若狭は勝又棋士の娘か
RUM候補の1人でありコナン達のクラスの副担任である若狭留美。
謎の多い女性ですが私は若狭は天才棋士、勝又力の娘ではないかと考えています。
今回は若狭と勝又の親子関係に関する考察を綴ります。
- ◆2人に共通する特徴的な眼鏡◆
- ◆若狭、勝又、水菜に共通する目の描写◆
- ◆勝又の名には若狭も浅香も含まれている◆
- ◆勝又は羽田浩司の将棋の師匠か◆
- ◆勝又とセットで描かれる「香車=槍」は「若狭=浅香」の示唆◆
- ◆勝又は娘に金銭的な支援をしていない◆
- ◆若狭には弟も存在する?◆
- ◆今後描かれるかもしれない事◆
◆2人に共通する特徴的な眼鏡◆
若狭の外見の特徴のひとつが眼鏡です。
実は彼女のメガネは非常に特徴的と言えます。なぜならノーズパッドが付いているから。
コナンの作品には眼鏡をかけた人物が数多く登場していますがメインキャラクターキャラクターに共通するのが眼鏡にノーズパッドが描かれないという点です。
これはサングラスの場合でも全く同じ。
ですからこの部分がしっかりと描かれた眼鏡をかけている若狭は極めて稀な例なんです。
実は若狭以外に1人だけ若狭と同じようにノーズパッド付の眼鏡をかけている人物がいます。
それが天才棋士、勝又力です。
これは若狭と勝又が親子であるという伏線ではないでしょうか。
また眼鏡以外にも作中ではこの2人には何らかの関係があると考察できる興味深い描写が複数確認できます。
◆若狭、勝又、水菜に共通する目の描写◆
コナン(やはり右目に…障害が…) 97巻
最近のコナンは若狭は隻眼というよりも右目に障がいがあるのではないかと考えているようです。
実はよく見ると勝又力とその娘である勝又水菜(23)は2人とも左右の目がバランスが取れていない形で描かれているのです。
父の方は85巻の鍵穴のイラストが一番分かりやすいと思います。
娘の水菜が登場しているのは現時点で「棋士連続事件 98巻」のみですが彼女の場合目というよりも左右の眉がバランスが悪く描かれています。
また彼女は事件が発生したショックから涙を流すのですがこの涙の粒の大きさが尋常ではありません。
そして延々と泣き続けています。
これは若狭同様、水菜の目にも何か障がいがあるという示唆なのかもしれません。
ただし彼女の泣いているシーンに「うっ」「うぇ」という言葉が添えられている事から彼女が異常な泣き虫であるという可能性もあります。
とは言え水菜の左右の目や眉のバランスと涙の量、また彼女が泣いた回のタイトルが「名人の目」である事もポイントかと思います。
これは犯人をすぐに見抜いた秀吉の観察眼を指していますが同時に名人を目指している水菜の目に注目という意味もあるのではないでしょうか。元名人の勝又の目も指しているのかもしれませんね。
若狭、勝又、水菜の3人とも共通して目を印象的に描かれているのは気になる点です。
当然ながら若狭が勝又の娘であるなら水菜は若狭の妹という事になります。
ちなみに水菜という名前は将棋の駒の書体のひとつ「水無瀬」から名付けられたもの。
若狭の本名も駒の書体から付けられている可能性があります。
◆勝又の名には若狭も浅香も含まれている◆
若狭留美の名前はRUM候補である黒田も脇田も反応した事から偽名と考えられます。
そして彼女は浅香の可能性が高い人物です。
実は勝又をアルファベット表記にするとASAKAの名前を確認する事ができます。
またKATSUMATAのMをひっくり返してWにすればWAKASAにもなる。
脇田は若狭の名前を「トンチが利いてる」と語っています。
現時点で若狭と脇田の関係性は不明ですがそれぞれの素顔に迫った伏線と思しきエピソードには複数の共通点があります。
この共通点は2人が裏で繋がっている伏線の可能性も否定できません。
脇田の言う「トンチが利いてる」は彼は若狭の本名を把握しており、若狭が偽名に本名と自分の伝えたい事を巧みに織り交ぜた点を称賛しているという事も有り得なくはないですね。
◆勝又は羽田浩司の将棋の師匠か◆
最新エピソード「牧場監禁事件」で若狭が持ち歩いている将棋の駒はかつて羽田浩司が初めて将棋の師匠に勝った対局で最後に指した駒であった為、羽田が御守りとして扱っていたことが明かされました。
この羽田の将棋の師匠こそ勝又力なのではないでしょうか。
羽田はRUM編における極めて重要なキャラクターですが勝又の初登場はRUMの名が作中に初めて登場した次のエピソードです。
そして彼は「太閤恋する名人戦 89巻」で秀吉と対局していますがこのエピソードのラストで羽田浩司がシルエットで初登場となりました。
勝又と羽田に繋がりがあるという伏線の可能性は十分考えられます。
また「棋士連続事件」で秀吉は水菜を含めた棋士達の将棋の勉強会に参加していますがこれは自発的ではありません。
秀吉「本当は彼女(水菜)のお父さんに頼まれたからなんだけどね…」 98巻
秀吉が勝又の願いを聞き入れたのは勝又が自分の尊敬する羽田の師匠だったからではないでしょうか。
若狭は羽田と親しい間柄であった事を思わせる描写があります。
勝又は若狭の父であり羽田の将棋の師匠でもあった。
この考察が正しければ若狭と羽田は幼馴染であった可能性も生まれます。一般的に将棋はかなり早いうちから始めますからね。
◆勝又とセットで描かれる「香車=槍」は「若狭=浅香」の示唆◆
この2つのエピソード両方に勝又が登場します。そして両方で香車=槍という表現が使われています。
これは羽田事件の重要人物である浅香=香車=槍に繋がっているはず。
若狭「む、夢中でトンボ振り回してたから…ラッキー♪」 91巻
彼女は体に刃物で切り付けられたと見られるいくつもの傷跡がありますが槍の攻撃を受けた事の示唆かもしれませんね。
