという示唆なのかもしれません。

また「みんなが見ていた」は全3話構成の話ですがシリーズの2話目からバッジを付けていない目暮警部と高木刑事が登場しています。

この2人の登場した時のタイトルは「二人で一人前」。

黒田は影武者と2人で警察官としての任務をこなしている。

警察官である黒田とその影武者の見分け方はバッジの有無である。

このように考える事が出来ると思います。

登場人物のバッジに注目しながら原作を読み返すと分かるんですが話が進むにつれどんどんバッジが小さくなっています(笑)。

黒田の胸元にあるものがバッジかどうか判断に悩むほど意図的にバッジが小さく描かれています。

やはりバッジが伏線だからでしょう。

現在みんなバッジを付けている中で黒田兵衛だけがバッジを付けたり外したりしています。

そしてバッジの有無でコナンへの関心度が異なる。

やはり黒田は1人ではありません。

バッジの有無は黒田を見分ける大きなカギになるはず。

また警察官のつけるバッジは通称赤バッジ。

赤といえば赤井ファミリー。

さらに赤バッジの次のエピソードが「赤い女の惨劇 82巻~83巻」と赤尽くしなのも気になる点です。

バッジを付けている黒田兵衛の正体は赤井務武という可能性もありそうです。

◆私服姿の黒田の謎

黒田兵衛を考察する上で厄介なのが「燃えるテントの怪」に登場する私服姿の黒田です。

私服なのでバッジ付きかバッジ無しかどちらの黒田なのか見た目だけでは判断ができません。

共に登場した弓長警部がバッジが無かった事からバッジ無しの方の黒田という可能性も考えました。

ですが冷静にこの人物を観察するとバッジ無しの黒田、もう一方のバッジ付きの黒田のどちらにも該当しない第3の黒田が浮上してくるんです。

 

まずコナンへの関心度。

この私服の黒田はコナンへの関心が高いとは言えません。

バッジ付きの黒田の特徴とはかけ離れています。

また弓長が現場に到着するまで何のアクションも起こしていない事が会話から分かります。

「県警の黒い闇」に登場するバッジ無しの黒田は事件が発生するとすぐに遺体に駆け寄る、迅速に行動するといった特徴が見られますがこの黒田にはそれがありません。

さらにこんな台詞もあります。

黒田「強行犯係の目暮とどちらを呼ぶか迷ったが…」

警察官としてかなり高い地位にある人間の発言とすると極めて不自然です。

少なくとも普段黒田兵衛として生活している人間のジャッジではないでしょう。

バッジ付きの黒田ともバッジ無しの黒田とも違う人格なんです。

つまり黒田は私服の黒田を含め3人存在する事になります。

私自身同じ人間が3人も存在する事に関しては首を傾げたくなりますが性格を分析するとこのような答えになってしまうんです。

恐らく私服の黒田に関しては影武者の影武者といった程度の役割なのだと思います。

あるいは黒田の影武者が自分の持つ高い変装術で仲間を黒田兵衛に変装させたという可能性もありそうです。

黒田の影武者が2人いてその2人とも声色を自由自在に扱えるとは考え難い。

そしてこの私服の黒田は首元が隠れています。

アガサ博士の変声機はごく普通に販売されていましたから入手は困難ではないはず。

この私服の黒田は仲間に変装の手助けをしてもらい変声機で声を変えていたのかもしれません。

さすがに黒田が3人もいる必要性は感じません。

この人物は変装の勉強中など何らかの理由でこの時限定で黒田に変装したに過ぎないのではないでしょうか。

今後も私服の黒田として登場する可能性はありそうですが普段から黒田を演じているとは考えにくいですね。

 

ではこの私服の黒田は何者なのか。

足技で犯人を制圧している事から長身の男性である事は間違いありません。

シークレットブーツであればこの技は難しいでしょう。

また高い身体能力を持っている事も分かります。

この条件に当てはまり、かつ重要なポジションと言えば安室と伊織無我のどちらかでしょうか。

この2人のどちらかの変装であった可能性は否定できないと思います。

 「燃えるテントの怪」の黒田に関しては私も考察の途中といった感じです。

 

黒田兵衛には影武者が存在する事は間違いありません。

性格がこれだけブレていて全て同じ人物であればキャラクター設定があまりにもお粗末と言えます。

RUM編はかなり早い段階から構想が練られていたのですから性格や言動も一貫しているのが当然です。

同時に黒田に影武者がいる以上必然的に彼がRUMという可能性が高まります。

ジンの言葉を借りれば鼠を従えるのは組織内で御法度の行為。

考察通りRUMである黒田が組織以外の人間を影武者として従えているのなら彼は組織の一員でありながら組織のメンバーを裏切っている事になります。

コードネーム持ちの中でも別格とされるRUMだからこそ可能な行動なのではないでしょうか。

 

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