若狭は槍と繋がりがあり、そして槍は香車の駒を表している。
若狭=浅香=香車=槍という方程式が完成することになり彼女がかつて浅香を名乗っていた可能性は極めて高くなります。
そしてこの方程式と共に勝又が登場している。
勝又はまだ数コマしか登場していない人物です。
その彼の登場回で必ず羽田か若狭のどちらかを匂わせる描写があるのは偶然と片付けるには無理があると思います。
◆勝又は娘に金銭的な支援をしていない◆
若狭は潤沢な資金を持っていますがその出処は現時点では不明です。
コナンの世界でも現実世界と同様、一流棋士は相当な収入があると語られています。
当然勝又も裕福な暮らしを送っているはずです。
ですが勝又が若狭の支援を行っていないと考えるべきある描写があります。
水菜は勉強会の為に借りているマンションの1室の賃料を、他の棋士達と5等分して支払っています。
つまり勝又は娘の水菜に金銭的な支援をしていない。
水菜「本当は父がこの勉強会みてくれたらよかったんですけど…自分の門下生達の面倒で手いっぱいらしくて…」
この台詞も勝又は自分の娘だからと甘やかさない人間という性格が強調されています。
このような勝又家の内側に迫る情報を出してきたのはやはり勝又が若狭の父親だからではないでしょうか。
そして若狭の資金は父からのものではないと水菜を通して読者にヒントを与えているのだと思います。
◆若狭には弟も存在する?◆
勝又の娘である水菜に関して確実に伏線になっていると考えられるのが水菜の身長の低さです。
低い身長を意識して作られたキャラクターなのは間違いありません。
そして若狭は身長が低いキャラクターではありません。
小柄であるという設定は水菜が大粒の涙を延々と流す等子供っぽい性格という事を強調する狙いもあるのかもしれませんが彼女は金銭面でも仕事面でも父に依存していないのでこの身長は彼女の内面の可視化という訳ではなさそう。
そして若狭、勝又、水菜が親子であるのならやはり目に関しては遺伝的要因があると考えた方が自然です。
「遺伝」と「低身長」で思い出されるのは安室が素顔で初登場したエピソード「ウェディングイブ 75巻」です。
安室「異性一卵性双生児の女性の方は、ターナー症候群で低身長になりやすいですから…」 75巻
このケースに繋がっていれば水菜には双子の兄か弟がいる事になります。
ここに記した考察が全て当たっていた場合、この男性の父は一流棋士、姉(若狭)は並外れた推理力と身体能力の持ち主、双子の姉妹(水菜)も頭がよくなければなれない女流棋士。優秀な人材である事は間違いないでしょう。
23歳の切れ者の男性が登場した場合若狭の弟の可能性があるので注目したいですね。
まあ水菜の低身長は別の障がいの可能性もあるので何とも言えないというのも正直なところ。
ですが「棋士連続事件」の冒頭ではこんな台詞があります。
光彦「ダブルH!サムライブルーでも大活躍って!!」
灰原「東京スピリッツの赤木英雄とビッグ大阪の比護隆佑の2人を…最近合わせて「ダブルH」って呼んでるのよ?」
この「ダブルH」は物語に全く必要無いやり取りという印象です。それでもこのワードを登場させたのは「ダブル」は水菜が双子であるという伏線なのかもしれません。
◆今後描かれるかもしれない事◆
私は若狭が勝又の娘である可能性はかなり濃厚と考えています。
この項目では若狭=勝又の娘で話を進めます。
若狭が偽名を名乗るのはアナグラムを通してRUMを威圧する狙いがあるのと同時にマスコミに顔を晒すだけでは効果が無い、つまり整形等で17年前と別の顔になっている可能性があります。
若狭が犯人を撃退したニュースは勝又に届いているのか、また届いているのなら彼女が自分の娘だと気付いているのかも気になります。
若狭は羽田に手鏡を貸渡したと考えられますがこれも父が棋士である事が影響しているのかもしれません。
まだ登場シーンの少ない勝又ですが棋士としても父親としても問題のある人物には見えません。
ですがその彼の娘が組織に入ったとすれば勝又と若狭は良好な親子関係ではなかったとも考えられます。
その辺りは考察材料があまりに少なすぎるので今後の情報を待つしかありませんね。
勝又が羽田の将棋の師匠であった場合彼は羽田を息子のように可愛がっていたのではないかと思います。
一流棋士の頭脳を駆使して勝又も独自に羽田の事件を調べているなんて事もありそう。
当然娘と羽田の関係性も熟知していた可能性があります。
若狭は羽田事件の実行犯ではないとは思いますが過去に何らかの犯罪に手を染めながら服役していない可能性が極めて高い人物。
勝又は娘に自首を促す役割を任されている重要なキャラクターなのかもしれません。
安室VS若狭!初対面にして衝撃の展開へ!
最新のエピソードである「牧場監禁事件」は若狭のメイン回であった事と物語の展開から彼女を考察する為の材料が非常に多いものでしたね。
RUM候補の1人、若狭と安室が初顔合わせとなりましたが若狭のミスから将棋の駒は安室の手に渡ってしまいます。
駒を取り戻す為に若狭の取った行動は多くの読者にとって想像外だったのではないでしょうか(笑)。
- 若狭≠RUMの可能性は更に濃厚に◆
- ◆ネットに記事をUPしているのは若狭◆
- ◆若狭は羽田殺害の実行犯ではない◆
- ◆羽田家の資産が目的ではない◆
- ◆若狭は羽田家と繋がっていない◆
- ◆若狭は安室の正体をリサーチ済み?◆
- ◆黒田はなぜ重大な情報を遮断するのか◆
- ◆「牧場監禁事件」は「名探偵コナン」の世界が凝縮されている
若狭≠RUMの可能性は更に濃厚に◆
表紙はボクと安室さん、そして若狭先生の3人!
— 江戸川コナン (@conan_file) 2020年4月28日
ボクたちはこの「牧場の難局」を切り抜けられるのか?シリーズ解決編!
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元々若狭をRUMとすると矛盾する点が多かったのですが今回のエピソードで若狭留美はRUMではない可能性は更に高まったと言えそうです。
理由は安室が若狭の存在を完全ノーマークだったことにあります。
安室は事件に巻き込まれた部下の風見の救出の為に牧場に来ていたわけですがコナンにはその理由をシリーズ1話目では打ち明けていません。
安室「それを知れば君達は首を突っ込んで来るだろう?」 FILE 1052
コナン達を巻き込みたくないという警察官としての信念からです。
そんな彼ですがかつてコナンからRUMと面識があるかと訊かれた時にこう答えています。
「どう答えたらいいか…悩むよ…」97巻
安室がRUMと面識がないのであれば「ない」と素直に答えた方がコナンを危険に巻き込むリスクが減ります。
やはり彼はRUMと面識があると考えた方が妥当でしょう。
その彼が若狭の存在は把握していませんでした。
安室と面識がない時点で若狭はRUMではない。
今回のエピソードでRUMは黒田か脇田の2択になったと言えそうです。
RUM編の大きな展開ですね。
ただしRUMには影武者がいて安室が面識があるのは影武者のみという可能性も否定できないのですが(笑)。
◆ネットに記事をUPしているのは若狭◆
今回の事件ではネット上に羽田の事件の記事をUPしている人物は若狭と考えられる描写がありました。
コナン達が目を通したネット上の記事は安室が公安の研修の際に見ている資料と全く同じものです。
つまりこの記事をUPしているのは警察関係者かこの資料をハッキングできる人物に限られます。
注目すべきは将棋の駒。
安室が見ていた資料には将棋の駒がありましたがネット上にはその駒の画像はありません。
これは記事をUPしている人物にとって将棋の駒が極めてまずい情報だからです。
そしてこの駒は現在若狭の持ち物。
彼女はAPTX4869の投与者リストにも目が通せる人物で優れたハッキング能力を持っている可能性が高い。
自分に繋がるこの駒の情報を意図的に削除していると考えていいでしょう。
よってネット上に羽田の記事をUPしているのは若狭と言えそうですね。
削除しているのは順当にいけばRUMでしょうか。
◆若狭は羽田殺害の実行犯ではない◆
若狭がいつも持ち歩いている将棋の駒はかつて羽田浩司が御守りとして持っていたものと判明しました。
若狭のメイン回には「ラッキー」「強運」「幸運」というワードが確認できるので彼女も御守りとしてこの駒を持っていることになります。
そしてこの駒は事件後唯一紛失したものであり、遺族は「この駒の持ち主が犯人」と推測しています。
いかなる理由があろうと犯人が事件の証拠品を常に携帯するはずがないので若狭は羽田浩司殺害の実行犯ではないと考えた方が自然です。
ですが彼女は何か後ろ暗い過去があるのは違いないのでアマンダの殺害に関与している可能性は残ります。
◆羽田家の資産が目的ではない◆
17年前の事件後なくなったのは駒だけという事は当然現場から金目のものは奪われていないという事。
そして羽田家は資産家として現在も安泰です。
これらを踏まえると羽田の殺害の動機は羽田家の資産目的ではないと言えそうです。
公安が未解決事件として研修の材料にしたのもこれだけの資産を持つ人間が殺害されながら事件後金の流れに変化が起きなかったからでしょう。
ですが気になる点もあります。
コナン(羽田浩司は…大金持ちの御曹司だったってわけか…) 98巻
羽田家に潤沢な資金があるのは何らかの伏線となっていることは間違いありません。
そもそも羽田が残したダイイングメッセージの真相は「烏丸」。
巨額の富を持つ羽田が同じく潤沢な資産を持つ烏丸グループと交流があった等は十分考えられます。
◆若狭は羽田家と繋がっていない◆
羽田の遺族は「駒の持ち主が犯人である」と考えています。
そして若狭は羽田浩司と親しい間柄であったと推測できる描写が見られます。
また彼女の豊かな暮らしぶりを考えれば教員としての仕事以外に何か収入源や資産があるはずです。
これは息子と交流のあった若狭を気の毒に思った羽田家が彼女の生活を援助しているからとも考えましたが遺族の主張からはその可能性は低くなったと言えそうです。
いくら若狭が過去に罪を犯していようと彼女は非常に有能な人物です。
過去を煙に巻き、善人として羽田家を騙して堂々と駒を所持する方法はいくらでも思いつくはず。
遺族の主張から若狭は羽田家と繋がっていないと考えた方が自然な流れが生まれました。
では若狭の資金源は一体何なのか。
伏線から言うとこれだろうというのがあるのでまた別に記事にします。
◆若狭は安室の正体をリサーチ済み?◆
若狭は牧場へ向かうそのバス車内で安室と初めての対面となりましたが彼女が安室に向けた視線は明らかに探りを入れている状態。
注目すべきはこの時若狭の勘が働いたのか、それとも既に安室の正体を知っていたのかという点です。
若狭が公安の資料をハッキングしているという考察が正しければ彼女は公安警察である安室の情報も入手していても不思議ではありません。
若狭はバスの中で光彦に暴力行為を働いた男性を放置していますが代わりにその男性を制御したのは安室でした。
彼女が本来持っている能力を披露しなかったのは安室がどのような行動に出るかを観察する為でしょう。
彼女は安室が男性を制圧するコマ以前から彼がバスに乗っている事は把握していたはずです。
また若狭は安室から駒を奪い返す為に安室を真っ暗闇の地下室に閉じ込め気絶させるという驚きの行動にでました。
つまり若狭から見て安室は素直に駒を渡さない相手であり、また駒の持ち主が自分であると打ち明けるわけにいかないと判断している事になります。
いずれにせよ安室が警察やそれに近い職業と認識していなければこのようなリスキーな行動は避けるはず。
そしてこの作戦は地下室を出るのが安室が最後でなければ成功しないもの。
彼は警察ですから職業柄子供たちや危害を加えられた後輩が全員無事に地下室を脱出するのを見届けなければなりません。
若狭はそれを見越してていたわけです。
この事から若狭は安室の正体をある程度は掴めている、推測できていると考えられます。
彼女がバス車内で見せた射貫くような視線は既に若狭は安室の本名が降谷零でありバーボンの名で組織に潜入している公安であることを把握している
という伏線の可能性もありますね。
今後の流れですが安室はこの後未解決事件の重要な証拠品である駒の紛失に気付き、自分を気絶させた人物を追う事になります。
見落としがちですが安室から見て疑わしい人物は若狭だけではありません。小林先生も含まれています。
安室と小林先生は『ゼロの日常 3巻』で対面していますが今回のエピソードでなぜか小林先生は安室に初対面の挨拶をしています。
この謎の挨拶が今後の展開の伏線となっている可能性が高いと考えているので次に安室と小林先生が対面する話があれば要注目だと思います。
◆黒田はなぜ重大な情報を遮断するのか◆
今回の事件で安室は公安の資料でしか羽田の事件を知らなかった事が明らかとなりました。
ですが彼の上司である黒田はこの事件を調べています。
現在がRUM編であることを踏まえると調査している理由は羽田の事件にRUMが絡んでいるからと考えるべきでしょう。
そして彼は若狭の存在にも注目しています。これも羽田の事件と若狭には何かしらの関りがある事を把握しているはずです。
黒田「大事の前だ…」 96巻
ストレートに考えれば「大事」とはRUMの確保。
それならばなぜ黒田はRUMを捕らえる上で有益な情報であるはずの羽田の事件や若狭の存在を安室と共有していないのか。
私はこれまで黒田=RUMとして記事を綴っていますが彼への疑惑がまた深まりました。
◆「牧場監禁事件」は「名探偵コナン」の世界が凝縮されている
私はこの「牧場監禁事件」は今後も注視すべき非常に重要なエピソードの可能性があるのではないかと思います。
●カラスの話題=烏丸
●「俺が小1から」=若返り
●鳩山牧場=宮野厚司が勤務していた白鳩製薬
●研究と取材=組織の訪れた美國島
●「金にする」=組織は金の流れを牛耳る
●SF映画=CGクリエイターの板倉卓
●「穴から逃げた」=シェリーの脱走
●そっくりな外見の人物=ベルモットの変装術
「名探偵コナン」における重要なキーワードを連想させるものをこれでもかとばかりに散りばめています。
私は意図的だと感じました。今回のエピソードはラム編でありながら新章のスタートの一面があるのではないかとも考えています。
安室にピッキングを伝授したのは脇田?安室&脇田&梓に共通する利き手の謎
以前安室と梓の利き手が不明瞭なのには理由があり、それには脇田の存在が関係しているのではないかという考察を記事にしました。
コナンの世界では利き手は非常に重要な考察材料である事が知られています。
今回は更に踏み込んで安室、脇田、梓の利き手について考察します。
- ◆安室、脇田、梓の3人の利き手の謎◆
- ◆安室の利き手とは◆
- ◆脇田の利き手とは◆
- ◆梓の利き手とは◆
- ◆『ゼロの日常』に登場する犯人が両利きの謎◆
- ◆安室にピッキングや生き抜く術を伝授したのは脇田か◆
- ◆安室、脇田、梓の3人には繋がりがある◆
◆安室、脇田、梓の3人の利き手の謎◆
安室、梓は基本的に右利きですが時折左手を使用しています。
また脇田も右利きと考えられますがその一方、実は左手をよく使うキャラクターという伏線が確認できます。
この3人の利き手に関するシーンを抜粋し、そこからこの3人の関係性を考察します。
◆安室の利き手とは◆
安室は基本的に右利きです。
ですが彼は実は左手も非常によく使用しているのが分かります。
彼が左手を使用したシーンをいくつかピックアップしましょう。
●ボクシングの攻撃
●ポッドで飲み物を注ぐ
●トングを使う
●ボールを投げる
●スマホを投げる
●トランプのカードをひく
決定的なのは「スマホを投げる」。
『ゼロの日常』4巻「サバイバル教室」で地下室に閉じ込められた安室は僅かな隙間から外に向かって左手でスマホを投げています。
彼はこの時左手にそれなりに大きな傷を負っています。
ですがその後も安室はその負傷した左手でスマホを投げています。
これは確実に意図的な演出のはずです。安室は左手も非常によく使う人物でありそこに注目すべきというヒントだと思います。
安室「殺したい程憎んでいる男が…左利き(レフティ)なだけですから…」 90巻
有名な安室の台詞ですが実は彼も左手をよく使ってるんですよね(笑)。
この台詞が出てくるのはもしかすると彼自身左手を使うのは無自覚なのかもしれません。
またボクシングですが左手での攻撃は原作、スピンオフ、劇場版と一貫している為作品に関わっているスタッフ間でも共有されている情報でしょう。
安室のボクシングは独学ではないと思います。
独学であれば普通利き手での攻撃となるはずなので。
安室にはボクシングを教えた人物が存在しそうですね。
◆脇田の利き手とは◆
RUM候補の1人、脇田も左手をよく使う人物であるという伏線が張られています。
彼は「長野廃教会事件 97巻」でトランプのカードを引く時と扉を開ける時に左手を使っています。
確実に伏線となっているのが初登場「となりの江戸前推理ショー 92巻」のあるコマです。
脇田「犯人はもう…まな板の鯉…」
この時脇田の背景にはまな板の上で頭を右にしている鯉が描かれています。
通常魚の頭は左を向いて描かれます。例外なのが魚を捌く人物が左利きである場合です。
これは脇田が左手もよく使う人物という事を表しています。
そして彼がトランプのカードを引くシーンでは安室が同じように左手でカードを引いています。
作画ミスとは考え難いのでこれは安室と脇田には何らかの繋がりがあることを描写していると思います。
◆梓の利き手とは◆
梓も基本的には右利きですが安室同様トングを使うのは左手です。
また護身術を披露する際左手を突き出しています。
ケーキの生地の仕上がり具合を確認する為にスポンジに竹串を刺しましたがこれも左手です。
そして『ゼロの日常』1巻「特製カラスミパスタ」では梓が左手でトングを使用する横では左手でポッドから飲み物を注ぐ安室の姿が確認できます。
同じコマで2人とも左手を使っているのは伏線と捉えた方が自然でしょう。
実は安室はポアロ潜入以前に梓と出会っていて彼女の癖が移ったというのは考え難いです。
安室は非常に優秀な人物で記憶力も優れている。癖が移る程親しくした過去があるのなら梓の事を覚えているはずです。
出会っていたにしても安室は梓を認識していないレベルの接触しかなかったでしょう。
それでも左手を多用するのは安室と梓には共通する「何か」があるからと考えられます。
◆『ゼロの日常』に登場する犯人が両利きの謎◆
『ゼロの日常』には二度両利きの犯人が登場しています。
この作品はスピンオフですが青山先生が細部までチェックを入れています。
当然犯人の利き手は作画ミスではありません。何か理由が存在するはずです。
両利きの犯人の1人目は「逃げてください 3巻」2人目は「構わんよ 4巻」に登場します。
そして非常に不可解なのが「構わんよ」の犯人が左手にマイナスドライバーを握り周囲を威嚇するシーンです。
凶器がマイナスドライバーというのはちょっと不思議な点ですよね。
実はマイナスドライバーはピッキングに使われる道具として知られています。
そして安室はピッキングの能力がある事が分かっています。
安室「セキュリティ会社の知り合いがいましてね…内緒でコツを聞いた事があるんです…」 78巻
ピッキングに必要なマイナスドライバーを両利きの人物が持っていた。
これは安室にピッキングを伝授した人物が両利きという伏線だと思います。
またこの線が正しければ「逃げてください」の犯人が包丁を持っていたのは安室に料理を教えた人物もまた両利きという可能性も浮上します。
そしてこの2つの話に共通するのは安室が格闘技をしている扉絵という事。
安室はボクシングだけでなく柔道の技と考えられる方法で犯人を制圧しています。
これも彼に格闘術を教え込んだ人物が両利きであるという示唆なのかもしれません。
◆安室にピッキングや生き抜く術を伝授したのは脇田か◆
『ゼロの日常』に登場する両利きの犯人や格闘技の扉絵。
これらは安室には両利きの人物と親しかった過去があるという伏線だと思います。
ではこの人物は誰なのかというとやはり可能性が高いのが安室同様左手をよく使う人物という伏線の張られた脇田ではないかと思います。
脇田は寿司屋の板前ですから料理は当然上手い。安室に料理を教え込んでいても不思議はありません。
実際に安室は魚を自ら捌き調理しています。これは彼が料理において脇田に引けを取らない事を意味します。
脇田は若狭留美の名前に反応したり、推理力が高かったりと確実に一般人ではありません。
彼が正義か組織かはさておき一般人ではありませんからピッキングの能力を持っていてもおかしくはないですね。
今のところ武術の腕は未知数ですがこれも一般人でない以上何らかの格闘術を持ち合わせていても不思議ではありません。
ファンの間では脇田の容姿は「あしたのジョー」の丹下段平がモデルとされているのでボクシングを安室に伝授した可能性はありそうです。
両利きの伏線のある脇田が師匠なら安室の攻撃が左というのも説明ができます。
またRUM編は親の癖が子供に移るという特徴がありますが安室の口癖は「構わんよ」です。
私は当初この口調は安室の言葉としては少々違和感を覚えました。
この口癖「構わんよ」がタイトルに使われた回の犯人は先述の通り両利きであり、最後に安室にバナナの皮で左目を覆われていました。この事からこの人物は脇田を表していると考えています。
安室の「構わんよ」は脇田の口癖であり、それが親しくしていた安室にも移ったのではないでしょうか。
利き手の法則を考えると安室と脇田にはそれなりに強い結び付きがあるのではないかと思います。
◆安室、脇田、梓の3人には繋がりがある◆
利き手の法則が重要な意味を持つ作中で左手をよく使う人物であるこの3人。
安室は脇田と繋がりがある。
安室は梓と繋がりがある。
つまり安室、脇田、梓の3人には「何か」の繋がりがある可能性があります。
そうでなければこの3人に「右利きなのに左手も多用する」という設定を用いるはずはありません。
その「何か」がRUM編を紐解く鍵になると推測しています。
今後新たに若返った人物が登場か
喫茶ポアロのウェイトレス、榎本梓はコナンを疑っているのではないかという記事をお届けしました。
この「コナンを疑っている」は「彼は若返っているのではないか」を指しています。
この記事は彼女がコナンの存在を疑っているという前提となっています。
◆若返りにたどり着ける者の条件◆
作中で若返りが明らかとなっているのは計4人。
その4人とは主人公のコナン、元組織の一員である灰原、現役の組織の一員のベルモット、そして赤井3兄妹の母であり灰原の叔母に当たるメアリーです。
赤井は母のメアリーの若返りに勘づいている状態です。
赤井(この目で見るまでは…とても信じられんがな…)98巻
彼はコナン、灰原、ベルモットの若返りにたどり着いている人物。
その彼でさえ母の少女化の事実を完全には受け止めることができていません。
そもそもこの信じられないとはどのような感情からくるものなのでしょうか。
考えられるのは次の2パターン。
1・少女化の現象は目の当たりにするまでは受け入れられない
2・優秀な母が敵の罠に堕ちたことが想定外だった
メアリーは非常に優れた頭脳と戦闘能力に長けた人物です。
(信じられない)というモノローグは2の(あれだけ優秀な母が罠に陥る等とは信じられない)という解釈もできます。
ですがその赤井本人は作中きっての完璧キャラとして描かれています。
彼がどれほど優秀な人物かはボスから恐れられているという事からも明らかです。
ですが完璧なキャラクターとして描かれている彼でさえ現在は沖矢昴という架空の人物として生活を余儀なくされています。
その事実を踏まえれば有能な人物は失敗しないという分かり易いルールはこの作中には存在しないという事。
メアリーの若返りに関する情報源がいくら信憑性が高くとも若返りという現象は見聞きしただけでは信じることができない。
赤井の(信じられない)は母の少女化は肉眼で確かめなければ受け入れることができないという意味でしょう。
つまり若返りにたどり着ける者は若返りを目の当たりにした者だけという法則が存在している事になります。
平次や本堂瑛祐のように例外はありますが基本的にこのルールは過去から今に至るまでそれは一貫しています。
◆梓は誰の若返りを知っているのか◆
梓はコナンは何者かが若返った姿だと疑っている。
この仮説が正しいのなら彼女はコナン以外に若返った人物を知っているという事になります。
ではその人物とは一体誰なのでしょうか。
コナン以外に若返っている事が明らかとなっているのが灰原、ベルモット、メアリーの3人です。
梓とこの3人の人間関係について検証してみましょう。
1・灰原哀 宮野志保 シェリー
灰原は梓が勤務する喫茶ポアロに客として来店しています(57巻)。
ですが梓が彼女に注目している様子は一切見られません。
またポアロには大尉という野良猫(現在は梓の飼い猫)が餌をねだりに来ていましたが灰原はこの猫を「大ちゃん」と呼び、可愛がっていたのが分かります。
作中に描写はありませんが灰原は何度もポアロの前を訪れていたはずです。
梓の把握している若返りが灰原なら2人の人間関係はもっと濃く描かれるべき。
梓は灰原の若返りには気付いていないと考えるべきでしょう。
2・ベルモット クリス=ヴィンヤード シャロン=ヴィンヤード
「裏切りのステージ 90巻」でベルモットは梓に変装しています。
この時の変装の完成度は決して高くないことから両者に面識はないと考えられます。
ベルモットの若返りの秘密を知った結果コナンに対し疑念が生じたとは考えにくいですね。
私の考察上彼女の父親が組織を追っているので父親からベルモットの若返りに関する情報が彼女に渡っている可能性はあると考えています。
ですが繰り返しになりますが若返りにたどり着くのは実例を目の当たりにした者だけ。
父から話を聞いたというだけでは若返りの真相にはたどり着けません。
3・メアリー
梓は「仲の悪いガールズバンド 88巻~89巻」でメアリーの娘の真純と対面しています。
真純は母親似の顔立ちなので梓の知り得ている若返りがメアリーであれば真純にも何らかの反応を示すはずです。
ですがそれが無い。
よってメアリーの若返りにも気付けていない事になります。
つまり梓が目撃している若返りの実例はコナンとこの3人以外。
早い話が今後作中には新たに若返った人物が登場するという事。
実はこれは別に驚くべき話ではありません。
次の項目で羽田秀𠮷の例を見てみましょう。
◆羽田秀吉の知る若返りの実例とは◆
秀𠮷は初登場時からコナンを普通の少年とは思っていません。
彼は10年前に新一と面識があります。
だからと言って10年姿が変わらないから彼は年を取らない、若返っているという発想に至るわけがありません。
やはり彼はコナン以外に若返った人物を知っている事になります。
その秀𠮷は母メアリーの若返りを知りません。
また彼は灰原と面識がありますが彼女を注視していません。
ベルモットはというとその可能性も低そうです。
秀𠮷は作中屈指の推理力の持ち主。
ベルモットの不老を把握していたのなら彼女が千の顔を持つ魔女として悪事を働いている事にたどり着けるでしょう。それは高確率で母の少女化を防げたことを意味します。しかし彼はベルモットの罠から母を救う事ができませんでした。
この事から彼の把握している若返りの実例はコナン、灰原、ベルモット、メアリーの4人以外。
梓と秀𠮷は作中で明らかにされていない若返りの実例を知っている事になります。
ではこの若返っている人物とは誰なのか。
記事が完成次第UPします。
若狭≠RUMを暗示するダイイングメッセージとトンチ
この記事は若狭はRUMではなく浅香であるという前提となっています。
今回は現場に残された羽田浩司のダイイングメッセージと一休さん&トンチというキーワードから若狭のラム説を否定したいと思います。
◆若狭はかつて組織の一員だった◆
RUMは工藤新一の情報を欲していますが彼女は登場時からコナンの正体をおおよそ見定めた上で接触しています。
これはRUMの人物像と異なるものです。
若狭は殺人の前兆に勘付きながらもそれを放置。その上その場に少年探偵団を招くあたり、いい人とは言えません。
そして灰原は若狭から組織の気配を感じ取っています。
ではかつてNOCだったかというとその可能性は低そう。
というのも「裏切りのステージ 90巻」でベルモットとバーボンがASACAについて調べています。
少なくとも組織は浅香に強い関心を寄せている。過去から現在に至るまで徹底して浅香について調べたはずです。
若狭=浅香とすると彼女がNOCか否か程度は答えが出せていると見た方が自然に思います。
組織が過去にNOCとして認識しているのは赤井、本堂、スコッチの3人。浅香は含まれていません。
この事から若狭はかつて浅香を名乗り、組織に在籍していた可能性が高いと言えそうです。
◆羽田は若狭に向けてメッセージを残した◆
羽田のダイイングメッセージは加害者側が容易に気付けない形で残されました。
つまり加害者以外の人物に向けて残されているという事。
羽田は手鏡を使ってメッセージを残しました。
灰原「棋士なら身だしなみも気を遣ってただろうし…」89巻
真純「浅香があの手鏡を持ってる所を見た人がいて…浅香は女だって」90巻
この手鏡は恐らく浅香の持ち物。非常に女性的なデザインですから羽田にプレゼントしたとは考え難いので当日貸したでしょう。
若狭は羽田に外見を整えてほしかったのだと思います。
メッセージを残す上で使用されたのが小さなハサミというのもポイント。ハサミに「小さな」とつけるのは意味があるはず。
『ゼロの日常』4巻では安室が小さなハサミを使って自分の髪を散髪していました。
事件当日、羽田は小さなハサミで髪型を整えた(その予定だった)。
手鏡と小さなハサミはどちらも身だしなみを整える為のもの。
彼の外見に意見していた若狭ならこの2つを使って残されたダイイングメッセージにすぐに気付けるはずです。
そして優れた頭脳を持つ彼女ならその内容にまで簡単に到達できる。
羽田は若狭に気付いてほしくてこのメッセージを残している可能性が高いと思います。
彼は加害者に特定されないようにメッセージを作り上げた訳ですから若狭は羽田浩司を殺害した人物ではありません。
この場合羽田は若狭に対し強い信頼を寄せていたことになります。
若狭が将棋の駒を御守りとして持っていることから彼女も羽田への思いは今もなお強いはず。
若狭は設定上37歳。独身なのは確実でしょう。羽田がかつての恋人であり今も大切な存在だからこそ独り身を貫いているのかもしれませんね。
また当日若狭が羽田に身だしなみを整えるよう促したのだとするとこの日彼はアマンダ以外の人物とも会う予定があったのかもしれません。この人物こそRUMという考え方もできるかも。
◆「トンチ」は若狭と烏丸が敵対関係という伏線◆
脇田「こいつァトンチが…利いてるねぇ…」 92巻
このトンチとは若狭留美(WAKASA RUMI)の名前から複数の意味が確認できることを指しているはず。
※脇田は若狭の伝えたいメッセージを紐解いている事になり17年前の事件や組織についてかなりの情報量を持っていると考えられます。
そしてトンチと言えば一休さん。
実際に「若狭先生の自宅 92巻」の扉絵でコナンはお馴染みの一休さんのトンチを考えるポーズをしています。
話の内容もコナン達が一休さんの劇をするというものでした。
そして一休さんのトンチで非常に有名なのが
「このはしわたるべからず」ではないでしょうか。
「ではこの端をわたらなければいい」と橋の真ん中を堂々と渡った話です。
ここで思い出していただきたいのがベルモットのこの台詞。
「ボスは慎重居士…石橋を叩き過ぎて壊しちゃうタイプだから…」 67巻
ボスは橋を渡れない人物。とんちで見事に橋を渡りきった一休さんとは正反対です。
若狭に絡めてトンチと一休さんの話を出したのは彼女が橋を渡れる人物であり、烏丸とは対極の立場にあるという伏線だと考えています。
やはり彼女は烏丸の敵という立ち位置。
かつては組織の一員だったものの現在若狭は組織を敵視している人物と考えた方が合点がいくという感じです。
千間「死期が迫り業を煮やした烏丸が、見せしめのために学者達を一人ずつ館内で殺し始めた」 30巻
40年前の烏丸のこの行動は慎重居士とはかけ離れたもの。
見事に橋を渡る性格が示唆された若狭と橋を壊してしまう烏丸。
若狭は烏丸が現在の性格となったその原因までたどり着いている可能性もありそうです。
梓はコナンの正体にたどり着くのか
喫茶ポアロのウエイトレスで安室透の同僚である榎本梓(23)。
作中ではごく平凡な女性として描かれている彼女。
ですが私は彼女はRUM編における重要な存在ではないかという考察を複数の記事にしてきました。
今回は彼女が江戸川コナン=工藤新一という最大のシークレットにたどり着くのではないかという考察について綴ります。
- ◆85巻に描かれた意味深な1コマ◆
- ◆『純黒の悪夢』の奇妙なシーン◆
- ◆コナンの本名が新一だと推測できる場面に遭遇◆
- ◆梓は組織の一員ではない◆
- ◆過去の事件から見る梓の重要性◆
- ◆梓と烏丸は関連があるのか◆
- ◆梓はコナン以外の若返りの実例を知っている◆
◆85巻に描かれた意味深な1コマ◆
コナン「ウソつき…」安室「君に言われたくはないさ…」
バーボン編の終盤に描かれたポアロの中でのコナンと安室のやり取りです。
この時コナンと安室の背後に梓の姿が確認できます。
彼女は身を乗り出すように2人の会話を聞いているのが分かります。これは不自然な描写です。
先述の通りここはバーボン編のラスト。梓が今後のストーリーで重要な役を任されていないのであればコナンと安室の2人だけにした方が美しくまとまるはず。
梓は2人の会話を聞いていることは間違いありません。つまり彼女はコナンも安室も双方何らかの嘘をついていることをこの時点で把握できる状態にあると言えます。
◆『純黒の悪夢』の奇妙なシーン◆
劇場版『純黒の悪夢』にも非常に奇妙なシーンがあります。
梓の勤務するポアロにアガサ博士と少年探偵団が集まります。
アガサ博士はスマホのスピーカーをオンにし、この場にいないコナンと会話を始めます。すると梓は電話の相手がコナンと分かった途端仕事をしていた手を止めアガサ博士たちのいるテーブル席にぐっと近付くのです。
85巻のコナンと安室の会話を身を乗り出して聞いた事と重なる奇妙な行動です。
彼女はコナンの存在に強い関心を抱いていると考えられるシーンです。
◆コナンの本名が新一だと推測できる場面に遭遇◆
伊織無我「私は和田進一…医療関係者です…」コナン(和田…進一だと!?)
平次「何や…お前と同じ名前やんけ…」
梓「え?コナン君って…名前、コナンじゃないの!?」
コナン「ち、違うよ!「お前と」じゃなくて…「お前の好きな新一兄ちゃんと」って事だよ!」 93巻
伊織が偽名を使った際の一連のやり取りです。
コナンは梓の質問に対し否定したものの非常に慌てた表情でした。
また96巻で梓は安室とこんな会話を交わしています。
梓「コナン君ってホントに探偵みたいですね…」
安室「そうですよー…しかもかなり抜け目のない…探偵(プライベートアイ)…」
本当に梓がコナンの正体を疑っている場合コナン=新一にたどり着ける伏線のひとつになることは間違いありません。
◆梓は組織の一員ではない◆
榎本梓はコナンを疑っている。
この考察が正しい場合彼女は組織の一員という可能性が浮上します。
ですが結論から言うとその可能性はゼロ。彼女は灰原、安室から全く疑われていないからです。
まず灰原視点ですが「逃亡者 57巻」で組織の気配を感じ取れる灰原がポアロを訪れ梓が接客していた過去があります。
この時の灰原は非常ににこやかな表情。梓に対する警戒心は一切見られません。
また灰原はポアロに餌をねだりに来ていた猫の大尉(現在は梓の飼い猫)を可愛がっていたのがよく分かります。
作中に描写は無くとも灰原は梓とそれなりの回数会っていたはずです。もちろん灰原が彼女と会うのは組織の気配を感じていないからです。
また梓が組織の一員であれば何度も面識のある灰原がシェリーだと疑うことはできるはずです。
ですが彼女が灰原を注視している様子は一切ありません。
同僚である安室視点からも梓が組織の一員である可能性は消えると言えます。
彼は公安として潜入先の人物の調査は行っているはずです。その上で彼女に問題がないと判断している。
実際に彼の素顔を描いた公式スピンオフ『ゼロの日常』でも彼が梓を疑う様子は全く見られません。
よって梓が黒ずくめの組織の一員という可能性はゼロでしょう。
◆過去の事件から見る梓の重要性◆
かつて梓の兄杉人に殺人の容疑がかけられた「真犯人からの届け物 61巻~62巻」いう事件があります。
この事件は狩猟用のライフルが使われました。
小五郎「撃つんなら鳥でも撃ってろよ…」 61巻
この鳥はボスである烏丸=カラスを絡めているのかも。
組織の目的は金の流れを牛耳ることが明言されてます。
そこで犯人と被害者の名前を少々深読みしてみましょう。この事件の犯人の名前は川瀬透治で被害者は鳥平。
動機は会社の金で株を買いそれが被害者に知られてしまったから。
川瀬は為替と投資から取られた名前ですね。組織が目論む金の流れに通じます。そして被害者は鳥の漢字が入るのでカラスを意識しているのかもしれません。
また私がこの事件で非常に注目しているのが犯人から届けられた小包にかけられたりぼんを梓がハサミでカットするシーンです。
このりぼんは確実に手で解けるものです。ハサミは必要ありません。
りぼんの裏に犯人からのメッセージが添えられていたので読者にこの事件を解くヒントとしてりぼんを強調する必要はあったとは思いますがそれならりぼんを解く手元のアップで十分。
ですが彼女はわざわざ「ハサミ出しますね!」と高木刑事に伝えています。
そして彼女が犯人から呼び出された先は奥穂町。
実はコナンと沖矢が羽田浩司の残したダイイングメッセージからRUMの名前にたどり着いた「17年前と同じ現場」の舞台も奥穂町。17年前の羽田と同じく被害者がハサミを使ってダイイングメッセージを残した事件です。
青山先生もRUM編はかなり早い段階で構想があったと仄めかしてます。
また私の考察上ではありますが「真犯人からの届け物」の頃にはRUM編の伏線が複数張られています。
この時点では既にRUM編はある程度完成していたはずです。
「真犯人からの届け物」「17年前と同じ現場」。
どちらもハサミ、メッセージ、そして奥穂町が出てきます。
私はこの2つの事件は梓がRUM編に絡む伏線と考えています。
◆梓と烏丸は関連があるのか◆
梓の作る特製カラスミパスタはポアロの常連客から支持を集めているという設定があります。
私は以前からこのカラスミは烏丸と掛けていて彼女は烏丸と何らかの関りがある(いずれ関りを持つ)という伏線だと考えていました。
そして最近掲載された『ゼロの日常』で彼女の好物が母親の作る唐揚げだと判明。
唐揚げは一般的に鳥なのでやはりカラスに絡めたな、という印象です。
『ゼロの日常』ではメインキャラクターの1人でありながらプロフィールが一切更新されないという謎もあります。
やはり色々と勘繰りたくなるキャラクターですね(笑)。
◆梓はコナン以外の若返りの実例を知っている◆
榎本梓は江戸川コナンの正体にたどり着く。
この考察が正しければ彼女はコナン以外の人物の若返りを知っている事になります。
作中では例外はあるものの基本的に若返りにたどり着く人物は若返りの実例を目の当たりにした者とされているからです。
分かりやすい例が赤井。
ベルモット、灰原、コナンの正体に気付いている彼でさえ母親、メアリーが若返っている情報を得ていながら「この目で見るまでは信じられない」と考えています。
若返りは実例を知らなければたどり着けないという定説が強調された形と言えるでしょう。
本当に梓がコナンの正体を疑っている場合、やはり彼女はコナン以外に若返った人物を知っているという事になります。
私が推測している梓の知っている若返りの実例に関してはまた別に記事にします。
RUM編と日本刀の繋がりとは
RUM編は日本刀が重要なワードとなっていることにお気付きでしょうか。
今回はRUM編と日本刀の繋がりを記事にしました。
※2020年9月21日
◆「堆黒盆とRUM編」
◆「お酢入りの紅茶と日本刀」追記
◆RUM候補の3人は初エピソードで全員日本刀が絡められていた◆
RUM候補の3人、黒田兵衛、若狭留美、脇田兼則の初登場は以下の通り。
黒田…「県警の黒い闇」86巻~87巻
若狭…「新任教師の骸骨事件」91巻
脇田…「となりの江戸前推理ショー」92巻
実はこの3人、初登場時のエピソードで全員日本刀を絡めて描かれています。
まず黒田ですが初登場のエピソードでは被害者が日本刀で殺害されたため1ページ目から日本刀が描かれています。
次に若狭。彼女は強盗犯をトンボを振り回して撃退。
日本刀の中に槍も含まれますが天下三名槍の中に蜻蛉切が存在すること、加えてコナンも秀𠮷も香車を槍と語っていることから若狭=浅香とすると彼女がかつて名乗っていた槍は浅香を表していると言えます。
最後に脇田ですが兼則という日本刀が存在します。
また彼の初登場のエピソードの犯人の名前は「宗近」。
天下五剣の一つ、三日月宗近を意識したものです。
また97巻、脇田のメイン回である「長野雪山事件」、そして描きおろしイラストでもスペードのジャックが大々的に描かれています。スペードは剣の意味なのでこれは脇田を指しています。
このようにRUM候補の3人全員が日本刀と関りがあるというのは偶然ではないでしょう。
◆烏丸蓮耶の名も日本刀から?◆
黒ずくめの組織のボスが烏丸だと明らかになったのは95巻。
私はボスの烏丸蓮耶の名前も日本刀が由来ではないかと考えています。
小烏丸という名刀をご存知でしょうか。
大きなカラスの羽から出てきた太刀という伝承からこの名前が付けられた大変古い刀です。
その歴史から日本刀の父とも称されています。ボスの名の由来とすれば正に打ってつけ。
刀工は天国(あまくに)。ですがこの天国、大変謎が多く実在したかどうかさえ定かではありません。
ベルモット「ねぇ…答えてジン…天国ってあると思う?」 34巻
こじつけになりそうですがジンに送信したメールのベルモットの言う天国(てんごく)は天国(あまくに)と掛けているのかもしれません。存在が不確かという意味で。
とは言えベルモットはコナン(新一)と蘭を「この世でたった2つの宝物」と称しています。つまり彼女の中にはあの世=天国の方程式があり、天国の存在を肯定しているとも考えられますね。
話を刀に戻しますが烏丸の名前が作中に初めて登場したのが30巻「集められた名探偵」。
ここで私が気になっているのが「烏丸の集めていた名刀や宝剣で殺し合いが始まり…」という内容。
これはこの事件の犯人の作り話ですが大富豪である烏丸は多種多様なコレクションがあったはずです。
高価な壺や燭台で撲殺したという設定を交えてもよかったはずです。
それなのになぜ刀の話題しか出てこないのか。
実際に殺しあう凶器として描かれていたのは刀だけ。ちなみに壺を抱えている人間も描かれていますがそれを凶器としている様子は確認できません。
これらの事からもやはりボスの名前は日本刀が由来と考えてもよさそうです。
青山先生は侍が大好きでコナン以前の作品でも刀をメインに取り上げていることからコナンにおいても日本刀を意識している可能性は十分有り得ます。
本当にボスの名前が日本刀に由来している場合、ボスの側近であり組織内でも相当な権力を持つRUMも後付けではあるかもしれませんが刀を意識したキャラクター設定となっていても不思議ではありません。
◆スコッチの本名も日本刀が由来の可能性◆
スコッチの本名は諸伏景光(ヒロミツ)ですが景光(カゲミツ)という名前の日本刀も存在します。
彼は幼馴染で親友の安室を「ゼロ」と呼んでいました。それに合わせて「ヒロ」という名前が誕生したのは理解できます。
ですがこの漢字で「ヒロミツ」と読むのは一般的ではありません。
これは彼の名前を烏丸やラム編の主要キャスト同様、日本刀に絡める狙いがあったからではないかと推測しています。
というのも以前記事にしましたがスコッチの自決は本当に謎が多いのです。
■スコッチはFBIと打ち明ける前のライと話をしていた
■自決のための拳銃を用意していなかった
■ライはスコッチに自決以外の何かを「諦めろ」と諭しているがこの内容が明らかにされていない
また私の考察が正しければスコッチが最期を迎えたのは恐らくイギリス。
つい最近務武がMI6と判明したりメアリーが毒を飲まされたのがロンドンという回想があったりとイギリスはRUM編と関わりのある場所です。
RUM候補3人全員が日本刀を絡めて描かれている上、多くの謎を残し自決したスコッチとも同じ名前の日本刀が存在する。
私は日本刀繋がりでスコッチはRUMと関りのあった人物なのかもしれないとも考えています。
◆堆黒盆とRUM編
97巻から98巻にかけて収録された「堆黒盆事件」もRUM編と日本刀の関わりを暗示させる事件です。
容疑者の3人はそれぞれRUM候補をイメージした外見です。
また犯人が一撃で被害者を仕留めなかったのも羽田浩司の事件を彷彿とさせます。
盆には鶴の柄がありましたがこれは烏と対極。
さらに被害者は片目を閉じた状態で最期を迎えています。
これはあからさまに隻眼のRUMを意識していますね。
そして羽田事件直後の赤井ファミリーの様子も確認できるのも大きなポイントです。
このように「堆黒盆事件」はRUM編を強く意識したエピソードである事が分かります。
そしてこの事件で凶器として使用されたのが槍でした。
RUM編と日本刀の繋がりはこの事件でも示唆されているんです。
◆お酢入りの紅茶と日本刀
85巻File5でアガサ博士の出したクイズの謎が解けなかった少年探偵団が沖矢に助言を求めるシーンがありました。
そのクイズとは4つの紅茶のうち3つにお酢を入れ残りのお酢が入っていない紅茶を当てるというもの。
実は紅茶に酢を混ぜるのは刃物の黒サビ加工に使用される技法。
ごく普通の家庭でもできる一般的な手段なんです。
これは刃物の黒サビ=組織を表していると考えられます。
そしてこのお酢入りの紅茶と同時にRUMの名前が初登場した事からこのクイズはRUM編を紐解くヒントの役割を果たしているはずです。
そのヒントというのが次の通り。
脇田の初登場回では脇田本人、コナン、客の口から「サビ抜き」のワードが強調されてました。
若狭のメイン回では二度にわたり「サビがはがれた跡が真新しい」というコナンのモノローグがありました。
これは脇田は「サビ抜き」=組織の人間ではない。
若狭は「サビがはがれて真新しい」=元組織と解釈できます。
サビがRUM候補それぞれの立場を表しているんです。
RUM編は日本刀と深く絡めて作られたエピソードである事は間違いありません。
日本刀やサビというワードが登場した場合伏線の可能性があるので要チェックだと思います。
▼RUM編と日本刀に関する考察動画はこちら
▼スコッチの謎めいた自決についての詳細記事はこちら。
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